1.塗り絵の説明
孫の服を直す足踏みミシンを題材にした、11月の高齢者向け塗り絵です。昭和40年代の祖父母と小学生くらいの孫のひとときをイメージしています。大きく描いた人物と、身近な暮らしの道具から場面を楽しめる構成です。
足踏みミシン、直している服、糸巻きなどが色選びの手がかりになります。秋の上着や身のまわりの物を、お好きな色で塗ってみてください。白黒画像と着色見本は同じ場面で、介護施設やデイサービスの短い塗り絵時間にも使えます。
服を繕った手つきやミシンのリズムが、会話のきっかけになることもあります。絵の登場人物を、現在の利用者さん自身やその家族として決めつける必要はありません。思い出を話しても、話さずに塗っても大丈夫です。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
– 「今日は「孫の服を直す足踏みミシン」の絵があります。よかったら見てみませんか?」
– 「足踏みミシンや直している服がありますね。どこから塗ってみましょうか?」
– 「使ってみたい色はありますか?一緒に選んでもいいですよ。」
– 「少し塗るだけでも、絵を見るだけでも大丈夫ですよ。」
– 「お話ししながらでも、静かに塗ってもいいですよ。」
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4.塗り絵中の声かけ
– 「足踏みミシンにはどんな色を使ってみましょうか?」
– 「直している服にも色が入りましたね。次はどこにしましょうか?」
– 「糸巻きはお好きな色にしてもいいですね。」
– 「秋の肌寒い日には、どんな上着を着ていましたか?」
– 「服がほころびた時はどうしていましたか?」
– 「直した服を長く着たことはありますか?」
– 「足踏みミシンの軽い音を思い浮かべることはありますか?」
– 「少し手を休めましょうか?続きはまたでも大丈夫ですよ。」
会話を広げる例1
利用者さん:「服は直しながら着ていたよ」
介護士:「服がほころびた時はどうしていましたか?」
さらに:「直した服を長く着たことはありますか?」
会話を広げる例2
利用者さん:「家にある物は長く使ったね」
介護士:「長く使った物があったんですね。どんな物でしたか?」
さらに:「使いやすいように工夫していたことはありますか?」
会話を広げる例3
利用者さん:「一緒にいるだけでも楽しかったね」
介護士:「一緒に過ごす時間が楽しかったんですね。どんなふうに過ごしましたか?」
さらに:「その時の気分や、交わした言葉も、よければ聞かせてください。」
会話例は順番に質問するためのものではありません。本人が話した言葉を一つ拾い、返答を待ちながら自然につなげてください。色や形の話だけになっても構いません。
5.介護士が知っておきたいポイント
色と終わり方を本人に任せる
色を訂正せず、完成を急がせないことを基本にします。足踏みミシンの色や塗る順番は本人に任せ、白い面を残して終えても構いません。塗れた量をほかの人と比べず、今楽しめている様子を大切にしてください。
絵から家族関係を決めつけない
祖父母と孫の絵ですが、「お孫さんもこうでしたよね」と同じ経験を求めません。子どもの頃の自分、子育ての時期、家族以外の人と過ごした時間など、本人が選んだ話題を聞きます。「覚えていますか?」を繰り返さず、話したくない様子があれば、色や季節の話に移って構いません。
無理なく楽しめているかを見る
手を止める、紙を近づける、目を細める、色鉛筆を何度も持ち直すなどの様子に気づいたら、紙の置き方、照明、使う道具、休憩を本人と相談します。疲れや持ちにくさを我慢させず、少し塗るだけでも、会話だけでもよい時間にしてください。診断や機能評価のための課題として扱いません。
この場面を使うときの工夫
裁縫を女性の役目と決めつけません。縫う、布を選ぶ、道具を見るなど、本人が関わったことを話せる範囲で聞きます。
6.孫の服を直す足踏みミシンにまつわる年代別の出来事・暮らし
昭和30年代(1955〜1964年)
テレビ、電気冷蔵庫、洗濯機などの家電が広まり、家庭の道具が変わっていった時期です。一方で、ちゃぶ台や座布団、足踏みミシンなど、以前からの物を使う家もありました。持っていた物や取り入れた時期は、家庭によって異なります。
昭和40年代(1965〜1974年)
この絵がイメージする年代です。新しい家電と使い慣れた家具が同じ家にある暮らしもありました。祖父母と子どもが一緒に暮らす家、近くに住む家、休みに会う家など、家族の過ごし方もさまざまです。足踏みミシンは、足元の踏み板を動かして使う道具です。電動の道具へ移る時期に、以前からのミシンを使い続ける家もありました。服を直すことを全家庭の習慣として決めつけません。この作品は当時の雰囲気を参考にした創作で、ある家庭や店舗の実景をそのまま描いたものではありません。
昭和50年代(1975〜1984年)
同じ道具を使い続けた人も、住み替えや家族の成長に合わせて暮らし方を変えた人もいます。家で過ごした時間を話す時は、道具の新旧よりも、その場にいた人や本人が担っていた役割を聞くと会話につながります。
年代をまたいで楽しむ会話
11月の過ごし方にも地域差があります。足踏みミシンや直している服から、絵と違う時代の話になっても、そのまま聞いてください。絵の年代より、本人の経験を会話の起点にすることで、好きな色や身近な景色を楽しむ時間につなげられます。








