1.塗り絵の説明
「座敷のあやとり」は、月と紅葉が見える座敷で、二人の子どもが向かい合ってあやとりをしています。一本の紐が大きな形を作り、二人が次の取り方を考えている場面です。
紐の形は太い線で大きく見せ、畳や障子には広い塗り面を残しました。紐だけ赤くするなど、少ない色から始めても主役がはっきりします。指先の遊びと、静かな秋の月夜を一緒に楽しめる塗り絵です。描かれている人物は子どもだけで、高齢者の人物は入れていません。
2.画像
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色見本と同じ色に塗る必要はありません。本人が選んだ色や好きな色を大切にしてください。
3.塗り始める前の声かけ
遊び方を知っているか確かめるのではなく、今見えているものや選びやすい色の話から始めます。「覚えていますか」と何度も尋ねず、返事がなくても一緒に絵を眺めます。
・まず、絵全体をゆっくり眺めてみましょう。どこから始めると塗りやすそうですか。
・見本と同じ色でなくても大丈夫です。今日使いたい色を一つ選んでみませんか。
・あやとりの紐は、何色にしてみたいですか。
・畳と夜空、どちらから塗り始めますか。
・この紐の形は、何に見えるでしょう。
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4.塗っている途中の声かけ
手を止めたときも催促せず、色を選ぶ時間や眺める時間として待ちます。できばえや遊びの知識を評価せず、選んだ色や線の変化をそのまま言葉にします。
・紐は一本の線を追わず、見えるところから色を置いてもよいですね。
・畳は全部を塗らず、縁だけ色をつけても整います。
・月の周りに薄い黄色を重ねてみますか。
・庭のもみじは赤、橙、黄色を混ぜてもよいですね。
・二人の服は落ち着いた色にしますか、明るい色にしますか。
・いちばん静かな感じがするところは、どこでしょう。
・手や目が疲れてきたら、ここで少し休みましょうか。
・塗らずに絵を眺めながらお話しするだけでも大丈夫ですよ。
会話を広げる返し方
・「橋を作った」と話されたら、「橋という形があったのですね。ほかの形も話したくなったら教えてください。」と返し、答えを急がず待ちます。
・「二人で遊んだ」と話されたら、「紐を渡すときの手の動きは、どんな感じでしたか。」と返し、答えを急がず待ちます。
・「形を忘れた」と話されたら、「思い出さなくても大丈夫です。紐の色だけ選びましょう。」と返し、答えを急がず待ちます。
5.介護者の方へ
色や遊び方を直したり、見本どおりにするよう促したりしません。本人の速さ、塗る量、話すかどうかを尊重します。「昔は誰でも遊んだ」と決めつけず、本人の言葉と沈黙の両方を受け止めます。
疲れ、握りにくさ、線の見えにくさがないかを静かに確認します。太軸の色鉛筆、滑り止め、十分な照明を必要に応じて用意し、途中で終えても完成と考えます。会話だけ、鑑賞だけでも立派な活動です。
形の名前や手順を思い出す課題にしません。実物の紐を使う場合は指への締めつけや絡まりに注意し、手が動かしにくければ絵を見るだけにします。
6.座敷のあやとりと昭和の暮らし
あやとりは輪にした紐を指へ掛け、さまざまな形を作る遊びです。昭和30年ごろの家庭や学校でも遊ばれましたが、形の名前や順番は地域や人によって違います。月夜の座敷という背景も、すべての人に共通する経験ではありません。
年代の話は会話の手がかりです。診断や記憶力の確認には使わず、違う遊び方や「分からない」という返事もそのまま尊重します。








