公的年金の役割ってなに?

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老後の生活資金である公的年金。

少子高齢化の進展に伴い、年金制度に対する不安を耳にすることはありますが、我々の老後の生活を支える制度であることは間違いありません。

加えて、公的年金には障害を負った場合に生活を支えてくれる機能や、万が一の時に遺族の生活を支えてくれる機能があるなど、現役時代における保険事故にも対応しています。

今回は、公的年金の役割についてみてみましょう。

年金における保険事故

公的年金が想定している保険事故は、「老齢・障害・死亡」の3つです。

国民年金法では、「老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し」としていますし、厚生年金保険法では、「労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する」となっています。

つまり、公的年金とは、「老齢・障害・死亡」という保険事故によって、本人や遺族が生活するだけの収入を得ることが難しくなったときに、年金という保険給付で経済的に支えてくれる制度であるといえます。

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2階立ての年金制度

我が国の年金制度は2階建てとなっています。

保険事故が起きた場合、自営業者などは国民年金からの保険給付を、会社員や公務員などは、国民年金に加えて厚生年金からの保険給付も受けられます。

老齢年金

老齢という保険事故は、65歳を意味します。つまり、65歳になると保険給付が受けられるということです。

老後の生活を夫婦という単位で考えた場合、共働きであればともに2階建ての給付を受けられます。

一方、夫が自営業者で妻が働いてないような場合には、夫婦ともに老齢基礎年金だけになります。夫婦ともに老齢基礎年金だけになるような場合には、特に早い段階から老後の生活設計を考える必要があるといえます。

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障害年金と遺族年金

けがや病気などが原因で一定の障害を負った場合には障害年金が支給されます。

自営業者であれば1階部分のみ、会社員などであれば1階部分+2階部分となります。

1階部分の障害基礎年金は定額となります。

2階部分の障害厚生年金は給料・賞与の額や、働いていた期間などに応じて計算されますが、入社してまもなく障害を負ったときなど、働いていた期間が300月(25年)未満の場合には、300月とみなして計算してくれます。

遺族年金は、一定の要件を満たした遺族が受給できます。

遺族年金の特徴の1つとして、1階部分の遺族基礎年金よりも2階部分の遺族厚生年金の方が遺族の範囲が広いことが挙げられます。

例えば、子のない妻の場合、夫が自営業者であれば遺族年金を受給することはありませんが、夫が会社員であれば、遺族厚生年金を受給できる可能性があります。

公的年金は、「老齢・障害・死亡」という保険事故に備えた保険です

しかし、その保険給付は職業や働き方などにより異なるので、老後の生活設計や、生命保険への加入を考える際などには、それぞれの事情に応じた検討が必要となります。

特に、2階部分からの給付がない自営業者の場合には、自助努力でリスクに備えなければならない部分が大きいので、しっかりと対策を考えたいものです。




角村俊一

社会保険労務士/介護福祉経営士/認知症サポーター/2018年度・17年度「介護労働者雇用管理責任者講習」講師/2017年度「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」サポーター/2018年度「埼玉働き方改革推進支援センター」アドバイザー ほか