進む「育児・介護と仕事の両立」支援~育児休業と介護休業

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少子高齢化が進み、育児や介護と仕事の両立支援に対する関心が高まっています。

晩婚化・晩産化を背景に、育児と介護を同時に行う、いわゆるダブルケアの問題も指摘されるようになりました。育児や介護と仕事の両立支援は大きな社会的課題であり、育児休業や介護休業などについて定めた育児・介護休業法は、近年改正を重ねています。

今回は、育児休業と介護休業についてみてみましょう。

夫は外で働き、妻は家庭を守るべき?

共働き世帯が増えています。

男性が外で働き、女性が家を守るという価値観は、もはや一般的なものではなくなりました。

内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」(平成28年9月)によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、「賛成」とする者の割合が40.6%、「反対」とする者の割合が54.3%となっています。

ワークライフバランスの浸透や男女共同参画の進展などを背景に、性別に関係なく、誰もが育児や介護と仕事の両立を行うことができる環境整備を求める声は、今後、ますます高まることと思われます。




最近の動きは?

育児や介護と仕事の両立を支援する制度として、育児休業や介護休業などがあります。

これらを規定した育児・介護休業法は、両立支援を求める声に対応して、近年改正を重ねています。例えば、育児休業の期間は最長で子が2歳までとなり、介護休業は分割して取得できるようになりました

また、休業中の所得保障である給付金も拡充されています

一般に、休業中は給与の支払いはありませんが、その間、雇用保険から育児休業給付金や介護休業給付金が支給されます。その金額が、近年引き上げられています。

育児休業とは

育児休業は、労働者が子を養育するための休業です。

育児休業の申出は、それにより一定期間労働者の労務提供義務を消滅させる効果のある意思表示ですから、会社は、要件を満たした労働者からの育児休業の申し出を拒むことはできません。

「子」というのは、法律上の親子関係がある「子」であれば、実子、養子を問いません。もちろん父親、母親のいずれでも育児休業をすることができます。

育児休業をすることができるのは、原則として、子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間になります。

ただし、子が保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合には、子が1歳6か月に達するまで、子が1歳6か月に達する時点でも保育所に入所できない等、1歳6か月を超えても休業が特に必要と認められる場合には、子が2歳に達する日まで休業できます

休業中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。

育児休業給付金の支給額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として、休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額となっています(上限額あり)。

介護休業とは

介護休業は、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族を介護するための休業です。

対象家族の範囲は、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母となります。

介護休業をすることができるのは、対象家族1人につき3回まで、通算して93日間です。

休業中は、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。

介護休業給付金の支給額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として、休業開始時賃金日額×支給日数の67%相当額となっています(上限額あり)。

このほかにも、子の看護休暇や介護休暇など、育児や介護と仕事の両立を支援する制度があります。

子の看護休暇とは、負傷し、又は疾病にかかった子の世話又は疾病の予防を図るために必要な 世話を行う労働者に対し与えられる休暇です。子どもが病気やけがの際に休暇を取得しやすくし、子育てをしなが ら働き続けることができるようにするための権利として子の看護休暇が位置づけられています。

介護休暇とは、要介護状態にある対象家族の介護や世話を行う労働者に対し与えられる休暇です。要介護状態 にある家族の介護や世話のための休暇を取得しやすくし、介護をしながら働き続けることができ るようにするための権利として介護休暇が位置づけられています。

働き方に制約がある労働者が働きやすい職場環境づくりのため、育児介護休業規程をしっかりと整備しておきましょう。




角村俊一

社会保険労務士/介護福祉経営士/介護職員初任者研修修了/2018年度・17年度「介護労働者雇用管理責任者講習」講師/2017年度「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」サポーター/2018年度「埼玉働き方改革推進支援センター」アドバイザー ほか