1.塗り絵の説明
そろばんは、枠の中に並んだ珠を指で動かし、足し算、引き算、掛け算、割り算などを行う計算道具です。一本の桁にある上の珠は五、下の珠は一を表し、中央の梁へ寄せた珠を数えます。桁は右から一、十、百と位を表します。紙へ長い式を書かなくても、珠の位置で数と計算の途中経過を目で確かめられる道具です。
商店では売上や釣り銭、帳簿の計算に、家庭では家計や品物の数に、学校では計算練習に使われました。計算前に珠を払って零の状態へ戻し、親指と人差し指などで珠を動かします。使用後は乾いた布で枠を拭き、珠や軸の動きを確かめました。湿気や強い衝撃で木枠がゆがまないよう保管します。電卓やコンピューターが普及した後も、珠算学習や暗算の訓練に使われています。
2.画像


色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「たくさんの珠が並んだそろばんですね」
- 「木の枠と珠は、どんな色にしてみましょうか」
- 「一部の珠だけ色を変えても分かりやすいですね」
- 「お店や学校でそろばんを見たことはありますか」
- 「細かい所は無理をせず、広い所から始めましょう」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「珠が一列ずつきれいに見えてきましたね」
- 「枠の色が落ち着いていて素敵です」
- 「珠を梁へ寄せて、数を表したそうです」
- 「買い物や仕事で計算したことはありますか」
- 「そろばんをはじく音は、どんな音だったでしょう」
- 「珠を一つずつ全部塗らなくても完成です」
- 「目が疲れたら、遠くを見て休みましょう」
会話を広げる例
- 介護士:「そろばんはどこで使いましたか」 利用者:「お店です」 介護士:「売上やお釣りを計算していたのですね」
- 介護士:「珠をはじく音はどうでしたか」 利用者:「ぱちぱちです」 介護士:「手早い音が聞こえてきそうです」
- 介護士:「珠は何色にしますか」 利用者:「茶色と赤」 介護士:「見やすくて楽しいそろばんになりました」
5.介護士が知っておきたいポイント
そろばんが得意だった人も、計算に苦手意識がある人もいます。認知機能を試す課題に変えず、答えや速さを求めません。計算問題を出すより、珠の色、音、学校や仕事の風景など、評価されない会話を大切にします。
珠は細かいため、枠や帳面、衣服など広い部分だけ塗ってもよいと伝えます。視力低下がある人には線の位置を一緒に確認し、握力に応じて太い筆記具を用意します。本人が望む場合だけ簡単な珠の動きを楽しみ、疲れや焦りが見えたら中止します。
6.題材にまつわる年代別の出来事・暮らし
- 江戸時代以前から:日本式のそろばんが商いなどの計算に使われ、形も時代とともに変化しました。
- 明治~昭和前期:商店、会社、家庭、学校で実用的な計算道具として広く使われました。
- 昭和後期:電卓やコンピューターが普及し、日常業務の計算方法が変わりました。
- 現在:珠算教室や学校教育、暗算力と集中力を育てる学習道具として使われています。








