介護施設で新人が辞める原因はお局?

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待遇が悪いわけではないのに、新人が続かない。そんな介護施設では、給料や休日だけでは説明できない業務の偏りが起きていることがあります。特に、新人に排泄介助、入浴、重介助、コール対応が寄ると、本人は断れないまま消耗していきます。

「新人だから慣れさせる」と言えば教育に見えます。けれど、毎日同じ人だけがきつい業務に入るなら、教育ではなく穴埋めになっているかもしれません。注意すると空気が悪くなるため、リーダーや主任ほど迷いやすい場面です。

この記事では、お局や古株を責める話ではなく、排泄介助の押し付けが通る仕組みを見える形にする考え方を整理します。全部を一度に変える必要はありません。まずは、誰が何をどれだけ担当しているかを見える化するところから始めます。

この記事を読むと分かること

  • 業務偏りの見方
  • 指示ルート
  • 新人教育の線引き
  • 相談先の作り方
  • 管理者の動き方

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 新人がすぐ辞める
  • 排泄が新人に寄る
  • 古株に言えない
  • 相談しづらい
  • できる人が損

介護施設で新人が定着しない原因はお局だけではありません

介護施設の廊下で腕を組み、困った表情を浮かべる若い女性の介護職員。人手不足や仕事の悩みに直面する介護士のイメージ

新人を守るには、お局の性格より、排泄介助や重介助が新人に偏る業務分担を見える化することが先です。

現場では、古株が「これ行って」と新人に排泄や入浴を振り、本人が断れないまま時間だけが過ぎることがあります。周囲も気づいているのに、注意すると空気が悪くなるため、結局その日の弱い立場の職員に負担が寄ります。この記事を読むと、新人が辞める問題を根性論ではなく、業務分担、指示ルート、相談環境として整理できます。

現場の本音としては、待遇改善だけでは新人は残らない。新人を辞めさせているのは、排泄介助の押し付けを許す現場文化と、それを放置する管理体制である。この言葉は、特定の職員を叩くためではありません。新人に嫌な業務を回しても止める人がいない状態を、管理の問題として見える形に戻すための視点です。

お局対策は、「性格のきつい人を優しくする話」ではありません。新人に排泄や重介助を押し付けても通る仕組みを壊す話です。まず必要なのは、業務分担を見える化し、追加指示をリーダー経由にし、相談しても損をしにくい環境を作ることです。

新人が辞める理由を給料だけにしない

新人が辞めた時、「待遇は悪くないのに」と言われることがあります。けれど、毎日の勤務で古株の顔色を見ながら排泄や入浴ばかりに入るなら、給料とは別の負担が積み重なります。この項目で押さえたいのは、職場定着を待遇だけで見ないことです。

介護労働実態調査では、介護関係の仕事を辞めた理由として職場の人間関係が高く示されています。その具体的な内容には、上司や先輩からのきつい指導や言動、業務指示の不明確さも含まれています。新人が辞める背景を見る時は、賃金だけでなく、人間関係、業務指示、相談できる空気を同時に見る必要があります。

出典元の要点(要約)

公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

介護労働者がその直前の仕事を辞めた理由を、直前の仕事が「介護関係の仕事」か否かで比較すると、介護関係の仕事であったものは「職場の人間関係に問題があったため」(24.7%)、「他に良い仕事・職場があったため」(18.5%)、「勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため」(17.6%)が高い一方で、介護関係以外の仕事では「結婚・妊娠・出産・育児のため」(18.5%)が最も高く、次いで「自分の将来の見込みが立たなかったため」(17.1%)となっている。直前の仕事が介護関係の仕事で、辞めた理由が「職場の人間関係に問題があったため」とする者について、その具体的な内容は「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が最も高く(49.1%)、次いで「上司の業務指示が不明確、リーダーシップがなかった」(36.2%)が高くなっている。

排泄介助の偏りは業務のムラとして見る

「あの新人、よく動くから」と便利に使われる場面があります。本人が断らないため、周囲には問題が見えにくくなります。この項目で理解したいのは、排泄介助の偏りを性格や相性ではなく、業務のムラとして扱うことです。

生産性向上ガイドラインでは、誰がどの業務にどの程度時間をかけているかを見える化し、ムリ・ムダ・ムラを明らかにすることが示されています。排泄、入浴、重介助、記録、コール対応を表にすると、「新人ばかりに偏っている」という話が、感情ではなく確認できる事実になります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

現場の課題を把握するには、業務全体の流れを見える化(可視化)することも大切です。事業所全体で職員がどのように時間を使っているのかを把握する。誰が、どのような業務に、どの程度の時間をかけているかを見える化し、現在の業務における3M(ムリ・ムダ・ムラ)を明らかにする。

新人教育は穴埋めではなくOJTにする

「新人だから現場に慣れさせる」と言いながら、排泄や入浴だけを続けて任せることがあります。本人は介護全体の流れを学べず、毎日きつい業務だけが残ります。この項目で見るべきなのは、教育目的と穴埋めを分けることです。

ガイドラインでは、若手を含めた職員の熟練度を養成する道筋や、OJTの仕組みづくりが示されています。新人に排泄介助を任せること自体が悪いのではありません。ペア確認、振り返り、手順、到達基準があり、学べる状態になっているかを確認する必要があります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

介護サービスにおける生産性向上の取組は下記の7つに分類することができます。5Sの視点で安全な介護環境と働きやすい職場を整備する。業務の明確化と役割分担の見直しにより、ムリ・ムダ・ムラ(3M)を削減して、マスターラインを再構築する。理念やビジョンをもとに職員の経験値、知識を可視化・標準化することで、若手を含めた職員全体の熟練度を養成する道筋を作る。

相談しても損をしないルートを作る

新人に「嫌なら言って」と伝えても、実際には言えないことが多くあります。言えば「空気が読めない」と見られるかもしれない。こうした迷いがあると、相談前に本人が辞める方向へ傾きます。

心の健康づくりの資料では、職場環境や相談体制の整備が示されています。ハラスメント対策でも、相談を理由とした不利益な取扱いをしてはならないとされています。新人を守るには、教育担当だけに任せず、リーダー、主任、管理者など、複数の相談先を用意することが重要です。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

職場における心の健康づくり

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

事業場の実態に応じて、労働者の相談に応ずる体制を整備するとともに、事業場外の相談機関の活用を図るなど、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行いましょう。この相談体制については、ストレスチェックの結果の通知を受けた労働者に対して、相談の窓口を広げ、相談のしやすい環境を作るために重要であり、また、ストレスの気付きのために、随時、セルフチェックを行うことができる機会を提供することも効果的です。

新人定着は待遇だけでなく、業務の偏り、教育設計、相談環境の問題として見る必要があります。お局対策は性格を変える話ではなく、押し付けが通る仕組みを見直す話です。


よくある事例:新人に排泄介助が偏る介護施設のパターン

現場では、「また新人がトイレ対応に入っている」と気づいても、その場で止めにくいことがあります。注意すれば古株の機嫌が悪くなり、言わなければ新人の負担が増える。こうした板挟みが、リーダーや主任を疲れさせます。

古株本人に悪気がない場合でも、毎回きつい業務が新人へ流れると、現場の空気は少しずつ歪みます。新人は「断れないから行く」だけなのに、周囲からは「動ける人」に見えてしまいます。うまくいきやすい対応は、感情で注意するより、誰に何が偏っているかを表にして、業務として扱うことです。

古株が新人に排泄介助や入浴ばかり振る

忙しい時間帯に、古株が記録や雑談に残り、新人が排泄、入浴、コール対応へ回されることがあります。新人は断る言葉を持たず、「ここで嫌と言ったら使えないと思われる」と迷います。最初に見るべきなのは、誰がどの業務に入ったかの偏りです。

状況は、新人にきつい身体介助が集中する場面です。困りごとは、本人の負担が見えず、周囲が「新人教育」と受け取ってしまうことです。よくある誤解は、排泄介助を多く経験すれば慣れるという見方です。押さえるべき視点は、排泄介助を覚えることと、毎回偏ることを分けて確認することです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

現場の課題を把握するには、業務全体の流れを見える化(可視化)することも大切です。事業所全体で職員がどのように時間を使っているのかを把握する。誰が、どのような業務に、どの程度の時間をかけているかを見える化し、現在の業務における3M(ムリ・ムダ・ムラ)を明らかにする。

リーダーの指示より古株のひと言が優先される

勤務表では担当が決まっているのに、古株から「これ行って」と直接言われる場面があります。新人はリーダーに確認する前に動いてしまい、あとで業務表と実際の動きがずれます。ここは、指示の強さではなく指示ルートの問題です。

状況は、追加業務や変更指示がその場の人間関係で決まる場面です。困りごとは、リーダーが全体の負担を把握できなくなることです。よくある誤解は、古株が現場を知っているから任せてよいという考えです。押さえるべき視点は、変更はリーダー経由にし、勤務表や分担表へ戻すことです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

事業所では役割分担を行うなど、業務の得手・不得手を考慮した体制でサービスを提供しているか。適切なタイミングで、管理者とコミュニケーションを取っているか。必要なタイミングに職員間でコミュニケーションを取るための体制を構築しているか。困ったことがあったら、気軽に事業所の同僚・管理者に相談しているか。

「新人だから慣れさせる」で重介助を単独にする

「経験しないと覚えない」と言われ、新人が重い移乗や入浴に単独で入ることがあります。本人も学びたい気持ちはありますが、できないと言えば評価が下がるかもしれないと迷います。慣れさせる前に、到達基準と見守りがあるかを見る必要があります。

状況は、教育の名目で新人に負担の大きい業務を任せる場面です。困りごとは、学びではなく穴埋めになっても見分けにくいことです。よくある誤解は、厳しい業務を多くこなせば育つという考えです。押さえるべき視点は、OJT、手順、研修、ペア確認を用意し、段階的に任せることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

職場におけるハラスメント対策パンフレット

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf

労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる。業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せる。長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる。新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する。

相談すると新人側が悪者になる

新人が「排泄ばかりでつらい」と言っても、「最初はみんなそう」と流されることがあります。言った本人だけが気まずくなり、次から黙ってしまう。こうした場面では、相談内容を好き嫌いではなく、いつ、誰から、何を、どの程度振られたかに分けます。

状況は、相談した側が空気を乱したように扱われる場面です。困りごとは、負担が言葉になる前に退職へ向かいやすいことです。よくある誤解は、本人が言わないなら大丈夫という見方です。押さえるべき視点は、相談しやすい環境と、相談を理由に不利益を受けにくい扱いを整えることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

職場におけるハラスメント対策パンフレット

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf

事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものです。

業務表には出ない尻拭いが増える

新人が抜けた後、できる職員だけが記録の確認、利用者対応のやり直し、古株との調整を背負うことがあります。表面上は勤務が回っているため、管理者からは見えにくい。ここでは、隠れた負担も業務として数える視点が必要です。

状況は、できる人に確認や修正が集まる場面です。困りごとは、負担が勤務表に出ず、同じ人が消耗することです。よくある誤解は、できる人がやれば早いという考えです。押さえるべき視点は、誰がどの業務に時間を使っているかを見える化し、偏りを業務課題として扱うことです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

現場の課題を把握するには、業務全体の流れを見える化(可視化)することも大切です。事業所全体で職員がどのように時間を使っているのかを把握する。誰が、どのような業務に、どの程度の時間をかけているかを見える化し、現在の業務における3M(ムリ・ムダ・ムラ)を明らかにする。

新人への押し付けは、排泄介助そのものではなく、偏り、指示ルート、相談しづらさ、見えない尻拭いとして表れます。事例を責める材料ではなく、仕組みを入れる場所として扱うことが大切です。


なぜ新人に排泄介助が押し付けられる職場になるのか

介護施設の廊下で、若い女性介護職員と男性職員が向き合い、緊張感のある表情で話している場面。意見の対立や業務上のトラブルについて話し合っている状況を示唆するイメージ。

現場では、「あの人に言うと面倒だから」と、言いやすい新人や中途職員に業務が寄ることがあります。背景には、業務分担、手順、OJT、相談環境が見えにくいまま動いている状態があります。ここでは、新人に排泄介助が押し付けられやすい理由を整理します。

古株の性格だけを理由にすると、対応は「あの人をどうにかする」で止まります。けれど、実際には管理者が業務の偏りを数字や表で見ていない、リーダーの指示が通りにくい、新人教育の範囲が曖昧という複数の要因が絡みます。感情のぶつけ合いにしないためには、まず偏りを見える形にすることです。

業務分担が見えないと偏りに気づけない

排泄介助、入浴、コール対応は、時間帯によって一気に重なります。新人が何度も入っていても、記録に残っていなければ「たまたま」に見えます。ここで必要なのは、誰がどの業務に入ったかを1日単位で見える形にすることです。

なぜ起きるのかは、業務の偏りが感覚で語られ、確認できる形になっていないからです。建前では全員で分担しているつもりでも、現実には新人や言いやすい職員へ集中することがあります。このズレが「新人ばかり損をする」という不満を生みます。押さえるべき視点は、排泄、入浴、重介助、記録、コール対応を同じ表で見て、ムリ・ムダ・ムラとして扱うことです。

見えにくい偏り確認する項目
排泄介助が新人に寄る担当回数と時間帯
入浴が固定される担当者と連続日数
重介助を避ける職員がいる重介助者の担当状況
尻拭いが見えない記録修正とコール対応
出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

現場の課題を把握するには、業務全体の流れを見える化(可視化)することも大切です。事業所全体で職員がどのように時間を使っているのかを把握する。誰が、どのような業務に、どの程度の時間をかけているかを見える化し、現在の業務における3M(ムリ・ムダ・ムラ)を明らかにする。

手順と指示ルートが曖昧だと古株ルールになる

リーダーが分担を決めても、古株がその場で「あっち先に行って」と言うと、新人は従ってしまいます。断れば角が立つからです。こうした場面では、誰の指示が最終かをあらかじめ決めておく必要があります。

なぜ起きるのかは、手順や指示ルートが明文化されず、現場の力関係に流れるからです。建前ではチームで動くはずでも、現実には古株の機嫌や経験則が基準になることがあります。そのズレが、リーダーの管理を弱くします。押さえるべき視点は、追加の排泄対応や入浴変更をリーダー経由にし、業務変更を分担表へ戻すことです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

各種間接的業務について、特定の者に依存することなく、適切に役割分担しているか。急遽職員のシフトに変更が生じた場合でも、支障なくサービス提供できる体制を構築しているか。各自の業務スキル・効率性に差が出ないよう、実態に即した業務手順書を作成しているか。スタッフのケアスキル向上のための、研修やワークショップを定期的に実施しているか。新任の職員に対して効果的なOJTを実施しているか。

新人教育の到達基準が曖昧だと穴埋めになる

新人は、排泄、入浴、移乗、記録、申し送り、利用者ごとの関わり方を少しずつ覚える必要があります。ところが、到達基準がないと「できるまで入って」で終わりやすい。結果として、教育ではなく欠員補充のようになります。

なぜ起きるのかは、OJTの内容や指導方法がそろっていないからです。建前では現場で育てることが大切でも、現実には排泄や入浴だけを多く任せてしまうことがあります。そのズレが、介護全体の流れを学べない状態を生みます。押さえるべき視点は、ペアで確認する期間、単独で任せる条件、振り返りのタイミングを決めることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

各種間接的業務について、特定の者に依存することなく、適切に役割分担しているか。急遽職員のシフトに変更が生じた場合でも、支障なくサービス提供できる体制を構築しているか。各自の業務スキル・効率性に差が出ないよう、実態に即した業務手順書を作成しているか。スタッフのケアスキル向上のための、研修やワークショップを定期的に実施しているか。新任の職員に対して効果的なOJTを実施しているか。

相談先が少ないと新人は言い出しにくい

新人に「何かあったら言って」と伝えても、教育担当が古株と近い関係なら言い出せません。相談した後に勤務がやりにくくなるのではないか、と考えるからです。相談先は、本人が選べる形にしておく必要があります。

なぜ起きるのかは、相談ルートが一つに寄り、相談後の扱いが見えにくいからです。建前ではいつでも相談してよいと言っていても、現実には新人が空気を読んで黙ることがあります。そのズレが早期退職につながりやすい状況を作ります。押さえるべき視点は、教育担当、リーダー、主任、管理者など、複数の窓口を示すことです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

職場における心の健康づくり

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

事業場の実態に応じて、労働者の相談に応ずる体制を整備するとともに、事業場外の相談機関の活用を図るなど、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行いましょう。この相談体制については、ストレスチェックの結果の通知を受けた労働者に対して、相談の窓口を広げ、相談のしやすい環境を作るために重要であり、また、ストレスの気付きのために、随時、セルフチェックを行うことができる機会を提供することも効果的です。

管理者が見える形で扱わないと相性問題に戻る

「あの人は昔からああだから」と管理者が流すと、新人は施設のルールではなく古株の顔色を見て動くようになります。感情論で訴えるほど、「相性が悪いだけ」にされやすい。だから、業務の偏りを事実に変換する必要があります。

なぜ起きるのかは、問題が人間関係の言い合いとして扱われ、業務課題に変換されていないからです。建前では個別職員を責めないことが大切です。現実には、責めないことが放置に変わることがあります。押さえるべき視点は、個人評価ではなく、事業所全体の課題を特定する目的で記録を集めることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

管理者は職員に対して、「課題把握シートによる調査の目的は職員が自身を含む事業所全体の状況を回答することで、事業所全体の課題を特定しようというものであり、管理者による個別職員の評価に利用するものではない」という説明を行いましょう。

新人への押し付けは、業務が見えない、指示ルートが曖昧、OJTが弱い、相談先が少ない時に起きやすくなります。個人攻撃ではなく、見える業務課題へ変えることが出発点です。

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新人への排泄介助の押し付けで迷う時のよくある質問

現場では、排泄介助を新人に任せること自体が悪いのか、どこから押し付けなのかで迷うことがあります。ここでは、感情論に寄せすぎず、業務分担、OJT、相談環境として考えるための質問を整理します。

Q
新人に排泄介助を任せること自体が悪いですか?
A
排泄介助を任せること自体が悪いわけではありません。ただし、教育目的がなく、同じ新人に排泄、入浴、重介助が偏るなら、業務のムラとして確認が必要です。ペア確認、手順、振り返り、OJTの範囲を決めてから任せると扱いやすくなります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

介護サービスにおける生産性向上の取組は下記の7つに分類することができます。5Sの視点で安全な介護環境と働きやすい職場を整備する。業務の明確化と役割分担の見直しにより、ムリ・ムダ・ムラ(3M)を削減して、マスターラインを再構築する。理念やビジョンをもとに職員の経験値、知識を可視化・標準化することで、若手を含めた職員全体の熟練度を養成する道筋を作る。

Q
お局職員に注意するとパワハラになりますか?
A
人格を責める言い方は避ける必要がありますが、業務上必要で相当な範囲の適正な業務指示や指導は、パワーハラスメントには該当しないとされています。「あなたが悪い」ではなく、「分担表と違う」「新人に偏っている」「変更はリーダー経由にする」と事実で伝えます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

職場におけるハラスメント対策パンフレット

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動とは、社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指します。

Q
業務の偏りは何を記録すればよいですか?
A
排泄介助、入浴介助、重介助、記録、コール対応について、誰が、いつ、どの程度担当したかを残します。最初から完璧に集計する必要はありません。1日分だけでも、感情ではなく業務の偏りとして話しやすくなります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

現場の課題を把握するには、業務全体の流れを見える化(可視化)することも大切です。事業所全体で職員がどのように時間を使っているのかを把握する。誰が、どのような業務に、どの程度の時間をかけているかを見える化し、現在の業務における3M(ムリ・ムダ・ムラ)を明らかにする。

Q
新人が相談できない時はどうすればよいですか?
A
「嫌なら言って」だけでは足りないことがあります。教育担当、リーダー、主任、管理者など、複数の相談先を示します。相談内容は、誰が嫌いかではなく、いつ、誰から、何を、どの程度振られたかという事実で残すと扱いやすくなります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

職場における心の健康づくり

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

事業場の実態に応じて、労働者の相談に応ずる体制を整備するとともに、事業場外の相談機関の活用を図るなど、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行いましょう。この相談体制については、ストレスチェックの結果の通知を受けた労働者に対して、相談の窓口を広げ、相談のしやすい環境を作るために重要であり、また、ストレスの気付きのために、随時、セルフチェックを行うことができる機会を提供することも効果的です。

Q
改善しない場合、教育係や配置を変えてよいですか?
A
新人を追い詰める形が続くなら、教育係やリーダー業務、配置の見直しを検討する余地があります。大切なのは、個人への罰ではなく、OJT、役割分担、相談ルートが機能する形へ戻すことです。業務分担表に沿えない場合は、役割の再確認が必要です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

各種間接的業務について、特定の者に依存することなく、適切に役割分担しているか。急遽職員のシフトに変更が生じた場合でも、支障なくサービス提供できる体制を構築しているか。各自の業務スキル・効率性に差が出ないよう、実態に即した業務手順書を作成しているか。スタッフのケアスキル向上のための、研修やワークショップを定期的に実施しているか。新任の職員に対して効果的なOJTを実施しているか。

新人への排泄介助は、任せること自体ではなく、偏り、指示ルート、教育目的の有無が問題になります。迷ったら、誰が何をどれだけ担当しているかを事実で残します。


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新人を守る介護施設は、まず排泄介助の偏りを見える化する

現場では、古株に強く言えないまま、新人や中途職員に排泄介助、入浴、重介助が寄っていくことがあります。見ている側も苦しいですが、感情だけで訴えると「相性の問題」に戻されやすくなります。

この記事で整理した大事な点は、お局を改心させることではありません。新人にきつい業務を押し付けても通る仕組みを見直すことです。

明日からの一歩は、排泄、入浴、重介助、記録、コール対応について、誰が何をどれだけ担当したかを1日分だけ残すことです。表にすると、管理者も「気のせい」や「本人同士の相性」だけでは扱いにくくなります。

新人を守ることは甘やかしではありません。施設の人材を守るための、最低限の管理です。

最後までご覧いただきありがとうございます。


更新履歴

  • 2025年11月8日:新規投稿
  • 2026年2月18日:最新情報に基づき加筆・修正
  • 2026年5月6日:内容を全面的にリライト

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