認知症の方から「トイレに行きたい」と何度も訴えられたり、反対に誘導しようとすると強く拒否されたりすると、介護職はかなり追い込まれます。転倒が怖い、失禁を放置できない、他の利用者対応も止められない。その中で「またトイレか」と思ってしまい、あとから自己嫌悪することもあります。
認知症のトイレ拒否は、本人が単にわがままを言っているというより、不安、羞恥心、理解しにくさ、身体の違和感、声かけや環境への警戒が重なって表に出ていることがあります。だから、拒否をなくす魔法の言葉を探すより、なぜ今その反応になっているのかを分けて見ることが大切です。
この記事では、頻回なトイレ希望、パッド交換の拒否、夜勤中の判断、家族への説明まで含めて、声かけ・環境・本人の不安から対応を整理します。現場の職員を責めるためではなく、本人の尊厳と職員の限界を同時に守るための見方として読んでください。
この記事を読むと分かること
- 認知症のトイレ拒否が起きる背景
- 頻回なトイレ希望への見方
- 声かけで拒否が強くなる理由
- 夜勤やパッド対応で迷うポイント
- 家族・チームと共有したい記録の視点
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
認知症のトイレ拒否は「行きたくない」だけで起きるとは限らない

認知症のトイレ拒否は、本人の意思表示、不安、羞恥心、身体の不快感、環境への警戒が混ざって起きることがあります。
介護職から見ると、「行きたい」と何度も言うのに、いざ誘導すると怒る。パッドは濡れているのに「濡れていない」と言う。こうした場面は矛盾して見えます。ただ、本人の中では、今の不快感や不安をうまく説明できず、拒否や怒りという形で出ている可能性があります。
認知症の人への支援では、言葉だけでなく、表情や身振りも意思表示として読み取ることが求められます。拒否された時に「困った人」と決めるより、本人が何を嫌がっているのか、何なら受け入れやすいのかを探る視点が土台になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
認知症の人は、言語による意思表示がうまくできないことが多く想定されることから、意思決定支援者は、認知症の人の身振り手振り、表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる。本人の示した意思は、それが他者を害する場合や、本人にとって見過ごすことのできない重大な影響が生ずる場合でない限り、尊重される。
本人の不安や羞恥心が拒否として出ることがある
トイレやパッド交換は、とても私的な介助です。人前で「トイレ行きましょう」と大きな声をかけられる、急に近づかれる、身体に触れられる。本人にとっては、それだけで守りに入る理由になります。
特に忙しい時間帯は、職員の声が大きくなり、距離も近くなります。職員側は必要な介助をしているつもりでも、本人には急かされている、恥ずかしい話を人前でされた、何をされるか分からないと感じられることがあります。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
身体的特徴に応じたかかわり方のポイント ① 相手が認識しやすい立ち位置 ② 安定した体勢(麻痺や筋力低下で立位が不安定な時には座ってもらうなどの配慮) ③ はっきりとした声、聞こえやすい大きさ ④ 表情に留意する(痛みなどの苦痛がないかを確認しながら) ⑤ 声の調子に気をつけてゆっくりと話す ⑥ 身振りや手振りも織り交ぜながら話す など ⑦ 心理的特徴に応じたかかわり方のポイント ①価値観や考え方習慣を受容する ②自尊心を尊重する(幼児語を使ったり、子ども扱いをしない) ③距離や目線の高さに留意する(不快でない高さや距離)
繰り返し訴えは「前に行ったでしょ」だけでは収まりにくい
数分前に排尿したばかりでも、本人がその記憶を保てなかったり、尿意ではなく不安や落ち着かなさを「トイレ」と表現していたりすることがあります。だから「さっき行きました」と説明しても、数分後にまた同じ訴えが出ることがあります。
ここで職員が毎回強く否定すると、本人の中には説明の内容よりも、怒られた感じや怖かった感じが残りやすくなります。頻回な訴えをすべてそのまま受けることは難しくても、訴えを否定するだけでは悪循環になりやすい場面です。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
説明をいくらしても、本人には伝わらない。なぜならば、本人に悪気はないし、わざとしているわけではないからです。どうして何回も尋ねてくるの? わざとやってるでしょう? 自責 抑うつ 無気力 自信の喪失 初めて聞いたのに、どうしてそんなに怒られなきゃいけないの・・ プライドが傷つく
転倒リスクと本人の自由を同時に見なければならない
歩けるけれど転びやすい方を、一人でトイレに行かせるのは怖い。かといって、「危ないから動かないでください」と抑え込むだけでは、本人の生活や尊厳を狭めてしまいます。
介護施設での転倒は、対策をしても完全にはなくせないリスクとして捉えられています。だからこそ、本人・家族・チームで、移動時の見守り、環境、声かけ、起きた時の対応を事前に共有しておくことが重要です。
出典元の要点(要約)
日本老年医学会・全国老人保健施設協会
介護施設内での転倒に関するステートメント
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/important_info/pdf/20210611_01_01.pdf
転倒は老年症候群の一つの症候であり、原因は極めて多彩かつ複合的であるため、転倒予防対策の有無にかかわらず個々人のリスクに応じて一定の確率で発生する。転倒リスクが高い入所者については、転倒予防策を実施していても、一定の確率で転倒が発生する。重要なことは、この事実を転倒発生後ではなく、入所時など事前に情報共有することである。
- 「ひとりで行ける」と言われて安全確認に迷う場合は、「ひとりで行く」とトイレ介助を拒否する理由|自尊心を傷つけない付き添いに必要なことで、自尊心を傷つけにくい距離感を確認できます。
パッドや皮膚の問題は拒否されても見逃せない
「濡れていない」と怒られても、実際にはパッドが濡れている。ここは職員がとても苦しくなるところです。本人の拒否を尊重したい一方で、濡れたままにすれば不快感や皮膚トラブルにつながる可能性もあります。
ただし、皮膚状態の判断や治療は介護職だけで抱え込むものではありません。赤み、ただれ、痛み、かゆみ、におい、繰り返す漏れがある時は、看護職や医療職と共有し、排泄介助だけで解決しようとしないことが必要です。
出典元の要点(要約)
日本皮膚科学会
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2023)―2褥瘡診療ガイドライン(第3版)
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/zyokusou2023.pdf
褥瘡は,外力により骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流が低下,組織が阻血性障害に陥り発生した創傷である。初期の褥瘡の診断には,ガラス板圧診法,もしくは指押し法が有用である。また,鑑別疾患として,反応性充血,そのほか糖尿病などによる末梢動脈疾患,便や尿の刺激による皮膚炎,皮膚カンジダ症,接触皮膚炎,電気メスによる熱傷,消毒薬による化学熱傷などがあげられる。
- パット交換だけを強く拒まれ、声かけや距離の取り方に迷う場合は、パット交換を拒否される原因とは|介護士が追い詰められない声かけと距離の取り方で、職員が一人で抱え込まない考え方を確認できます。
認知症のトイレ拒否は、本人の意思表示、不安、羞恥心、身体の不快感、環境への警戒が重なって起きることがあります。職員の努力不足と決めつけず、本人の尊厳と安全を同時に見直すことが出発点です。
認知症のトイレ拒否でよくある現場の事例

トイレ拒否は、教科書のように一つの原因で起きるわけではありません。本人の状態、職員の人数、時間帯、家族の期待、転倒リスクが同時に重なります。ここでは、介護現場で起きやすい場面を分けて整理します。
5分おきにトイレ希望があり付き添いが止まらない
「トイレに行きたい」と何度も言われるたびに付き添うと、職員が一人取られてしまいます。しかも毎回空振りではなく、実際に排尿があることもあるため、「もう行かなくていいです」と切り捨てにくい場面です。
この場合は、本人の訴えを否定する前に、排尿の有無、時間帯、飲水、落ち着かなさ、立ち上がりのタイミングを短く記録します。「何分おきに行くか」だけでなく、「どんな声かけなら待てたか」「どの席だと落ち着いたか」まで残すと、次の職員が同じところで消耗しにくくなります。
新人だけが真面目に対応して疲弊する
新人介護士ほど、「訴えがあるなら全部応えなければ」と抱え込みやすくなります。一方で、周囲が「あとで」「今は無理」と流していると、自分だけが消耗しているように感じます。
ここで必要なのは、新人の気合ではなく、チームとしての基準です。頻回な訴えがある人について、どのタイミングで付き添うか、見守りに切り替える条件は何か、誰に相談するかを申し送りにします。正しさを一人で背負わせないことが、本人にも職員にも必要です。
- 拒否された場面で腹が立つのは、介護職として冷たいからとは限りません。失禁対応や記録、周囲の協力不足まで一人に重なる苦しさを整理したい場合は、トイレ誘導を拒否されて腹が立つ原因とは|介護士が感情的になる前に必要な視点も参考になります。
- トイレ拒否への対応を職員ごとの判断に任せすぎると、新人や特定の職員だけに負担が偏りやすくなります。声かけや見守りの基準を現場で共有しやすい形に整理したい場合は、介護向け動画マニュアル管理【Carebase】
を確認しておくのも一つの方法です。
夜勤で起こすかパッド対応にするか迷う
夜勤中は、起こしてトイレに誘導すれば不穏になり、再入眠できなくなることがあります。起こさなければ、漏れや皮膚の不快感、シーツ交換につながることがあります。どちらを選んでもリスクが残るため、職員は一人で責任を背負っている感覚になりやすい場面です。
夜間の対応は、その場の判断だけでなく、日中の観察とセットで考える必要があります。夜間の排尿パターン、覚醒しやすい時間、起こした時の反応、パッドの容量、皮膚状態を記録し、看護職やリーダーと共有します。夜勤者だけの根性で回すほど、判断は苦しくなります。
濡れていないと言われて交換や誘導を拒否される
本人が「濡れていない」と言っても、実際にはパッドが濡れていることがあります。この時に「濡れていますよ」と正面から否定すると、本人の自尊心を傷つけ、さらに強い拒否につながることがあります。
声かけは、「交換します」だけではなく、「気持ち悪くないように整えましょう」「少しだけ確認させてください」といった表現に変えます。本人が嫌がる時間帯や職員、場所があるなら、そこも記録します。拒否が強い時は、無理に一人で押し切らず、時間を置く、職員を替える、看護職に相談する流れを作ります。
- 「濡れています」と正面から伝えるほど拒否が強くなる場面では、本人に事実を認めさせるより、交換の入口を変える視点が必要になります。失禁を否定された時の声かけや引き方を具体的に見たい場合は、失禁しているのに「出てない」と怒る原因とは|認知症の方を否定しない排泄介助の対応で整理できます。
人前の声かけで拒否が強くなる
忙しい時ほど、「トイレ行きましょう」と大きな声で言ってしまいます。けれど排泄の話は本人にとって聞かれたくない内容です。食堂やフロアで何度も言われれば、拒否が強くなるのは自然な反応とも考えられます。
声をかける場所を少しずらす、耳元で短く伝える、周囲に聞こえる言葉を避ける。これだけでも本人の受け止め方は変わります。落ち着いた職員だと行けることがあるなら、その人の言葉、距離、表情をチームの共有財産にすることが大切です。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
認知症の人とのかかわり方のポイント ①名前を呼んでから話しかける ②短文でわかりやすい表現を使う ③一つひとつの動作に対して声かけをする ④声かけの内容は、他人に聞かれたくない内容ではないか留意する ⑤利用者の言葉や行動だけに反応しない (本当は何を望んでいるのか等、本音・真意を酌み取る) ⑥利用者のシグナルを見逃さない(行動や言動への目配り、気配り、気づき)
頻回なトイレ希望、夜勤中の判断、パッド交換拒否、人前での声かけは、どれも職員個人の根性だけでは解決しにくい場面です。観察、記録、交代、相談の形を作ることで、本人と職員の両方を守りやすくなります。
認知症のトイレ拒否が強くなる理由

拒否が強くなる背景には、本人の状態だけでなく、職員側の焦りや現場の仕組みも関わります。ここを見ないまま「拒否が強い人」とラベルを貼ると、次の対応も強くなり、さらに拒否される流れになりやすいです。
- トイレ拒否を「本人が嫌がっているだけ」と見ると、失行・失認、動作の順序、環境の分かりにくさを見落とすことがあります。拒否の背景をもう少し細かく分けて見たい場合は、認知症のトイレ拒否を理解するために必要なこと|失行・失認を「わがまま」と見ない考え方も確認しておくと整理しやすくなります。
- 声かけや記録を整えても、一人に負担が偏り続ける職場では、働き方そのものを見直す視点も必要です。介護職として別の職場の選択肢を確認したい場合は、介護職の求人、募集は【レバウェル介護】
から情報収集できます。
拒否を意思表示として受け止める前に業務が先に立つから
排泄介助は、時間通りに進めたい業務でもあります。けれど本人からすると、トイレやパッド交換は身体と尊厳に関わる支援です。職員が「今行ってもらわないと困る」と思っているほど、本人の「嫌だ」が聞こえにくくなります。
拒否されたら、まず「今は嫌なのだ」と受け止めます。そのうえで、なぜ嫌なのか、何を変えれば受け入れやすいのかを探ります。これは放置ではなく、押し切りに近づかないための支援です。
出典元の要点(要約)
令和5年度老人保健健康増進等事業
介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
認知症の行動・心理症状がある場合も、そこには何らかの原因があるのであり、その原因を探り、取り除くことが大切である。認知症の行動・心理症状の原因は、本人の過去の生活歴等にも関係するが、次のようなことが想定される。したがって、こうした原因を除去する等の状況改善に努めることが重要である。(1)職員の行為や言葉かけが不適当か、またはその意味が理解できない場合 (2)自分の意志にそぐわないと感じている場合 (3)不安や孤独を感じている場合 (4)身体的な不快や苦痛を感じている場合 (5)身の危険を感じている場合 (6)何らかの意思表示をしようとしている場合
声の大きさや距離が本人の不安を強めるから
拒否されると、職員はもう一度はっきり伝えようとして声を大きくしがちです。しかし、本人には「責められている」「急かされている」と届くことがあります。近い距離で立ったまま声をかけると、圧迫感が増えることもあります。
斜め前から、目線を合わせ、短い言葉で、少し待つ。言葉を増やすより、本人が受け取りやすい姿勢に整える方が通ることがあります。忙しい時ほど、声かけの前に一拍置くことが重要です。
- 「トイレ」と言う前から拒否が出る場合は、トイレ誘導の一言目で拒否される原因とは|認知症ケアで必要な声かけの見直し方で、最初の声かけを本人の反応を見る入口にする視点を確認できます。
「今すぐ行く」一発勝負にすると双方が追い込まれるから
トイレ誘導を一回の声かけで成功させようとすると、断られた瞬間に職員も本人も追い込まれます。職員は予定が崩れる焦りから押しやすくなり、本人は守りに入りやすくなります。
最初から、時間を置く、別の職員に替わる、場所を移す、歩行だけ先に提案する、本人の好きな動作の流れに乗せるなど、複数の入り口を用意しておきます。失敗してから考えるのではなく、拒否が出る前提で準備しておく方が安全です。
成功した対応が記録に残らず個人技になるから
「あの職員だと行ける」「夕食前なら行ける」「テレビ中は無理」といった情報が口頭だけで消えると、次の職員がまた同じ失敗をします。成功した関わりを記録しないと、拒否対応はいつまでも個人技のままです。
記録に残したいのは、拒否の有無だけではありません。本人の表情、声かけの言葉、距離、時間帯、排尿の有無、転倒リスク、皮膚状態、家族に説明した内容まで、次の判断に使える形で短く残します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
意思決定支援に当たっては、本人の意思を踏まえて、本人及び身近な信頼できる家族・親族、福祉・医療・地域近隣の関係者と成年後見人等がチームとなって日常的に見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し必要な支援を行う体制が必要である。本人の語りや表情なども含め、できる限り具体的な記録を残しておくと良い。
拒否が強くなる理由は、本人だけにあるとは限りません。業務の焦り、声の圧、選択肢の少なさ、記録不足が重なると、本人も職員も苦しくなります。拒否を前提にしたチーム運用へ変えることが必要です。
認知症のトイレ拒否で迷いやすい質問
- Qさっき行ったばかりでも毎回付き添うべきですか?
- A
毎回同じように付き添うかどうかは、排尿の有無、転倒リスク、本人の不安、職員体制を合わせて判断します。ただし、「さっき行ったでしょ」と否定するだけでは、本人の不安や訴えは収まりにくいことがあります。時間帯、排尿量、訴え方、待てた声かけを記録し、チームで対応の基準を作ることが大切です。
- Q拒否されたらパッド対応だけでよいですか?
- A
拒否があるからすぐにパッドだけでよい、とは言い切れません。本人の意思を尊重しながら、濡れや不快感、皮膚状態、生活リズムを確認します。拒否が強い時は、時間を置く、職員を替える、場所や言葉を変える、看護職に相談するなど、押し切らない方法を組み合わせます。
- Q転倒が怖いときは動かさない方が安全ですか?
- A
転倒リスクがあるからといって、本人の動きを一律に止める考え方には注意が必要です。介護施設での転倒は完全に防ぎきれない場合がある一方、生活機能や本人らしさも大切です。見守り、手すり、動線、履物、声かけ、家族への事前説明を含めて、チームでリスクを共有します。
- Q家族に「なぜ連れて行かなかった」と言われたら何を共有しますか?
- A
結果だけで説明すると、現場の判断が伝わりにくくなります。本人の拒否の様子、転倒リスク、声かけを変えた内容、排尿やパッドの状態、看護職やリーダーへの相談、次回の対応案を具体的に共有します。家族には、本人の尊厳と安全の両方を見ながら判断していることを、記録に沿って説明することが重要です。
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まずは声かけ・環境・記録を一つずつそろえる
認知症のトイレ拒否は、本人の性格や職員の努力不足だけで片づけられるものではありません。本人の不安、羞恥心、身体の不快感、転倒リスク、職員体制、家族への説明が重なるため、どれか一つを正解にするほど現場は苦しくなります。
まず変えやすいのは、声かけの場所、声の大きさ、距離、待つ時間です。次に、拒否された時の交代ルール、夜勤中の判断基準、パッドや皮膚状態の相談先を決めます。そして、うまくいった対応を短く記録します。
「トイレに行かせるか、行かせないか」だけで考えると、職員はどちらを選んでも責められる気持ちになります。本人の尊厳と安全を守るためにも、拒否を責めるのではなく、拒否が起きる背景をチームでほどいていくことが大切です。
更新履歴
- 2025年9月10日:新規公開
- 2026年5月19日:内容を全面的にリライト
- 2026年6月16日:内容を全面的にリライト








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