1.塗り絵の説明
昭和30年ごろ、箱根の芦ノ湖畔から富士山と湖上の鳥居を眺める二人を描きました。現在見られる海賊船型の観光船ではなく、当時を意識した簡素な客船を浮かべています。
湖、山、空、人物を大きく分け、色鉛筆で塗る面を広めにしました。地図を持つ男性や旅行かばんから、昔の外出の雰囲気も楽しめます。
温泉旅行、職場旅行、富士山を見た日の天気などの話につながります。箱根の経験がなくても、近くの湖や温泉、船に乗った話へ広げられます。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「昭和30年ごろの芦ノ湖を描いた絵です。よかったら見てみませんか?」
- 「富士山、湖、船では、どこから塗ってみましょうか?」
- 「湖の色は好きな青や緑を選んでみますか?」
- 「人物の服から始めても塗りやすそうですね。」
- 「今日は少しだけでも、見て楽しむだけでも大丈夫です。」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「富士山は白い雪を残しますか。それとも好きな色を入れますか?」
- 「湖に映る山は、どんな色に見えるでしょうね。」
- 「船に乗るなら、窓側と外の席ではどちらがよさそうですか?」
- 「温泉旅行では、食事とお風呂のどちらが楽しみでしたか?」
- 「紙の地図を広げると、旅が始まる感じがしますね。」
- 「この二人は、次にどこへ向かうと思いますか?」
- 「疲れてきたら、船のところで一区切りにしましょうか?」
利用者さん:
「職場の旅行で箱根へ行った」
介護士:
「職場の皆さんと出かけたんですね。」
さらに:
「移動は電車でしたか、バスでしたか。車内ではどんな様子でしたか?」
利用者さん:
「富士山が見えなかった」
介護士:
「天気によっては、なかなか姿を見せてくれませんね。」
さらに:
「その日は雨や霧でしたか。代わりに楽しんだ場所はありましたか?」
利用者さん:
「船は酔うから苦手」
介護士:
「船より岸から眺める方が安心だったんですね。」
さらに:
「乗り物では、電車やバスの方が好きでしたか?」
5.介護士が知っておきたいポイント
富士山の色を訂正しない
雪の有無や山の色を見本に合わせる必要はありません。本人が見たい富士山の色として受け止めます。
温泉旅行を楽しい経験と決めつけない
旅行に行けなかった、団体行動が苦手だった、乗り物酔いをしたなど、経験はさまざまです。職員側から「箱根は楽しかったでしょう」と決めつけず、本人の言葉に合わせます。
見やすい場所から始める
山や湖、人物の服は比較的広い面です。細い船や鳥居が見えにくそうな場合は無理に勧めません。色鉛筆を持ちにくそうではないか、姿勢が続いて疲れていないかも確認します。
絵を完成させなくてもよい
会話だけになっても問題ありません。「覚えていますか」を繰り返さず、地図、乗り物、温泉など本人が話した内容を拾います。本人のペースで楽しめることを優先します。
6.箱根・芦ノ湖にまつわる年代別の出来事・暮らし
昭和20年代(1945〜1954年)
戦後に観光が少しずつ戻り、昭和23年には芦ノ湖畔に山のホテルが開業しました。湖上の鳥居は昭和27年に建立され、湖と富士山を望む景観の一部になりました。
昭和30年代(1955〜1964年)
鉄道、登山電車、バスなどを乗り継ぐ箱根旅行が広がりました。職場や地域の団体で温泉へ出かける人もいました。海賊船型の観光船が運航を始めたのは昭和39年で、この塗り絵はそれ以前の簡素な客船を描いています。
昭和40年代(1965〜1974年)
道路整備や自家用車の普及により、家族で箱根を巡る旅行も増えました。湖、温泉、大涌谷などを一日で巡る観光コースも知られるようになりました。
昭和50年代(1975〜1984年)
団体旅行に加えて少人数の家族旅行も身近になりました。宿での食事、土産物、写真撮影など、同じ箱根旅行でも印象に残る場面は人によって異なります。








