1.塗り絵の説明
湿った岸に立つラクウショウの太い幹と、地面から突き出す三本の気根を描きました。枝葉は細かくしすぎず、赤茶色の秋を大きな面で楽しめる図案にしています。水辺と二つの草むらも、ゆったり塗れる形です。
ラクウショウは水辺や湿地で育つ落葉針葉樹です。十一月ごろ、地域によって羽のような葉が赤茶色に変わります。湿った場所では、地面から膝のような気根が現れることがあり、木の不思議な姿を話題にできます。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「地面から三本の気根が出ていますね。」
- 「葉を秋の色にしてみましょうか?」
- 「水には何色を使いたいですか?」
- 「太い幹からゆっくり塗れますよ。」
- 「気根を少しずつ違う茶色にしてもよいですね。」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「赤茶色の葉が十一月らしいですね。」
- 「気根が膝のような形に見えますね。」
- 「水辺の空気を思い出しますね。」
- 「大きな木のそばを歩いたことはありますか?」
- 「薄い青の水が静かに見えますね。」
- 「幹の茶色を変えると立体的に感じますね。」
- 「白い部分を残してもすっきりしますね。」
- 「疲れたら、三本のうち一本で休みましょうか。」
話が出たときの広げ方
利用者さん:「根が地面の上に出ているね。」
介護士:「不思議な形をした根ですね。」
さらに:「三本をどんな茶色にしましょうか?」
利用者さん:「葉はもっと黄色がいいな。」
介護士:「黄色の秋景色も明るくてよいですね。」
さらに:「お好きな秋色を選んでくださいね。」
利用者さん:「水辺の大きな木を見たことがあるよ。」
介護士:「印象に残る景色だったのですね。」
さらに:「どんな場所だったか聞かせてもらえますか?」
5.介護士が知っておきたいポイント
気根の役割を覚えたり、樹木名を正確に答えたりすることは求めません。幹だけ、気根だけ、葉だけなど、取り組みやすい部分を選べます。実物の気根は足元でつまずくこともあるため、散歩では近づきすぎず、触ったり登ったりせずに眺めましょう。
色を訂正せず、完成を急がせないことを基本に、本人のペースを大切にします。「覚えていますか?」を繰り返したり、昔の暮らしを一律に決めつけたりせず、話したい内容を受け止めてください。
顔を紙に近づけていないか、色鉛筆を持ちにくそうではないか、手や肩に疲れがないかを見ます。必要に応じて紙の向きや画材を調整し、休憩を提案します。絵を眺めたり、会話だけを楽しんだりしても大丈夫です。
6.ラクウショウの気根と新宿御苑にまつわる年代別の出来事・暮らし
明治の新宿御苑への導入(1887~1906年ごろ)
明治20年代から30年代、新宿御苑にはラクウショウやユリノキ、プラタナスなど外国の樹木が植えられました。明治39年には庭園として完成し、海外の植物を観察できる場所になりました。
平成に紹介された大木と気根(2016年)
平成28年、新宿御苑の案内では、大きく育ったラクウショウと周囲の気根が紹介されました。湿地では酸素不足を補う呼吸根として現れるとされ、乾いた場所で育つ木には出にくい特徴です。
令和の十一月の色づき(2023年)
令和5年十一月下旬、新宿御苑ではラクウショウが赤茶色に色づき、見頃と案内されました。独特な気根だけでなく、羽のような葉が変わる晩秋の姿も楽しめます。








