身に覚えのないアザをご家族から指摘され、言葉に詰まる経験はないでしょうか。一人ひとりの肌を完璧に見守りたいと願いつつも、人員配置や業務量の現実に追われ、気づけば原因不明の記録作成に奔走するのが現場の実情です。
すべてを防ぐことは困難でも、手元のお薬手帳や書類を確認するだけで、リスクの高い利用者を事前に把握することは可能です。多忙な中でも実践できる、医学的根拠に基づいたリスク予測の視点を解説します。
この記事を読むと分かること
- お薬手帳で出血リスクが見抜ける
- 注意すべき3大薬剤がわかる
- 原因不明のアザを論理的に説明できる
- ケアプランへの反映方法がわかる
- 介護事故のリスク管理ができる
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
結論:お薬手帳の確認が「原因不明のアザ」を減らす最短ルート

現場では「利用者様全員の皮膚状態を毎日完璧に把握し、小さな変化も見逃さない」ことが理想だとわかっていても、限られた人員配置と膨大な業務量の中では、どうしても発見が遅れたり、いつできたか分からないアザへの対応に追われたりするのが現実です。「また報告書を書かなければならない」という徒労感を減らし、効率よく事故を防ぐためには、すべての利用者を同じように監視するのではなく、書類(薬剤情報)からリスクが高い人を特定し、ピンポイントで見守る視点を持つことが重要です。
「血液サラサラ」と「痛み止め」の内服を確認する
まずは、抗血小板薬や抗凝固薬(ワルファリン、ダビガトラン、リバーロキサバンなど)、そして日常的によく処方されるNSAIDs(解熱消炎鎮痛薬)の使用歴を確認してください。これらは血小板の機能を低下させたり、血液が固まるのを防いだりする作用があるため、ベッド柵に軽く当たった程度のわずかな衝撃でも、大きな皮下出血や止血困難を引き起こす主要な原因となります。
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
薬剤の使用歴では,抗血小板薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が血小板機能低下を,抗生剤が血小板数や機能の低下,さらに長期使用では腸内細菌叢の死滅によるビタミンK(VK)依存性凝固因子低下を来たし得るとされる。ワルファリンやダビガトラン,リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンなどの直接経口抗凝固薬は,脳出血や消化管出血など重大な出血性合併症の原因となり,長期ステロイドはステロイド性紫斑病,化学療法や放射線治療は造血障害による血小板減少を招く。
長期の「ステロイド」と「抗生剤」も見逃さない
血液に作用する薬だけでなく、長期のステロイド使用や抗生剤の投与も見落としがちなリスク因子です。ステロイドは血管壁そのものを脆くしてステロイド紫斑病などの出血傾向を招き、抗生剤は腸内細菌に影響を与えてビタミンK(血液凝固に必要な栄養素)を不足させることがあります。これらの薬がある場合は、たとえ血液サラサラの薬を飲んでいなくても、血管や皮膚が弱くなっている前提でケアにあたる必要があります。
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
薬剤の使用歴では,抗血小板薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が血小板機能低下を,抗生剤が血小板数や機能の低下,さらに長期使用では腸内細菌叢の死滅によるビタミンK(VK)依存性凝固因子低下を来たし得るとされる。ワルファリンやダビガトラン,リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンなどの直接経口抗凝固薬は,脳出血や消化管出血など重大な出血性合併症の原因となり,長期ステロイドはステロイド性紫斑病,化学療法や放射線治療は造血障害による血小板減少を招く。
全員を特別扱いすることは難しくても、これらの薬剤服用者をリストアップし、スタッフ間で「出血リスクあり」と共有することなら、今の業務の中でも可能です。まずはお薬手帳を開き、リスクの種を見つけることから始めてみてください。
現場で頻発する「原因不明」の皮膚トラブル3選

日々のケアの中で、細心の注意を払っていても起きてしまうアザや皮膚剥離。現場では「気をつけていたはずなのに」「いつの間にできたのか」と頭を抱える事例が頻繁に報告されています。これらは単なる不注意やミスではなく、高齢者特有の身体的要因が大きく関与している典型的なパターンです。
ぶつけていないのに「腕にアザ」ができている
現場では、更衣介助や入浴時に「いつの間にかアザができている」のを発見し、対応に苦慮するケースが後を絶ちません。
- 状況:
- 強く掴んだりぶつけたりした記憶がないにもかかわらず、利用者の腕や手背に紫斑(皮下出血)ができている。
- 困りごと:
- 原因が特定できず、家族から「手荒な扱いをしたのではないか」と疑われることへの不安や、事故報告書の作成に時間を取られるストレスがある。
- よくある誤解:
- 「どこかでぶつけたはずだ」と、外的な衝撃だけを原因として探してしまう。
- 押さえるべき視点:
- 加齢により血管を支える組織が弱くなる老人性紫斑や、長期のステロイド使用による血管壁の異常(ステロイド紫斑病)が背景にある場合、わずかな外力でも出血する。 これらは「ぶつけた」のではなく「血管がもろくなっている」ことが主因である。
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
表では,出血傾向のうち「血管壁の異常」に分類される疾患として,先天性遺伝性出血性毛細血管拡張症(Osler病)やEhlers-Danlos症候群に加え,後天性IgA血管炎(Schönlein-Henoch症候群),単純性紫斑,老人性紫斑,ステロイド紫斑病,Cushing症候群,壊血病(ビタミンC欠乏症),異常蛋白血漿などが列挙され,血管壁の病態に基づく出血傾向として整理され,紫斑や皮下出血の原因となる。
テープを剥がしたら「皮膚も一緒に」めくれた
処置の交換時や、貼っていたテープを剥がす際に、表皮まで剥離させてしまう「スキンティア(皮膚裂傷)」も現場を悩ませる事故の一つです。
- 状況:
- ガーゼ交換やテープ除去の際、皮膚が一緒に剥がれてしまい、痛みと出血を伴う傷(びらん・潰瘍)を作ってしまった。
- 困りごと:
- 「慎重に剥がしたつもりだったのに」という悔しさと、治癒まで長期化する処置の手間、家族への謝罪が必要になる心理的負担。
- よくある誤解:
- 剥がすスピードや角度だけが問題だったと考えがちである。
- 押さえるべき視点:
- オムツ内の蒸れなどで角質が水分を吸って白くふやけた浸軟(しんなん)の状態にある皮膚は、バリア機能が低下し非常に傷つきやすい。 また、逆に創面が乾燥してドレッシング材が固着している場合も、交換時に痛みを伴う剥離事故につながるため、適切な湿潤環境の管理が必要である。
出典元の要点(要約)
日本皮膚科学会創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1:創傷一般ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/wound_guideline.pdf
「創部痛を最小限にする適切なドレッシング材,外用薬の選択」では,神経終末が創面に露出する創傷では空気曝露や刺激による痛みを避けるため,創面を適切な湿潤環境に保つことが重要とされる。滲出液量とドレッシング材の水分吸収能および粘着性のバランスを考慮しないと,創面の乾燥による固着や創縁の浸軟が痛みの原因となる。創傷接着面にソフトシリコンやシリコンゲルを用いたポリウレタンフォーム製品の使用が推奨されている。
歯磨きのたびに「血が出て止まらない」
口腔ケアの際に出血し、うがいをしても血が混じり続けるという事例は、単なる口内トラブルではない可能性があります。
- 状況:
- 歯ブラシを軽く当てただけなのに歯ぐきからの出血があり、なかなか止血しない。
- 困りごと:
- 出血を恐れて十分な口腔ケアができず、誤嚥性肺炎のリスクが高まるジレンマがある。
- よくある誤解:
- 「歯周病のせいだろう」「強く磨きすぎたかな」と、ケアの方法だけに原因を求めてしまう。
- 押さえるべき視点:
- 歯ぐきの出血や鼻血は、医薬品の副作用による出血傾向の初期症状(黄色信号)である可能性がある。 特に抗凝固薬を使用している場合、腎機能障害などがあると出血リスクが高まるため、単なるケアの問題で済ませず医療職への報告が必要である。
出典元の要点(要約)
厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
患者・家族向けの章では、医薬品により引き起こされる「出血傾向」が、放置すると健康に重大な影響を及ぼすため、早期に「副作用の黄色信号」に気づくことが強調されている。具体的な初期症状として「手足に点状出血」「あおあざができやすい」「皮下出血」「鼻血」「過多月経」「歯ぐきの出血」などが挙げられ、これらがみられた場合は、自己判断で様子を見るのではなく、速やかに医師や薬剤師へ連絡するよう促している。
これらの事例に共通するのは、「ケアのミス」だけが原因ではないという点です。血管の老化や皮膚の浸軟、薬の副作用といった身体的な要因がベースにあるため、どれだけ注意しても発生しうる「防ぎきれないリスク」が存在します。現場では、自分たちを責める前に、まず利用者様の体の状態(薬・皮膚・血管)がどうなっているかを確認する視点を持つことが、冷静な対応への第一歩となります。
高齢者の身体は「出血しやすく、止まりにくい」構造になっている

現場では、どれほど丁寧に介助していても「気づけばアザができている」という事態に直面します。「自分の力が強すぎたのか?」と自責の念に駆られることもありますが、多くの場合、原因は力加減ではなく、高齢者特有の身体の構造的な変化にあります。血管が脆くなり、薬の作用で血が止まりにくく、さらに皮膚のバリア機能が低下している――この「3つの壁」が崩れているため、健康な人なら何ともないような軽微な接触や摩擦が、高齢者にとっては出血や皮膚剥離を引き起こす大きなダメージとなってしまうのです。
「血管の壁」自体が脆くなっている
高齢者の皮膚の下にある血管は、加齢により血管を支える結合組織が弱くなっており、少しの刺激で簡単に破れて出血してしまう老人性紫斑の状態になりがちです。また、治療でステロイドを長く使っている場合、副作用として血管壁が薄く脆くなるステロイド紫斑病を引き起こすことがあります。さらに、栄養状態が悪くビタミンCが不足している場合も、血管の支持組織が障害され(壊血病)、血管が破れやすくなります。これらは「ぶつけた」というよりも、血管自体が耐えられずに「破れた」と捉えるべき現象です。
出典元の要点(要約)
日本内科学会出血傾向の鑑別診断
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/7/109_1340/_pdf/-char/ja
表では,出血傾向のうち「血管壁の異常」に分類される疾患として,先天性遺伝性出血性毛細血管拡張症(Osler病)やEhlers-Danlos症候群に加え,後天性IgA血管炎(Schönlein-Henoch症候群),単純性紫斑,老人性紫斑,ステロイド紫斑病,Cushing症候群,壊血病(ビタミンC欠乏症),異常蛋白血漿などが列挙され,血管壁の病態に基づく出血傾向として整理され,紫斑や皮下出血の原因となる。
薬や病気で「血を止める力」が弱まっている
通常、血管が破れても血液はすぐに固まって止血されますが、高齢者の多くはその機能が低下しています。脳梗塞や心疾患の再発予防のために処方される抗凝固薬(ワルファリンなど)や抗血小板薬(アスピリンなど)は、血栓を防ぐためにあえて「血を固まりにくく」しているため、一度出血すると止まりにくく、アザが広がりやすくなります。また、肝硬変などの肝機能障害がある場合や、抗生剤の長期使用で腸内細菌が変化しビタミンKが不足している場合も、凝固因子(血を固める成分)が作られにくくなり、出血傾向が強まります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
血栓溶解薬(t-PA・ウロキナーゼ)の過量投与では線溶系が過度に亢進し、形成された血栓が溶解して止血部位から後出血を起こす。ワルファリンや一部の抗生物質はビタミンK依存性凝固因子(第II・VII・IX・X因子)の低下を介して、ヘパリン類や抗血小板薬は凝固カスケードや血小板機能の抑制を介して出血傾向を生じると説明されており、薬剤ごとの作用機序に応じた監視が必要である。
皮膚が「ふやけ」てバリア機能を失っている
皮膚の表面(表皮)も、環境要因によって非常に弱くなっていることがあります。特にオムツを使用している場合、尿や汗による湿気で角質が水分を過剰に吸収し、白くふやけた浸軟(しんなん)という状態になります。浸軟した皮膚はバリア機能が著しく低下しているため、テープを剥がす際のわずかな張力や、身体をずらす時の摩擦に耐えられず、容易にびらん(ただれ)や剥離を起こします。乾燥だけでなく、「過度な湿潤」もまた、皮膚トラブルの大きな原因となるのです。
出典元の要点(要約)
日本皮膚科学会創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1:創傷一般ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/wound_guideline.pdf
潰瘍は基底膜(表皮・真皮境界部,粘膜)を越える皮膚粘膜の組織欠損で通常瘢痕を残して治癒する病変,びらんは基底膜を越えない欠損で瘢痕を残さず治癒する病変と定義される。褥瘡は外力により骨と皮膚表層の間の軟部組織血流が低下・停止し,持続することで不可逆的阻血性障害に陥った状態とされる。浸軟は角質が水分を大量に吸収して白色に膨潤した状態,痂皮は漿液,膿汁,壊死組織などが乾燥して形成される硬い構造物として説明されている。
このように、高齢者の皮膚トラブルは「ケアの粗雑さ」ではなく、「血管の脆弱化」「凝固機能の低下(薬剤・疾患)」「皮膚バリアの破綻(浸軟)」という3つの生理的・医学的要因が重なって発生します。現場でアザや剥離を見つけたときは、まず「何かにぶつけたか?」を探すだけでなく、「身体の内側で何が起きているか(薬や皮膚の状態)」に目を向けることが、正しい対応と再発防止につながります。
よくある質問(FAQ)
- Qアザができやすいので、出血の原因になっている薬を一時的に止めてもいいですか?
- A
絶対に自己判断で薬の量を減らしたり、中止したりしてはいけません。ワルファリンなどの抗凝固薬を自己判断で中断すると、血栓症などの重大な病気を引き起こす恐れがあります。出血傾向が気になる場合は、必ず医師に報告して相談してください。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
マニュアルではワルファリンについて、投与量を調節しながら用いる薬剤である一方、「効き過ぎ」により出血傾向を起こすことがあると説明している。その際、患者自身の判断で「勝手に薬の量を減らしたり中止したりせず」、必ず主治医に相談するよう明記されている。ワルファリン使用中に出血傾向の症状が出現した場合には、休薬や減量を含む対応を医師が判断する必要があり、自己判断による中断が血栓症リスクを高める可能性がある点が注意喚起されている。
- Q皮膚が弱く、テープを剥がす時に皮がめくれてしまいます。どうすれば防げますか?
- A
剥がす時の刺激が少ない「ソフトシリコン」などの粘着剤を使ったテープやドレッシング材を選んでください。また、皮膚が湿りすぎてふやけていると剥がれやすくなるため、滲出液の量に合わせたドレッシング材を選び、適切な湿潤環境を保つことも重要です。
出典元の要点(要約)
日本皮膚科学会
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1:創傷一般ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/wound_guideline.pdf
創傷被覆材交換時の疼痛は,乾燥したドレッシング材や痂皮化した滲出液,強い粘着性が原因となると説明される。粘着剤の特徴から,ソフトシリコンは従来の粘着剤より剝離時の痛みや角層剝離が少ないとされ,交換時の疼痛軽減に有用である。またガーゼを用いる場合でも十分量の軟膏とポリウレタンフィルムによる二次ドレッシングを併用すれば創の乾燥を防げるとし,非固着性ガーゼやシリコンテープなど剝離刺激の少ない固定方法を選択することが推奨されている。
- Q大きなアザができる前に、もっと早く気づくためのサインはありますか?
- A
「手足の点状出血」「あおあざができやすい」「鼻血」「歯茎の出血」などが初期の警告サイン(黄色信号)です。これらが見られた段階で早めに医療職へ報告することで、重篤な出血を防ぐことにつながります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血傾向
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1f09.pdf
患者向けの早期発見の章では、ショック・貧血・心不全・意識障害など全身症状が出てからでは遅いとし、「手足に点状出血」「あおあざができやすい」「皮下出血」「鼻血」「過多月経」「歯ぐきの出血」といった皮膚・粘膜症状の段階で出血傾向に気づくことの重要性を強調する。これらの症状が認められ、何らかの医薬品を服用している場合には、放置せず直ちに医師・薬剤師に連絡するよう促しており、早期対応が重篤化予防の鍵であることが示されている。
まとめ:「すべてを防ぐ」のではなく「リスクを知る」ことから始める
現場では、日々の業務に追われる中で、全ての利用者の皮膚トラブルを未然に防ぐことは極めて困難です。しかし、すべてを完璧に行うことはできなくても、まずは担当する利用者の「お薬手帳」や「看護サマリー」を確認し、リスクを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
- お薬手帳の確認:抗凝固薬やステロイドなど、出血や皮膚脆弱化の原因となる薬がないかを見る。
- 情報の共有:リスクが高い利用者様だけでも「この方はアザができやすい」とスタッフ間で共有し、ケアプランに反映する。
- 家族への説明:入居時やリスク判明時に、身体的な要因でアザができやすいことを事前に説明し、理解を得ておく。
「いつの間にかできていた」という事態をゼロにはできなくても、それが「予測されていたこと」であれば、スタッフの心理的負担は大きく減り、ご家族への説明もスムーズになります。まずは手元の書類に目を通すという現実的な一歩が、あなた自身と利用者様を守る確かなリスク管理につながります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 老健局介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
利用者ごとの事故発生リスクを適切に評価するためには、サービス利用開始時の情報収集と逐次の見直しが不可欠であるとされる。身体機能や行動範囲、生活特性等を踏まえて個別にアセスメントし、家族から家庭での生活状況を聞き取るなど、利用者情報を多面的に収集することが求められる。また、入院時には医療機関と連携したアセスメントを実施し、施設内外のリソースを活用してリスク評価を更新することが推奨されている。これにより、予見可能性の高い事故の発生を防ぐための安全配慮義務の履行を図るとしている。
厚生労働省 老健局
介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
介護サービス事業者には、予想されるリスクについて利用者本人や家族に事前に説明して理解してもらう「リスクの説明責任」と、事故発生時に迅速に事実を報告する「事故発生時の説明責任」が求められる。事業者側が一方的に規定や文書を示すだけでは説明責任を果たしたことにはならず、自己防衛的な説明や責任転嫁的な説明は不適切とされる。利用者・家族が自己判断・選択するために必要な事実や情報を理解しやすい形で提供し、理解と納得を得る努力を行うことが信頼関係の構築につながると述べられている。
最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。


