1.塗り絵の説明
田園の小道に咲くコスモスと、遠くの山や家並みを描いた塗り絵です。手前の花を大きくし、花びらごとに色を変えたり、同じ色でまとめたりしやすい構図にしています。
コスモスは秋の景色を感じやすく、花の色、散歩道、学校や駅の花壇、家の庭などへ話題を広げられます。花の名前が出てこなくても、形や色を楽しめれば十分です。
ピンクや白だけでなく、本人が選んだ自由な色で仕上げられます。複数人で行う場合も、隣の人と同じ色にそろえる必要はありません。
2.画像


色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「秋の小道にコスモスが咲いている絵です。見てみませんか?」
- 「大きな花から塗るか、遠くの山から塗るか、どちらがよさそうですか?」
- 「気になる色を一本、選んでみましょうか?」
- 「一輪ずつ違う色にしてもきれいになりそうですね」
- 「今日は少しだけ色をつけて、続きはまた今度でも大丈夫です」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「この花は、明るい色と落ち着いた色のどちらが合いそうですか?」
- 「花びらの先と中心で、色を変えてみるのもよさそうですね」
- 「こんな小道があったら、どこまで歩いてみたいですか?」
- 「庭や畑のそばで、秋によく見かけた花はありましたか?」
- 「花を育てるとしたら、水やりは朝と夕方のどちらがよさそうでしょう?」
- 「この山の向こうには、どんな町があると思いますか?」
- 利用者さん:「学校の花壇に咲いていたよ」
介護士:「学校の花壇で見ていたのですね」
さらに:「花壇の世話は、先生と児童のどちらがしていましたか?」 - 利用者さん:「白い花が好き」
介護士:「白い花がお好きなのですね」
さらに:「白を残すところと、少し色を重ねるところを作ってみますか?」
5.介護士が知っておきたいポイント
実物にない色を選んでも訂正せず、本人の表現として受け止めます。花びらを全部塗ることより、疲れる前に気持ちよく終えられることを優先します。
- 大きな花から始めるなど、選択肢を少なくすると取り組みやすいことがある
- 「コスモスを覚えていますか?」と答えを求め続けない
- 花を育てた経験があると決めつけない
- 細い茎や葉が見えにくい場合は、太めの色鉛筆やクレヨンも検討する
- 手指の痛み、肩の疲れ、前かがみの姿勢が続いていないかを見る
- 花の話から大切な人の記憶が出た場合は、明るい話へ急いで戻さない
- 会話を楽しみ、塗らずに終わっても問題ない
6.コスモスにまつわる年代別の出来事・暮らし
昭和20年代(1945〜1954年)
庭先や畑の端で、身近な草花を種から育てる暮らしが見られました。花に使える土地や時間には家庭差があり、コスモスを見た場所も農村、学校、町なかなど人によって異なります。
昭和30年代(1955〜1964年)
学校の花壇や家庭の庭で、季節の花を育てた経験を持つ人もいます。種を取って翌年にまく、近所で分け合うなど、買うだけではない花との付き合い方もありました。
昭和40年代(1965〜1974年)
道路や住宅地の整備が進むなか、道沿いや空き地で風に揺れるコスモスが秋の風景として親しまれました。同じ年代でも、都市部と農村部では目にした景色が大きく違います。
昭和50年代(1975〜1984年)
「秋桜」という表記や、コスモスを秋の象徴として見る感覚が広く親しまれるようになりました。写真、歌、旅行先の花畑など、花そのもの以外の記憶につながることもあります。
平成以降
休耕田や公園、観光農園などを利用した広いコスモス畑が各地で見られるようになりました。家族旅行や施設の外出行事で花畑を訪れた経験も、会話のきっかけになります。
