ご家族からの「いつぶつけたのか」という問いに、答えられず申し訳なさを感じる瞬間があるかもしれません。常時の見守りが困難な中、原因不明のアザへの対応や事故報告書の作成に追われ、本来したいケアに時間を割けないのが現実です。
全てのアザを防ぐことは困難ですが、薬の副作用を知るだけで、不要なトラブルや自責の念は減らせます。多忙な現場でも実践できる、服薬情報からリスクを予測する現実的な対処法を押さえておきましょう。
この記事を読むと分かること
- アザの原因を医学的に説明できる
- 出血しやすい薬の種類がわかる
- 見逃せない初期症状に気づける
- 家族への納得感ある説明法
- 事故報告書の説得力が増す
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
全てのアザは防げない。だからこそ「薬のリスク」を知るだけでいい

現場では、利用者の安全を第一に考えつつも、限られた人員の中で「全ての瞬間を見守ることは物理的に不可能」という現実に直面しています。「いつの間にかできているアザ」を発見したときの血の気が引くような思いや、原因が特定できないまま事故報告書を書く徒労感、そして家族への説明に頭を悩ませる苦労は、多くの職員が抱える共通の悩みではないでしょうか。
理想的なケアを追求したい一方で、業務に追われる中では「全てを防ぐ」ことは困難です。しかし、医学的な視点を持てば、「防げるリスク」と「避けられないリスク」を冷静に区別し、自分たちを守るための根拠を持つことができます。
「身に覚えのないアザ」は、血管の老化や病気で自然に起こり得る
高齢者の皮膚に現れるアザ(紫斑)は、必ずしも打撲などの外傷だけが原因ではありません。加齢とともに血管を支える組織が弱くなることで、ごく軽微な外力でも血管が破れやすくなる血管壁の異常が生じているケースが多くあります。
これを老人性紫斑などと呼びますが、この状態にある高齢者は、通常の介助や生活動作の中でのわずかな接触でも内出血を起こす可能性があります。また、ビタミン欠乏や特定の病気が背景にある場合も同様に血管が脆くなりやすく、これらは「ぶつけていなくてもアザができる」医学的な理由となります。
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
表では,出血傾向のうち「血管壁の異常」に分類される疾患として,先天性遺伝性出血性毛細血管拡張症(Osler病)やEhlers-Danlos症候群に加え,後天性IgA血管炎(Schönlein-Henoch症候群),単純性紫斑,老人性紫斑,ステロイド紫斑病,Cushing症候群,壊血病(ビタミンC欠乏症),異常蛋白血漿などが列挙され,血管壁の病態に基づく出血傾向として整理され,紫斑や皮下出血の原因となる。
「血液サラサラの薬」だけでなく「痛み止め」も出血の原因になる
利用者が服用している薬も、出血リスクを大きく左右します。脳梗塞予防などで処方されるワルファリンや新しいタイプの抗凝固薬(DOACs)は、血液を固まりにくくするため、副作用として脳出血や消化管出血などの重大な出血を引き起こす可能性があります。
さらに注意が必要なのが、関節痛などで日常的に使われる痛み止め(NSAIDs)です。これらには血小板の機能を低下させる作用があり、抗凝固薬と同様に出血しやすくなる原因となります。また、抗生物質の長期使用などもビタミンK不足を招き、凝固因子を低下させる要因となり得ます。
- 抗血小板薬やNSAIDs:血小板の働きを抑える
- 抗凝固薬(ワルファリン等):血液凝固因子の働きを抑える
- 抗生物質:ビタミンK不足による凝固因子の低下
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
薬剤の使用歴では,抗血小板薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が血小板機能低下を,抗生剤が血小板数や機能の低下,さらに長期使用では腸内細菌叢の死滅によるビタミンK(VK)依存性凝固因子低下を来たし得るとされる。ワルファリンやダビガトラン,リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンなどの直接経口抗凝固薬は,脳出血や消化管出血など重大な出血性合併症の原因となり,長期ステロイドはステロイド性紫斑病,化学療法や放射線治療は造血障害による血小板減少を招く。
アザや転倒は「老年症候群」の一つであり、すべてが過失ではない
介護現場では、転倒やそれに伴うアザの発生を「すべて施設の過失」と捉えられがちですが、公的なガイドラインでは異なる見解が示されています。転倒などは老年症候群の一つであり、個人のリスクに応じて一定の頻度で発生するもので、予防策を講じても完全に防ぐことは難しいとされています。
「対策を行えば防げる事故」と「防ぐことが難しい事故」を区別し、高齢者特有のリスクであることを家族と共有しておくことが重要です。アザができたという事実だけで過剰に自分を責める必要はなく、適切なケアと説明責任を果たすことが求められています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 老健局介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
「介護施設内での転倒に関するステートメント」では、転倒は老年症候群の一つであり、予防策を講じても一定の頻度で発生することがあると位置付けている。そのうえで、転倒をすべて施設側の過失とみなすのではなく、老年症候群としての転倒の特性を踏まえた評価が必要とされる。転倒リスクの高い高齢者には、リハビリテーションや機能訓練による生活機能の維持・改善を目的とした介入が推奨され、活動性の向上と安全確保の両立を図る視点が示されている。
全てのアザをゼロにすることはできませんが、「薬の影響で出血しやすい利用者」を把握しておくだけで、ケアの注意度や家族への説明が変わります。まずは担当者の服薬情報を確認することから、リスク管理を始めましょう。
現場で起きている「身に覚えのないアザ」の正体

日々の業務において、常に利用者の横について見守ることは現実的に不可能です。「いつの間にかアザができている」「特に強く握った記憶はないのに」という事態に直面した際、多くの職員が「自分の介助が悪かったのか」と悩み、家族への説明に窮してしまいます。ここでは、現場で頻発する事例を通して、その背後にある医学的なメカニズムと捉え方を解説します。
事例1:移乗介助の翌日に「虐待」を疑われたケース
- 状況:
- 移乗介助を行った翌日、利用者の二の腕にくっきりとした指の跡のようなアザ(紫斑)を発見した。
- 困りごと:
- 家族から「強く掴んだのではないか」「虐待ではないか」と厳しい口調で問いただされたが、通常の介助しかしておらず原因が分からない。
- よくある誤解:
- 「アザ=強い打撲や乱暴な接触があった証拠」と思い込んでしまう。
- 押さえるべき視点:
- 高齢者の場合、加齢により血管を支える組織が脆くなる血管壁の異常(老人性紫斑など)が生じていることがあります。この状態では、通常のケアで生じる軽微な圧迫や摩擦であっても血管が破綻し、アザができる場合があります。また、ステロイドの長期使用なども血管の脆弱化を招く要因です。
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
表では,出血傾向のうち「血管壁の異常」に分類される疾患として,先天性遺伝性出血性毛細血管拡張症(Osler病)やEhlers-Danlos症候群に加え,後天性IgA血管炎(Schönlein-Henoch症候群),単純性紫斑,老人性紫斑,ステロイド紫斑病,Cushing症候群,壊血病(ビタミンC欠乏症),異常蛋白血漿などが列挙され,血管壁の病態に基づく出血傾向として整理され,紫斑や皮下出血の原因となる。
事例2:口腔ケア時の出血が「薬のサイン」だったケース
- 状況
- 歯磨きのたびに歯茎から出血する。以前より血が止まりにくく、枕に血がついていることもある。
- 困りごと
- 「歯周病かな?」と思い歯科受診を検討していたが、実は全身的な問題の予兆だった。
- よくある誤解
- 「口の中の出血は、口の中だけの問題(歯科領域)」と考えてしまう。
- 押さえるべき視点:
- 歯肉出血や鼻血などの粘膜出血は、全身性の出血傾向の初期症状である可能性があります。特にワルファリンなどの抗凝固薬や、痛み止め(NSAIDs)を服用している場合、これらの薬が効きすぎている(あるいは副作用が出ている)サインとして現れることがあります。放置すると消化管出血や脳出血などの重篤な状態に進む恐れがあるため、見逃せない兆候です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
患者向けの早期発見の章では、ショック・貧血・心不全・意識障害など全身症状が出てからでは遅いとし、「手足に点状出血」「あおあざができやすい」「皮下出血」「鼻血」「過多月経」「歯ぐきの出血」といった皮膚・粘膜症状の段階で出血傾向に気づくことの重要性を強調する。これらの症状が認められ、何らかの医薬品を服用している場合には、放置せず直ちに医師・薬剤師に連絡するよう促しており、早期対応が重篤化予防の鍵であることが示されている。
事例3:テープを剥がしただけで「皮膚がめくれた」ケース
- 状況:
- 処置に使っていたテープを剥がした際、あるいは更衣介助で衣服が擦れた際に、皮膚が剥離(スキンティア)し出血した。
- 困りごと:
- 「もっと慎重にやるべきだった」と職員が過度に自分を責め、萎縮してしまう。
- よくある誤解:
- 「プロなら絶対に皮膚剥離を起こしてはいけない」「剥離事故=100%過失」と捉えてしまう。
- 押さえるべき視点:
- 介護度の高い高齢者は皮膚が極めて脆弱になっており、ケアに伴う内出血や皮膚剥離のリスクが常にあります。これらは転倒などと同様に老年症候群の一つとして捉えられ、個別の対策を講じても発生しうる「防ぐことが難しい事故」に分類される側面があります。過失を問うだけでなく、リスクが高い状態であることを認識し、保湿や保護などの対策へ繋げることが重要です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 老健局介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
近年、介護度の高い高齢者が介護施設等で暮らすケースが増加し、従来多かった転倒・転落による骨折に加え、ケアにともなう内出血や皮膚剥離、体位交換に伴う骨折などの事故も見られるようになっている。施設内で介護度の高い高齢者への対応を整理し、生活の中にもリスクが潜むことを高齢者本人や家族に理解してもらうためのコミュニケーションが必要とされる。
アザや出血は「介助の失敗」だけでなく、血管の老化や薬の副作用、皮膚の脆弱性といった医学的要因が大きく関わっています。これらを「ケアの不足」と混同せず、リスクとして正しく評価することが、職員の精神的な負担軽減と適切な対応に繋がります。
丁寧なケアをしていても「アザ」ができてしまう3つの理由

介護現場では「利用者を守るためには、爪の先ほどのリスクも見逃してはならない」という安全配慮義務が課せられています。しかし、実際にはどれほど愛護的に接しても、ほんの少しの手すりへの接触や、衣類の着脱時の摩擦で内出血が起きてしまうことがあります。「なぜ防げないのか」と悩む背景には、高齢者の体の中で起きている不可逆的な変化と、治療のための薬のリスク、そして「生活の場」であるがゆえの構造的な限界が存在します。
1. 体の仕組みが変わっている(血管と血液の老化)
高齢者の体は、若い頃とは全く異なる「出血しやすい状態」にあります。加齢により皮膚や血管を支える組織が痩せて脆弱になるため、打撲などの強い衝撃がなくても、日常動作の軽微な外力だけで血管が破れ、紫斑(アザ)となる老人性紫斑が頻発します。
また、血液を固める役割を持つ血小板の減少や機能低下、あるいは肝機能の衰えによる凝固因子(血を固める成分)の不足も、出血傾向を助長します。これらは「ケアの雑さ」ではなく、加齢や病気に伴う身体機能の変化であり、外部からの介入だけで完全にコントロールすることは困難です。
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
要約文(200〜300文字): 表では,出血傾向のうち「血管壁の異常」に分類される疾患として,先天性遺伝性出血性毛細血管拡張症(Osler病)やEhlers-Danlos症候群に加え,後天性IgA血管炎(Schönlein-Henoch症候群),単純性紫斑,老人性紫斑,ステロイド紫斑病,Cushing症候群,壊血病(ビタミンC欠乏症),異常蛋白血漿などが列挙され,血管壁の病態に基づく出血傾向として整理され,紫斑や皮下出血の原因となる。
2. 「薬」が防御力を下げている(副作用リスク)
多くの利用者が、脳梗塞や心筋梗塞を防ぐために抗凝固薬(ワルファリンなど)や抗血小板薬を服用しています。これらは「血液をサラサラにする」という治療効果の反面、副作用として「血が止まりにくい」「出血しやすい」という状態を意図的に作り出しています。
さらに、関節痛などで処方される痛み止め(NSAIDs)も血小板の働きを抑えるため、併用することで出血リスクはさらに高まります。現場で「このくらいなら大丈夫」と思う程度の接触でも、薬の影響下にある利用者にとっては、大きな皮下出血を引き起こす十分な刺激となってしまうのです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
血栓溶解薬(t-PA・ウロキナーゼ)の過量投与では線溶系が過度に亢進し、形成された血栓が溶解して止血部位から後出血を起こす。ワルファリンや一部の抗生物質はビタミンK依存性凝固因子(第II・VII・IX・X因子)の低下を介して、ヘパリン類や抗血小板薬は凝固カスケードや血小板機能の抑制を介して出血傾向を生じると説明されており、薬剤ごとの作用機序に応じた監視が必要である。
3. 「生活の場」にはゼロにできないリスクがある(老年症候群)
施設は病院のような管理下ではなく、あくまで「生活の場」です。利用者の自立支援と尊厳を守るためには、ある程度の活動の自由が必要ですが、それは同時に転倒や接触のリスクを受け入れることでもあります。
特に介護度の高い高齢者における内出血や皮膚剥離、転倒などは老年症候群の一つとして位置づけられています。これらは個人のリスクに応じて一定の確率で発生するものであり、すべてを過失として扱うべきではありません。「防げる事故」には対策を講じつつも、「防ぐことが難しい事故」も存在するという事実を、専門職として正しく認識する必要があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 老健局介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
「介護施設内での転倒に関するステートメント」は、転倒(転落を含む)が老年症候群の代表的な症候であり、予防策の有無に係わらず個人のリスクに応じて一定の頻度で発生するという前提に立つ。転倒すべてが過失による事故ではないと明言しつつ、骨折や頭蓋内出血など生活機能低下につながる転倒を減らすため、リハビリテーションや機能訓練を含む積極的介入と、予防策と発生時対策の定期的な見直しを求めている。入所者・家族に対しては、老年症候群としての転倒について科学的エビデンスに基づき理解を得ることが強調されている。
アザができる原因は「現場のミス」だけではありません。血管の老化、薬の副作用、そして老年症候群という3つの要因が重なっていることを理解すれば、過度な自責から解放され、より冷静な観察と対応が可能になります。
FAQ よくある質問と回答
- Q出血やアザが怖いので、入浴前などに薬を1回だけ休ませてもいいですか?
- A
絶対に自己判断で薬を減らしたり中止してはいけません。ワルファリンなどの抗凝固薬は、医師が厳密に量を調整して処方しています。勝手な中断や減量は、薬の効果を不安定にし、脳梗塞や心筋梗塞といった血栓症のリスクを高める可能性があります。必ず医師の指示に従ってください。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
マニュアルではワルファリンについて、投与量を調節しながら用いる薬剤である一方、「効き過ぎ」により出血傾向を起こすことがあると説明している。その際、患者自身の判断で「勝手に薬の量を減らしたり中止したりせず」、必ず主治医に相談するよう明記されている。ワルファリン使用中に出血傾向の症状が出現した場合には、休薬や減量を含む対応を医師が判断する必要があり、自己判断による中断が血栓症リスクを高める可能性がある点が注意喚起されている。
- Q病院を受診すべき「危険な出血」のサインはありますか?
- A
単なる手足のアザだけでなく、「鼻血が止まらない」「歯茎から出血する」「尿に血が混じる」「便が黒い(消化管出血の疑い)」といった症状が見られる場合は、薬の副作用による重篤な出血傾向の可能性があります。また、頭痛や意識障害、麻痺などを伴う場合は頭蓋内出血の恐れがあるため、直ちに医療機関を受診する必要があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
患者向けの早期発見の章では、ショック・貧血・心不全・意識障害など全身症状が出てからでは遅いとし、「手足に点状出血」「あおあざができやすい」「皮下出血」「鼻血」「過多月経」「歯ぐきの出血」といった皮膚・粘膜症状の段階で出血傾向に気づくことの重要性を強調する。これらの症状が認められ、何らかの医薬品を服用している場合には、放置せず直ちに医師・薬剤師に連絡するよう促しており、早期対応が重篤化予防の鍵であることが示されている。
- Qテープなどで皮膚が剥けてしまった場合、消毒したほうがいいですか?
- A
浅い傷であれば、原則として消毒は必要ありません。消毒薬は細菌だけでなく正常な細胞も傷つけてしまい、治癒を遅らせることがあります。感染の兆候(強い赤みや腫れ、膿など)がなければ、たっぷりの水道水や生理食塩水で異物を洗い流し、清潔な環境を保つ「洗浄」を中心としたケアが推奨されています。
出典元の要点(要約)
日本皮膚科学会
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1:創傷一般ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/wound_guideline.pdf
質問3では「慢性皮膚創傷に対して創面をどのように消毒すべきか」が扱われ,一般に浅い皮膚創傷では消毒は必要ないとされる。深い皮膚創傷でも感染が成立していなければ,消毒による除菌にとらわれず洗浄を中心とした管理がすすめられる。一方で感染に移行しつつある状態や明らかな感染が成立した場合には,多少の組織障害を犠牲にしてでも消毒を行い感染を抑制することが必要とされる。
「お薬手帳の確認」から、自分と利用者を守るケアへ
高齢者の身体に現れるアザは、必ずしも介助の失敗や見守り不足の結果ではありません。加齢による血管の脆さや、治療のために服用している薬の副作用が、出血を引き起こしやすい土台を作っていることが多々あります 。日々の業務の中で、すべてのアザを防ごうと自分を責める必要はありません。まずは「防げるリスク」と「避けられないリスク」を区別し、医学的な視点を持つことが、利用者だけでなく職員自身を守ることにもつながります。
明日からできる具体的な一歩として、担当している利用者の「お薬手帳」や服薬情報を一度確認してみてください。そこに「ワルファリン」などの抗凝固薬や、日常的な「痛み止め(NSAIDs)」の名前が含まれていないでしょうか 。もし含まれていれば、その利用者は少しの摩擦でも出血するリスクが高い状態です。その事実を知っているだけで、着替えの際の力の入れ方が自然と変わり、万が一アザができた際も、根拠を持って記録に残すことができるようになります。
薬のリスクを理解していれば、ご家族への報告も、単なる謝罪から「お薬の影響で皮膚が非常にデリケートになっているため、細心の注意を払って対応しています」という、専門職としての説明へと変わります。完璧を目指すのではなく、まずは「薬を確認する」という小さな行動から、リスク管理を始めてみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。
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更新履歴
- 2025年12月17日:新規投稿


