介護職の面接で「質問は?」と聞かれたら?ブラック回避へ導く逆質問

面接の終わりに面接官からの「最後に何か質問はありますか?」で具体的に何を質問したらいいかわからない人、多いですよね?本当は残業休みの取りやすさを聞きたいけれど、「やる気がない」と思われそうで、つい無難な回答で終わらせてしまう。

でも、そこをスルーして入社すると、待っているのは「子供が熱を出しても帰れない」という現実かもしれません。全部は聞けなくても、たった一つ確認するだけで、自分と家族を守るためのリスクの回避につながります。

この記事を読むと分かること

  • 「やる気」を見せつつブラック職場を回避する質問
  • 求人票には載っていない代替要員の有無の見抜き方
  • データで判明した定着率が高い職場の共通点

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 面接では「特にありません」と答えがちだ
  • 子供の熱で休む電話をする時、罪悪感で胃が痛い
  • アットホーム」という言葉を警戒している
  • 入社後に「話が違う」と後悔した経験がある

結論:給与額よりも「休める仕組み」があるかが重要

「人手が足りなくて、休憩すらまともに取れない」

「自分が休んだら、同僚に迷惑がかかるから熱でも出勤する」

現場では、こうした責任感罪悪感に依存するような働き方が、なかば「当たり前」になっている現状が見受けられます。

しかし、あなたの生活を守るために必要なのは、精神論での「お互い様」ではなく、データに裏付けられた物理的な仕組みです。

定着率が高い職場の共通点は「賃金」より「休みやすさ」

「給料さえ高ければ人は辞めない」と思われがちですが、統計データは異なる事実を示しています。

介護現場での人材定着に最も効果があった施策は、賃金の引き上げ以上に、有給休暇の取得しやすさや労働時間の柔軟化といった職場環境の改善でした。

長く働ける職場かどうかは、基本給の数万円の差よりも、休みを取りやすい空気制度があるかに大きく左右される傾向があります。

出典元の要点(要約)

公益財団法人 介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

職場定着に最も効果があった施策は「有給休暇の取得しやすさ」などの働きやすい環境づくりで、賃金向上よりも効果を実感する割合が高い。

両立を阻む最大の壁は「代わりの職員」がいないこと

育児や介護と仕事を両立しようとする職員にとって、最大の壁となっているのは「本人の努力不足」ではありません。

調査によると、両立支援における最大の課題は、制度があっても代わりの職員(代替要員)がいないことだと判明しています。

「誰かが休んでも現場が回る余裕」があるかどうかが、あなたが燃え尽きずに続けられるための大きな防波堤になります。

出典元の要点(要約)

公益財団法人 介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

育児または家族介護(あるいはその両方)を行っている職員は約3割。両立支援の最大の壁は「代わりの職員がいない(代替要員不足)」ことである。

面接官の「アットホームな職場です」という言葉だけを信じてはいけません。その裏に、誰かが倒れてもカバーできる具体的な仕組み(代替要員)が用意されているかどうかが、ブラック職場を見抜く決定的な差になります。

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よくある「話が違う」事例集:面接で確認しなかった末路

女性の介護職員の画像

「面接では『うちは協力体制ができているから大丈夫』と言われたのに……」

働き始めてから「こんなはずじゃなかった」と気づいても、生活のためにはすぐに辞められず、我慢して働き続けるしかない。

そんな「入社後の後悔」をしている介護士は少なくありません。ここでは、面接での確認不足が招いた典型的な失敗パターンを紹介します。

事例1:「お互い様」を信じて入社したのに…(代替要員の欠如)

「子育て中のママさんも多いし、急な休みはお互い様だよ」

面接担当者のその言葉に安心して入社したAさん。しかし、実際に子供が発熱して欠勤の連絡を入れると、返ってきたのは耳を疑う言葉でした。

「わかりました。じゃあ、代わりの人を見つけてからまた連絡してね」

制度としては育休や看護休暇があっても、現場にはそれを回すための人手(代替要員)が確保されていなかったのです。

結果、Aさんは高熱の子供を抱きながら、必死に同僚へ頭を下げて電話をかけ続けることになりました。

出典元の要点(要約)

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

育児または家族介護(あるいはその両方)を行っている職員は約3割。両立支援の最大の壁は「代わりの職員がいない(代替要員不足)」ことである。

事例2:「残業なし」と聞いたのに…(ICT未導入の負担)

「基本的には定時で帰れますよ」と聞いていたBさん。

しかし、日中のケアに追われ、記録業務に取り掛かれるのは定時を過ぎてから。手書きの記録用紙の山を前に、毎日1時間以上のサービス残業が常態化していました。

「タブレットがあればもっと早く終わるのに」と思っても、事業所は「昔からのやり方」を変えようとしません。

実は、タブレット端末などのICT機器を導入している事業所の約半数が、業務負担の軽減を実感しているというデータがあります。この「設備の差」が、あなたの帰宅時間を大きく左右する要因の一つとなります。

出典元の要点(要約)

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

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ICT機器やロボットの導入効果として、約半数の事業所が「昼間・夜間の業務負担軽減」を挙げており、特に施設系での見守りセンサー活用が進んでいる。

事例3:「アットホーム」の裏にあった孤立(支援体制の不備)

「人間関係が良い職場です」という言葉に惹かれたCさんですが、配属された現場では古参職員による無視やキツイ言い方が横行していました。

上司であるサービス提供責任者に相談しようとしても、「私も忙しいから、うまくやってよ」と取り合ってもらえません。

退職理由のトップは人間関係ですが、その多くは上司や先輩の言動によるものです。

一方で、サービス提供責任者がヘルパーへの同行訪問や指導を十分に行っている事業所ほど、離職率が低いというデータがあります。上司が現場を守ってくれるかどうかは、入社前に確認すべき重要事項です。

出典元の要点(要約)

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サービス提供責任者がヘルパーへの同行訪問や相談指導を十分に行っている事業所ほど、ヘルパーの離職率が低いという相関がある。

「制度がある」ことと「実際に使える」ことは別問題です。これらの失敗事例は、面意で運用の実態を一歩踏み込んで質問していれば、防げたかもしれないミスマッチです。

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なぜ、こんなに働きづらいのか?現場を苦しめる3つの構造

女性の介護職員の画像

「もっと一人ひとりの利用者に向き合いたいのに、業務に追われてそれどころではない」

「職員がギリギリすぎて、一人が抜けた瞬間に現場が崩壊する恐怖がある」

こうした状況は、決してあなたの能力不足ではありません。介護業界全体が抱える構造的な問題が、現場の負担を加速させているのです。

なぜ「休みたくても休めない」状況が生まれるのか、データから見える3つの真因を解説します。

原因1:6割以上が「人手不足」を感じている慢性的な欠員状態

多くの事業所が、常に「人が足りない」状態で運営されています。

調査によると、介護サービス事業所の65.2%が「人手が不足している」と回答しており、この割合は年々上昇傾向にあります。

特に訪問介護員においては、約6割の事業所が不足感を感じており、深刻な状況です。この「慢性的な人手不足」が、スタッフ一人あたりの業務負担を増大させる大きな要因となっています。

出典元の要点(要約)

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

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65.2%の事業所が「人手が不足している」と感じており、特に訪問介護員は「大いに不足」「不足」の合計だけで約6割に達する深刻な状況である。

原因2:採用率の低下で「新しい人が入ってこない」

「誰か辞めても、すぐに新しい人が入ればいい」という理屈は、もはや通用しなくなっています。

離職率は低下傾向にありますが、同時に採用率も低下しており、人材の流動自体が縮小しています。

つまり、一度欠員が出ると補充が難しく、残された職員へのしわ寄せが長期化しやすい構造になっていると言えます。だからこそ、最初の「職場選び」で失敗できないリスクが高まっています。

出典元の要点(要約)

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訪問介護員と介護職員の離職率は12.4%まで低下したが、採用率も14.3%へ低下し、人材の「入れ替わり」自体が減っている。

原因3:約3割が育児・介護中!誰もが「支えられる側」になる

「迷惑をかけたくない」と思っていても、ライフステージの変化で誰もが休まざるを得ない状況になります。

実際に、現在の職場では育児または家族の介護(あるいはその両方)を行っている職員が約3割存在します。

これだけの割合の職員がケアを必要としている中で、個人の頑張りだけに頼る運営には無理があります。代替要員を組織として確保できていない事業所では、両立は非常に困難な状況になりがちです。

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育児または家族介護(あるいはその両方)を行っている職員は約3割。両立支援の最大の壁は「代わりの職員がいない(代替要員不足)」ことである。

現場の苦しさは、あなたの要領が悪いからではありません。「人手不足」と「採用難」という構造的な問題があるからこそ、面接では遠慮せずに体制について確認する必要があるのです。

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よくある質問:面接で「聞いていいこと」と「聞き方」

「こんなことを聞いたら、面倒な人だと思われて不採用になるのでは……」

そんな不安から、どうしても質問を躊躇してしまうこともあるでしょう。ここでは、データに基づいた「面接で聞いても大丈夫なライン」をQ&A形式で解説します。

Q
Q. 「休みやすいですか?」とストレートに聞いてもいいですか?
A
A. 職場定着に効果があった施策として、賃金アップ以上に「有給休暇の取得しやすさ」などの環境改善が挙げられているというデータがあります。具体的な実績を聞くことは、長く働く意欲の表れとしてポジティブに受け取られる可能性が高いです。
出典元の要点(要約)
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職場定着に最も効果があった施策は「有給休暇の取得しやすさ」などの働きやすい環境づくりで、賃金向上よりも効果を実感する割合が高い。

Q
Q. 逆質問をすると「扱いにくい人」と思われませんか?
A
A. 「長く働きたいので」という前置きがあれば問題ありません.

むしろ、介護職の退職理由のトップは「職場の人間関係(特に上司等の言動)」であるため、事前に職場の雰囲気やフォロー体制を確認しようとする姿勢は、早期離職を防ぎたい事業所にとってメリットになります。

出典元の要点(要約)
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介護関係の仕事を辞めた理由のトップは「職場の人間関係」。その中身は「上司・先輩のきつい言動やパワハラ」が約半数を占める。

Q
Q. 「給料」について聞くタイミングはいつがいいですか?
A
A. 面接の後半や最終段階で、「評価制度」や「処遇改善加算の配分」と絡めて聞くのがスムーズです。

介護職員の平均月収は前年比で約7,500円(3.1%)増加しており、上昇傾向にあります。事業所によって昇給や還元の仕組みが異なるため、正当な評価を受けられる環境かを確認することは重要です。

出典元の要点(要約)
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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

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介護職員(月給者)の平均月収は248,884円で、前年と比較すると7,571円増加(3.1%増)している。

質問をすることは、決して悪いことではありません。データ(事実)に基づいた質問は、あなたが「仕事に真剣に向き合おうとしている」ことの証明でもあります。自信を持って確認してみましょう。

まとめ:頭が真っ白になったら、この質問だけでいい

ここまで、いろいろなデータや質問のテクニックをお伝えしてきました。

でも、いざ面接の場になると緊張して、うまく聞けないこともあるかもしれません。

そんな時は、この質問だけを投げかけてみてください。

「もし今日、私が急な発熱で倒れてしまったら、現場はどのように回りますか?」

この問いに対する反応こそが、その職場の実態を知る手がかりです。

「気合いでなんとかする」と答える職場か、「ヘルプの体制があるから大丈夫」と答える職場か。

あなたが長く働き続けるために必要なのは、優しい言葉ではなく、あなたを守ってくれる仕組みです。

データを知っていることは、あなた自身と、あなたの大切な家族を守る盾になります。

自信を持って、最初の一歩を踏み出してください。

最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。



更新履歴

  • 2026年1月11日:新規投稿

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