新人が物品の場所で迷わないために|介護現場の「三定」と「表示」

※本ページはプロモーションが含まれています

「もっと利用者様に向き合いたい」と願っても、現実は探し物や補充に追われ、ナースコールへの対応が遅れてしまうことへの葛藤があるのではないでしょうか。

人員不足の中で完璧な環境整備は困難ですが、よく使う場所を整えるだけで、無駄な動きを減らし、現場の負担感を軽くできる可能性があります。

この記事を読むと分かること

  • 探し物でイライラする時間が減ることがある
  • 新人が物品の場所を迷いにくくなる
  • 今日から始めやすい片付け方がわかる

一つでも当てはまったら、この記事が役に立つ場合があります

  • 処置の途中で物品不足に気づく
  • 「あれどこ?」とよく聞かれる
  • 忙しい時に限って備品がない
  • 人によって置き場所が違う

「探す・歩く」ムダを減らすことが業務の質を守る一助になる

女性の介護職員の画像

現場では、「片付けても次の日には散らかっている」「人手不足で業務を回すのが精一杯で、整理整頓どころではない」といった切実な悩みをよく耳にすることがあります。

「きれいな職場が良い」とは頭でわかっていても、目の前の利用者対応や記録に追われ、後回しになってしまうのが現実ではないでしょうか。
しかし、そんな状況だからこそ、完璧を目指さず「効果が出やすいポイント」に絞って取り組むことが重要だと考えられます。

まずは「三定」と「手元化」で動線を短くする

業務効率を下げる主な要因の一つは、必要な物を探す時間や、取りに行く移動時間だと考えられます。
これを防ぐために効果的とされるのが、以下の2つの手法です。

  • 三定(さんてい):定位置(置く場所)、定品(置く物)、定量(置く量)を決めること
  • 手元化:使用頻度の高い物品を、作業する場所のすぐ近く(手元)に配置すること

これらを徹底することで、無駄な動きを減らし、業務の流れをスムーズにしやすくなると考えられます。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実施】
・物品の配置場所を決める(定位置)、表示などを行い、誰にでもわかるようにする。
・使用頻度の高い物品などは手元化などを行い、動作のムダを省く。(三定:定位置、定品、定量)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実施】
・物品の配置場所を決める(定位置)、表示などを行い、誰にでもわかるようにする。

5Sは「掃除」ではなく「職場環境整備」の土台

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)というと、単なる「美化運動」や「掃除」と捉えられがちですが、介護現場においてはより重要な意味を持つと考えられます。

5Sは、働きやすい職場環境を整備するための基礎となる取り組みとされています。
物が散乱していない環境は、職場環境の整備につながる場合があります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実施】
・職場環境の整備の基盤として5S活動に取り組む。

「小さな成功」から始めて心理的ハードルを下げる

新しい取り組みを始めようとすると、「仕事が増える」と感じてしまい、心理的な負担になることがあります。
そのため、最初からフロア全体などの大きな範囲で実施するのではなく、負担感のない範囲から始めることが大切だと考えられます。

  • 短期間(3か月程度)で取り組む
  • 身近な場所で小さな成功事例を作る
  • その成果を事業所内で共有する

まずは「このワゴンの1段目だけ」といった小さな改善を積み重ね、効果を実感しやすい範囲から始めるとよいでしょう。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【小さな成功事例の共有・横展開】
・最初から改善活動を広げようとせず、例えば3か月程度の実行計画で、まずは小さな成功事例をつくることで、職員の心理的ハードルを下げる。

現場では、「探す・歩く」時間を減らす三定手元化が重要だと考えられます。一気にやろうとせず、まずは小さなスペースから始めて、自分たちの負担を減らす成功体験を作っていきましょう。

広告

よくある事例:なぜ「片付け」が現場に定着しないのか

女性の介護職員の画像

現場では、「何度言っても元に戻してくれない」「気付いた人ばかりが損をする」といった不満が尽きません。

忙しさの中でルールが形骸化し、結局なぁなぁになってしまう。
そんな現場でよく見られる具体的な失敗パターンを見ていきましょう。
これらは個人の性格の問題ではなく、仕組みに原因があることが多いと考えられます。

事例1:おむつ交換時の「往復地獄」と物品不足

排泄介助の最中に「おしり拭きがない」「手袋のサイズが違う」と気づき、ナースステーションまでダッシュで取りに戻る。
そんな経験はないでしょうか。

この「取りに行く時間」は、職員の体力を奪うだけでなく、業務の滞りにもつながることがあります。
これは準備不足というよりも、必要な物が手元にない環境、つまり動線の悪さが原因の一つです。
使用頻度の高い物品を作業場所の近くに配置する「手元化」を行うことで、この無駄な動き(ムダ)を減らせる場合があります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実施】
・使用頻度の高い物品などは手元化などを行い、動作のムダを省く。(三定:定位置、定品、定量)

事例2:「あの人のルール」で置き場所が変わる

「ハサミはここ」「体温計はあっち」と、ベテラン職員独自のルールで置き場所が決まっていて、新人が覚えられないケースです。
その人がいないと物が探せず、業務が止まってしまうことがあります。

これは業務が属人化している状態になりがちです。
誰が見てもわかるように置き場所を決め(定位置)、ラベルなどで表示を行うことが必要だと考えられます。
記憶に頼らず、「見ればわかる」状態にすることで、経験年数に関わらず誰もが迷わずに動きやすくなります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実施】
・物品の配置場所を決める(定位置)、表示などを行い、誰にでもわかるようにする。

事例3:「大掛かりな改善」で現場が疲弊する

「よし、今日からフロア全体を整理しよう!」と意気込んだものの、通常業務に追われて中途半端に終わり、結局元の木阿弥になってしまうパターンです。
改善活動そのものが負担となり、現場のモチベーションを下げてしまいます。

最初から完璧を目指さないことが大切だと考えられます。
まずは3か月程度の計画で、小さな範囲から成功事例を作ることが大切だと考えられます。
「これならできる」という実感(心理的ハードルの低下)を得てから、徐々に範囲を広げていくのが定着のコツです。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【小さな成功事例の共有・横展開】
・最初から改善活動を広げようとせず、例えば3か月程度の実行計画で、まずは小さな成功事例をつくることで、職員の心理的ハードルを下げる。

現場の混乱は、個人の能力不足ではなく「仕組み」の欠如が原因になりやすいと考えられます。手元化表示で誰でもわかる環境を作り、小さな成功を積み重ねることで、無理なく改善を進めましょう。

広告

なぜ、何度片付けてもすぐにリバウンドしてしまうのか

現場では、「忙しいから後回し」「片付けなんてしている暇はない」という声も多く聞かれます。
命を預かる現場ですから、利用者のケアが最優先で、環境整備が二の次になりやすいのは自然な心理です。

しかし、片付かない原因を「職員の意識不足」や「忙しさ」のせいにしていては、解決しにくくなります。
実は、根本的な原因はもっと別の場所にある場合があります。

「意識」ではなく「3M(ムリ・ムダ・ムラ)」が潜んでいることがある

「もっと気をつけて」と精神論で片付けようとしていませんか?
片付かない原因は、業務の中に潜む3M(ムリ・ムダ・ムラ)である場合があります。

必要な物がすぐに見つからない(ムダ)、人によって置き場所が違う(ムラ)、その結果として特定の職員に負荷がかかる(ムリ)。
この悪循環が断ち切れていないことが大きな問題になりやすいです。
個人の努力ではなく、業務の流れそのものを見直し、阻害要因を取り除く必要があります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【生産性向上のための7つの取組】
・業務を明確化し、3M(ムリ・ムダ・ムラ)を抽出する。
・職員の役割分担(タスクシェアリング)を行う。

「とりあえず置き」を生む環境の不備

「使ったものを元に戻せない」のは、戻すべき場所が明確でない、あるいは戻しにくいことがあるためです。
5Sにおける整頓とは、単にきれいに並べることではなく、「誰でもすぐに取り出せ、すぐに戻せる状態」にすることだとされています。

「要るもの」と「要らないもの」が混在している(整理不足)状態で、定位置が決まっていない(整頓不足)ため、忙しい時に「とりあえず空いている場所に置く」という行動が起きてしまいます。
これを防ぐには、置き場所を決め、ラベル等で表示する工夫が重要だと考えられます。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実施】
・物品の配置場所を決める(定位置)、表示などを行い、誰にでもわかるようにする。

「業務が増える」と感じる心理的ハードル

新しい取り組みを始めようとすると、「ただでさえ忙しいのに、余計な仕事を増やさないでほしい」という拒否反応が現場にはあります。
これは、改善活動そのものが負担として捉えられているためだと考えられます。

「5S=大掃除」という誤解があると、心理的ハードルは高くなりやすいです。
最初から完璧を求めず、小さな範囲から始めることで、「これなら自分たちにもできる」という安心感を醸成する必要があると考えられます。

出典元の要点(要約)

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【小さな成功事例の共有・横展開】
・最初から改善活動を広げようとせず、例えば3か月程度の実行計画で、まずは小さな成功事例をつくることで、職員の心理的ハードルを下げる。

リバウンドの原因は、職員の性格ではなく、3Mの放置心理的ハードルにあると考えられます。精神論をやめ、戻しやすい仕組みを作ることが解決への近道だと考えられます。

広告

現場の疑問を解消!整理整頓FAQ

日々の業務に追われる中で、新しい取り組みを始めようとすると不安や疑問がつきものです。
ここでは、現場でよくある悩みに対する解決のヒントを紹介します。

Q
Q1. 日々の業務が限界で、整理整頓を話し合う時間が全くありません。
A
A. まずは「業務時間見える化ツール」などを活用し、現状の業務負担を把握することから始めるとよいでしょう。最初から完璧を目指さず、負担感のない範囲(小さな成功事例)から着手することが推奨されています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【現状の課題の「見える化」】 ・業務時間見える化ツール等を活用して、現状の課題を把握する。

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【小さな成功事例の共有・横展開】 ・最初から改善活動を広げようとせず、例えば3か月程度の実行計画で、まずは小さな成功事例をつくることで、職員の心理的ハードルを下げる。

Q
Q2. 一度きれいにしても、すぐに元の散らかった状態に戻ってしまいます。
A
A. 誰が見てもわかるように、物品の定位置を決め、表示等で「可視化」することが重要だと考えられます。また、業務手順書を作成し、個人の記憶に頼らない「標準化」された仕組みを作ることが再発防止につながる可能性があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実施】 ・物品の配置場所を決める(定位置)、表示などを行い、誰にでもわかるようにする。

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【手順書の作成(可視化・標準化)】 ・業務の進め方を手順書等で明確にし、標準化を図る。

Q
Q3. 一部の職員が「今のままでいい」と協力的ではありません。どう巻き込めばいいですか?
A
A. 取り組みの開始にあたり「キックオフ」を行い、目的や意義を全員で共有することが大切だと考えられます。また、定期的に「報告・連絡・相談」の場を設け、課題や進捗を共有しながら進めることが、協力を得るカギになり得ます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【キックオフの実施】 ・取組開始にあたりキックオフを行い、目的や意義を全職員で共有する。

厚生労働省老健局

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

【取組の進捗管理(報告・連絡・相談)】 ・定期的なミーティング等で進捗を確認し、課題を共有する(報告・連絡・相談)。

誰でも最初からうまくいくわけではありません。まずは小さな範囲から始め、少しずつ仕組みを整えていくことで、現場の負担が減りやすくなります。焦らず進めていきましょう。

まとめ:5Sは「きれいにする」ことではなく「業務の質」を守る手段

本記事では、介護現場における5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の重要性と、無理なく定着させるためのポイントについて解説しました。

5Sの本来の目的は、単に職場を美化することではありません。 「探す・歩く」という見えないムダを省くための土台づくりだと考えられます。

いきなりフロア全体を変えようとする必要はありません。 「よく使うワゴンの1段目だけ定位置を決める」といった、明日の現場からできる小さな一歩が、やがて大きな業務改善へとつながることがあります。

最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。


関連コンテンツ


更新履歴

  • 2026年3月5日:新規投稿

タイトルとURLをコピーしました