指示を出しても「分かってる」と返され、復唱や確認を拒まれる。けれど実際には別の動きになり、周囲が確認、フォロー、記録の整合まで背負う。介護現場では、こうしたズレが小さなストレスでは終わらないことがあります。
本当にしんどいのは、怒りたいからではなく、同じ理解になっているか確認できないことです。利用者対応、排泄介助、申し送り、事故予防で手いっぱいの中、同僚の動きまで見張るのは限界があります。
この記事では、人格を責めるのではなく、指示・確認・報告・記録を固定し、勝手に動きにくい構造へ変える方法を整理します。全部を一気に変える必要はありません。まずは「ここだけ押さえる」を決めることから始めます。
この記事を読むと分かること
- 指導の境目
- 指示の固定法
- 確認の仕組み
- 記録の残し方
- 相談の進め方
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
指示を勝手に解釈して動く介護職員への対応は「仕組み化」が先です

対応の中心は、人格を責めることではなく、指示・確認・記録を固定し、独断で動きにくい構造を作ることです。
現場では、「分かってる」と言われたあとに違う手順で動かれ、周囲が利用者対応の合間に確認へ走ることがあります。こうした場面では、怒りだけでなく「このまま事故につながらないか」という不安が残ります。この記事を読むと、強い言い方に頼らず、業務上必要な指導と仕組み化を分けて考えやすくなります。
「話が通じない」と感じる職員にイラつくのは、現場の本音です。けれど、こっちは怒りたいのではなく、事故や記録のズレを止めたいだけです。口頭だけで伝えて「大丈夫」と思ったのに、相手が別の意味で受け取り、やり直しになった経験は珍しくありません。だからこそ、次の対応は感情ではなく、やること・やらないこと・迷った時の報告先を見える形にすることです。
イラつきは本音でも、指導は行動に絞る
現場では、確認前に動かれた瞬間に「何回言えば分かるんだ」と感じることがあります。この項目で大切なのは、怒りをなかったことにするのではなく、言葉を事実・影響・次の行動へ戻すことです。
たとえば「あなたはいつも勝手にやる」ではなく、「今回は確認前に動いた。次から確認してから動く」と伝えます。業務上必要な指示や指導は否定されていません。ただし、人格否定や侮辱に寄ると、指導ではなくハラスメントとして受け取られるおそれがあります。現場で迷う時ほど、直す対象を「人」ではなく「今回の行動」に限定します。
出典・根拠を確認
厚生労働省職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
職場におけるパワーハラスメントは、職場において⾏われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるもの であり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。 なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で⾏われる適正な業務指⽰や指 導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
指示は口頭ではなく、同じ動きになる形へ固定する
「Aさんお願い」「いつもの感じで」と伝えると、受け手の経験や思い込みで動きが変わることがあります。この項目では、指示を人の理解力任せにせず、誰が読んでも同じ行動になる形へ寄せます。
たとえば「Aさんの移乗。立位ふらつきあり。声かけ、ブレーキ確認、立ち上がり確認。迷ったらリーダーへ報告」と書きます。細かく責めるためではありません。自由判断の余地を減らし、利用者の安全とチームの流れをそろえるためです。曖昧な言葉を減らすほど、職員ごとの解釈差は扱いやすくなります。
出典・根拠を確認
株式会社 三菱総合研究所特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
業務手順書とは: 指針を現場レベルでどの職員にも判りやすく示したものが業務手順書です。 ケアの方 法を各施設で標準化し、 職員全員が守るべき手順書として整備しておくことで、 どの職 員が担当しても同じ方法・手順で行い、 ケアの目的を安全かつ確実に達成することがで きます。 業務内容の妥当性が示されることで、 職員は根拠と自信を持って業務を行うことがで き、 同時にケアの質を標準化して利用者を守ります。
復唱確認は個人へのお願いではなく運用にする
「復唱して」と言っただけで、相手のプライドに触れてしまうことがあります。こうした場面では、分かっていないから確認するのではなく、伝え方のズレを見つける運用として扱います。
言い方は「こちらの伝え方がズレていないか確認させて」で足ります。さらに、申し送り後の確認欄、確認日時、チェック欄を使えば、確認が個人同士の押し問答になりにくくなります。大切なのは、相手を責めることではなく、同じ情報を見ているかをその場で確認できる状態にすることです。
出典・根拠を確認
厚生労働省介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
情報伝達の手段やルールが統一されておらず、情報共有が円滑に行えていなかった 業務日誌の文字量が多く、記載順序にもルールがなかったため、必要な情報がどこに書かれているのかわかりにく い状況が続いていた。 誰が、どこまで確認したのか、どこまで情報が共有されているかを把握する手段がなかった。 困っていたこと(取組の理由) 課題解決のプロセス(手順) 取組時のポイント・工夫 はじめに、事業所内の情報共有の仕組みを整理し、何が原因で情報 伝達が出来ていないのかを調査した。
繰り返すズレは記録し、業務改善として扱う
同じズレが続くと、「もう無理」と感じやすくなります。けれど、困っている気持ちだけを伝えても、管理者や周囲に状況が伝わりにくいことがあります。
残す内容は、発生場面、指示内容、実際の行動、影響、次回のルールです。記録にすると、個人攻撃ではなく業務改善として相談しやすくなります。本人を責める資料ではなく、利用者の安全と現場の再現性を守るための材料として扱います。
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株式会社 三菱総合研究所特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
事故の分析や再発防止対策の検討は、 事故の発見者や担当者のみの役割ではありません。 改善策を組織全体で考えることにより、事故は個人の問題ではなく、また事故報告が担 当者の責任追及を目的としたものではなく、再発防止策を施設全体で考えるための仕組み であるという意識の醸成につながります。また、分析・検討された事故の原因や再発防止 策について、現場にしっかりフィードバックし、職員一人ひとりが利用者のケアについて 注意するようになることが同様の事故の再発防止につながります。
話が通じない職員にイラつくのは現場の本音です。ただし、人格否定ではなく、行動・手順・確認・記録へ落とすことが、利用者と現場を守る現実的な対応です。
よくある事例:指示を勝手に解釈して動く職員に現場が振り回される場面

現場では、「またこのパターンか」と感じるほど、同じようなズレが繰り返されることがあります。問題は、相手が分かっていると言ったかどうかではなく、同じ理解で動ける状態になっているかです。
口頭で説明したつもりでも、相手が別の意味で受け取り、利用者対応のあとに記録の修正や追加確認が発生することがあります。こうした場面では、怒りより先に「次も見張らないといけないのか」という疲労が残ります。だから、よくある事例を「性格の問題」として片づけず、どこで仕組みを入れるかに分けて見ます。
「分かってる」と復唱を拒まれ、理解のズレが残る
申し送り後に「復唱して」と伝えると、「分かってる」と返されることがあります。そこで引くと、その場は丸く収まっても、同じ理解かどうかは確認できません。復唱を勝ち負けにせず、確認欄や確認日時で共有状況を残す方向へ変えます。
状況は、口頭指示のあとに確認を拒まれる場面です。困りごとは、相手が本当に同じ理解か見えないことです。よくある誤解は、「分かった」と言ったから大丈夫と扱うことです。押さえるべき視点は、確認を個人攻撃にせず、情報共有の運用にすることです。
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厚生労働省介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
情報伝達の手段やルールが統一されておらず、情報共有が円滑に行えていなかった 業務日誌の文字量が多く、記載順序にもルールがなかったため、必要な情報がどこに書かれているのかわかりにく い状況が続いていた。 誰が、どこまで確認したのか、どこまで情報が共有されているかを把握する手段がなかった。 困っていたこと(取組の理由) 課題解決のプロセス(手順) 取組時のポイント・工夫 はじめに、事業所内の情報共有の仕組みを整理し、何が原因で情報 伝達が出来ていないのかを調査した。
「いつもの感じで」が独自判断に変わる
忙しい時間帯ほど、「いつもの感じでお願い」と言いたくなります。ただ、相手の「いつもの」は、こちらの意図と違うことがあります。あとで違う介助や記録になっていると、結局こちらが確認に戻ることになります。
状況は、曖昧な言葉が職員ごとの解釈に変わる場面です。困りごとは、介助方法や申し送りの粒度がそろわないことです。よくある誤解は、経験者なら細かく言わなくても伝わるという考えです。押さえるべき視点は、指示を「誰が見ても同じ行動になる形」へ固定することです。
出典・根拠を確認
株式会社 三菱総合研究所特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
業務手順書とは: 指針を現場レベルでどの職員にも判りやすく示したものが業務手順書です。 ケアの方 法を各施設で標準化し、 職員全員が守るべき手順書として整備しておくことで、 どの職 員が担当しても同じ方法・手順で行い、 ケアの目的を安全かつ確実に達成することがで きます。 業務内容の妥当性が示されることで、 職員は根拠と自信を持って業務を行うことがで き、 同時にケアの質を標準化して利用者を守ります。
申し送りにない変更を一人で判断してしまう
利用者の状態が前回と違う時、確認せずに介助方法を変えられると、周囲はヒヤッとします。本人は良かれと思っていても、チームとしては記録、申し送り、次の介助の前提が崩れます。迷った時の報告先まで書いておくことが必要です。
状況は、申し送りにない変更を独断で進める場面です。困りごとは、チームの流れと記録の整合性が乱れることです。よくある誤解は、本人の判断力だけを責めれば済むという考えです。押さえるべき視点は、「やること」だけでなく「やらないこと」「迷った時の報告先」を手順に入れることです。
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株式会社 三菱総合研究所特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
手順書には、原則として必ず実施するべきこと、職員全員が守らなければいけないこと を、明瞭に記載します。基本的な知識や事故時の対応、各種のケアの実践方法まで手順書 のテーマは多岐にわたるため、手順書全体の体系を整理し、知りたいことがいつでも容易 に確認できるようにすることが大切です。 <業務手順書の周知と手順書に沿ったケアの徹底> 職員全員が、利用者の個別性を踏まえた上で業務手順書に従って業務を遂行することが 重要です。
同じズレが繰り返され、周囲が尻拭いする
一度なら説明で済むことも、何度も続くと周囲の負担が大きくなります。利用者対応の合間に同僚の動きまで見張る状態になると、現場の集中力も削られます。感情で訴える前に、発生場面を記録に残します。
状況は、同じような独断対応が繰り返される場面です。困りごとは、指示した側や周囲がフォローを背負い続けることです。よくある誤解は、強く言えば伝わるという考えです。押さえるべき視点は、記録をもとに業務改善として管理者へ相談することです。
出典・根拠を確認
株式会社 三菱総合研究所特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
委員会が施設内の事故予防に関する情報を一元的に収集し分析します。 事故予防に関する 情報としては、事故報告、ヒヤリ・ハット報告、利用者・家族からの意見・要望、職員から のその他の報告や改善提案などが考えられます。 個別の事故の発生した状況、 背景、 要因を把握し、組織としての対策を検討するとともに、 事故やヒヤリ・ハット事例の統計を分析することで、客観的に事故の状況や傾向を知り、予 防的な対策を検討することも可能です。
よくあるズレは、本人の性格だけで片づけるほど単純ではありません。復唱、手順、報告先、記録を仕組みにして、確認負担を個人に背負わせない形へ寄せます。
介護の仕事と暮らしを、ちょっと良くする選択肢
働き方を見直したいときや、毎日の負担を減らしたいときに役立つサービス・商品を紹介します。
なぜ指示を勝手に解釈する職員への対応は難しいのか

現場では、説明したつもりなのに違う動きになり、「伝えたはずなのに」と立ち止まることがあります。この背景には、本人の性格だけではなく、指示・確認・記録の仕組みが見えにくいことも関係します。
口頭だけで回していると、忙しい日は特にズレが残ります。復唱を求めても拒まれる、強く言えば角が立つ、でも放置すると現場が崩れる。だから、ここでは「なぜ対応が難しいのか」を、現場の構造として整理します。
口頭指示だけでは、同じ理解になったか見えない
口頭で説明して「はい」と返ってくると、一見伝わったように見えます。けれど、あとで違う記録や違う動きになると、説明した側が追加確認に戻ることになります。確認は相手を疑うためではなく、ズレを早めに見つけるために置きます。
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| 建前 | 説明したから伝わっているはずです。 |
| 現実 | 誰がどこまで確認したか見えないと、情報共有のズレが残ります。 |
| 押さえる視点 | 復唱だけでなく、確認欄や確認日時で共有状況を見える形にします。 |
出典・根拠を確認
厚生労働省介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
情報伝達の手段やルールが統一されておらず、情報共有が円滑に行えていなかった 業務日誌の文字量が多く、記載順序にもルールがなかったため、必要な情報がどこに書かれているのかわかりにく い状況が続いていた。 誰が、どこまで確認したのか、どこまで情報が共有されているかを把握する手段がなかった。 困っていたこと(取組の理由) 課題解決のプロセス(手順) 取組時のポイント・工夫 はじめに、事業所内の情報共有の仕組みを整理し、何が原因で情報 伝達が出来ていないのかを調査した。
手順が曖昧だと、職員ごとの裁量が広がる
「様子を見て」「適当にお願い」は、忙しい現場では便利な言葉です。ただ、勝手に解釈して動く職員には、自由判断の余地として残りやすい言葉でもあります。判断力を責める前に、判断しなくても動ける手順へ寄せます。
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| 建前 | 経験者なら臨機応変に動けるはずです。 |
| 現実 | 手順が曖昧なほど、職員ごとの解釈差が出ます。 |
| 押さえる視点 | やること、やらないこと、迷った時の報告先を明瞭にします。 |
出典・根拠を確認
株式会社 三菱総合研究所特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
手順書には、原則として必ず実施するべきこと、職員全員が守らなければいけないこと を、明瞭に記載します。基本的な知識や事故時の対応、各種のケアの実践方法まで手順書 のテーマは多岐にわたるため、手順書全体の体系を整理し、知りたいことがいつでも容易 に確認できるようにすることが大切です。 <業務手順書の周知と手順書に沿ったケアの徹底> 職員全員が、利用者の個別性を踏まえた上で業務手順書に従って業務を遂行することが 重要です。
強く言うほど、業務指導と人格攻撃の境目が崩れやすい
危ない場面では、つい強い言い方になりそうになります。けれど、人前で詰めたり、人格に触れたりすると、伝えたい業務上の要点がぼやけます。短く止め、必要に応じて個別に振り返る方が、次の行動を合わせやすくなります。
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| 建前 | 危ないから強めに言うしかないと感じます。 |
| 現実 | 人格否定に寄ると、業務上必要な指導から外れやすくなります。 |
| 押さえる視点 | 事実、影響、次の行動に絞って伝えます。 |
出典・根拠を確認
厚生労働省職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題⾏動の 有無や内容・程度を含む当該言動が⾏われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該 言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況(※)、⾏為者の関係性等)を総合的に 考慮することが適当です。 その際には、個別の事案における労働者の⾏動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに 対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要です。なお、 労働者に問題⾏動があった場合であっても、⼈格を否定するような言動等業務上必要かつ相当な 範囲を超えた言動がなされれば、当然、職場におけるパワーハラスメントに当たり得ます。
ズレを個人の性格問題にすると、再発防止の材料が残らない
「この人は勝手にやる人」で終わらせると、周囲の疲弊は残ります。発生場面や指示内容を残さないまま注意だけを重ねると、次に何を変えるべきか見えません。記録は責めるためではなく、同じズレを繰り返しにくくする材料です。
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| 建前 | 本人が反省すれば終わると考えがちです。 |
| 現実 | 発生場面、背景、要因、対策が残らないと、業務として見直しにくくなります。 |
| 押さえる視点 | 記録をもとに、管理者やチームで振り返ります。 |
出典・根拠を確認
株式会社 三菱総合研究所特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
委員会が施設内の事故予防に関する情報を一元的に収集し分析します。 事故予防に関する 情報としては、事故報告、ヒヤリ・ハット報告、利用者・家族からの意見・要望、職員から のその他の報告や改善提案などが考えられます。 個別の事故の発生した状況、 背景、 要因を把握し、組織としての対策を検討するとともに、 事故やヒヤリ・ハット事例の統計を分析することで、客観的に事故の状況や傾向を知り、予 防的な対策を検討することも可能です。
対応が難しい理由は、本人だけでなく、確認できない口頭指示、曖昧な手順、強い言い方への不安、記録不足が重なるからです。仕組みに分けるほど、冷静に扱いやすくなります。
介護の仕事と暮らしを、ちょっと良くする選択肢
働き方を見直したいときや、毎日の負担を減らしたいときに役立つサービス・商品を紹介します。
FAQ:指示を勝手に解釈する介護職員への対応で迷いやすいこと
現場では、正論だけでは動けない小さな迷いが残ります。復唱を求めるだけでも角が立つことがあり、強く言うほどパワハラに見えないか不安になることもあります。
- Q復唱を嫌がる職員にはどう言えばよいですか?
- A
「分かっていないから復唱して」ではなく、「こちらの伝え方がズレていないか確認させて」と伝えます。さらに、申し送り後の確認欄や確認日時欄を使うと、個人同士の押し問答にせず、共有状況を見える形にしやすくなります。
出典・根拠を確認
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
情報伝達の手段やルールが統一されておらず、情報共有が円滑に行えていなかった 業務日誌の文字量が多く、記載順序にもルールがなかったため、必要な情報がどこに書かれているのかわかりにく い状況が続いていた。 誰が、どこまで確認したのか、どこまで情報が共有されているかを把握する手段がなかった。 困っていたこと(取組の理由) 課題解決のプロセス(手順) 取組時のポイント・工夫 はじめに、事業所内の情報共有の仕組みを整理し、何が原因で情報 伝達が出来ていないのかを調査した。
- Qどこまで強く指導してよいですか?
- A
業務上必要な指示・指導として、事実、影響、次の行動に絞ります。「今回は確認前に動いた。次から確認してから動く」のように、対象を行動に限定します。人格否定や侮辱に寄せないことが重要です。
出典・根拠を確認
厚生労働省
職場におけるハラスメント対策パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf
この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題⾏動の 有無や内容・程度を含む当該言動が⾏われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該 言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況(※)、⾏為者の関係性等)を総合的に 考慮することが適当です。 その際には、個別の事案における労働者の⾏動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに 対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要です。なお、 労働者に問題⾏動があった場合であっても、⼈格を否定するような言動等業務上必要かつ相当な 範囲を超えた言動がなされれば、当然、職場におけるパワーハラスメントに当たり得ます。
- Q「やるな」を明文化してもよいですか?
- A
業務上必要な範囲で、守るべきこととして明瞭に記載します。「独断で介助方法を変えない」「迷ったら止めて報告」のように、相手を責める文ではなく、現場で守る行動として書きます。
出典・根拠を確認
株式会社 三菱総合研究所
特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
手順書には、原則として必ず実施するべきこと、職員全員が守らなければいけないこと を、明瞭に記載します。基本的な知識や事故時の対応、各種のケアの実践方法まで手順書 のテーマは多岐にわたるため、手順書全体の体系を整理し、知りたいことがいつでも容易 に確認できるようにすることが大切です。 <業務手順書の周知と手順書に沿ったケアの徹底> 職員全員が、利用者の個別性を踏まえた上で業務手順書に従って業務を遂行することが 重要です。
- Q管理者へ相談する時は何を残せばよいですか?
- A
発生場面、指示内容、実際の行動、影響、次回のルールを残します。「困っています」だけではなく、何が起き、どの業務に影響したかを記録すると、個人攻撃ではなく業務改善として相談しやすくなります。
出典・根拠を確認
株式会社 三菱総合研究所
特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
事故の分析や再発防止対策の検討は、 事故の発見者や担当者のみの役割ではありません。 改善策を組織全体で考えることにより、事故は個人の問題ではなく、また事故報告が担 当者の責任追及を目的としたものではなく、再発防止策を施設全体で考えるための仕組み であるという意識の醸成につながります。また、分析・検討された事故の原因や再発防止 策について、現場にしっかりフィードバックし、職員一人ひとりが利用者のケアについて 注意するようになることが同様の事故の再発防止につながります。
迷った時は、相手を責める言葉を増やすより、確認欄、手順書、報告先、記録へ移します。小さな仕組みでも、現場の確認負担を分散しやすくなります。
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まとめ:勝手に動く介護職員への対応は、明日の1枚から始める
現場では、勝手に解釈して動く職員に振り回されると、「もう勝手に動かないでくれ」と思う瞬間があります。その本音を否定する必要はありません。
ただし、人格否定や侮辱に進めると、利用者の安全よりも人間関係の衝突が前に出てしまいます。本当に守りたいのは、自分の怒りではなく、利用者の安全と現場の再現性です。
明日からの一歩は、「やること・やらないこと・迷った時の報告先」を1枚にすることです。完璧なマニュアルでなくて構いません。まず、独断で動かれると困る場面を1つ選び、そこだけ紙や申し送り欄に落とします。
「勝手に動かないでくれ」という願いを、感情の叫びで終わらせず、現場のルールに変える。そこから、指導は少しだけ冷静に、確認は少しだけ仕組みとして扱いやすくなります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
更新履歴
- 2026年9月30日:新規投稿



