【施設介護】認知症の暴言暴力、薬の前に記録する理由

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BPSDによる暴言・暴力でつらいのは、痛みや怖さまで「認知症だから仕方ない」で流されることです。

現場では、介助に入っただけで怒鳴られたり、手を出されたりする場面があります。頭では病気の影響だと分かっていても、痛いものは痛いし、怖いものは怖いです。

こうした場面では、本人を責めるのではなく、介護士個人の我慢で処理しない形に変えることが大切です。記録し、共有し、危険時の離れ方や応援の呼び方を決めることで、壊れない対応に近づけます。

この記事を読むと分かること

  • 安全確保の初動
  • 記録と共有の視点
  • 薬の相談の仕方
  • 行動制限の線引き
  • 外部連携の考え方

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 暴言がつらい
  • 殴られて怖い
  • 一人対応が多い
  • 薬の相談に迷う
  • 退去と言えない

BPSDによる暴言・暴力対応の結論

介護施設の廊下で顎に手を当てて考え込む若い女性介護職員。仕事の悩みや対応方法を考えている介護士のイメージ

BPSDによる暴言・暴力は、介護士個人の我慢ではなく、記録・共有・安全確保のルールで組織的に扱うことが大切です。

現場では、排泄介助や入浴誘導に入っただけで怒鳴られ、近づけば叩かれそうになり、離れれば転倒や他入居者への危険が気になる場面があります。この記事を読むと、本人を責めずに、職員と周囲の安全も同時に守る考え方を整理できます。

きれいな感情だけではいられない日があります。殴られそうになれば怖いですし、何度も怒鳴られれば「もう近づきたくない」と感じることもあります。だからこそ、怒りを飲み込んで一人で入るのではなく、安全確保・記録・共有に上げることが現実的な対応になります。

まず職員と周囲の安全を確保する

危険が起きている瞬間は、長く説得するより安全を優先します。殴られそうな距離に立ち続ける必要はありません。この項目では、離れることを放置ではなく、応援や周囲の安全確認につなげる初動として理解します。

現場では、本人を止めたい気持ちと、自分が殴られる怖さが同時に来ます。そこで一人で踏みとどまるほど、判断が狭くなりやすいです。まず距離を取り、周囲との接触リスクを下げ、応援を呼ぶ流れを決めておくことが、本人と周囲を守る土台になります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:発生時は職員の安全を第一に即座に対応し、状況確認後に管理者や関係者へつなぐ体制を整えることが示されています。BPSDによる言動でも職員安全への配慮は必要とされています。

暴言・暴力を一人で抱え込まない

BPSDによる暴言・暴力は、ハラスメントとして責めるのではなく、認知症ケアとして扱います。ただし、それは職員が一人で耐えるという意味ではありません。この項目では、報告・共有に上げる理由を確認します。

現場では「優しく対応して」と言われる一方で、実際に殴られる職員だけが痛みを引き受けることがあります。そこで必要なのは、誰が我慢できるかではなく、同じ場面をどうチームで扱うかです。上長や施設内で共有し、対応をそろえる案件にします。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:BPSDによる暴言・暴力は認知症ケアで対応する必要があり、職員が一人で抱え込まず、上長や施設内で報告・共有して組織的に対応することが大切だとされています。

直前の状況と対応結果を記録して共有する

「また暴れた」だけでは、次の対応が見えません。いつ、どこで、何の直後に起き、どう対応したらどう変わったのかを残します。この項目では、記録を犯人探しではなく再発しやすい条件を探す材料として扱います。

忙しい時間ほど、怒鳴られた事実だけが申し送られがちです。しかし、食堂の騒がしさ、排泄の訴え、痛み、眠気、声かけの順番などが分からないと、毎回同じ入り方になります。直前の状況・行動・対応後に分けて残すことが、次の工夫につながります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf

根拠要約:ヒヤリ・ハットや事故情報は責任追及ではなくケア改善の情報源とされ、発生状況を時系列で記載し、事実と推測を分けて原因分析に使うことが示されています。

薬や受診は安全を守る相談として上げる

薬は最初の答えにしません。ただし、強い興奮や暴力で本人や周囲の安全が守りにくい時は、医師へ具体的に相談する必要があります。この項目では、薬を「黙らせるため」ではなく安全を保つための検討材料として扱います。

現場では、家族が薬を嫌がり、施設は現場対応を求め、職員や他入居者だけが怖い思いをする板挟みがあります。相談時は「困っています」だけでなく、発生場面、睡眠、食事、排泄、痛み、服薬変更、効いた対応をそろえて伝えることが大切です。

出典元の要点(要約)

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

根拠要約:BPSDでは身体状態、ケア介入、療養環境を評価し、非薬物療法を優先することが原則とされています。緊急性がある場合も、状況を評価し薬物療法の必要性を判断する流れが示されています。

施設だけで守れない時は外部連携を早める

現場の人数や環境では安全を守れないと感じる場面があります。それは「追い出したい」という話ではなく、本人も周囲も壊れない環境を探す相談です。この項目では、施設内だけで抱え込まない考え方を確認します。

退去や転院という言葉は、現場ではとても出しにくいです。けれど、受診、専門職相談、フロアや居室の調整、サービス調整を検討せず、精神論だけで抱え続けると危険が残ります。限界を感じた時点で、医師や関係機関と相談する材料を整えます。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:施設・事業所だけですべてを抱え込まず、必要に応じて医師、他職種、地域包括支援センター、行政、法律専門家、警察等と連携することが大切だとされています。

BPSDによる暴言・暴力は、本人責めでも職員の我慢でも整理しきれません。安全確保、記録、共有、相談に上げる仕組みが必要です。


BPSDの暴言・暴力対応でよくある事例

介護施設の廊下で、若い女性介護職員が両手を軽く広げている様子。状況説明や選択肢提示をしている場面、あるいは「どう対応すべきか」と考えながら周囲に問いかけているイメージ。

現場では、暴言・暴力が出る人への対応ほど急ぎになります。その一方で、静かに待てる人や訴えない人が後回しになり、「これでいいのか」と引っかかることがあります。

介助に入れば怒鳴られ、離れれば転倒が怖い。家族は薬を嫌がり、施設は現場で何とかしてと言う。こうした場面は、誰か一人の悪さではなく、本人、職員、他入居者、家族、施設の余裕のなさが重なって起きます。まずは、よくある事例を分けて見ます。

介助に入っただけで怒鳴られる

排泄介助や入浴誘導に入っただけで、突然怒鳴られることがあります。本人の不安や混乱かもしれないと分かっていても、言葉を浴びる側は消耗します。そこで、言い返す前に、声かけの長さや距離、伝える順番を見直す視点が必要になります。

状況としては、介助の開始そのものが本人にとって急な刺激になっている場面です。困りごとは、職員が傷つき、次の介助へ入ること自体が怖くなる点です。よくある誤解は、怒鳴られても職員が受け止め続ければよいという見方です。押さえるべき視点は、短く分かりやすく伝える、一つひとつの動作で声をかけるなど、関わり方を小さく整えることです。

出典元の要点(要約)

国立長寿医療研究センター

認知症ケア法ー認知症の理解

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

根拠要約:認知症の人との関わり方として、名前を呼んでから話しかける、短文で分かりやすく伝える、一つひとつの動作に対して声かけをすることなどが示されています。

近づくと殴られ、離れると転倒が怖い

興奮が強い時ほど、近づけば自分が殴られ、離れれば本人が転ぶかもしれないという板挟みになります。ここで一人だけが判断を背負うと、怖さも責任も大きくなります。まず距離を取り、応援を呼び、役割を分ける流れを事前に決めておきたい場面です。

状況としては、本人の安全と職員の安全が同時に揺れる場面です。困りごとは、説得を続けるほど距離が近くなり、被害が広がることです。よくある誤解は、離れることは放置だという受け止め方です。押さえるべき視点は、安全確保のための離脱を初動として扱い、周囲の安全確認や応援要請へつなげることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:発生時は職員の安全を第一に即座に対応し、状況を確認したうえで管理者や外部関係者へつなぐ体制を整えることが有効な対策として示されています。

他入居者に向かい、穏やかな人が後回しになる

暴言・暴力がある人に対応が集中すると、静かに待てる入居者ほど後回しになりやすくなります。他入居者が怖がっているのに、本人の尊厳だけで話が進むと、現場には大きな違和感が残ります。本人を責めず、周囲を守る設計も同じ重さで考えます。

状況としては、食堂や共有スペースで不穏が強まり、周囲の入居者が巻き込まれそうになる場面です。困りごとは、穏やかな入居者の安全やケア時間が薄くなる点です。よくある誤解は、BPSDのある本人だけを守ればよいという見方です。押さえるべき視点は、席や動線、接触しやすい相手、見守りを調整し、周囲の生命・身体も守ることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

根拠要約:行動制限は原則として避けるべきものですが、本人または他の入所者等の生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合について、切迫性・非代替性・一時性を慎重に確認する考え方が示されています。

薬の相談を出すと家族や施設との板挟みになる

暴力が続くと、現場では「薬で少し落ち着けないか」と思う瞬間があります。薬漬けにしたいわけではなく、職員も他入居者も怖がっているからです。相談を感情論にしないために、具体的な場面と身体状態をそろえて伝える必要があります。

状況としては、家族は薬を嫌がり、施設は現場対応を求め、職員が被害を受け続ける場面です。困りごとは、薬の相談を出すだけで冷たく見られそうになる点です。よくある誤解は、薬を相談すること自体が悪いという見方です。押さえるべき視点は、非薬物的な対応を優先しながら、安全が守りにくい場合は医師へ具体的に相談することです。

出典元の要点(要約)

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

根拠要約:BPSDでは、身体状態の変化、ケア介入、療養環境を評価し、非薬物療法を優先することが示されています。薬物療法は効果と不利益を踏まえて慎重に判断する必要があります。

転居や転院を口にすると冷たいと言われそうになる

現場では「この人数、この環境ではもう守れない」と感じる場面があります。それは見捨てたいのではなく、本人も周囲も壊れない場所を探したい感覚に近いです。言い出しにくいからこそ、記録と関係者相談の材料を整えます。

状況としては、現在のフロアや職員配置では危険が繰り返される場面です。困りごとは、環境変更や受診相談を出すと、現場が冷たいように見られやすい点です。よくある誤解は、施設の中だけで抱え続けることが本人のためだという見方です。押さえるべき視点は、施設内で限界を感じたら、医師、ケアマネジャー、関係機関と相談し、安全に合う環境を検討することです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:施設・事業所内だけで対応できることには限界があるため、必要に応じて地域の他団体・機関や医師等の他職種と連携することが大切だとされています。

よくある事例に共通するのは、暴言・暴力そのものだけでなく、一人で安全と業務を背負う構造です。本人を責めず、周囲も守る設計に変える視点が必要です。


なぜBPSDの暴言・暴力対応を我慢で終わらせてはいけないのか

現場では、認知症の影響だと分かっていても、怒鳴られたり叩かれたりすれば心身が削られます。この状況が起きる背景には、BPSDの要因、職員安全、記録不足、薬や行動制限の判断の難しさが関係しています。ここでは、我慢で終わらせない理由を説明します。

「優しく受け止めて」と言われても、近づけば殴られる、離れれば転倒が怖い場面では、きれいな正解だけでは動けません。失敗しやすいのは、職員の気持ちが弱いからではなく、判断材料と応援の仕組みが足りない時です。理由を分けると、現場がどこから変えればよいかが見えやすくなります。

BPSDは本人の性格だけでは説明できないから

介助拒否や怒鳴り声を見ると、「また始まった」と受け取りたくなる日があります。けれど、怒りの前に痛み、便秘、眠気、騒がしさ、声かけの入り方がある場合もあります。本人の性格で片づけず、直前の条件を見ることが対応の出発点になります。

なぜ起きるのかは、BPSDが認知機能障害だけでなく、環境や身体状態、心理状態と関係し得るためです。建前としては、穏やかに理解してもらいたいところです。現実には、本人がうまく伝えられず、怒鳴る、叩く、拒む形で出ることがあります。そのズレが、職員の傷つきと本人責めを生みます。押さえるべき視点は、怒りの前に何があったかを見ることです。

出典元の要点(要約)

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

根拠要約:BPSDは認知症の行動・心理症状であり、生活上の障害は環境的要因により誘発されることが多いとされています。適切なケアによって変化する可能性も示されています。

職員の安全配慮も同時に必要だから

「認知症だから」と言われると、職員の痛みや怖さが二の次にされることがあります。本人の尊厳は大切です。同時に、職員が殴られ続ける状態もそのままにできません。どちらか一方ではなく、両方を守る設計にします。

なぜ必要なのかは、BPSDによる暴言・暴力でも職員の安全への配慮が必要だからです。建前としては、本人の不安を受け止めたいところです。現実には、叩かれる、蹴られる、怒鳴られる職員がいます。そのズレが、「自分だけ我慢している」という孤立感につながります。押さえるべき視点は、認知症ケアと職員安全を対立させないことです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:BPSDによる暴言・暴力は認知症ケアで対応する必要がある一方、職員の安全に配慮する必要は変わらず、施設として体制を整え組織的に対応することが示されています。

一対一対応や物品がリスクになり得るから

夜間や入浴前後など、人が少ない時間に一人で対応するほど怖さは増します。近くに物があれば投げられるかもしれない、出口が遠い場所なら逃げにくい。危険は本人の言動だけでなく、場の作りにもあります。

なぜ起きるのかは、職員と利用者が一対一、または一対多になる状況や、身近な物品がリスク要因になり得るためです。建前としては、どの場面でも同じように落ち着いて介助したいところです。現実には、場所、時間帯、人員、物の位置で危険度が変わります。そのズレが、一人対応の怖さにつながります。押さえるべき視点は、人と環境を先に整えることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:ケアの場所の構造や提供体制により一対一・一対多の状況になること、攻撃的な言動や興奮状態では身近な物品が思わぬ使われ方をすることがリスク要因として示されています。

記録がないと「また暴れた」で終わるから

暴力があると、どうしてもその瞬間の衝撃だけが残ります。けれど、記録が「暴れた」だけだと、次の職員も同じ入り方をして同じ危険に当たりやすくなります。起きたことを責めるためではなく、条件を見つけるために残します。

なぜ起きるのかは、発生状況が見えないと原因分析や再発防止につながりにくいためです。建前としては、忙しくても正確に申し送りたいところです。現実には、怒鳴られた職員の感情が先に残り、直前の刺激や対応後の変化が抜けやすいです。そのズレが、対応の属人化を生みます。押さえるべき視点は、事実と推測を分けることです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf

根拠要約:ヒヤリ・ハットや事故情報はケア改善の情報源であり、発生状況を時系列で分かりやすく記載し、原因分析では事実と推測を分けて検討することが示されています。

薬物療法には慎重な評価が必要だから

暴言や暴力が続くと、薬で落ち着いてほしいと思う瞬間があります。その本音をなかったことにする必要はありません。ただし、薬は最初の答えではなく、身体状態、ケア、環境を見たうえで医師と相談するものです。

なぜ慎重さが必要なのかは、BPSDでは非薬物療法が優先され、薬物療法には効果だけでなく不利益の確認が必要だからです。建前としては、薬に頼らず関わり方で整えたいところです。現実には、職員や他入居者の安全が守りにくい場面があります。そのズレが、薬の相談を言い出しづらくします。押さえるべき視点は、具体的な記録を持って相談することです。

出典元の要点(要約)

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

根拠要約:BPSDでは非薬物療法や処方内容の再評価を行った後に薬物療法を検討する流れが示されています。向精神薬の投与時には効果と不利益を踏まえた説明や再評価が必要とされています。

行動制限は例外で組織判断が必要だから

他入居者に向かう、転倒しそう、物を投げそうという場面では、強く止めたくなることがあります。現場の危険感覚は軽く見られません。だからこそ、行動制限に近い対応は一人の判断にせず、要件と記録で扱います。

なぜ組織判断が必要なのかは、身体拘束や行動制限は原則として避けるべき対応で、例外は極めて慎重に扱う必要があるためです。建前としては、本人の自由を守りたいところです。現実には、本人や他入居者の生命・身体に危険が迫ることがあります。そのズレが、現場の迷いになります。押さえるべき視点は、切迫性・非代替性・一時性を確認することです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

根拠要約:身体拘束や行動制限を緊急やむを得ない場合として扱うには、切迫性、非代替性、一時性をすべて満たすかを関係者で検討・確認し、記録することが求められています。

BPSDの暴言・暴力対応を我慢で終わらせると、本人の要因も、職員安全も、周囲の危険も見えにくくなります。記録と組織判断へ上げることが重要です。

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BPSDの暴言・暴力対応で迷いやすいこと

介護施設の廊下で、若い女性介護職員が両手を広げながら説明している場面。状況報告や対応方針について相手に説明している様子を示すイメージ。

現場では、正しい対応を知っていても、殴られそうな瞬間には迷います。ここでは、BPSDによる暴言・暴力で特に判断が揺れやすいことを、エビデンスの範囲で整理します。

Q
殴られそうな時も近づくべきですか?
A
近づき続けることだけが対応ではありません。まず職員と周囲の安全を確保し、距離を取り、応援を呼び、周囲との接触リスクを下げる流れを優先します。離れることは放置ではなく、危険を広げないための初動として扱います。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:発生時は職員の安全を第一に即座に対応し、必要に応じて管理者や外部関係者へつなぐ体制を整えることが示されています。

Q
BPSDの暴言・暴力はハラスメントですか?
A
BPSDによる暴言・暴力は、ハラスメント対策ではなく認知症ケアとして扱う必要があります。ただし、職員が傷ついてよいという意味ではありません。職員の安全に配慮し、上長や施設内で報告・共有して対応を検討します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:BPSDによる暴言・暴力は認知症ケアで対応する必要がある一方、職員の安全配慮は必要であり、報告・共有できるようにすることが大切だとされています。

Q
記録には何を残せばよいですか?
A
時間、場所、直前の状況、起きた行動、職員の対応、その後の変化を残します。痛み、便秘、眠気、空腹、騒がしさ、声かけの入り方なども、分かる範囲で記録します。目的は責任追及ではなく、次に同じ危険を繰り返しにくくすることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf

根拠要約:ヒヤリ・ハットや事故報告はケア改善のために活用され、発生状況を時系列に沿って記載し、事実と推測を分けて原因分析することが重要とされています。

Q
薬の相談をするのは悪いことですか?
A
薬の相談自体が悪いわけではありません。ただし、BPSDでは身体状態、ケア、環境を評価し、非薬物的な対応を優先します。安全が守りにくい場合は、暴言・暴力の具体場面、睡眠、食事、排泄、痛み、服薬変更などを整理して医師へ相談します。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

根拠要約:BPSDでは身体状態やケア、療養環境を評価し、非薬物療法を優先することが原則とされています。薬物療法は効果と不利益を踏まえて慎重に検討されます。

Q
施設で抱えきれない時はどう考えますか?
A
「追い出す」ではなく、今の環境で本人と周囲を安全に支えられるかを検討します。施設内だけで抱え込まず、医師、ケアマネジャー、関係機関と連携し、受診、環境調整、サービス調整などを相談します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf

根拠要約:施設・事業所内だけで対応できることには限界があるため、必要に応じて医師等の他職種、地域包括支援センター、行政などと連携することが大切だとされています。

BPSDの暴言・暴力対応で迷った時は、一人で結論を出さないことが大切です。安全確保、記録、相談、組織判断へつなげます。


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BPSDの暴言・暴力対応は優しく耐えるより仕組みに上げる

現場では、BPSDによる暴言・暴力を前にしても、本人を責めたくない気持ちと、自分や他入居者を守りたい気持ちがぶつかります。

この記事で整理したように、必要なのは「認知症だから仕方ない」で終わることではありません。BPSDとして本人の不安や混乱を見ながら、職員と他入居者の安全も同じ重さで扱うことです。

明日からの一歩は、次に起きた1件を、直前の状況・起きた行動・対応後の変化に分けて記録し、申し送りで共有することです。

完璧に落ち着かせる必要はありません。まずは、一人で耐える案件から、チームで扱う案件へ上げる。そこから、壊れない対応を作っていきます。

最後までご覧いただきありがとうございます。


更新履歴

  • 2025年10月3日:新規投稿
  • 2025年10月9日:最新情報に基づき加筆・修正
  • 2026年2月19日:最新情報に基づき加筆・修正
  • 2026年3月10日:最新情報に基づき加筆・修正
  • 2026年5月1日:内容を全面的にリライト

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