疥癬・ノロ疑いの衣類を家族に持ち帰らせてはいけない理由|介護施設での洗濯・保管の考え方

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便や嘔吐物が付いた衣類、疥癬が疑われる利用者のリネンが出たとき、「家族が普段洗っているから返す」「施設で何とか洗う」のどちらかを、介護職一人で選ばされることがあります。

けれども、設備が足りない、衣類を傷めたくない、家族の持ち物なので勝手に処分できないという条件が重なるなら、迷うのは当然です。まず必要なのは、通常の返却・洗濯をいったん止め、汚染物を分けて責任者判断へ切り替えることです。

入浴時の感染対策を全体から確認するなら

この記事を読むと分かること

  • ノロと疥癬の違い
  • 衣類を分ける理由
  • 判断を上げる順番

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 返却してよいか迷う
  • 高温洗濯機がない
  • 誰が決めるか不明

結論:通常の洗濯物として返す前に、判断を上げます

衣類を分け、通常運用を止め、責任者へ報告して判断する三つの流れを示した図です。

現場では、汚染が疑われる衣類を前にして、洗濯かごへ入れるのか、袋へ入れて家族へ返すのかで手が止まります。設備や素材の条件が見えないまま判断して、後から責められる必要はありません。まず通常運用を止め、衣類を分け、看護職または責任者へ報告するところから始めます。

袋に入れることだけで処理が終わるわけではありません。疾患の疑い、便・嘔吐物の付着、洗濯・乾燥の可否、保管場所、家族への説明を誰が決めるかを、その場の職員だけで抱えないための切り替えです。

ノロ疑いは、便や嘔吐物が付いた衣類として扱います

現場では、汚れが見える衣類だけを急いで袋へ入れ、そのまま通常の洗濯物と同じ流れに戻したくなることがあります。感染性胃腸炎では、衣類に付いた便や嘔吐物を前提に、飛び散らないように処理し、洗濯方法を確認することが示されています。

出典・根拠を確認

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

シーツ等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、静かにもみ洗いします。その際には、しぶきを吸い込まないように注意しましょう。衣類に便や嘔吐物が付着している場合は、付着しているものを洗い流します。下洗いしたリネン類の消毒は、85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム液による消毒が有効です。

疥癬は、ノロと同じ処理にしません

かゆみや皮膚症状がある利用者の衣類では、「消毒すればよい」と一律に決めたくなるかもしれません。疥癬では衣類やリネン類から間接的に感染する例があり、疑いの段階では専門的な診察と、洗濯・乾燥の扱いを別に確認する必要があります。

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厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

疥癬は、ダニの一種であるヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚に寄生することで発生する皮膚病です。直接的な接触感染の他に、衣類やリネン類等から間接的に感染する例もあります。疥癬が疑われる場合は、直ちに介護施設等の感染対策に知見を有する皮膚科専門医の診察を受けます。衣類やリネン類は熱水での洗濯あるいは乾燥機による乾燥を推奨します。

設備や素材の限界は、現場だけで抱えません

高温洗濯機がない、衣類が色落ちしそう、誰の許可で処理するのか分からない。このような迷いは、知識が足りないからではなく、判断に必要な条件が現場へ渡されていないために起こります。複数の症状が出ている状況では、看護職員等が責任者へ伝え、責任者が体制と必要な用具を確認する流れが示されています。

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厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

水様便や嘔吐症状の発症者が2人以上になった場合には、集団感染の可能性を踏まえて以下の対応を行います。看護職員等が記録するとともに、責任者に口頭で伝えます。責任者は、施設全体に緊急体制を敷きます。看護職員等はその後の発症者数、症状継続者数の現況を、情報共有できる場を設けて、職員全体が経過を把握できるようにします。責任者は、感染対策が確実に実施されているかを観察して確認します。消毒薬や嘔吐物処理等に必要な用具が足りているかの確認も必要です。

手順を職員間でそろえたい場合は
  • 衣類の分別、報告先、保管場所、家族説明の流れを、職員が確認しやすい形にまとめる方法を探している場合は、介護向け動画マニュアル管理【Carebase】のような仕組みを情報収集として見ておくのも一つの方法です。

衣類を家族へ返すか、施設で洗うかを一人で決めなくてよい場面があります。汚染疑いが出た時点で通常運用を止め、誰が処理・保管・説明を決めるかを責任者へ確認してください。


よくある事例:衣類の扱いで現場が止まる3つの場面

現場職員から責任者へ判断を上げ、家族への説明につなげる役割の流れを示した画像です。

現場では、感染対策の言葉はあっても、衣類の返却、洗濯、保管の順番まで決まっていないことがあります。その結果、忙しい職員ほど「とりあえず普段どおりに戻す」選択へ寄りやすくなります。

袋へ入れただけで、家族へ返そうとしてしまう

衣類を袋に入れれば、その場の居室からは片付きます。しかしノロウイルスが疑われるリネン類は、付着した汚物が飛び散らないように扱うことが示されています。家族へ通常の洗濯物として渡す前に、疾患の疑いと付着状況を責任者へ伝え、施設の説明・返却判断へ切り替える必要があります。

普段の布製品の分け方も見直すなら
出典・根拠を確認

厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水の消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。

高温洗濯できないため、通常洗いへ戻してしまう

高温洗濯機がないと分かった瞬間、通常の洗濯機に入れるしかないと感じることがあります。ただし原PDFは、熱水洗濯機がない場合の選択肢にも触れる一方、薬剤の扱いには使用上の注意があるとしています。衣類の素材や施設の設備をその場の職員だけで決めず、責任者へ確認を上げることが必要です。

衣類以外の消毒でも迷う場合は
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厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水の消毒が有効です。

保管場所と家族説明の担当が決まっていない

「どこに置くのか」「誰が家族に伝えるのか」が決まっていないと、衣類の処理と同時に電話対応まで現場職員へ寄ります。感染性胃腸炎の発生時には、責任者が体制を敷き、必要な用具が足りているかを確認することが示されています。衣類の一件も、現場だけで完結させず、保管と説明の判断者を確認する契機にします。

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介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

水様便や嘔吐症状の発症者が2人以上になった場合には、集団感染の可能性を踏まえて以下の対応を行います。看護職員等が記録するとともに、責任者に口頭で伝えます。責任者は、施設全体に緊急体制を敷きます。看護職員等はその後の発症者数、症状継続者数の現況を、情報共有できる場を設けて、職員全体が経過を把握できるようにします。責任者は、感染対策が確実に実施されているかを観察して確認します。消毒薬や嘔吐物処理等に必要な用具が足りているかの確認も必要です。

施設の判断基準を決め直す場合は

袋に入れた時点で対応を終えず、通常の返却・洗濯へ戻す前に確認を上げることが大切です。設備や説明の担当が未決定なら、その未決定を責任者が判断する課題として残してください。


なぜ個人判断にしてはいけないのか

ノロ疑いと疥癬疑いの衣類を同じ方法で扱わず、確認して判断する考え方を示した図です。

衣類の扱いは、洗濯の知識だけで終わりません。ノロと疥癬では感染の特徴が異なり、処理中の飛散、洗濯・乾燥の可否、専門職への報告まで考える必要があります。

疾患ごとに、衣類・リネンの考え方が違うからです

ノロウイルスでは便や嘔吐物の処理とリネンの飛散防止が中心になります。疥癬では衣類・リネン類から間接的に感染する例があり、疑いの段階で専門医の診察と洗濯・乾燥を考えます。同じ「汚れた衣類」でも、同じ方法で一律に片付ける前提にはできません。

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厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

疥癬は、ダニの一種であるヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚に寄生することで発生する皮膚病です。直接的な接触感染の他に、衣類やリネン類等から間接的に感染する例もあります。疥癬が疑われる場合は、直ちに介護施設等の感染対策に知見を有する皮膚科専門医の診察を受けます。衣類やリネン類は熱水での洗濯あるいは乾燥機による乾燥を推奨します。

処理の途中で、汚染を広げない配慮が要るからです

衣類を洗うことだけに意識が向くと、下洗いの場や扱う人の防護が抜けやすくなります。ノロウイルスが疑われるリネン類では、付着した汚物が飛び散らないように処理し、しぶきを吸い込まないよう注意する記載があります。急いで通常運用へ戻すより、まず分けて扱う理由はここにあります。

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厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水の消毒が有効です。

報告と確認は、現場を責めるためではありません

忙しい時間帯に衣類まで抱えると、「自分で何とかしなければ」と思いやすくなります。ですが、複数の発症者を想定した手引きでも、看護職員等から責任者への報告、責任者による体制と用具の確認が示されています。現場職員が保管・処理・家族説明の結論まで一人で負うのではなく、判断を上げることが初動です。

衣類から物へ続く経路も確認するなら
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厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

水様便や嘔吐症状の発症者が2人以上になった場合には、集団感染の可能性を踏まえて以下の対応を行います。看護職員等が記録するとともに、責任者に口頭で伝えます。責任者は、施設全体に緊急体制を敷きます。看護職員等はその後の発症者数、症状継続者数の現況を、情報共有できる場を設けて、職員全体が経過を把握できるようにします。責任者は、感染対策が確実に実施されているかを観察して確認します。消毒薬や嘔吐物処理等に必要な用具が足りているかの確認も必要です。

衣類の扱いは、疾患の違いと処理中の飛散、設備の限界が重なる仕事です。迷ったら通常の流れに戻さず、誰が判断するかを確認するところまでを自分の担当にしてください。

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現場で迷いやすい質問

感染が疑われる衣類では、時間がないほど「いつもの洗濯でよいのか」と迷います。ここでは、本文で確認した範囲に絞って、最初の判断を整理します。

Q
ノロ疑いの衣類を、いつもの洗濯物として家族へ返してよいですか?
A

便や嘔吐物の付着が疑われる衣類は、まず通常の返却・洗濯へ戻さず、汚染物として分けてください。返却の可否や家族への説明は、施設の手順と責任者の判断を確認します。

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介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

シーツ等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、静かにもみ洗いします。その際には、しぶきを吸い込まないように注意しましょう。衣類に便や嘔吐物が付着している場合は、付着しているものを洗い流します。下洗いしたリネン類の消毒は、85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウム液による消毒が有効です。

Q
熱水洗濯機がない場合は、普通に洗えばよいですか?
A

熱水洗濯機がない場合についても原PDFには記載がありますが、薬剤の使用では衣類の素材や製品の注意が関わります。通常洗いへ戻す前に、施設で決めた処理方法と判断者を確認してください。

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厚生労働省

ノロウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf

リネン等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水の消毒が有効です。

Q
疥癬が疑われる衣類も、ノロと同じ消毒でよいですか?
A

同じ方法と決めつけないでください。疥癬では衣類・リネン類からの間接的な感染例があり、疑い時は専門医の診察と、洗濯・乾燥の扱いを確認します。

出典・根拠を確認

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

疥癬は、ダニの一種であるヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚に寄生することで発生する皮膚病です。直接的な接触感染の他に、衣類やリネン類等から間接的に感染する例もあります。疥癬が疑われる場合は、直ちに介護施設等の感染対策に知見を有する皮膚科専門医の診察を受けます。衣類やリネン類は熱水での洗濯あるいは乾燥機による乾燥を推奨します。

Q
誰に報告すればよいか決まっていないときはどうしますか?
A

看護職・責任者へ、疾患の疑い、便・嘔吐物の付着、衣類を通常運用へ戻せないことを伝えます。保管場所、処理方法、家族説明の担当まで現場だけで確定させず、判断を上げます。

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厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

水様便や嘔吐症状の発症者が2人以上になった場合には、集団感染の可能性を踏まえて以下の対応を行います。看護職員等が記録するとともに、責任者に口頭で伝えます。責任者は、施設全体に緊急体制を敷きます。看護職員等はその後の発症者数、症状継続者数の現況を、情報共有できる場を設けて、職員全体が経過を把握できるようにします。責任者は、感染対策が確実に実施されているかを観察して確認します。消毒薬や嘔吐物処理等に必要な用具が足りているかの確認も必要です。

相談しても役割が変わらない場合は
  • 感染対策の判断や家族説明まで一人に偏り、相談しても役割分担が整わない状態が続く場合は、正社員として働く環境を見直す選択肢として、レバウェル介護 正社員紹介で求人情報を確認しておく方法もあります。

迷ったときは、処理方法を自分で決め切るより、通常運用を止めて報告する方が安全です。判断の担当と保管場所が未決定なら、その未決定を責任者へ渡してください。


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まとめ:次に衣類が出たときの最初の一歩

現場では、感染対策と利用者の所有物を守ることの間で、すぐに答えが出ない衣類があります。だからこそ、家族へ返すか施設で洗うかを、その場の職員一人が背負う必要はありません。

次に汚染が疑われる衣類が出たら、通常の返却・洗濯へ回す前に、分けて責任者へ報告することを最初の一歩にしてください。処理・保管・家族説明の担当が決まっていないなら、そこで止めて確認することにも意味があります。

最後までご覧いただきありがとうございます。


更新履歴

  • 2026年1月28日:新規投稿
  • 2026年7月10日:内容を全面的にリライト

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