介護職として働いていると、利用者対応より先に、同僚の機嫌を確認してしまう日があります。申し送りで聞きたいだけなのに、返答が刺々しい。確認したいのに、今は話しかけない方がいいと感じる。こうした空気が続くと、報連相そのものが重くなります。
現場では、苦手な同僚を好きになることよりも、その人の態度で確認や報告が止まらない形を作ることが大切です。怒りをぶつけるのではなく、どの業務が止まり、どこに負担が出ているかを整理すると、管理者への相談も職場改善の話に変えやすくなります。
この記事では、感情の起伏が大きい職員、威圧的な態度を取る職員、業務を避ける職員に振り回される場面を、介護現場の安全管理と職場環境の視点で整理します。全部を一度に変える必要はありません。まずは、報連相を止めないことから考えていきます。
この記事を読むと分かること
- 相談の整理法
- 報連相の守り方
- 業務偏りの見方
- 事故報告の扱い
- 転職判断の軸
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
介護職が苦手な同僚に悩むときの結論
現場では、苦手な同僚がいるだけなら我慢で済ませようとすることがあります。けれど、相手の機嫌で申し送りや確認が止まり、新人が聞けず、できる職員だけがフォローする状態なら、単なる好き嫌いでは片づけにくい問題です。この記事を読むと、同僚を変える前に、何を止めない仕組みにすればよいかが整理できます。
苦手な同僚への対応は、報連相・確認・業務分担を個人の機嫌に依存させないことです。
現場では、怒っている職員を避けるうちに、必要な確認まで後回しになることがあります。うまくいった対応は、相手を説得することではなく、「誰に、いつ、何を確認するか」を決めておくことでした。苦手意識を消すより、利用者対応に必要な情報が止まらない形を先に作る方が現実的です。
威圧的な態度は「相性」だけで片づけない
申し送りで質問しただけなのに、強い口調で返される場面があります。そこで理解したいのは、苦手かどうかではなく、その言動で就業環境や確認行動に影響が出ていないかです。
パワーハラスメントに当たるかは個別判断ですが、資料では優越的な関係、業務上必要な範囲を超えた言動、就業環境が害されることが要素として示されています。現場の迷いとしては、「これくらいで相談していいのか」と抱え込みやすい点です。だからこそ、人格評価ではなく、どの場面で報告や確認がしづらくなったかを残すことが大切です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
事業主は、職場において⾏われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要 かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること のないよう、 当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の 雇用管理上必要 な措置を講じなければならない。 2 事業主は、労働者が前項の相談を⾏ったこと⼜は事業主による当該相談への対応に協⼒した際 に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはなら ない。 職場におけるパワーハラスメントは、職場において⾏われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるもの であり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
報連相が止まるなら利用者安全の問題として扱う
不機嫌な職員に聞くしかない配置だと、周囲は「今はやめておこう」と判断しがちです。この項目で押さえたいのは、報告のしづらさを気持ちの問題だけにしないことです。
事故やヒヤリハットの情報は、責任追及ではなくケア改善に使うものとされています。確認した人が責められる空気があると、次の小さな報告が止まりやすくなります。現場では、聞かなかった新人だけを責める前に、聞きにくい空気や報告ルートを見直す必要があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
ヒヤリ・ハット/事故報告の目的は、職員の責任追及ではなく利用者に対するケアの改善であり、仕 組みを構築する際には、報告を活性化するための工夫が重要です。 また、報告をケアの質向上やその後の事故防止につなげるために、報告様式の整備が重要です。 発生状況をわかりやすく、時系列に沿って記載できることに加え、原因分析においては事実と推測 を明確にわけ、本人・職員・環境、それぞれの要因別に検討できるようにするなどが効果的です。
業務の偏りは見えないフォローで終わらせない
苦手な利用者対応や記録を避ける職員がいると、動ける職員に仕事が寄ります。この項目で理解したいのは、黙って代わりにやり続けるほど、管理者には問題が見えにくくなることです。
業務改善の資料では、業務の見える化や役割の整理が示されています。現場の迷いとしては、「利用者を待たせられないから今は自分がやる」と判断し、その積み重ねで偏りが固定されることです。誰を責めるかではなく、どの業務が誰に寄り、何が後回しになったかを見える形にします。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
サ責も訪問に出るなど常に忙しく、職員の現場でおきた事に対する相談を聞いたり、 対応する時間がとれない状態であった。 課題 ❶サ責の業務を見える化して、a )現在行なっている役割、b )本来行うべき役 割、c)今後行っていきたい役割をそれぞれ整理する。 ❷上記1のa)とb)・c)の間の業務のギャップを整理し、必要な役割以外は他 の職員に棚下ろしするなど、隙間時間を生み出す。 ❸ サ責は、生まれた隙間時間で職員とどのようにコミュニケーションをとる か、また、サ責の役割などについて職員と共有する。
管理者が動かないときは相談先と離れる選択肢を持つ
相談しても「仲良くして」で終わると、自分の我慢が足りないように感じてしまいます。この項目で理解したいのは、相談体制や職場環境の改善も、事業場で整えるべき視点として扱われていることです。
職場の心の健康づくりでは、職場環境の評価と改善、相談しやすい環境整備が示されています。介護労働実態調査でも、介護関係の仕事を辞めた理由として職場の人間関係が挙げられています。何度伝えても報連相や安全確認への影響が放置されるなら、外部相談や転職検討は逃げではなく、消耗を深めないための選択肢になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
職場における心の健康づくり
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf
労働者の心の健康には以下のとおり様々な要因が影響を与えることから、日常の職場管理や労働 者からの意見聴取の結果、ストレスチェック制度を活用し、職場環境等を評価して問題点を把握す るとともに、その改善を図ってください。 事業場の実態に応じて、労働者の相談に応ずる体制を整備するとともに、事業場外の相談機関 の活用を図るなど、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行いましょう。
苦手な同僚への対応は、相手の性格を変えることではありません。報連相、確認、業務分担、相談先を個人の機嫌に依存させない形へ整えることが出発点です。
苦手な同僚がいる介護現場でよくある事例
現場では、「またこのパターンか」と思う場面ほど、感情だけでは説明しにくいものです。腹が立つ、怖い、近づきたくないという感情の奥に、確認停止や負担の偏りが隠れていることがあります。
感情の起伏が大きい職員がいると、周囲は先に相手の機嫌を読みます。申し送りで聞く順番を変えたり、必要な確認を後回しにしたり、できる人が黙ってフォローしたりします。失敗しやすいのは、それを「自分が我慢すれば回る」と処理してしまうことです。現実的には、起きている場面を業務影響に分解して残すことが、次の相談につながります。
機嫌で報連相が止まる
申し送り後に確認したいことがあっても、相手が不機嫌だと「あとでいいか」と引いてしまう場面があります。そこで止まるのは会話だけでなく、利用者情報の共有や緊急時の連絡ルートです。気づきとしては、確認先が一人に固定されすぎるほど、その人の態度に現場が左右されやすくなることです。
状況は、特定の職員に聞かないと分からない情報があることです。困りごとは、その職員の機嫌で報連相が遅れることです。よくある誤解は、「聞けない新人が悪い」と個人に寄せる見方です。押さえるべき視点は、申し送り、緊急時連絡、相談先、ヒヤリハット情報共有を、職場の仕組みとして確認することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
利用者に関する申し送り事項を、漏れなく共有しているか 18 緊急時に、即時の対応が可能な職員への連絡を行う体制を構築しているか 19 事業所へ連絡する内容に応じて、適切な相手・頻度・手段(電話・メール・書類、 ICT等)を把握し、実行しているか 20 適切なタイミングで、管理者とコミュニケーションを取っているか 21 困ったことがあったら、気軽に事業所の同僚・管理者に相談しているか 22 リスクマネジメント、事故、ヒヤリハットに関わる情報共有を徹底しているか
仕事を避ける同僚の分まで黙って背負う
苦手な利用者対応や記録を避ける同僚がいると、真面目に動く職員が先に手を出します。利用者を待たせないためには必要な場面もありますが、毎回続くと「やる人だけが損をする」感覚が強くなります。気づきとしては、フォローそのものより、フォローが見えないまま固定されることが問題です。
状況は、特定の職員に排泄介助、見守り、記録、申し送りが寄ることです。困りごとは、現場が回っているように見えて、実際には一部職員の負担で支えられていることです。よくある誤解は、「できる人がやればよい」という見方です。押さえるべき視点は、誰が悪いかではなく、どの業務が偏り、何が後回しになったかを見える化することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
サ責も訪問に出るなど常に忙しく、職員の現場でおきた事に対する相談を聞いたり、 対応する時間がとれない状態であった。 課題 ❶サ責の業務を見える化して、a )現在行なっている役割、b )本来行うべき役 割、c)今後行っていきたい役割をそれぞれ整理する。 ❷上記1のa)とb)・c)の間の業務のギャップを整理し、必要な役割以外は他 の職員に棚下ろしするなど、隙間時間を生み出す。 ❸ サ責は、生まれた隙間時間で職員とどのようにコミュニケーションをとる か、また、サ責の役割などについて職員と共有する。
新人が聞けず自己判断してしまう
新人が質問しようとしても、強い返答をされる経験が続くと、次から聞く前に諦めることがあります。後から「なぜ聞かなかった」と言われても、本人の中では聞きにくい空気が先に立っています。気づきとしては、「分からなかったら聞いて」だけでは足りず、聞く相手とタイミングを具体化する必要があることです。
状況は、新人や経験の浅い職員が、確認したい内容を抱えたまま動くことです。困りごとは、相談や指導の機会が弱いと、ミスの前段階が見えにくくなることです。よくある誤解は、報告しない本人だけを責めることです。押さえるべき視点は、仕事上の課題を相談できる機会や、日常的な情報交換の場を用意することです。
出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター
令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書
https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf
サービス提供責任者が担当する訪問介護員に対して実施しているコミュニケーションや研修・指導に ついて、 「十分実施されている」の割合が高いものは「新規利用者を訪問する訪問介護員に対する同行訪 問」 (54.9%) 、 」 「新任の訪問介護員に対する同行訪問」 (51.0%)となっている。 「訪問介護員が作成する介護記録・報告書に対する助言・指導」 、 「訪問介護員からの仕事上の課題な どに関する相談や指導など」等は「ある程度実施している」が最も高くなっている(それぞれ57.6%、 58.4%) 。 コミュニケーションや研修・指導の実施状況別に、担当している訪問介護員の離職率の分布状況を みると、 「訪問介護員からの仕事上の課題などに関する相談や指導など」 、 「訪問介護員の仕事以外の悩 みなどへの相談など」等多くの項目で、実施しているサービス提供責任者が担当している訪問介護員の離職率は、低いケースが相対的に多く、実施して いないサービス提供責任者では、離職率が高いケースが相対的に多くなっている。
ヒヤリハット報告が犯人探しになる
ヒヤリハットを出した人だけが責められる空気があると、次から小さな違和感が上がりにくくなります。現場では「報告すると面倒になる」と感じ、記録を最小限にしたくなる場面があります。気づきとしては、報告書は人を責めるためではなく、事実と推測を分けて工程を見直す材料にすることです。
状況は、事故やヒヤリハットの前に、小さな確認不足や情報共有の漏れがあることです。困りごとは、報告した人が損をする空気で、情報が集まりにくくなることです。よくある誤解は、報告書を「誰が悪いか」を決める紙として扱うことです。押さえるべき視点は、報告をケア改善や再発防止につなげる仕組みにすることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
ヒヤリ・ハット/事故報告の目的は、職員の責任追及ではなく利用者に対するケアの改善であり、仕 組みを構築する際には、報告を活性化するための工夫が重要です。 また、報告をケアの質向上やその後の事故防止につなげるために、報告様式の整備が重要です。 発生状況をわかりやすく、時系列に沿って記載できることに加え、原因分析においては事実と推測 を明確にわけ、本人・職員・環境、それぞれの要因別に検討できるようにするなどが効果的です。
相談しても人間関係で片づけられる
管理者に伝えても「お互い様」「仲良くして」で終わると、次から相談する気力が削られます。現場では、感情の訴えだけに見えると、業務上の問題が伝わりにくいことがあります。気づきとしては、相談時に「誰が嫌いか」ではなく、「何の確認が止まり、どの業務に影響したか」を添えることです。
状況は、威圧的な態度や相談しづらさが続いていることです。困りごとは、管理者が職場運営の問題として拾わないことです。よくある誤解は、「人間関係だから現場で解決して」と戻すことです。押さえるべき視点は、相談者の意向を把握し、事案に即して組織としてどう対応するかを示すことです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
相談に当たっては、相談者の話に真摯に耳を傾け、相談者の意向等を的確に把握す ることが必要です。特に、ハラスメントを受けた心理的影響から理路整然と話すこ とができない場合がありますので、忍耐強く聞くように努めましょう。 また、相談を受ける場所や時間帯等も、相談者が安心して相談できる状況となる よう工夫しましょう。 「内容や状況に応じ適切に対応する」とは、具体的には、相談者や⾏為者等に対し て、一律に何らかの対応をするのではなく、労働者が受けているハラスメントの性 格・態様によって、状況を注意深く⾒守る程度のものから、上司、同僚等を通じ、 ⾏為者に対し間接的に注意を促すもの、直接注意を促すもの等事案に即した対応を ⾏うことを意味します。
よくある事例の共通点は、嫌いな同僚がいることではなく、確認・報告・業務分担が止まることです。感情を責めず、業務影響へ分解して残しましょう。
なぜ苦手な同僚で報連相が止まりやすいのか
現場では、聞けば済むと分かっていても、相手の返答を想像して足が止まることがあります。このような状況が起きる背景には、威圧的な言動、報告を責める空気、役割分担の曖昧さが関係します。ここでは、報連相が個人の機嫌に左右されやすい理由を説明します。
確認できない職員を「弱い」と見るだけでは、現場は変わりません。実際には、誰に聞くのか、どのタイミングで聞くのか、報告した後に責められないのかが曖昧なままになっていることがあります。失敗しやすいのは、空気を読むことでその場を乗り切り、仕組みの問題をそのまま残すことです。現実的には、原因を人柄ではなく、情報の流れと役割分担で見直します。
威圧的な言動は就業環境を害し得るから
同僚の前で強く叱責されたり、質問に対して威圧的に返されたりすると、次から確認そのものを避けたくなります。迷うのは、「指導なのか、言いすぎなのか」を現場だけで判断しにくい点です。まずは言動の評価より、就業環境や確認行動への影響を具体化します。
なぜ起きるのかというと、強い言動が続くと、周囲が自分を守るために接触を避けるからです。建前では、必要な確認はすぐ行うべきです。現実には、怒られそうな相手には聞きづらくなります。そのズレが、報連相の停止や新人の萎縮を生みます。押さえるべき視点は、パワーハラスメントに当たるかを断定する前に、業務上必要な範囲を超えていないか、就業環境に影響していないかを整理することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
事業主は、職場において⾏われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要 かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること のないよう、 当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の 雇用管理上必要 な措置を講じなければならない。 2 事業主は、労働者が前項の相談を⾏ったこと⼜は事業主による当該相談への対応に協⼒した際 に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはなら ない。 職場におけるパワーハラスメントは、職場において⾏われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるもの であり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
報告を責める空気では事故情報が集まりにくいから
ヒヤリハットを出した後に責められた経験があると、次から「今回は黙っておこう」と感じやすくなります。判断に迷うのは、利用者安全のために報告したい気持ちと、自分が責められたくない気持ちがぶつかる瞬間です。報告を人の評価に直結させない形が必要です。
なぜ起きるのかというと、報告の目的が共有されていないと、報告書が犯人探しに見えるからです。建前では、事故やヒヤリハットは改善材料です。現実には、報告した職員だけが矢面に立つことがあります。そのズレが、次の小さな報告を止めます。押さえるべき視点は、事実と推測を分け、本人・職員・環境の要因を検討できる様式やフィードバックを整えることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
ヒヤリ・ハット/事故報告の目的は、職員の責任追及ではなく利用者に対するケアの改善であり、仕 組みを構築する際には、報告を活性化するための工夫が重要です。 また、報告をケアの質向上やその後の事故防止につなげるために、報告様式の整備が重要です。 発生状況をわかりやすく、時系列に沿って記載できることに加え、原因分析においては事実と推測 を明確にわけ、本人・職員・環境、それぞれの要因別に検討できるようにするなどが効果的です。
職場環境は情報の流れ方にも左右されるから
職員の機嫌に合わせて聞く相手を変える現場では、必要な情報の流れが不安定になります。判断に迷うのは、正しい確認先より「今聞ける人」を優先してしまう場面です。気づきとしては、情報共有のしづらさも職場環境の一部として見ることです。
なぜ起きるのかというと、仕事のしにくさや情報の流れ方が、心理的な負担に影響するためです。建前では、情報は必要な人へ確実に届くべきです。現実には、人間関係や会議の持ち方、職場組織の作り方で流れが変わります。そのズレが、確認漏れや相談の遅れにつながることがあります。押さえるべき視点は、誰に聞くか、どこへ残すか、どう共有するかを職場の仕組みとして扱うことです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
職場における心の健康づくり
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf
しかし仕事のしにくさからくるストレスは疲労 感を増大させ、達成感もなく、労働者の健康問題だけでなく、生産性の低下や事故にもつながりかねません。 こうしたストレスが職場環境等の改善における改善対象になります。 職場の照明や温度などの物理環境や作業レイアウトも労働者の心理的なストレスの原因になることがあり ます。会議の持ち方、情報の流れ方、職場組織の作り方なども労働者のストレスに影響を与えます。職場環 境等の改善を通じたストレス対策では、 「職場環境」をより広く捉えることが大事です。
役割分担が曖昧だと負担が偏るから
「気づいた人がやる」が続くと、結局いつも同じ人が動くことがあります。判断に迷うのは、利用者を待たせないために今すぐ動くべきか、偏りを記録して伝えるべきかの場面です。気づきとしては、動いたこと自体を悪くせず、偏りを見える化することです。
なぜ起きるのかというと、誰がどの業務を担うかが曖昧なままでも、現場は一時的に回ってしまうからです。建前では、役割に応じて業務を分担します。現実には、断らない人、動ける人、言いやすい人へ仕事が寄ります。そのズレが、記録の後回しや見守り時間の圧迫につながります。押さえるべき視点は、業務の見える化、役割の整理、特定の人に依存しない分担です。
| 見るポイント | 整理する内容 |
|---|---|
| 止まった業務 | 申し送り、確認、記録、見守りなど |
| 代替した人 | 誰が代わりに動いたか |
| 出た影響 | 何が遅れ、何が後回しになったか |
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
利用者に関する申し送り事項を、漏れなく共有しているか 18 緊急時に、即時の対応が可能な職員への連絡を行う体制を構築しているか 19 事業所へ連絡する内容に応じて、適切な相手・頻度・手段(電話・メール・書類、 ICT等)を把握し、実行しているか 20 適切なタイミングで、管理者とコミュニケーションを取っているか 21 困ったことがあったら、気軽に事業所の同僚・管理者に相談しているか 22 リスクマネジメント、事故、ヒヤリハットに関わる情報共有を徹底しているか
相談・指導の機会が弱いと新人が孤立するから
新人が分からないことを聞けないまま動くと、後からミスだけが見えます。判断に迷うのは、本人に「聞いて」と言うだけでよいのか、聞ける場を作る必要があるのかという点です。気づきとしては、質問しやすさも育成の一部として扱うことです。
なぜ起きるのかというと、相談や指導の機会が弱いと、分からないことを抱えたままになりやすいからです。建前では、新人は必要な時に質問します。現実には、威圧的な職員がいると「今は聞かない」と判断しやすくなります。そのズレが、自己判断や報告遅れにつながることがあります。押さえるべき視点は、同行、記録への助言、仕事上の課題相談、日常的な情報交換の機会を作ることです。
出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター
令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書
https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf
サービス提供責任者が担当する訪問介護員に対して実施しているコミュニケーションや研修・指導に ついて、 「十分実施されている」の割合が高いものは「新規利用者を訪問する訪問介護員に対する同行訪 問」 (54.9%) 、 」 「新任の訪問介護員に対する同行訪問」 (51.0%)となっている。 「訪問介護員が作成する介護記録・報告書に対する助言・指導」 、 「訪問介護員からの仕事上の課題な どに関する相談や指導など」等は「ある程度実施している」が最も高くなっている(それぞれ57.6%、 58.4%) 。 コミュニケーションや研修・指導の実施状況別に、担当している訪問介護員の離職率の分布状況を みると、 「訪問介護員からの仕事上の課題などに関する相談や指導など」 、 「訪問介護員の仕事以外の悩 みなどへの相談など」等多くの項目で、実施しているサービス提供責任者が担当している訪問介護員の離職率は、低いケースが相対的に多く、実施して いないサービス提供責任者では、離職率が高いケースが相対的に多くなっている。
報連相が止まる理由は、個人の苦手意識だけではありません。言動、報告文化、情報の流れ、役割分担、相談機会を分けて見直すことが大切です。
苦手な同僚への対応でよくある質問
現場では、苦手な同僚への対応を考えるほど、「自分が我慢すべきなのか」「相談していいのか」と迷います。ここでは、報連相や業務分担を止めないための小さな判断を整理します。
- Q苦手な同僚とは仲良くならないといけませんか?
- A
仲良くなることを目標にしなくてもかまいません。優先したいのは、利用者に関する申し送り、緊急時の連絡、相談先、ヒヤリハット情報共有が止まらないことです。現場では、感情的に近づけない相手でも、必要な確認ルートを決めておくことで業務を守りやすくなります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
利用者に関する申し送り事項を、漏れなく共有しているか 18 緊急時に、即時の対応が可能な職員への連絡を行う体制を構築しているか 19 事業所へ連絡する内容に応じて、適切な相手・頻度・手段(電話・メール・書類、 ICT等)を把握し、実行しているか 20 適切なタイミングで、管理者とコミュニケーションを取っているか 21 困ったことがあったら、気軽に事業所の同僚・管理者に相談しているか 22 リスクマネジメント、事故、ヒヤリハットに関わる情報共有を徹底しているか
- Q威圧的な同僚はハラスメントですか?
- A
個別の状況で判断が変わります。資料では、優越的な関係、業務上必要な範囲を超えた言動、就業環境が害されることが要素として示されています。現場では、すぐ断定するより、どの言動で確認や報告がしづらくなったかを具体的に残す方が相談につなげやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
事業主は、職場において⾏われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要 かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること のないよう、 当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の 雇用管理上必要 な措置を講じなければならない。 2 事業主は、労働者が前項の相談を⾏ったこと⼜は事業主による当該相談への対応に協⼒した際 に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはなら ない。 職場におけるパワーハラスメントは、職場において⾏われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるもの であり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
- Q管理者にはどう相談すればよいですか?
- A
「苦手です」だけで伝えるより、場面と業務影響をセットにします。たとえば、申し送りで質問しづらい、新人が確認を避けている、報告が遅れている、などです。現場では感情の訴えに見えると流されやすいため、相談者の話を聞き、事案に即して対応する必要がある内容として整理します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
相談に当たっては、相談者の話に真摯に耳を傾け、相談者の意向等を的確に把握す ることが必要です。特に、ハラスメントを受けた心理的影響から理路整然と話すこ とができない場合がありますので、忍耐強く聞くように努めましょう。 また、相談を受ける場所や時間帯等も、相談者が安心して相談できる状況となる よう工夫しましょう。 「内容や状況に応じ適切に対応する」とは、具体的には、相談者や⾏為者等に対し て、一律に何らかの対応をするのではなく、労働者が受けているハラスメントの性 格・態様によって、状況を注意深く⾒守る程度のものから、上司、同僚等を通じ、 ⾏為者に対し間接的に注意を促すもの、直接注意を促すもの等事案に即した対応を ⾏うことを意味します。
- Q仕事をしない同僚の分はどこまでフォローすべきですか?
- A
利用者対応として必要な場面はありますが、黙って抱え続けると偏りが見えにくくなります。どの業務が実施されず、誰が代替し、どこに負担が出たかを残しましょう。現場では、相手を責める記録ではなく、役割分担や業務の見える化に使う材料として整理することが大切です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
サ責も訪問に出るなど常に忙しく、職員の現場でおきた事に対する相談を聞いたり、 対応する時間がとれない状態であった。 課題 ❶サ責の業務を見える化して、a )現在行なっている役割、b )本来行うべき役 割、c)今後行っていきたい役割をそれぞれ整理する。 ❷上記1のa)とb)・c)の間の業務のギャップを整理し、必要な役割以外は他 の職員に棚下ろしするなど、隙間時間を生み出す。 ❸ サ責は、生まれた隙間時間で職員とどのようにコミュニケーションをとる か、また、サ責の役割などについて職員と共有する。
- Q転職を考えるのは逃げですか?
- A
すぐに転職だけを勧める話ではありません。ただ、相談しても改善されず、報連相や安全確認に影響する状態が続くなら、外部相談や転職検討は選択肢になります。介護労働実態調査では、介護関係の仕事を辞めた理由として職場の人間関係も挙げられています。
出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター
令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書
https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf
介護労働者がその直前の仕事を辞めた理由を、 直前の仕事が 「介護関係の仕事」 か否かで比較すると、 介護関係の仕事であったものは「職場の人間関係に問題があったため」(24.7%)、 「他に良い仕事・職場 があったため」(18.5%)、 「勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため」(17.6%)が高い一方で、 介護関係以外の仕事では「結婚・妊娠・出産・育児のため」(18.5%)が最も高く、次いで「自分の将来の 見込みが立たなかったため」 (17.1%)となっている。 直前の仕事が介護関係の仕事で、辞めた理由が 「職場の人間関係に問題があったため」とする者につ いて、その具体的な内容は 「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあっ た」が最も高く(49.1%) 、次いで「上司の業務指示が不明確、リーダーシップがなかった」 (36.2%)が 高くなっている。
苦手な同僚への対応は、好き嫌いの解決ではなく、業務を止めない判断です。迷ったら、報連相・確認・役割分担への影響で整理しましょう。
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苦手な同僚に振り回されない明日の一歩
現場では、苦手な同僚の態度に合わせて動いているうちに、利用者対応より職員の機嫌を優先してしまうことがあります。けれど、最初から職場全体を変えようとすると、負担が大きすぎます。
まず行う一歩は、その同僚の態度で何の業務が止まったかを1つ記録することです。
「申し送りで確認できなかった」「新人が質問を避けた」「記録が後回しになった」「代わりに誰が動いた」。このように、感情ではなく業務影響として残すと、管理者への相談も職場改善の話に変えやすくなります。
苦手な同僚に慣れることを、ゴールにしなくて大丈夫です。報連相を止めないこと、偏ったフォローを見える化すること、自分が壊れる前に相談先を持つことから始めてください。
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更新履歴
- 2025年12月2日:新規投稿
- 2026年2月18日:最新情報に基づき加筆・修正
- 2026年5月8日:内容を全面的にリライト








