1.塗り絵の説明
この塗り絵は、10月の奈良公園で、紅葉の木の下に立つ二頭の鹿と、遠くに見える寺院を描いています。鹿を大きく配置し、古都奈良らしい落ち着いた景色にしました。
鹿の体や空、草地には広い塗り面があり、好きな部分から始められます。修学旅行、家族旅行、動物との触れ合い、寺社参拝、秋の遠足など、さまざまな経験へ会話を広げられます。
2.画像


色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「奈良公園の鹿と秋の木を描いた絵です。見てみませんか?」
- 「鹿、紅葉、お寺のどこから塗ってみたいですか?」
- 「鹿は茶色以外の好きな色でも大丈夫ですよ。」
- 「二頭を違う色にしても楽しそうですね。」
- 「今日は動物や旅行の話だけでも構いません。」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「二頭の鹿は、どんな関係に見えますか?」
- 「奈良へ修学旅行や家族旅行で行ったことはありますか?」
- 「鹿を近くで見たとき、どんな印象でしたか?」
- 「紅葉の葉は、何色を多くしてみましょうか?」
- 「お寺や神社へ出かけると、どんな場所を見ますか?」
- 「旅先で買ったお土産で心に残っているものはありますか?」
利用者さん:「鹿せんべいをあげたよ」
介護士:「鹿が近くまで来たのですね。」
さらに:「少し怖かったですか。それともかわいらしく感じましたか?」
利用者さん:「奈良は学校の旅行で行った」
介護士:「同級生の皆さんと訪れたのですね。」
さらに:「泊まった宿や、班で歩いた場所も心に残っていますか?」
利用者さん:「動物は見るだけがいい」
介護士:「少し離れて眺める方が安心なのですね。」
さらに:「動物園や牧場では、どんな動物を見るのが好きでしたか?」
5.介護士が知っておきたいポイント
鹿をかわいいと感じる人だけでなく、怖い、苦手と感じる人もいます。触れ合いを楽しいものと決めつけず、本人の距離感や気持ちを尊重します。
細かな斑点を全部塗る必要はなく、体を一色で塗っても構いません。完成を急がせず、疲れ、握りにくさ、見えにくさを確認して道具や環境を調整します。修学旅行の思い出が出ない場合も質問を重ねず、今の絵の色や鹿の表情について話します。会話だけでも問題ありません。
6.奈良公園と鹿にまつわる年代別の出来事・旅の風景
明治13年(1880年)
奈良公園が開設されました。寺社や山野、歴史的な景観と一体になった広い公園として整えられていきました。
昭和32年(1957年)
「奈良のシカ」が国の天然記念物に指定されました。奈良公園の鹿は飼育動物ではなく野生動物であり、距離を保って接することが大切です。
昭和30〜50年代(1955〜1984年)
奈良は修学旅行の代表的な行き先として親しまれ、大仏、寺院、鹿を背景に集合写真を撮った人も多くいます。鹿せんべいをあげた経験も、よく語られる旅の思い出です。
平成〜令和(1989年〜)
国内外から多くの人が訪れる一方、鹿の健康と人の安全を守る接し方が呼びかけられています。歴史ある公園を楽しむことと、野生動物を尊重することの両方が大切です。








