介護現場で実践すべき手すり消毒の正しい方法

※本ページはプロモーションが含まれています


排泄介助が続く時間帯に、手袋交換、手洗い、記録、食事準備まで重なると、「大事なのは分かるけれど、毎回完璧には回らない」と感じることがあります。

手洗い・手指消毒は、軽く見てよいものではありません。介護現場では、職員が複数の利用者や物品に触れながら動くため、手指衛生が崩れると感染を運ぶ動線になり得ます。

この記事では、感染リスクが高い場面を外さない手指衛生を、現場が続けやすい形で整理します。

この記事を読むと分かること

  • 石けんと流水による手洗いを優先したい場面
  • アルコール手指消毒を補助として使う場面
  • 同じ手袋で汚染を広げないための考え方
  • リーダーが「注意」だけで終わらせない運用づくり

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 排泄介助が続くと、手洗いだけで時間が押してしまう
  • 手袋をしていれば大丈夫、という空気に違和感がある
  • 食事介助前の切り替えが人によって違う
  • 感染対策を守らせたいが、全部完璧とは言い切れない

介護現場の手洗いは完璧主義より外さない場面が大切

介護施設の廊下で腕を組み首をかしげる若い女性介護職員の様子。ケア方法や利用者対応について迷いながら考えている場面を想定したイメージで、認知症ケアや不穏対応、業務改善を検討する介護現場の課題を示す写真。

手洗い・手指消毒は軽視せず、感染リスクが高い場面をチームで外さない運用にすることが大切です。

排泄介助が何件も続くと、毎回の手洗いを理想どおりに回すだけで業務が詰まります。だからといって、「手術ではないから適当でよい」と流すと、利用者、排泄物、食事、記録端末、手すりを横断する手が感染経路になり得ます。

現場では、手袋を着けた安心感から、そのままPHSや記録用PCに触れてしまうことがあります。忙しい時間帯ほど、どこで手袋を外すか、どこで手指衛生へ切り替えるかが曖昧になります。全部を根性で守らせるより、排泄介助後、食事介助前、嘔吐物処理後、感染疑い者のケア前後など、崩してはいけない場面をそろえるほうが続きやすいです。

手洗いを軽視してよいわけではありません

介護現場では、1人の職員が複数の利用者を担当することが多く、職員を介して感染症が広がる可能性があります。この項目では、手洗い・手指消毒を「気にしすぎ」と片づけない理由が分かります。忙しい中でも、感染を持ち込まない、広げない視点は外せません。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

介護保険のサービスを使っている方(以下「利用者」という。)は、 ・ 高齢者又は基礎疾患がある等、感染への抵抗力が低下している ・ 認知機能が低下していることにより感染対策への協力が難しい 等の特徴を持つ方が多いので、介護現場における感染症対策は非常に重要です。 また、施設サービスや通所サービス、訪問サービスといった各サービスの特性も理解する 必要があります。介護現場においては、1人の職員が複数の利用者を担当することが常であり、職員を介して感染症が広がること(媒介)もあります。一旦、感染症が介護現場に持ち込まれると、集団発生となり得るので、まずは予防すること、そして発生した場合には、最小限に食い止めることが必要です。

毎回フル手洗いだけに頼ると運用が崩れます

現場では、排泄介助が連続し、手袋交換、手洗い、記録が重なる時間帯があります。大切なのは、すべてを同じ重さで扱うことではなく、感染経路を遮断する場面を見極めることです。病原体、感染経路、感受性宿主という考え方からも、手指衛生は感染経路を断つための中心になります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

感染症が発生(感染が成立)するには、その原因となる病原体の存在、病原体が宿主に入り込むための感染経路、そして病原体が入り込んだ宿主に感受性があること(感染のしやすさ)が必要となります。 病原体、感染経路、感受性宿主の3つを、感染成立のための3大要因といいます。 図 1 感染が成立する3つの要因 <感染対策の3つの柱> Ⅰ 病原体(感染源)の排除 Ⅱ 感染経路の遮断 Ⅲ 宿主の抵抗力の向上 ⅠからⅢの感染対策の柱を実行していくためには、「標準予防策(スタンダード・プリコーション)」や「感染経路別予防策」と呼ばれる基本的な対応を徹底すること等が必要です。

手袋は手洗いの代わりではありません

手袋をしていると、つい「直接触れていないから大丈夫」と感じます。けれど、手袋を外した後の手指衛生が必要であり、汚れた手袋で周辺を触らないことも重要です。手袋は汚染を広げないための道具であって、手洗い・手指消毒を省くための免除札ではありません。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

予防策 <個人防護> ・こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。 ・ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。 ・利用者の膿、血液、嘔吐物、排泄物等を扱う場合には、長袖ガウンを着用。使用後の長袖ガウンは速やかに捨てること。また長袖ガウンを脱いだ後に、職員の衣類が感染者や感染者の物品に触れないように注意する。

ノロウイルスが疑われる場面は石けんと流水を優先します

嘔吐物や下痢便の対応後は、アルコールだけで済ませたい気持ちが出やすい場面です。しかし、ノロウイルスに関する資料では、手洗いは手指に付着したノロウイルスを減らす方法として示され、消毒用エタノールは石けんと流水の代用ではなく補助とされています。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。調理を行う前 (特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前も) 、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後 (手袋をして直接触れないようにしていても) には必ず行いましょう。 常に爪を短く切って、 指輪等をはずし、 石けんを十分泡立て、 ブラシなどを使用して手指を洗浄します。 すすぎは温水による流水で十分に行い、 清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。 石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、 ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

リーダーは注意より続けられる仕組みを整えます

職員に「ちゃんと洗って」と言うだけでは、排泄介助ラッシュの中で運用は崩れます。管理者側には、指針やマニュアル、研修、物品や設備整備などの実践が求められます。手指消毒剤、手袋、ペーパータオル、手洗い動線をそろえることが、現場を責めない感染対策につながります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

管理者 ● 高齢者の特性、サービスの特性と形態に応じた感染症の特徴の理解 ● 感染対策に対する正しい知識(予防、発生時の対応)の習得 ● 介護施設・事業所内の危機管理体制の構築(感染対策委員会の設置、業務継続計画(BCP)作成、緊急時連絡網作成等) ● 介護施設・事業所内での感染対策の実践(感染対策委員会の開催、指針とマニュアルの策定、職員等を対象とした研修の実施、物品や設備整備等) ● 自治体等の関係機関との連携体制の構築(情報共有、発生時の行政への届出等) ● 職員の労務管理(職員の健康管理、職員が感染症にかかったときに療養に専念できる人的環境の整備等)

手洗い・手指消毒は軽視せず、石けんと流水が必要な場面、手指消毒で補助する場面、手袋交換の場面をチームでそろえることが大切です。


介護現場の手洗い・手指消毒でよくある事例

介護職員がPHS(業務用携帯)を手に持つ様子。ナースコール対応や職員間の連絡に使用する介護現場の通信手段

感染対策は大事だと分かっていても、現場では「今このタイミングでどこまでやるか」に迷います。忙しいほど、人によって判断が分かれ、結果として手指衛生のばらつきが出ます。

朝や夕方の排泄介助では、利用者対応が続き、手袋交換と記録が同時に迫ります。手袋をしたままPHSが鳴り、急いで応答したくなる場面もあります。うまくいく現場ほど、「そこは触らない」「ここで外す」「ここで手指衛生」と最低ラインをそろえています。

手袋をしたままPHSやPCに触ってしまう

排泄介助中にコールやPHSが鳴ると、手袋を外す数秒が惜しくなります。判断に迷う瞬間ですが、汚れた手袋で周辺物品を触ると、清潔に保ちたい場所まで汚染を広げるおそれがあります。まず、ケア後は手袋を速やかに外し、手指衛生へ切り替える動きをそろえることが現実的です。

状況は、手袋をしている安心感のまま、PHS、PC、ドアノブ、手すりを触ってしまう場面です。困りごとは、本人は「直接触っていない」と思っていても、周辺物品に汚染が移ることです。よくある誤解は、手袋を着けていれば手指衛生は後でよいという考えです。押さえるべき視点は、汚れた手袋で周辺を触らず、外した後に手指衛生を行うことです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

予防策 <個人防護> ・こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。 ・ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。 ・利用者の膿、血液、嘔吐物、排泄物等を扱う場合には、長袖ガウンを着用。使用後の長袖ガウンは速やかに捨てること。また長袖ガウンを脱いだ後に、職員の衣類が感染者や感染者の物品に触れないように注意する。

排泄介助が続き手袋交換が流れ作業になる

複数人の排泄介助が続くと、手袋を替える、捨てる、手指衛生を行う流れが雑になりやすいです。次の利用者を待たせている焦りもあります。それでも、個人防護具を利用者ごとに交換する考え方を共有すると、職員ごとのばらつきを減らせます。

状況は、同じ時間帯におむつ交換が集中し、職員が次の部屋へ急ぐ場面です。困りごとは、個人防護具を着けたまま動くことで周囲へ汚染を広げることです。よくある誤解は、手袋が破れていなければ続けて使えるという考えです。押さえるべき視点は、利用者ごとの交換と、ケアが終わったらすぐ外すことです。

出典元の要点(要約)

障害保健福祉部

障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf

マスクや手袋を箱などから取る前には、必ず手指消毒をしましょう。一度箱の中に汚染された手を入れてしまうと、箱全体が汚染されてしまいます。 ・原則、 個人防護具は利用者ごとに交換し、一度着用した個人防護具は破棄しましょう。 ・ 個人防護具は周囲を汚染しないよう、ケアが終わったらすぐに外し、着用した状態で出歩かないようにしましょう。 ・布製のエプロン・ガウンは使用せずに、使い捨てのエプロン・ガウンを使用しましょう。

食事介助前の切り替えが曖昧になる

排泄介助後にそのまま食堂へ呼ばれると、「今、手洗いに行く時間があるか」と迷います。急ぐほど、食事前の切り替えが曖昧になります。食事介助前は、排泄対応から清潔場面へ切り替える区切りとして、チームで外さない場面にしておくことが大切です。

状況は、排泄介助が押したまま食事時間に入る場面です。困りごとは、排泄物に関わるケアと食事介助が近い時間に並ぶことです。よくある誤解は、手袋を交換すれば十分という考えです。押さえるべき視点は、食事前の手洗い等と、排泄介助時の個人防護具を分けて考えることです。

出典元の要点(要約)

障害保健福祉部

障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf

食事 ・ 食事介助は、 原則として個室 で行います。個室がない場合は 座席の間隔を空け、対面を避けるようにしましょう。 ・ 食事前に入所者に対し、 (液体)石 けんと流水による手洗い等を 実施し ます。 ・ 自動食器洗浄機(80℃ 10 分間)に よる洗浄・乾燥もしくは洗剤による 洗浄と熱水処理を行いましょう。 3 排泄の介助等 ・ おむつ交換の際は、排泄物に直接触れない場合であっても、 手袋に加え、マスク、使い捨てエプロン・ガウンを着用します。

ノロウイルス疑いでもアルコールだけで済ませたくなる

嘔吐や下痢があると、現場は一気に慌ただしくなります。片付け、隔離、連絡、記録に追われ、手指衛生を短く済ませたくなる場面です。こうした時ほど、石けんと流水による手洗いを優先する場面を決めておくと、対応がぶれにくくなります。

状況は、吐ぶつやふん便の処理後に、次の対応へ急ぎたくなる場面です。困りごとは、アルコール手指消毒だけで済ませると、石けんと流水の代用として扱ってしまうことです。よくある誤解は、消毒をしたから手洗いは不要という考えです。押さえるべき視点は、ノロウイルスが疑われる場面では手洗いを中心に考えることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

なお、 消毒用エタノールによる手指消毒は、 石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、 すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで 一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。 Q17 ノロウイルスに汚染された可能性のある 調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいのですか? 一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、 次亜塩素酸ナトリウム※や亜塩素酸水や加熱による処理があります。

よくある崩れ方は、手袋の安心感、排泄介助の連続、食事前の切り替え、ノロ対応の焦りです。場面ごとの最低ラインをそろえることが大切です。


なぜ介護現場の手洗い・手指消毒は崩れやすいのか

介護施設の廊下で、若い女性介護職員が腕を組みながら考え込んでいる。状況を整理しようとしている場面。

手洗いが大事だと分かっていても、排泄介助、食事介助、記録、コール対応が重なると、手順が後回しになりやすいです。この背景には、介護現場の動線と感染対策の考え方のズレがあります。ここでは、手指衛生が崩れやすい理由を整理します。

現場では、理想の手順を掲示しても、物品の位置や手洗い場までの距離、職員配置が合っていないと続きません。注意された職員だけが悪いのではなく、続けられる運用になっているかを見直す必要があります。だからこそ、崩れやすい理由を責める材料ではなく、ルール設計の材料として扱います。

職員が複数の利用者と物品を横断するから

排泄介助のあとに食事介助へ入り、途中でPHSや手すりに触れることがあります。迷うのは、どこを区切りにするかです。介護現場では職員を介した媒介があり得るため、動線の切り替えで手指衛生を挟むことが重要になります。

なぜ起きるのかというと、1人の職員が複数の利用者を担当し、ケアと物品の間を移動するからです。建前では、場面ごとに手指衛生を入れればよいとなります。現実には、連続介助で区切りが曖昧になります。そのズレが、感染を持ち込む、持ち出す、広げるリスクにつながります。押さえるべき視点は、職員の動線そのものを感染経路として見ることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

介護保険のサービスを使っている方(以下「利用者」という。)は、 ・ 高齢者又は基礎疾患がある等、感染への抵抗力が低下している ・ 認知機能が低下していることにより感染対策への協力が難しい 等の特徴を持つ方が多いので、介護現場における感染症対策は非常に重要です。 また、施設サービスや通所サービス、訪問サービスといった各サービスの特性も理解する 必要があります。介護現場においては、1人の職員が複数の利用者を担当することが常であり、職員を介して感染症が広がること(媒介)もあります。一旦、感染症が介護現場に持ち込まれると、集団発生となり得るので、まずは予防すること、そして発生した場合には、最小限に食い止めることが必要です。

標準予防策は感染が分かる前から必要だから

利用者に明らかな症状がないと、「今日はそこまでしなくてよい」と感じることがあります。判断に迷う瞬間ですが、標準予防策は感染の有無に関わらず考えるものです。見た目で判断せず、排泄物や嘔吐物などは感染の可能性があるものとして扱います。

なぜ起きるのかというと、感染しているかどうかが見た目だけでは分かりにくいからです。建前では、全員に同じ基本予防策を行います。現実には、症状がないと対応が軽くなりがちです。そのズレが、排泄物や嘔吐物に関わる場面での油断を生みます。押さえるべき視点は、感染の有無ではなく、触れるものの性質で手指衛生を判断することです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

感染症の有無に関わらず、すべての人に対して、血液、体液、汗を除く分泌物、排泄物、損傷した皮膚、粘膜等の湿性生体物質は、感染の可能性があるとみなして対応する方法を標準予防策(Standard Precautions、スタンダード・プリコーション)といいます。 血液等の体液・嘔吐物・糞便等には感染性の病原体が含まれていることが多く、これらに接する際は、手袋をすること、必要に応じてマスクやゴーグルをつけること、その際に出たごみも感染性があるものとして注意して扱うこと、手袋を外した後は手洗いを丁寧に行うこと等が、感染症予防の基本です。

手袋を着けること自体が目的になりやすいから

忙しいと、「手袋をしたから対策した」と感じやすくなります。けれど、手袋を外すタイミングや外した後の手指衛生が抜けると、対策は途中で止まります。手袋は使い方まで含めて対策です。

なぜ起きるのかというと、手袋を着ける行為が目に見えるため、そこで安心しやすいからです。建前では、手袋は汚染を避ける道具です。現実には、着けたまま移動したり、箱に触れたりすることがあります。そのズレが、周辺環境への汚染につながります。押さえるべき視点は、着ける前、交換、外した後の手指衛生までを一つの流れにすることです。

出典元の要点(要約)

障害保健福祉部

障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf

マスクや手袋を箱などから取る前には、必ず手指消毒をしましょう。一度箱の中に汚染された手を入れてしまうと、箱全体が汚染されてしまいます。 ・原則、 個人防護具は利用者ごとに交換し、一度着用した個人防護具は破棄しましょう。 ・ 個人防護具は周囲を汚染しないよう、ケアが終わったらすぐに外し、着用した状態で出歩かないようにしましょう。 ・布製のエプロン・ガウンは使用せずに、使い捨てのエプロン・ガウンを使用しましょう。

ノロウイルス疑いではアルコール頼みが危ういから

手洗い場が遠いと、手指消毒だけで次の対応に入りたくなります。通常場面の補助として使うことと、石けんと流水の代用にすることは分けて考える必要があります。特に嘔吐物や下痢便が絡む場面では、手洗いの優先順位を上げます。

なぜ起きるのかというと、手指消毒剤はすぐ使える一方で、石けんと流水による手洗いには移動と時間が必要だからです。建前では、汚物処理やおむつ交換後には手洗いを行います。現実には、忙しい時ほど補助の消毒を代用にしがちです。そのズレが、ノロウイルス疑いの場面での不十分な対応につながります。押さえるべき視点は、アルコールは補助であり、代用ではない場面を決めることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。調理を行う前 (特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前も) 、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後 (手袋をして直接触れないようにしていても) には必ず行いましょう。 常に爪を短く切って、 指輪等をはずし、 石けんを十分泡立て、 ブラシなどを使用して手指を洗浄します。 すすぎは温水による流水で十分に行い、 清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。 石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、 ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

注意だけでは物品や動線の問題が残るから

リーダーが「ちゃんと洗って」と言っても、手袋が切れていたり、ペーパータオルが遠かったりすると、現場は続きません。精神論だけでは、忙しい時間帯に同じ崩れ方をします。守れる配置と補充を整えることが必要です。

なぜ起きるのかというと、感染対策は職員個人の意識だけで完結しないからです。建前では、職員が正しい知識を持てば実践できます。現実には、研修、物品、設備、労務管理が整わないと続きません。そのズレが、表向きだけ守る感染対策を生みます。押さえるべき視点は、管理者が体制、研修、物品や設備を含めて運用を支えることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

管理者 ● 高齢者の特性、サービスの特性と形態に応じた感染症の特徴の理解 ● 感染対策に対する正しい知識(予防、発生時の対応)の習得 ● 介護施設・事業所内の危機管理体制の構築(感染対策委員会の設置、業務継続計画(BCP)作成、緊急時連絡網作成等) ● 介護施設・事業所内での感染対策の実践(感染対策委員会の開催、指針とマニュアルの策定、職員等を対象とした研修の実施、物品や設備整備等) ● 自治体等の関係機関との連携体制の構築(情報共有、発生時の行政への届出等) ● 職員の労務管理(職員の健康管理、職員が感染症にかかったときに療養に専念できる人的環境の整備等)

手指衛生が崩れる理由は、職員の意識だけではありません。動線、手袋の扱い、ノロ疑い時の判断、物品配置まで含めて整えることが必要です。


介護現場の手洗い・手指消毒で迷いやすいFAQ

現場では、手洗いの大切さを知っていても、忙しさの中で判断に迷います。ここでは、排泄介助や食事介助、手袋交換で起こりやすい小さな迷いを整理します。

Q
手袋をしていれば、外した後の手洗いは省いてもよいですか?
A

省かないほうが安全です。資料では、手袋を脱いだ後は手指衛生が必要とされています。手袋は直接触れないための道具ですが、外す時や周辺物品に触れる時に汚染が広がることがあります。手袋を外す、捨てる、手指衛生を行う流れまでを一つの手順としてそろえましょう。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

感染症の原因となる可能性のある病原体(感染源)は、次のようなところに人体の場合は存在しています。 ① 血液等の体液3(汗を除く) ② 目・鼻・口腔内等の粘膜4 ③ 正常でない皮膚5 ④ 上記に触れた手指 ①、②、③は、必ず手袋を着用して取り扱います。また、手袋を脱いだ後は、手指衛生(手洗いやアルコール消毒等)が必要です。 Ⅱ 感染経路の遮断 感染対策の3つの柱のうち、「Ⅱ 感染経路の遮断」の対策が最も重要な取組です。

Q
ノロウイルスが疑われる時もアルコール消毒で足りますか?
A

石けんと流水による手洗いを優先して考えます。ノロウイルスに関する資料では、消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用ではなく、すぐに手洗いできない場合の補助とされています。嘔吐物や下痢便の対応後は、手洗いの場面としてチームでそろえることが大切です。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

なお、 消毒用エタノールによる手指消毒は、 石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、 すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで 一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。 Q17 ノロウイルスに汚染された可能性のある 調理台や調理器具はどのように殺菌したらいいのですか? 一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、 次亜塩素酸ナトリウム※や亜塩素酸水や加熱による処理があります。

Q
食事介助前はどこまで切り替えるべきですか?
A

排泄介助や汚物対応から食事介助へ移る時は、清潔場面へ切り替える区切りとして扱います。資料では、食事前に入所者へ液体石けんと流水による手洗い等を行うことや、おむつ交換時の防護具着用が示されています。職員側も、手袋交換と手指衛生を流れで確認できる運用にしておくと迷いが減ります。

出典元の要点(要約)

障害保健福祉部

障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf

食事 ・ 食事介助は、 原則として個室 で行います。個室がない場合は 座席の間隔を空け、対面を避けるようにしましょう。 ・ 食事前に入所者に対し、 (液体)石 けんと流水による手洗い等を 実施し ます。 ・ 自動食器洗浄機(80℃ 10 分間)に よる洗浄・乾燥もしくは洗剤による 洗浄と熱水処理を行いましょう。 3 排泄の介助等 ・ おむつ交換の際は、排泄物に直接触れない場合であっても、 手袋に加え、マスク、使い捨てエプロン・ガウンを着用します。

Q
リーダーは職員へ何を指導すればよいですか?
A

「ちゃんと手を洗って」と注意するだけでなく、守れる仕組みを整えることが大切です。資料では、管理者に感染対策委員会、指針とマニュアル、研修、物品や設備整備などが求められています。手指消毒剤や手袋、ペーパータオルの補充、食事前の切り替えルールなどを具体化しましょう。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

管理者 ● 高齢者の特性、サービスの特性と形態に応じた感染症の特徴の理解 ● 感染対策に対する正しい知識(予防、発生時の対応)の習得 ● 介護施設・事業所内の危機管理体制の構築(感染対策委員会の設置、業務継続計画(BCP)作成、緊急時連絡網作成等) ● 介護施設・事業所内での感染対策の実践(感染対策委員会の開催、指針とマニュアルの策定、職員等を対象とした研修の実施、物品や設備整備等) ● 自治体等の関係機関との連携体制の構築(情報共有、発生時の行政への届出等) ● 職員の労務管理(職員の健康管理、職員が感染症にかかったときに療養に専念できる人的環境の整備等)

迷った時は、手袋を外した後、ノロ疑い、食事介助前、リーダーの運用づくりを優先して確認します。


あなたの負担を減らすおすすめ記事


介護現場の手洗い・手指消毒は優先順位で続ける

介護現場の手洗い・手指消毒は、「手術をするわけではないから適当でよい」と軽く見てよいものではありません。

一方で、排泄介助が連続する時間帯に、毎回すべてを理想どおりに行うだけでは、現場の運用が崩れやすくなります。

大切なのは、感染リスクが高い場面を外さないことです。排泄介助後、食事介助前、嘔吐物や下痢便の処理後、感染疑い者のケア前後は、チームでそろえておきたい場面です。

石けんと流水が必要な場面と、アルコール手指消毒を補助として使う場面を分ける。同じ手袋で周辺物品を触らない。手袋を外した後は手指衛生を行う。

この最低ラインをそろえるだけでも、職員ごとの判断のばらつきは減らせます。現場を責めるのではなく、続けられる形に整えることが、利用者と職員を守る感染対策です。

最後までご覧いただきありがとうございます。


更新履歴

  • 2025年9月15日:新規投稿
  • 2525年10月21日:最新情報に基づき加筆・修正
  • 2025年12月17日:最新情報に基づき加筆・修正
  • 2026年5月26日:内容を全面的にリライト

タイトルとURLをコピーしました