1.塗り絵の説明
この塗り絵は、10月の紅葉に包まれた日光いろは坂を、曲がりくねった道路と観光バスで表したものです。赤・黄・橙に色づく山並みと大きなカーブが、日光へ向かう秋の旅を感じさせます。
道路や山、木々を大きな面で描いているため、色を選びながらゆっくり取り組みやすい構成です。日光へ出かけた経験だけでなく、観光バス、社員旅行、家族とのドライブなどの話にもつなげられます。
2.画像


色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「10月の日光を描いた絵があります。よかったら眺めてみませんか?」
- 「赤や黄色など、気になる色から選んでみましょうか?」
- 「道路と山のどちらから塗ってみたいですか?」
- 「観光バスの色は、お好きな色にして大丈夫ですよ。」
- 「今日は絵を見ながらお話しするだけでも構いません。」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「山の色が少しずつ変わっていく様子はきれいですね。」
- 「秋に遠出するとしたら、どんな場所へ行ってみたいですか?」
- 「昔の観光バスは、どんな色や形をしていましたか?」
- 「山道を通ったとき、車窓から何が見えましたか?」
- 「旅先で食べたものや買ったお土産の話も聞かせてください。」
- 「赤、黄、橙の中では、どの色が一番好きですか?」
利用者さん:「昔、会社の旅行で日光へ行ったよ」
介護士:「皆さんでバスに乗って行かれたのですね。」
さらに:「車内では歌を歌ったり、お弁当を食べたりしましたか?」
利用者さん:「山道は少し怖かったね」
介護士:「カーブが続くと、景色も揺れ方も印象に残りますね。」
さらに:「窓の外を見ていましたか。それとも前の席に座りましたか?」
利用者さん:「紅葉なら黄色が好きだよ」
介護士:「明るい黄色がお好きなのですね。」
さらに:「イチョウの黄色と山の黄色では、どちらが心に残りますか?」
5.介護士が知っておきたいポイント
色見本は参考の一つです。紅葉を緑や紫で塗っても訂正せず、本人が選んだ色を尊重します。旅行経験の有無を確かめる課題にせず、絵から浮かんだ言葉を受け止めることが大切です。
完成を急がせず、途中で手が止まったときは休憩や会話へ切り替えます。色鉛筆を握りにくそうな場合は太軸のものを用意し、線や色が見えにくそうなら照明や用紙の位置を調整します。乗り物酔いや山道での怖い体験が語られた場合は、楽しい思い出へ無理に変えようとせず、その気持ちに沿って聞きます。会話だけで終わっても問題ありません。
6.日光いろは坂にまつわる年代別の出来事・旅の風景
昭和20〜30年代(1945〜1964年)
戦後、道路や交通網が整うにつれて、日光は団体旅行や修学旅行の行き先として身近になっていきました。観光バスで山道を上り、中禅寺湖や華厳滝へ向かった経験を持つ人もいます。
昭和40〜50年代(1965〜1984年)
自家用車が家庭に広がり、家族で紅葉を見に出かける楽しみ方も増えました。第一・第二いろは坂を合わせて48のカーブがあることから、いろは48文字になぞらえた名称が広く知られています。
昭和60年代〜平成(1985〜2018年)
テレビの旅番組や旅行雑誌で紅葉の名所が紹介され、秋の日光は全国的な観光地として定着しました。カメラやビデオで車窓の景色を残した人も多く、写真を見ながら旅を振り返る楽しみも広がりました。
令和(2019年〜)
現在も10月の紅葉期には多くの人が訪れます。同じ景色でも、バス旅行、家族のドライブ、テレビで見た思い出など、一人ひとりの入り口は異なります。








