1.塗り絵の説明
今回の塗り絵は、10月の「袋田の滝と紅葉」を一つの場面として描いています。主役となる名所の風景を見つけやすくし、介護施設やデイサービスでA4縦に印刷して使いやすい構図にしました。
大きめの塗り面と見やすい線を中心にしています。すべてを塗り終える必要はなく、気になった所だけを選んでもかまいません。
絵をきっかけに、旅行で見た景色、乗り物、宿泊先、同行した人との時間について会話を広げられます。経験を決めつけず、本人が話した言葉からゆっくり尋ねます。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「今日は袋田の滝と紅葉の絵があります。よかったら見てみませんか?」
- 「名所の風景と旅先や景勝地があります。どちらから見てみましょうか?」
- 「紅葉、山、水辺、建物の中から、塗ってみたい所はありますか?」
- 「使ってみたい色があれば、こちらから選べますよ。」
- 「塗らずに、絵を見ながらお話しするだけでも大丈夫ですよ。」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「名所の風景には、どんな色が似合いそうですか?」
- 「この絵の中で、最初に目に入ったものは何ですか?」
- 「旅先や景勝地には、どんな音が聞こえてきそうですか?」
- 「10月になると、楽しみにしていたことはありましたか?」
- 「旅行で見た景色、乗り物、宿泊先、同行した人との時間で、話してみたいことはありますか?」
- 「この場面に一つ加えるなら、何があるとよさそうですか?」
- 「今日はこのまま続けますか。それとも少し休みますか?」
会話が出たときは、答えを急がず、その人が使った言葉を次の問いかけにつなげます。
利用者さん:
「名所の風景が印象に残るね」
介護士:
「名所の風景が目に留まったのですね。どのあたりが気になりましたか?」
さらに:
「色や形、周りの様子では、どれが一番近いですか?」
利用者さん:
「昔、似た旅先や景勝地があったよ」
介護士:
「似た旅先や景勝地をご存じなのですね。どんな場所でしたか?」
さらに:
「一緒にいた人や、そのときの季節も覚えていますか?」
利用者さん:
「これはあまり知らないね」
介護士:
「馴染みがなかったのですね。今の絵を見て、気になる所はありますか?」
さらに:
「別の好きな秋の景色や過ごし方があれば教えてください。」
5.介護士が知っておきたいポイント
色を訂正しない
実物と違う色でも問題ありません。本人が選んだ色を、その人の表現として尊重します。
完成を急がせない
一部分だけで終える、別の日に続ける、会話だけにするという選択も伝えます。
本人のペースを尊重する
どこから塗るか、いつ休むかを本人が選べるようにします。職員が空白を順番に指示し続けないようにします。
「覚えていますか?」を繰り返さない
記憶を試すような聞き方を避け、絵を見た今の感想や好きな色も尋ねます。
昔の暮らしを決めつけない
同じ年代でも、地域、家庭、仕事、生活歴によって経験は異なります。本人が話していない経験を職員側から当てはめません。
疲れの様子を見る
手が止まる、姿勢が崩れる、返事が少なくなるなどの変化があれば、休憩や終了を提案します。
色鉛筆の持ちやすさを見る
太めの色鉛筆や補助具を用意し、必要に応じて用紙を固定します。本人の了承なく手を取って動かしません。
絵の見やすさを整える
影やまぶしさを避け、見やすい位置と明るさを整えます。色数を減らす場合も、本人と相談して選びます。
会話だけになっても問題ない
作品の完成より、本人が無理なく過ごせる時間を大切にします。話が続く場合は、塗る手を止めて聞く時間にしてもかまいません。
題材への感じ方を尊重する
懐かしい、知らない、苦手など、感じ方は人それぞれです。明るい思い出に誘導せず、表情や声の調子に合わせます。
6.袋田の滝と紅葉にまつわる年代別の出来事・暮らし
昭和30年代(1955〜1964年)
鉄道や観光バスを利用した旅行が少しずつ身近になった時期です。一方で、遠出の機会や行き先は家庭や地域によって異なりました。
昭和40〜50年代(1965〜1984年)
道路や交通網の整備により、団体旅行や家族旅行の行き先が広がりました。駅弁、旅館、記念写真など、景色以外の記憶につながることもあります。
昭和60年代〜平成初期(1985〜1999年)
旅行の方法が多様になり、季節の風景を目的に出かける人も増えました。実際に訪れた経験がなくても、写真やテレビで見た印象を話せます。
平成以降(1989年〜)
観光情報を得る方法や移動手段が増えました。現在の景観を正解にせず、本人が見た風景や旅の途中で印象に残ったことを尊重します。








