介護士を辞めたいけど理由が分からない|人間関係だけで片づけず原因を整理する

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介護職員が辞めたい気持ちを振り返り、指示や負担、相談の場面を考えるイラストです。

介護士を辞めたいのに、理由を聞かれるとうまく言えない。職員の機嫌に気を使い、教える人によって指示も違う。困っても助けを頼めず、勤務を終える頃には、誰が嫌なのか、仕事がつらいのかも分からなくなる。そんな理由を一つにできない迷いはありませんか。

もう少し頑張れば続けられるかもしれないと、小さな目標を探してきた。それでも、前の勤務で残された仕事が重なると、「なぜ自分ばかり」と感じることもあるでしょう。こうした場面は、人間関係の一言では表しきれないつらさを考える手がかりになります。

この記事では、つらかった場面を、指示・仕事の負担・相談できる環境・運営への違和感に分けて考えます。全部を一度に整理しようとせず、勤務後に一つの場面を振り返るところから始めてみてください。今すぐ辞めるか残るかを決めるためではなく、自分の気持ちを言葉にするための見方です。

この記事を読むと分かること

  • 辞めたい理由の分け方
  • 指示の迷いの捉え方
  • 負担と不公平感の違い
  • 仕事と職場を考える視点

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 辞めたい理由を言えない
  • 職員ごとの指示に迷う
  • 自分に仕事が寄ってくる
  • 困っても助けを頼めない

辞めたい理由が分からないときは、つらい場面から整理する

つらかった一場面を、指示、仕事の負担、相談の環境に分けて振り返るための図です。

辞めたい理由は、人間関係だけで片づけず、つらかった場面を指示・仕事の負担・相談体制・運営に分けて整理してみてください。

出典・根拠を確認

厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構

職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

ストレスチェック結果の集団ごとの分析結果や職場巡視の結果をもとにして、職場の管理監督者や労働者の意見を聴き、ストレス要因となっている可能性のある問題をできるだけ具体的にリストアップします。例えばこれを職場の物理環境、作業内容、職場組織などに分類することも有用です。リストアップされた問題に対して、関係者が議論したり、労働者参加型のグループ討議などを行い、改善計画をたてます。

現場では、職員に声をかけるだけで気を使ううえ、誰の説明を基準にすればよいか迷う場面があります。嫌な人がいることだけでなく、何を判断できず、どこで負担を感じたのかを見る視点をここから整理します。

続けられる理由を探してきても、指示の食い違いや助けのなさが残ると、「自分の我慢が足りないのか」と迷うこともあるでしょう。こうした場面では、人への苦手意識と、仕事の進めにくさが同時に気になります。どちらかだけを理由にする前に、勤務後につらかった一場面を思い返してみてください。分類は気持ちを考えるための見方であり、原因や答えが確定する検査ではありません。

人間関係のつらさには、指示の問題も含まれる

介護職員が言い方へのつらさと指示の分かりにくさを、別々の確認点として考える図です。

職員の言い方がきついうえ、説明する内容も人によって違う。そんな場面を「その人が苦手だから」とだけ捉えると、何を基準に仕事を進めるかという迷いが残ります。相手への気持ちと、指示の分かりにくさを別々に見てみましょう。

令和6年度介護労働実態調査では、直前の仕事が介護関係で、人間関係を辞めた理由に挙げた人の回答に、上司の業務指示が不明確だったことも含まれています。調査でいう人間関係は、相性や言い方だけの話ではありません。

自分の場面では「どの説明が違ったのか」を短く確かめてください。調査の回答だけで自分の原因を決めず、苦手な相手の存在と、判断基準の迷いがそれぞれあるかを考える材料にできます。

出典・根拠を確認

公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

直前の仕事が介護関係の仕事で、辞めた理由が「職場の人間関係に問題があったため」とする者について、その具体的な内容は「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が最も高く(49.1%)、次いで「上司の業務指示が不明確、リーダーシップがなかった」(36.2%)が高くなっている。(図表3-2-2)

同僚の言い方が特につらいと感じる方へ

理由名を決める前に、何が起きたかを確かめる

同僚に腹が立っていても、つらかったのは残された仕事を引き受けたことかもしれません。逆に仕事量が同じでも、困っていると伝えて支えられなかった感覚が残ることもあるでしょう。まずは、その場面で起きたことを言葉にしてみます。

職場環境を扱う資料では、ストレス要因になっている可能性のある問題を具体的に挙げ、作業内容や職場組織などに分類する考え方が示されています。これは職場改善の説明ですが、ここでは自分のつらさを整理する見方として使います。

指示、負担、助けのなさなど、思い当たるものを並べてみてください。一つに決めることを目標にせず、今は分からない部分も残します。この整理で退職の判断や職場の改善が決まるとは限りません。

出典・根拠を確認

厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構

職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

ストレスチェック結果の集団ごとの分析結果や職場巡視の結果をもとにして、職場の管理監督者や労働者の意見を聴き、ストレス要因となっている可能性のある問題をできるだけ具体的にリストアップします。例えばこれを職場の物理環境、作業内容、職場組織などに分類することも有用です。リストアップされた問題に対して、関係者が議論したり、労働者参加型のグループ討議などを行い、改善計画をたてます。

辞めたい理由を急いで一つの名前にする前に、勤務後につらかった一場面を見てみましょう。言い方への苦痛なのか、指示の迷いなのか、追加の仕事なのか。複数が重なるなら、そのまま並べて考える出発点にできます。


人間関係だけでは言い切れない、辞めたいと感じる場面

施設内で介護職員が、指示の違い、追加の仕事、助けを頼れない場面を振り返るイラストです。

現場では、職員に会うのがつらいのに、仕事のどの部分が負担なのかもはっきりしない場面があります。出来事は小さく見えても、説明の違いや助けを頼めない感覚まで重なると、一言にまとめるのは難しいでしょう。

教わる内容が人によって違い、慣れない業務に時間がかかるなかで、周囲の機嫌まで気にしている場面を考えてみてください。困っても誰に頼ればよいか分からず、何とか続けようと小さな目標を作ってきたのに、支えてもらえない感覚が残ると、言い方へのつらさと職場への失望を分けにくくなります。「嫌な人がいる」と感じる気持ちを消す必要はなく、その場面で仕事を進めるために何が足りなかったのかも見ることができます。以下の場面と照らし合わせながら、勤務後に一つだけ、負担だった部分を確かめてみましょう。

教える人によって指示が違い、誰を基準にするか迷う

昨日教わった進め方を、別の職員から違うと言われると、「どちらに従えばいいのか」と立ち止まります。慣れない仕事に時間がかかるうえ、確認するたびに相手の機嫌を気にする場面なら、人への苦手意識だけでは迷いを表せません。まず、そのとき説明が違った部分と、言い方がつらかった部分を別々に思い返してみてください。

この場面の困りごとは、判断の基準が分からないことです。「仕事に慣れていない自分が悪い」とだけ考える前に、説明の内容自体が違っていたのかも見てみましょう。人との相性と、業務指示の分かりにくさは、同じ場面にあっても別の確認点です。

令和6年度介護労働実態調査では、直前の仕事が介護関係で、人間関係を辞めた理由に挙げた人への複数回答の質問で、不明確な業務指示も挙がっています。これは今の自分の原因を確定するものではありませんが、指示の問題も整理の対象にする根拠になります。

勤務後には「誰が苦手か」だけでなく、「どの説明が食い違い、何を決められなかったか」を一つ残してみてください。教え方を改善する方法まで、この段階で考え尽くす必要はありません。

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公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

直前の仕事が介護関係の仕事で、辞めた理由が「職場の人間関係に問題があったため」とする者について、その具体的な内容は「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が最も高く(49.1%)、次いで「上司の業務指示が不明確、リーダーシップがなかった」(36.2%)が高くなっている。(図表3-2-2)

新人として教わり方の違いに迷う方へ
  • 新人として教わる中で説明の違いや質問のしづらさが気になる場合は、新人を迎える職場の教え方や相談の仕組みを扱う記事も、今の戸惑いを振り返りながら、職場で迷った場面と照らし合わせて読めます。
  • 詳しくは、介護の新人がすぐ辞める職場の共通点で確認できます。

他の職員が残した仕事で、自分の負担が増える

リネンの追加作業を抱えた介護職員が、仕事量の疲れと不公平に感じた気持ちを振り返るイラストです。

引き継いだ勤務で、更衣やリネン交換などの追加の仕事が重なる場面なら、通常の業務を進めたいのに手が回らず、前の勤務者への怒りも出てくるでしょう。「なぜ自分がここまで」と感じるとき、相手への不満なのか、仕事が増えた疲れなのか、すぐには分けられないかもしれません。その人をどう評価するかより先に、追加で抱えた仕事と、それを引き受けた気持ちを見てみます。

「同僚が嫌い」とだけまとめると、増えた仕事量や、不公平だと感じた部分を言い表せないままになります。この場面では、何が追加されたかと、それをどう受け止めたかを別々に整理する見方が使えます。仕事を残した理由や、相手の意図までは決めつけません。

職場のストレスに関する資料は、仕事量や責任と裁量の釣り合い、努力に対してねぎらいなどが少ない状況を扱っています。量の多さだけでなく、努力がどう受け止められているかも考える材料です。

勤務後に「仕事が多かった」と「自分だけ引き受けていると感じた」を分けて残すなら、怒りも疲れも消さずに置けます。自分の記録だけで、分担の是非が確定するわけではありません。

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厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構

職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

仕事のストレスに関する代表的な理論である「仕事の要求度-コントロールモデル」では、仕事の要求度(仕事量や責任など)と仕事のコントロール(自由度や裁量権)のバランス、特に仕事の要求度に見合うように仕事のコントロールを与えることが重要であるとされます。また「努力―報酬不均衡モデル」では、仕事上の努力に比べて、ねぎらいがない、あるいは将来が不安定だなど心理的な報酬が少ない場合にストレスフルになるとしています。長時間労働や過大な作業量を避けることに加えて、作業の量や責任に見合うような裁量権や報酬をもらえるようにすることも職場環境等の改善の方法の一つになります。

困っても頼れる人が見つからず、孤立を感じる

慣れない業務に時間がかかり、周囲がどこで何をしているかも分からない。そんな場面で助けを求める相手が見つからなければ、仕事の難しさだけでなく、頼れない感覚も残るでしょう。「もう少し自分が頑張れば」と思ってきた場合も、そのとき誰に頼ろうとして、何が分からなかったのかを別の確認点として残してみてください。

困りごとは、相手と仲がよいかどうかだけでなく、相談できる相手や経路を見つけられるかという点にもあります。「自分が遠慮する性格だから」とだけまとめると、相手の所在が分からなかったことや、助けが必要だった場面を説明しにくくなります。

心の健康づくりの資料では、労働者が相談を受けられるよう、事業場の実態に応じた体制を整えることが示されています。相談できる環境そのものを、職場の確認点として扱っています。

一場面を振り返るなら、頼る相手が分からなかったのか、伝えたが支えられないと感じたのかを分けてみましょう。その状況だけで、自分の性格や相手の人柄への結論を出す必要はありません。

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厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構

職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

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事業場の実態に応じて、労働者の相談に応ずる体制を整備するとともに、事業場外の相談機関の活用を図るなど、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行いましょう。

やりたい介護と、職場のルールの間で迷う

今の職場でも続けられる理由を探してきたのに、施設のルールと自分が考えていた介護の間に違和感が残る場面もあるでしょう。そこで上司や同僚に失望したとしても、「この人が嫌なのか、方針がつらいのか」と迷うかもしれません。誰への気持ちかを急いで決める前に、納得できなかった具体的な場面と、そのとき引っかかったルールを思い返してみてください。

令和6年度介護労働実態調査は、人間関係とは別に、事業理念や運営への不満も直前の仕事を辞めた理由として扱っています。直前の仕事が介護関係で、事業理念や運営への不満を辞めた理由に挙げた人への複数回答の質問には、介護の質を高める取り組みに対し、職員の体制や処遇が追いつかなかったという回答もあります。

ただし、違和感があることだけで、職場の運営全体の良し悪しは決められません。「人が嫌い」とも「介護そのものが嫌」ともすぐにまとめず、どの方針や仕事の進め方に納得できなかったかを見るための材料にしましょう。

理念や経営の分析まで、その場で全部背負う必要はありません。納得できなかったルールや進め方を、具体的に残すところにとどめてみましょう。

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公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

直前の仕事が介護関係の仕事で、辞めた理由が「勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため」とする者について、その具体的な内容は「経営の効率性を過度に重視していた」が最も高く(35.9%)、次いで「介護の質の向上の取り組みに対して職員の体制や処遇が追いつかなかった」(35.6%)が高くなっている。(図表3-2-3)

理念と実際の運営のずれが気になる方へ

指示の違い、残された仕事、頼れない感覚、方針への違和感は、同じ場面に重なることもあります。苦手な相手への気持ちを消さず、「何が負担だったか」も短く残しましょう。一つの分類へ無理に押し込めなくて構いません。

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介護の仕事と暮らしを、ちょっと良くする選択肢

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なぜ人間関係・指示・業務負担を分けて考えるのか

情報の流れ、仕事量、ねぎらいを、人への気持ちと分けて考えるための図です。

現場では、同僚への怒りと、仕事が終わらない疲れが同時に残る場面があります。その背景を考える際は、人への気持ちに加え、情報の流れや仕事量も確認点になります。ここでは、職場のつらさを広く捉える理由を整理します。

仕事を引き受け続けても、困ったときに助けを頼めず、「何のために頑張っているのか」と迷う状況を考えてみてください。人に腹を立てた場面から振り返ると、量の多さだけでなく、頼る相手が分からなかったことや、努力を受け止めてもらえない感覚も出てくるかもしれません。こうした場面を全部「相性が悪い」でまとめず、そのときの仕事と関わりを見ていきます。一度に職場を評価するより、勤務後に負担だった一部分を言葉にするところから考えましょう。

仕事のストレスは、情報の流れや職場の組織にも関わる

困ったときに職員を探しても、誰が何を担当しているのか分からず、助けを頼めない場面なら、「周囲が冷たい」と感じるかもしれません。そこで引っかかったのが、職員の対応か、情報の分かりにくさかを考える余地があります。その場面で何を知りたかったのかも確かめてみましょう。

一般の職場を扱う資料では、情報の流れ方や職場組織の作り方も、労働者のストレスに影響すると説明されています。人間関係だけを見て、他の働きにくさを外してしまわないための視点です。

理想としては、必要な情報を知り、困ったときに頼れる状態で働きたいでしょう。一方、実際の場面で相手の所在や担当が分からなければ、確認したい内容が残ります。自分の場面にこの説明が当てはまるかは、起きたことを見て考えます。

「誰にどう言われたか」と「どの情報が分からなかったか」を分けるなら、相性への苦痛も残せます。すべてを運営の責任へ置き換えず、分からなかった一点を見直してみてください。

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厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構

職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

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職場の照明や温度などの物理環境や作業レイアウトも労働者の心理的なストレスの原因になることがあります。会議の持ち方、情報の流れ方、職場組織の作り方なども労働者のストレスに影響を与えます。職場環境等の改善を通じたストレス対策では、「職場環境」をより広く捉えることが大事です。

仕事量だけでなく、裁量やねぎらいとの釣り合いも関わる

追加の仕事を引き受けているのに、進め方を選びにくく、頑張りも受け止められないと感じる場面では、何が一番つらいのか迷うでしょう。「量が減ればよいのか」「押し付けられる感じが嫌なのか」という問いを、急いで一つにしなくても構いません。引き受けた内容と、気持ちの引っかかりを別々に見てみます。

資料は、仕事量や責任と、自由度・裁量権のバランスを扱っています。また、努力に比べてねぎらいなどの心理的な報酬が少ない場合を、ストレスに関わる説明として挙げています。

仕事を頑張った分が受け止められ、責任に見合って判断できることと、実際にそう感じられるかには違いがあります。仕事量の多さと、不公平感は同じ言葉にせず、それぞれ自分の場面から考える材料にしましょう。

例えば勤務後に、「追加された仕事」と「自分で決められなかった部分」「ねぎらいがなかったと感じたこと」を見てみます。資料の理論は自分を診断するものではなく、どこにつらさがあるかを考える補助です。

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職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

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仕事のストレスに関する代表的な理論である「仕事の要求度-コントロールモデル」では、仕事の要求度(仕事量や責任など)と仕事のコントロール(自由度や裁量権)のバランス、特に仕事の要求度に見合うように仕事のコントロールを与えることが重要であるとされます。また「努力―報酬不均衡モデル」では、仕事上の努力に比べて、ねぎらいがない、あるいは将来が不安定だなど心理的な報酬が少ない場合にストレスフルになるとしています。長時間労働や過大な作業量を避けることに加えて、作業の量や責任に見合うような裁量権や報酬をもらえるようにすることも職場環境等の改善の方法の一つになります。

具体的な問題を並べると、理由を大きな一言にせず扱える

介護職員がノートの欄を見ながら、起きたこと、負担だった部分、気持ちを書き分けるための図です。

「もう介護が嫌なのかもしれない」と思っていても、つらい場面を思い返すと、指示の違いや他人の仕事を抱えたことが浮かぶかもしれません。「介護そのもの」と「今の職場での働き方」のどちらが気になるかは、すぐに決めなくてもよいでしょう。気持ちを無理に説明し切る前に、一つの場面を短く残してみます。

職場環境の資料は、ストレス要因の可能性がある問題を具体的に挙げて分類する考え方を示しています。ここでは、その見方を、自分の場面を整理するために置き換えています。

はっきりした理由を言いたくても、「辞めたい」には複数の場面があるかもしれません。次の区切りは、原因を採点するための尺度ではなく、書き分けるための例です。

項目内容
起きたこと説明する職員によって、仕事の進め方が違っていました。
負担だった部分何を基準にすればよいか決められませんでした。
気持ち戸惑いと、確認をためらう気持ちが残りました。

この例のように、出来事と気持ちを別の欄に置いてみてください。原因の特定や次の判断まで一度に済ませなくても構いません。

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職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

ストレスチェック結果の集団ごとの分析結果や職場巡視の結果をもとにして、職場の管理監督者や労働者の意見を聴き、ストレス要因となっている可能性のある問題をできるだけ具体的にリストアップします。例えばこれを職場の物理環境、作業内容、職場組織などに分類することも有用です。リストアップされた問題に対して、関係者が議論したり、労働者参加型のグループ討議などを行い、改善計画をたてます。

情報の流れ、量や責任と裁量の釣り合い、努力を受け止められる感覚も、考える材料になります。人へのつらさを軽く扱わず、具体的に起きたことを並べてみましょう。今は分からない部分を残し、判断を急がない整理です。

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辞めたい理由を整理するときの小さな迷い

現場では、つらかった場面を思い返しても、「この程度を理由にしてよいのか」と迷うことがあります。一つに絞れない、指示も気になる、相談相手が分からないといった小さな問いを、資料の範囲から整理します。

Q
辞めたい理由がいくつもあり、一つに絞れなくても整理できますか?
A

職場環境の資料は、問題を具体的に挙げて分類する考え方を示しています。この見方を使い、つらかった一場面に指示や負担など複数が思い当たるなら、そのまま並べてみてください。今は分からないところも残してよく、整理で原因や答えが確定するわけではありません。

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職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

ストレスチェック結果の集団ごとの分析結果や職場巡視の結果をもとにして、職場の管理監督者や労働者の意見を聴き、ストレス要因となっている可能性のある問題をできるだけ具体的にリストアップします。例えばこれを職場の物理環境、作業内容、職場組織などに分類することも有用です。リストアップされた問題に対して、関係者が議論したり、労働者参加型のグループ討議などを行い、改善計画をたてます。

Q
人間関係がつらいと感じても、指示の問題として考えてよいですか?
A

令和6年度介護労働実態調査では、直前の仕事が介護関係で、人間関係を辞めた理由に挙げた人への複数回答の質問で、不明確な業務指示も挙がっています。言い方への苦痛を消さず、勤務後に「どの説明が違い、何を決められなかったか」も見てみましょう。調査の回答だけで自分の原因を決める必要はありません。

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公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_roudousya_honpen1.pdf

直前の仕事が介護関係の仕事で、辞めた理由が「職場の人間関係に問題があったため」とする者について、その具体的な内容は「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が最も高く(49.1%)、次いで「上司の業務指示が不明確、リーダーシップがなかった」(36.2%)が高くなっている。(図表3-2-2)

Q
仕事量より、自分だけ頑張っている感覚がつらいこともありますか?
A

資料は仕事量や責任と裁量の釣り合いに加え、努力に比べてねぎらいなどが少ない場合も扱っています。仕事が終わらない疲れと、不公平だと感じたことを分けて考える材料です。追加で引き受けた仕事と、そのときの気持ちを短く残してみてください。

出典・根拠を確認

厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構

職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

仕事のストレスに関する代表的な理論である「仕事の要求度-コントロールモデル」では、仕事の要求度(仕事量や責任など)と仕事のコントロール(自由度や裁量権)のバランス、特に仕事の要求度に見合うように仕事のコントロールを与えることが重要であるとされます。また「努力―報酬不均衡モデル」では、仕事上の努力に比べて、ねぎらいがない、あるいは将来が不安定だなど心理的な報酬が少ない場合にストレスフルになるとしています。長時間労働や過大な作業量を避けることに加えて、作業の量や責任に見合うような裁量権や報酬をもらえるようにすることも職場環境等の改善の方法の一つになります。

Q
相談相手が分からないことも、辞めたい理由の整理に入れられますか?
A

資料では、労働者が相談できる環境を整えることが示されています。困った場面を振り返り、頼る相手が分からなかったのか、伝えても支えられないと感じたのかを見てみましょう。自分が遠慮したかどうかだけにまとめず、相談できる環境も確認点にできます。

出典・根拠を確認

厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構

職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

事業場の実態に応じて、労働者の相談に応ずる体制を整備するとともに、事業場外の相談機関の活用を図るなど、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行いましょう。

理由がいくつも浮かんでも、勤務後に一場面を短く振り返るところから考えられます。指示、量、不公平感、相談の環境のうち、何が気になったでしょうか。原因の確定や退職の判断まで、その場で答えを出す必要はありません。


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辞めたい理由は、まず一つの場面から言葉にする

現場では、何とか続けようとしてきたのに、勤務後には「もう無理かもしれない」という気持ちだけが残る場面もあるでしょう。人間関係のつらさを軽く扱う必要はありません。その中に、指示の迷い、仕事の負担、頼れない感覚、方針への違和感があるかを考えてきました。

明日の一歩は、勤務後につらかった一場面を短く残すことです。「何が起きたか」「どこが負担だったか」「どんな気持ちが残ったか」を、自分の言葉で書いてみてください。全部の原因を整理し、介護そのものが嫌なのかまで、一度に結論を出さなくても構いません。

書くこと自体が負担になるときは、毎日の記録にせず、一場面だけにとどめてください。すぐに答えが出なくても、今つらいと感じている部分を、次に考えるための材料として残しておけます。

最後までご覧いただきありがとうございます。


更新履歴

  • 2025年10月20日:新規投稿
  • 2026年4月13日:内容を全面的にリライト
  • 2026年10月3日:内容を全面的にリライト
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