1.塗り絵の説明
「栗ご飯」は、秋の庭が見える座敷で、二人の子どもが大きなおひつの栗ご飯をよそう場面です。丸い栗を大きく見せ、茶碗、しゃもじ、木の卓を分かりやすく描きました。
栗を一つずつ黄土色や茶色に塗ると、少ない範囲でも完成感が出ます。ご飯は紙の白を生かし、おひつや畳など広い面へ進むと負担を調整できます。10月の味覚と子どものころの空気を、好きな色でゆっくり楽しめる塗り絵です。描かれている人物は子どもだけで、高齢者の人物は入れていません。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り始める前の声かけ
答えを試す質問ではなく、今見えている形や選びやすい色から始めます。「覚えていますか」と繰り返さず、返事がない時間も一緒に絵を眺めます。
・まず、大きなおひつと栗ご飯をゆっくり眺めてみましょう。
・ご飯の白を残しても大丈夫です。どこから始めますか。
・栗は、黄色と茶色のどちらを多めにしてみたいですか。
・木のおひつには、明るい茶色が似合いそうでしょうか。
・窓の外の紅葉は、どんな色にしてみましょう。
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4.塗っている途中の声かけ
手が止まったときも急かさず、選ぶ時間や眺める時間として待ちます。できばえを評価するのではなく、選んだ色や線をそのまま言葉にします。
・栗の一つ一つで、少し色を変えてみてもよいですね。
・しゃもじは、おひつより淡い木の色にしますか。
・茶碗の模様に、好きな色を一つ選びましょう。
・畳は全部を塗らず、縁だけ色を付けてもまとまります。
・二人の着物は、青系と赤系のどちらから進めますか。
・細かい米粒で疲れたら、大きな卓へ移りましょう。
・手や目の疲れを感じたら、途中で休んでも大丈夫です。
・色を選びながら話すだけでも、十分に楽しめます。
会話を広げる返し方
・「栗が大きい」と話されたら、「どの栗が一番おいしそうでしょう。」と絵を一緒に眺めます。
・「皮むきが大変」と話されたら、「手間のかかる料理だったのですね。」と気持ちを受け止めます。
・「食べたことがない」と話されたら、「そうなのですね。好きな秋色で自由に塗りましょう。」と返します。
5.介護者の方へ
色を直したり、見本どおりに塗るよう促したりしません。本人の速さ、塗る量、話すかどうかを尊重します。「昔はこうだったでしょう」と経験を決めつけず、本人の言葉と沈黙の両方を受け止めます。
疲れ、握りにくさ、線の見えにくさがないかを静かに確認します。太軸の色鉛筆、滑り止め、十分な照明を必要に応じて用意し、途中で終えても完成と考えます。塗らずに会話だけ、鑑賞だけでも立派な活動です。
栗ご飯は絵の題材です。実際に提供する場合は、栗の硬さや大きさ、アレルギー、食形態、嚥下状態を個別に確認し、施設の食事手順に従います。食べた経験や好みを無理に尋ねる必要はありません。
6.栗ご飯と昭和の暮らし
昭和30年ごろも、秋に採れた栗をゆでたりご飯に炊き込んだりする家庭がありました。栗のむき方、味付け、炊く量は地域や家庭で異なり、栗ご飯をあまり食べなかった人もいます。木のおひつや茶碗、庭の紅葉から、季節の食卓を自由に想像できます。
年代の説明は会話の手がかりです。記憶力の確認や診断には使わず、異なる思い出や「分からない」という返事もそのまま尊重します。








