介護事故検証AIジョブ 運用マニュアル
作成日：2026-05-04

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1. このプロジェクトの目的
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このプロジェクトは、介護施設で発生した事故について、Codexを使って以下を整理するためのものです。

・事故原因候補
・再発防止策、改善案候補
・不足情報
・使用した資料と根拠
・人間が確認すべきポイント

このシステムは、事故原因を確定するものではありません。
AIの出力は、事故委員会、フロア会議、管理者確認などで使うための検討材料です。
最終判断は必ず人間が行います。

また、この出力は事故報告書や家族説明文として丸ごとコピペする用途ではありません。
人間が内容を理解し、必要に応じて修正・確認して使ってください。


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2. 対象となる事故
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対象は、介護施設で発生しうる事故全般です。

例：
・転倒
・転落
・服薬事故
・表皮剥離
・皮下出血
・誤嚥
・窒息
・誤嚥性肺炎疑い
・入浴事故
・離設
・所在不明
・異食
・介助中の外傷
・福祉用具関連事故
・体調急変に関連する事故
・ヒヤリハットから事故化したケース

対象外：
・家族からのクレーム対応
・苦情処理そのもの
・接遇トラブルのみ
・行政提出文書の完成版作成
・家族説明文の完成版作成


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3. フォルダ構成
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基本構成は以下です。

project_root/
├─ AGENTS.md
├─ README.md
├─ jobs/
│  └─ accident_analysis_job.yaml
├─ prompts/
├─ roles/
├─ checklists/
├─ templates/
└─ cases/
   └─ sample_case/
      ├─ incident_input.md
      ├─ source_files/
      └─ outputs/

主な役割：

AGENTS.md
・プロジェクト全体の最上位ルールです。
・Codexが最初に読む共通指示です。
・細かい工程や役割定義は、prompts/ や roles/ に分けています。

jobs/accident_analysis_job.yaml
・処理順を定義するジョブファイルです。
・どのプロンプトをどの順番で使うかを示します。

templates/incident_input.md
・人間が記入する事故情報フォーマットです。
・新しい事故ケースを作るときは、これをコピーして使います。

cases/sample_case/
・サンプル用の事故ケースフォルダです。
・実運用では sample_case をコピーして、事故ごとに別フォルダを作ります。

source_files/
・写真、見取り図、介護記録、看護記録、眠りスキャン、薬剤情報、ヒヤリハット、同意書類などを置く場所です。

outputs/
・AIの分析結果が txt ファイルで出力される場所です。


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4. 新しい事故ケースを作る手順
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手順1：ケースフォルダを作る

cases/ の中に、事故ごとのフォルダを作ります。

例：
cases/case_2026_0504_fall_A/
cases/case_2026_0504_medication_B/

フォルダ名は、あとで見返して分かる名前にしてください。
個人名は入れないでください。


手順2：incident_input.md をコピーする

templates/incident_input.md を、新しく作ったケースフォルダにコピーします。

例：
templates/incident_input.md
↓
cases/case_2026_0504_fall_A/incident_input.md


手順3：source_files/ と outputs/ を作る

ケースフォルダの中に以下を作ります。

cases/case_2026_0504_fall_A/
├─ incident_input.md
├─ source_files/
└─ outputs/


手順4：incident_input.md に必須情報を記入する

人間が、事故の基本情報を記入します。

重要：
・空欄があると分析停止になります。
・分からない場合は空欄にせず「不明」と書いてください。
・個人名は使わず、利用者A、職員B、看護師Cのように匿名化してください。


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5. incident_input.md の記入ルール
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incident_input.md は、AIが事故分析を始めるための土台です。

必須項目は以下です。

1. 事故の基本情報
・事故種別
・事故発生日
・発見時刻
・発見場所
・最終確認時刻
・最終確認時の状態

2. 利用者の基本情報
・匿名ID
・既往歴
・普段のADL
・認知機能、理解力
・普段の介助状況
・普段との違い

3. 発生直前の状況
・事故前に本人がしていたこと
・直前の介助内容
・本人は単独行動だったか、介助中だったか
・事故直前に気になる言動、様子はあったか

4. 発見時の様子
・発見時の姿勢、状態
・発見時の位置関係
・外傷、痛み、出血の有無
・意識状態、呼吸状態
・本人の発言

5. 発見後の対応
・初期対応
・報告、連絡
・受診、搬送の有無
・事故後の状態変化

6. その時間帯の現場状況
・職員配置
・職員がその時にしていた業務
・業務の重なり、人手不足の有無
・見守りできる状況だったか
・申し送り、情報共有の状況

7. 環境、物品情報
・周囲の環境
・使用していた福祉用具
・物品の位置

8. 補足情報
・記録者が気になっている点
・断定できないこと、不明なこと
・その他


記入時の注意：

・推測と事実をできるだけ分けて書いてください。
・「たぶん」「おそらく」は推測として書いてください。
・分からないことは「不明」と書いてください。
・空欄のままにしないでください。
・氏名、施設名、家族名などは書かないでください。
・写真や記録があるかどうかを incident_input.md に書く必要はありません。


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6. 任意資料の扱い
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写真、見取り図、介護記録、看護記録、眠りスキャン、薬剤情報などは、incident_input.md に「あり／なし」を書きません。

AIが source_files/ の中身を見て、自動で判断します。

source_files/ に入れる可能性がある資料：

・発見時写真
・現場写真
・見取り図
・介護記録
・看護記録
・眠りスキャン
・離床センサー情報
・ADL表
・アセスメント
・薬剤情報
・ヒヤリハット記録
・ケアプラン
・勤務表
・業務分担表
・家族説明記録
・同意書類
・リスク説明書
・QOL尊重に関する同意書
・転倒事故一部容認書
・カンファレンス記録
・その他関連資料

重要：
・任意資料は、あるものだけ置いてください。
・人間が「これは使う」「これは使わない」と選びすぎないようにします。
・AIがファイル一覧を確認し、使う資料、補助資料、使わない資料を分類します。


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7. 写真・見取り図の注意
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写真を入れる場合：

・顔はモザイク処理してください。
・氏名、施設名、他利用者が写る部分も隠してください。
・事故と関係する範囲だけ残してください。
・写真だけで原因を断定させない設計になっています。

転倒・転落事故では、写真や見取り図が特に有用です。

確認しやすくなる情報：
・発見場所
・本人の位置
・ベッド、車椅子、椅子、トイレ、手すりとの位置関係
・倒れていた向き
・床の状態
・段差、コード、マット、物品の有無
・履物の位置
・ナースコールやセンサーの位置
・照明や死角
・職員が見守れる位置だったか

写真がない場合は、文章や簡単な見取り図で補ってください。


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8. 同意書・リスク説明書類の扱い
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以下のような資料がある場合は、source_files/ に入れてください。

例：
・転倒事故一部容認書
・転倒リスク説明書
・QOL尊重に関する同意書
・身体拘束を行わない方針の説明書
・家族説明記録
・ケア方針確認書
・カンファレンス記録

重要：
これらの書類があるからといって、
「施設に問題なし」
「事故は仕方ない」
「再発防止策は不要」
とは判断しません。

AIは以下を見るために使います。

・事故リスクが事前に把握されていたか
・本人、家族にどのような説明がされていたか
・QOL尊重や身体拘束回避の方針があったか
・その方針に対して現場でどんな対策が実施されていたか
・書類の内容と実際のケアにズレがないか
・書類を理由に必要な事故予防策が省略されていないか


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9. 処理の流れ
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YAMLジョブでは、以下の順番で処理する想定です。

1. incident_input.md を読む
2. 必須情報チェックを行う
3. 空欄があれば分析停止
4. source_files/ 内のファイル一覧を確認する
5. 資料を自動分類する
6. 事実整理をする
7. 事故種別を自動判定する
8. チェックリストを自動選択する
9. 参加役割を自動選択する
10. 多職種議論を制御する
11. 発言前ガードで不適切発言を弾く
12. 事故原因候補を最大5個出す
13. 改善案候補を最大5個出す
14. 原因候補と改善案に根拠を紐づける
15. 候補を順位付けする
16. 改善案の実行可能性を確認する
17. 最終レポートを作る
18. 品質レビューを行う
19. outputs/ に txt で保存する


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10. 必須情報不足時の動作
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incident_input.md に空欄がある場合、分析は停止します。

ただし、「不明」と書かれている場合は空欄ではありません。
その場合は分析を進めますが、不足情報として扱います。

例：

発見時刻：
-

この場合は空欄なので停止対象です。

発見時刻：
不明

この場合は分析を進めます。
ただし、発見時刻は不足情報として扱われます。


停止時に出る内容：
・判定結果：stop
・空欄項目
・不明と記載されている項目
・停止理由
・人間が追記すべき内容


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11. 役割の自動選択
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全員が常に参加するわけではありません。

常時参加：
・介護士役
・介護主任役
・司会／制御役
・発言評価役

条件付き参加：
・看護師役
・PT役
・医師役
・ケアマネ役
・薬剤師役
・栄養士役
・管理者役

例：

転倒・転落事故：
・介護士
・介護主任
・PT
・看護師
が参加しやすいです。

誤嚥・窒息：
・介護士
・介護主任
・看護師
・栄養士
が参加しやすいです。

服薬事故：
・介護士
・介護主任
・看護師
・薬剤師
が参加しやすいです。

ただし、事故種別だけで固定しません。
資料内容や事実整理から、必要な役割をAIが自動選択します。


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12. 多職種議論のルール
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全員ターン制にはしません。

発言する条件：
・自分の専門領域に関係する
・事故原因や対策に影響する可能性がある
・他の役割がまだ拾っていない
・根拠がある
・現在のフェーズに合っている

発言しない条件：
・事故分析と関係が薄い
・他の役割がすでに言っている
・根拠がない
・役割外の判断になる
・雑談になる

司会役は、毎回誰かに話を振る役ではありません。
不足視点があるとき、議論が止まったとき、個人責任に偏ったときだけ介入します。


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13. 発言前ガード
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各役割の発言は、ログに残す前に評価します。

判定：
・pass
・retry
・reject

reject される発言：
・雑談
・事故分析と無関係
・役割外の断定
・根拠なし断定
・既出内容の繰り返し
・個人責任への偏り
・精神論の改善策
・医療診断の断定
・薬剤影響の根拠なし断定
・写真だけで原因を断定

例：
介護士役が「今日飲みに行きません？」と出した場合は reject です。
議論ログには残しません。


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14. 出力ファイル
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分析結果は、ケースごとの outputs/ に txt で出力します。

出力ファイル：

01_required_info_check.txt
・必須情報チェック結果
・空欄があれば分析停止理由を出す

02_file_inventory.txt
・source_files/ 内のファイル一覧
・資料種別の仮分類
・使用、不使用の判断

03_fact_summary.txt
・確認できた事実
・記録内容
・写真、図から読めること
・推測
・不足情報

04_incident_type.txt
・人間指定の事故種別
・AI判定の主分類、副分類
・信頼度
・警告

05_selected_checklists.txt
・自動選択されたチェックリスト
・選択理由

06_selected_roles.txt
・参加する役割
・除外する役割
・追加参加の条件

07_role_discussion.txt
・発言前ガードを通過した有効発言ログ

08_cause_candidates.txt
・事故原因候補 最大5個
・各候補の根拠、関連資料、確からしさ

09_countermeasures.txt
・改善案候補 最大5個
・各改善案の実行者、タイミング、具体的行動、現場負担、効果見込み

10_evidence_map.txt
・原因候補、改善案、根拠資料の対応表

11_ranked_candidates.txt
・原因候補と改善案の優先順位
・根拠の強さ、効果、実行可能性で評価

12_feasibility_check.txt
・改善案の実行可能性チェック
・精神論や実行不能な対策を検出

13_final_report.txt
・人間が読む最終レポート
・事故概要
・確認事実
・使用資料
・不足情報
・原因候補5個
・改善案5個
・断定できないこと
・人間が確認すべき点

14_quality_review.txt
・最終品質チェック結果
・根拠なし断定、個人責任への偏り、水増し候補、精神論対策がないか確認


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15. 最終レポートの見方
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13_final_report.txt は、最も重要な出力です。

ただし、丸ごと事故報告書として提出するものではありません。
人間が理解し、確認し、必要に応じて修正して使う資料です。

確認するポイント：

・原因候補に根拠があるか
・改善案が具体的か
・原因と改善案が対応しているか
・「注意する」「徹底する」で終わっていないか
・現場で本当に実行できるか
・不足情報が明記されているか
・断定しすぎていないか
・個人責任に寄りすぎていないか


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16. 原因候補と改善案のルール
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原因候補：
・最大5個出します。
・根拠が足りない場合は無理に水増ししません。
・根拠が弱いものは参考候補として扱います。
・同じ内容の言い換えで5個に増やしません。

改善案：
・最大5個出します。
・原因候補に対応させます。
・誰が、いつ、何を、どう変えるかまで書きます。
・現場負担、効果見込み、副作用、継続確認方法も書きます。

禁止される改善案：
・注意する
・徹底する
・意識する
・気をつける
・見守り強化
・声かけ強化
・確認を増やす

ただし、具体化されていれば使えます。

悪い例：
見守りを強化する。

良い例：
夕食後30分以内に対象者Aのトイレ希望を確認し、夜勤開始時の申し送り項目に追加する。


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17. 品質レビューの見方
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14_quality_review.txt では、最終出力の品質を確認します。

判定：
・pass
・needs_revision
・fail

pass：
・大きな問題なし。
・人間が確認したうえで検討材料として使えます。

needs_revision：
・一部修正が必要です。
・final_report.txt をそのまま使わず、指摘箇所を確認してください。

fail：
・重大な問題があります。
・根拠なし断定、必須情報不足、精神論対策などが含まれている可能性があります。
・再実行または入力情報の見直しが必要です。


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18. よくある失敗と対策
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失敗1：空欄のまま実行してしまう

対策：
・分からない場合は「不明」と書く。
・空欄は残さない。


失敗2：写真や記録の有無を incident_input.md に書こうとする

対策：
・任意資料の有無は書かない。
・source_files/ にファイルを置く。


失敗3：個人名を入れてしまう

対策：
・利用者A、職員B、看護師Cのように匿名化する。


失敗4：AIの最終出力をそのまま使う

対策：
・必ず人間が確認する。
・事故報告書や家族説明文として丸ごと使わない。


失敗5：改善案が精神論になっている

対策：
・誰が、いつ、何を、どう変えるかを確認する。
・「徹底する」「注意する」だけなら修正する。


失敗6：同意書があるから事故は仕方ないと判断してしまう

対策：
・同意書は免責資料ではない。
・リスク共有と予防策の妥当性を確認する資料として扱う。


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19. 運用時の基本チェックリスト
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実行前チェック：

□ 事故ケース用フォルダを作った
□ incident_input.md を配置した
□ 必須項目をすべて記入した
□ 不明な項目は「不明」と書いた
□ 個人名を匿名化した
□ 写真の顔や氏名をモザイク処理した
□ 関連資料を source_files/ に入れた
□ outputs/ フォルダを用意した


実行後チェック：

□ 01_required_info_check.txt が pass になっている
□ 02_file_inventory.txt で資料分類が妥当
□ 03_fact_summary.txt で事実と推測が分かれている
□ 08_cause_candidates.txt に原因候補が出ている
□ 09_countermeasures.txt に改善案が出ている
□ 13_final_report.txt が読みやすい
□ 14_quality_review.txt が pass または needs_revision
□ 改善案が精神論で終わっていない
□ 人間が最終確認した


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20. 最後に
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このプロジェクトは、AIに「正解」を出させるものではありません。

目的は、介護事故を構造的に分解し、
見落としを減らし、
多職種視点で原因候補と改善案候補を整理し、
人間が判断しやすくすることです。

最終判断は必ず人間が行ってください。
