1.塗り絵の説明
この塗り絵は、千両の赤い実を描いています。十二月に花、実、冬姿、収穫で季節を伝える植物を、一つの場面に絞って見やすく表しました。
主役を大きく、色を塗る面を広めにした高齢者向けの線画です。介護施設やデイサービスで、季節を感じながら無理なく取り組めます。
似た経験があるかどうかを求めず、絵を見て感じたことや選んだ色から会話を始められます。思い出せない場合も、そのままで楽しめます。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
・今日は「千両の赤い実」の絵があります。よかったら眺めてみませんか?
・どこから色を付けてみましょうか?
・好きな色や使ってみたい色はありますか?
・千両の赤い実の中で、最初に目に入ったところはどこですか?
・少しずつでも、見るだけでも大丈夫です。
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4.塗り絵中の声かけ
・この場面には、どんな色が似合いそうでしょう。
・主役の花、実、葉、枝ぶりや冬野菜の形と、初冬らしい状態のうち、気になるところはありますか?
・十二月の空気は、どんな色で表してみたいですか?
・明るい色と落ち着いた色、どちらを使ってみたいですか?
・千両の赤い実から、どんな音や匂いを想像しますか?
・似た景色を見たことがなくても、今感じたことを教えてください。
・手を休めたくなったら、いつでも休みましょう。
・選んだ色が、この場面によく合っていますね。
会話を広げる例
利用者さん:
「冬の朝は寒かったね」
介護士:
「どんな服装で出かけていましたか?」
さらに:
「手袋や履物は、どのようなものを使っていましたか?」
利用者さん:
「家族と一緒にやったことがあるよ」
介護士:
「どなたと一緒だったのですか?」
さらに:
「そのとき、どんな役目をしていたのですか?」
利用者さん:
「この色が好き」
介護士:
「落ち着く色ですね。どの部分にも使ってみたいですか?」
さらに:
「ほかに合わせたい色があれば、ゆっくり選びましょう。」
5.介護士が知っておきたいポイント
本人が選んだ色を訂正せず、完成を急がせないことを大切にします。途中で会話だけになったり、眺めるだけになったりしても問題ありません。
「覚えていますか?」を繰り返さず、本人が話した言葉を受け止めて次の問いにつなげます。職員側の経験を、昔の暮らしの決まりとして押しつけないようにします。
疲れ、手の動かしにくさ、色鉛筆の持ちにくさ、絵の見えにくさをさりげなく確かめます。休憩や道具の変更を本人が選べるようにします。
6.千両の赤い実にまつわる年代別の出来事・暮らし
昭和20年代(1945〜1954年)
冬の花や実、旬の野菜は、庭や畑、近所の景色の中で季節を知らせる存在でした。栽培される種類や収穫時期には地域差がありました。
昭和30年代(1955〜1964年)
鉢花や切り花を室内に飾る習慣が広がり、年末の贈り物や正月の支度に植物を取り入れる家庭もありました。身近な実や枝を飾りに使うこともありました。
昭和40年代(1965〜1974年)
園芸店や市場で見られる冬の植物が増え、庭先や玄関の彩り方も多様になりました。畑では寒さを生かして育つ野菜が冬の食卓を支えました。
昭和50年代(1975〜1984年)
家庭園芸が親しまれ、鉢植えや寄せ植えを楽しむ人が増えました。花の名前や育て方だけでなく、どこで見たか、誰と手入れしたかという話にもつながります。
同じ十二月でも、地域や家庭によって景色や過ごし方は異なります。本人が話した内容を起点に、無理のない範囲で会話を広げます。








