【働き方改革】働き方改革関連法をおさらいしてみよう(1)

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働き方改革関連法が成立しました。

残業規制や年次有給休暇の付与義務、高度プロフェッショナル制度の創設などが盛り込まれています。

簡単にいくつかの概要を確認してみましょう。

1.長時間労働の是正など労働時間規制の見直し

長時間労働を是正するため、時間外労働の上限が設定されます。

原則として月45時間、年間で360時間が上限です。ただし、どうしても繁忙期などで残業をせざるを得ない場合には、年720時間以下であれば認められます。なお、この場合でも月45時間を超えるのは年間で6回までとなります。加えて、単月では100時間未満、2~6カ月平均で月80時間以下という制限も課せられます。

ポイントは、単月では100時間未満、2~6カ月平均で月80時間以下をカウントする際には、休日労働の時間を含むということです。

これは過労死基準からきている数字なので、休日労働をカウントしなければ意味がなくなるからです。

2.使用者の年次有給休暇付与義務

年休の取得は労働者の権利でしたが、今後は使用者に年休の付与義務が課されます。

使用者は、10日以上の年次有給休暇を持つ労働者に対し、毎年5日、時季を指定して年休を付与しなければなりません。なお、労働者が時季指定して休んだ日や、計画年休により消化された分を5日に含めることは構いません。

3.中小企業における割増賃金率の引き上げ猶予措置の廃止

現在、月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率は50%となっています。ただし、中小企業においては猶予されています。今回の改正により猶予措置がなくなりますので、2023年からは50%の割増率となります。

4.労働時間の適正把握義務

労働時間の状況を、労働安全衛生規則に定める客観的な方法その他適切な方法により把握しなければならないことが労働安全衛生法に明記されます。

これは健康管理のための措置であることから、労働基準法ではなく労働安全衛生法に定められることになりました。

労働安全衛生規則に定める客観的な方法等は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を参考にして定められる予定です。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

なお、対象は管理監督者を含むすべての労働者となります。

5.フレックスタイム制の見直し

フレックスタイム制の清算期間の上限が、1カ月から3カ月となります。

ただし、1カ月の中で1週間あたりの平均労働時間が50時間を超えた場合には、当該月分として割増賃金の支払いが必要です。

 

今回の改正は、長時間労働の是正、過重労働の防止という趣旨が強く反映されたものとなっています。

中小企業であれば施行まで若干の余裕がありますが、事業場の実態をまずは把握し、施行後の法律に反する状況がある場合には、早め目に対策を考えて改善を図りましょう。

次回、【働き方改革】働き方改革関連法案をおさらいしてみよう(2)に続きます。




角村俊一

社会保険労務士/介護福祉経営士/認知症サポーター/2018年度・17年度「介護労働者雇用管理責任者講習」講師/2017年度「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」サポーター/2018年度「埼玉働き方改革推進支援センター」アドバイザー ほか