1.塗り絵の説明
今回の塗り絵は、10月の「ガマズミの赤い実」を一つの場面として描いています。花や実、葉、周りの景色が見つけやすく、介護施設やデイサービスでA4縦に印刷して使いやすい構図にしました。
細めの線を生かし、主役を見つけやすい塗り面にしています。すべてを塗り終える必要はなく、気になった所だけを選んでもかまいません。
絵をきっかけに、季節の植物を育てたことや、散歩の途中で花や実を見つけた時間について会話を広げられます。経験を決めつけず、本人が話した言葉からゆっくり尋ねます。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「今日はガマズミの赤い実の絵があります。よかったら見てみませんか?」
- 「花や実、葉、周りの景色があります。どこから見てみましょうか?」
- 「花や実と葉の中から、塗ってみたい所はありますか?」
- 「使ってみたい色があれば、こちらから選べますよ。」
- 「塗らずに、絵を見ながらお話しするだけでも大丈夫ですよ。」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「花や実と葉には、どんな色が似合いそうですか?」
- 「この絵の中で、最初に目に入ったものは何ですか?」
- 「この植物の周りでは、どんな音や風を感じそうですか?」
- 「10月になると、楽しみにしていたことはありましたか?」
- 「季節の植物を育てたことや、散歩の途中で花や実を見つけた時間で、話してみたいことはありますか?」
- 「この場面に一つ加えるなら、何があるとよさそうですか?」
- 「今日はこのまま続けますか。それとも少し休みますか?」
会話が出たときは、答えを急がず、その人が使った言葉を次の問いかけにつなげます。
利用者さん:
「花や実と葉が印象に残るね」
介護士:
「花や実と葉が目に留まったのですね。どのあたりが気になりましたか?」
さらに:
「色や形、周りの様子では、どれが一番近いですか?」
利用者さん:
「昔、似た秋の庭や山道を見たよ」
介護士:
「似た場面をご存じなのですね。どんな場所でしたか?」
さらに:
「一緒にいた人や、そのときの季節も覚えていますか?」
利用者さん:
「これはあまり知らないね」
介護士:
「馴染みがなかったのですね。今の絵を見て、気になる所はありますか?」
さらに:
「別の好きな秋の景色や過ごし方があれば教えてください。」
5.介護士が知っておきたいポイント
色を訂正しない
実物と違う色でも問題ありません。本人が選んだ色を、その人の表現として尊重します。
完成を急がせない
一部分だけで終える、別の日に続ける、会話だけにするという選択も伝えます。
本人のペースを尊重する
どこから塗るか、いつ休むかを本人が選べるようにします。職員が空白を順番に指示し続けないようにします。
「覚えていますか?」を繰り返さない
記憶を試すような聞き方を避け、絵を見た今の感想や好きな色も尋ねます。
昔の暮らしを決めつけない
同じ年代でも、地域、家庭、仕事、生活歴によって経験は異なります。本人が話していない経験を職員側から当てはめません。
疲れの様子を見る
手が止まる、姿勢が崩れる、返事が少なくなるなどの変化があれば、休憩や終了を提案します。
色鉛筆の持ちやすさを見る
太めの色鉛筆や補助具を用意し、必要に応じて用紙を固定します。本人の了承なく手を取って動かしません。
絵の見やすさを整える
影やまぶしさを避け、見やすい位置と明るさを整えます。色数を減らす場合も、本人と相談して選びます。
会話だけになっても問題ない
作品の完成より、本人が無理なく過ごせる時間を大切にします。話が続く場合は、塗る手を止めて聞く時間にしてもかまいません。
題材への感じ方を尊重する
懐かしい、知らない、苦手など、感じ方は人それぞれです。明るい思い出に誘導せず、表情や声の調子に合わせます。
6.ガマズミの赤い実にまつわる年代別の出来事・暮らし
昭和20年代(1945〜1954年)
庭や畑で見られる植物は、地域の気候や家庭の暮らしによって違いました。身近な草花を切り花にしたり、季節の移り変わりを庭仕事から感じたりする家庭もありました。
昭和30年代(1955〜1964年)
住宅の庭や学校、公園などで花を楽しむ機会が広がりました。ガマズミの赤い実を見た場所や呼び名には地域差があり、同じ植物でも思い出す場面は人によって異なります。
昭和40〜50年代(1965〜1984年)
園芸店や家庭向けの園芸用品が身近になり、花壇や鉢植えを楽しむ人も増えました。色や香り、手入れをした人の話から、その方らしい記憶へつながることがあります。
平成以降(1989年〜)
公園の植栽、園芸施設、家庭の鉢植えなど、植物を楽しむ場所が多様になりました。知識を試すのではなく、本人が好きな色や形を起点に会話を広げます。








