1.塗り絵の説明
晴れ着を着た女の子が両親と神社へ参拝する、七五三の塗り絵です。鳥居、社殿、石灯籠、紅葉を一つの場面にまとめ、秋の晴れの日を思わせる構図にしました。
七五三は、子どもの成長を願ったことや、晴れ着を用意した日の話につながりやすい行事です。介護施設やデイサービスでは、着物、帯、鳥居、落ち葉など、好きな場所を選んで少しずつ塗れます。
本人の七五三だけでなく、子どもや孫の参拝、写真館、家族での食事など、世代を越えた思い出を話すきっかけになります。地域や家庭で祝い方は異なるため、決まった体験があることを前提にしない声かけが大切です。
2.画像


色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り絵を始めるときの声かけ
- 「七五三で神社へお参りする家族の絵です。よかったら見てみませんか?」
- 「着物はどんな色にしてみましょうか?」
- 「鳥居や紅葉から先に塗ってもいいですね」
- 「この中で、最初に目に入ったところはどこでしょう?」
- 「今日は少しだけ塗るのでも、絵を眺めるだけでも大丈夫です」
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4.塗り絵中の声かけ
- 「晴れ着の色は、赤や桃色のほかにもいろいろありますね。どんな色が似合いそうですか?」
- 利用者さんが「娘も着物を着た」と話したら、「どんな柄や色の着物でしたか?」と、その人の言葉を受けて続けます。
- 「神社まで歩いて行きましたか。それとも乗り物で出かけましたか?」
- 「写真を撮った」という話が出たら、「家で撮りましたか、写真屋さんでしたか?」と場所の話へ広げられます。
- 「千歳飴の袋は細長いですね。子どもの頃、どんなお菓子が楽しみでしたか?」
- 「お祝いの日には、家でどんな料理を食べることが多かったでしょう」
- 「紅葉の季節ですね。お住まいの地域では、この頃は寒くなっていましたか?」
- 思い出が出ないときは、「帯はこの色にするときれいですね」など、目の前の色選びに話題を戻します。
本人の七五三に限らず、子どもや孫を見守った経験も大切な思い出です。
5.介護士が知っておきたいポイント
七五三の祝い方は、地域、家庭、時代によって大きく異なります。祝っていない人、写真が残っていない人、家庭の事情で行事に参加しなかった人もいるため、「みんな経験している」と決めつけないようにします。
着物や鳥居の色を訂正せず、本人が心地よく選べることを優先します。完成を急がせず、「覚えていますか?」を繰り返さないことも大切です。
細かな帯や髪飾りを塗るときは、鉛筆を持ちにくくないか、線が見えにくくないか、疲れていないかを確認してください。太めの色鉛筆を用意したり、職員が紙を押さえたりしてもよいでしょう。会話だけで終わっても、本人が穏やかに過ごせたなら十分です。
6.七五三にまつわる年代別の出来事・暮らし
昭和20年代(1945〜1954年)
戦後間もない時期は、衣類や祝いの品をそろえることが難しい家庭もありました。手持ちの着物を仕立て直したり、きょうだいや親戚から借りたりするなど、家庭ごとの工夫がありました。
昭和30年代(1955〜1964年)
暮らしが落ち着くにつれて、神社への参拝や家族写真を残す家庭が増えていきました。ただし、洋服で参拝する場合や、地域独自の祝い方をする場合もありました。
昭和40年代(1965〜1974年)
貸衣装や写真館を利用する家庭も見られるようになり、晴れ着姿を台紙付きの写真で残すことが身近になっていきました。参拝日や祝い方は、家族の都合に合わせることもありました。
昭和50年代(1975〜1984年)
カラー写真が家庭に広がり、神社や自宅で色鮮やかな記念写真を残す機会が増えました。きょうだい一緒に祝ったことや、食事会の思い出が残っている人もいます。
七五三は十一月十五日がよく知られていますが、実際の参拝時期や祝い方には地域差・家庭差があります。



