インフルにノロ、コロナと、次々来る感染症対応に「頭がパンクしそう」と感じていませんか。
先輩ごとに「手順が違う」現場で、正解が分からず不安になるのは当然のことです。
完璧を目指して潰れる前に、まずは「感染リスクを減らすために重要」という鉄則を押さえましょう。
個別の病名対応よりも、日々のケアで「標準予防策」を徹底することが、感染リスクを減らすための重要な対策とされています。
この記事を読むと分かること
- 感染対策の判断に役立つ
- 自分と家族の感染対策
- 標準予防策の本当の意味
- 正しい手袋の使い方がわかる
- 感染対策への不安の軽減につながる可能性がある
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
結論:個別の病名対応より「標準予防策」の徹底が基本的な対策

現場では「ノロの時はこれ」「インフルの時はこれ」とマニュアルが分かれていますが、
忙しい業務中に「いちいち確認している余裕なんてない」と感じている方もいるかもしれません。
すべてを完璧にこなそうとしてパンクするよりも、
まずは「たった一つの共通ルール」を体に染み込ませるほうが、結果的に感染のリスクを減らすことにつながります。
「感染症の人だけ」気をつければいいという誤解
「あの人は元気だから大丈夫」「熱がないから油断した」
現場でよく聞く言葉ですが、これは危険な思い込みとされています。
感染対策の基本である「標準予防策(スタンダード・プリコーション)」とは、
感染症の有無や症状に関わらず、「全ての利用者」に対して普遍的に適用する予防策です。
利用者が特定の感染症と診断されていなくても、
潜伏期間であったり、無症状でウイルスを保有していたりする可能性があります。
そのため、相手が誰であっても「何らかの感染リスクがある」という前提でケアを行うことが、
感染リスクを減らすための重要な対策とされています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
標準予防策(スタンダード・プリコーション)は、感染症の有無に関わらず、すべての利用者のケアに際して普遍的に適用する予防策である。手指衛生、個人防護具の着用、咳エチケットなどが含まれる。
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
感染源は、感染症や保菌といった診断がついている人だけではない。症状のあるなしにかかわらず、すべての人が感染症の可能性があるという考え方に基づき、標準予防策を徹底する必要がある。
警戒すべきは「汗以外の湿ったもの」すべて
では、具体的に何に気をつければよいのでしょうか。
標準予防策では、「汗を除くすべての湿性生体物質」を感染源として扱います。
これには以下のものが含まれます。
- 血液
- 体液、分泌物(唾液、痰など)
- 排泄物(便、尿、嘔吐物)
- 傷のある皮膚、粘膜
つまり、オムツ交換時の排泄物だけでなく、
食事介助中の唾液や、口腔ケア時の粘膜も感染源になり得ます。
「汚いもの」のイメージを広げ、これらに触れる可能性がある時は、
必ず手袋などの防護具を使用することが鉄則とされています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
標準予防策では、感染源として「血液」「体液」「分泌物(汗を除く)」「排泄物」「傷のある皮膚」「粘膜」を扱う。これらは感染する危険性があるものとして対応する。
厚生労働省
高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
標準予防策(スタンダードプリコーション)は、汗を除くすべての湿性生体物質(血液、体液、排泄物、傷のある皮膚、粘膜等)に感染性があるものとして取り扱う考え方である。
病名が確定してから慌てて対策するのではなく、普段から「湿ったもの(血液・体液・排泄物)」には必ずバリアを張る.この「標準予防策」の徹底は、忙しい現場での感染防止に非常に有効な手段とされています。
現場で起きがちな「感染対策の落とし穴」3選

「先輩もやっているから大丈夫だろう」「忙しいから手袋交換は後回し」
現場の空気や忙しさに流されて、知らず知らずのうちにリスクを冒していませんか?
ここでは、新人が陥りやすい「NG事例」とその理由を紹介します。
これらは誰かのミスではなく、「知識の隙間」で起こる構造的な問題とされています。
事例①:「熱がないから大丈夫」の油断
バイタルチェックで熱がなかったため、元気だと判断してマスクを外して会話をしたり、
密着してケアを行ったりすることがあります。
しかし、これが感染拡大のきっかけになることがあります。
高齢者は加齢により免疫機能などが変化しており、
感染していても発熱等の典型的な症状が出にくい(非定型)という特性があります。
「熱がない=感染していない」とは限らないため、
バイタル値だけで安心せず、「潜伏期間かもしれない」と意識して接する必要があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
高齢者は加齢に伴い生理的機能が低下し、感染症にかかっても発熱等の典型的な症状が出にくい(非定型)場合がある。このため、普段と様子が違う(何となく変だ)という気づきが重要である。
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
感染症が成立するための3要素の一つである感受性宿主(高齢者等)への対策が必要である。感染源対策では、早期発見・早期対応が重要だが、潜伏期間等もあるため、日常的な標準予防策が重要となる。
事例②:手袋を外した直後の「PC操作」
オムツ交換や処置で手袋を着用した後、
「手袋をしていたから手は汚れていない」と判断し、
手を洗わずにそのまま記録用のパソコンやタブレットを操作していませんか?
実は、手袋には目に見えない小さな穴(ピンホール)が開いている可能性があり、
着脱の動作中に手指が汚染されることもあります。
「手袋=完全なバリア」ではありません。
手袋を外した後は、必ず手指衛生(手洗い・消毒)を行ってから次の作業に移るのが鉄則とされています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
手袋の着用は、手指衛生の代わりにはならない。手袋には目に見えない小さな穴(ピンホール)が存在する可能性や、手袋を外す際に手指が汚染されるリスクがあるため、手袋を外した後は必ず手指衛生を行う。
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
手指衛生のタイミングとして、手袋着用の前後が挙げられる。特に手袋を外した後は必ず手指衛生を行うことが重要である。
事例③:唾液や痰への「無防備な接触」
嘔吐物や排泄物には警戒して手袋やガウンをつけるのに、
食事介助中の唾液や、口腔ケア、吸引補助の際の痰(たん)に対しては、
つい素手で対応したり、防護が甘くなったりしていませんか?
標準予防策の定義では、「唾液」や「痰」などの分泌物も感染源として扱われます。
これらにはインフルエンザや結核などの病原体が含まれている可能性があるからです。
「排泄物だけ気をつければいい」という考えを捨て、
湿性生体物質全般に対して、等しくバリア(手袋着用)を張る習慣をつけましょう。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
標準予防策では、血液、体液、分泌物(汗を除く)、排泄物、傷のある皮膚、粘膜を感染源として扱う。これらに触れる可能性がある場合は、手袋などの個人防護具を使用する。
厚生労働省
高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
標準予防策は、汗を除くすべての湿性生体物質(血液、体液、排泄物、傷のある皮膚、粘膜等)に感染性があるものとして取り扱う。
「熱がないから」「手袋をしているから」「排泄物じゃないから」という油断が、思わぬ感染拡大を招きます。自分の感覚や慣れではなく、「標準予防策」というルールを判断基準にしてください。
なぜ現場で「全員一律の対策」が必要なのか?

「症状がある人だけ隔離すればいい」「自分は健康だから大丈夫」
忙しい現場では、ついそう考えて対策を省きたくなる瞬間があるかもしれません。
しかし、介護現場には「目に見える症状」だけでは判断できない構造的な難しさがあります。
ここでは、なぜ標準予防策が不可欠とされるのか、その根本的な理由を解説します。
高齢者の体は「SOS」を出しにくい
私たちは通常、「熱がある=感染症」と考えがちですが、
高齢者の場合、この常識が通用しないことが多々あります。
加齢によって体の反応が弱くなり、肺炎や尿路感染症になっても熱が出ないことがあります。
その代わりに見られるのは、「なんとなく元気がない」「食欲が落ちた」といった曖昧な変化です。
もし「熱が出たら対策する」という後手の対応をしていると、
「目に見える異変」だけでは判断しにくいことがあるため、
したがって、症状の有無に関わらず、最初からバリアを張っておくことが推奨されます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
利用者において感染対策のために必要なこととして、普段の体調と比べて変化がある場合は、かかりつけ医やケアマネジャー等への早期の連絡・相談や、必要に応じてサービス利用の見合わせが挙げられる。
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
高齢者は加齢に伴い生理的機能が低下し、感染症にかかっても発熱等の典型的な症状が出にくい(非定型)場合がある。このため、普段と様子が違う(何となく変だ)という気づきが重要である。
あなた自身が「見えない運び屋」になるリスク
もう一つの理由は、職員自身のリスクです。
介護職員は地域社会で生活しており、買い物や子供の学校などを通じて、
知らぬ間にウイルスに接触している可能性があります。
介護職員は感染しても軽症や無症状で済む場合がありますが、
その状態で現場に入れば、あなたがウイルスの「媒介者」になる可能性があります。
抵抗力の弱い高齢者にとっては感染リスクを高める可能性のある行動とされています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
介護職員においては、自身が地域社会で生活していることから、感染症を持ち込まないよう日頃の健康管理が重要であり、症状がある場合には無理して出勤しないことが求められる。
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
感染源対策では、早期発見・早期対応が重要だが、潜伏期間等もあるため、日常的な標準予防策が重要となる。
高齢者の体は症状が出にくく、職員が感染症を持ち込む可能性があります。「目に見える異変」だけでは判断しにくいことがあるため、全員に対して一律の防御(標準予防策)を行うことが、安全を守る上で重要とされています。
今さら聞きにくい「感染対策」の素朴な疑問
「先輩によって言うことが違う」「今さら聞くと怒られそう」
そんな現場ならではの迷いを抱えていませんか?
ここでは、曖昧になりがちなポイントを「エビデンス(根拠)」に基づいて整理します。
- QQ. 手袋をしていれば、手洗いはしなくていいですか?
- Aいいえ、必ず手指衛生を行ってください。
手袋は「完全なバリア」ではありません。
目に見えない小さな穴(ピンホール)が開いている可能性があるほか、
手袋を外す瞬間に手指が汚染されるリスクがあるためです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
手袋の着用は、手指衛生の代わりにはならない。手袋には目に見えない小さな穴(ピンホール)が存在する可能性や、手袋を外す際に手指が汚染されるリスクがあるため、手袋を外した後は必ず手指衛生を行う。
- QQ. 「湿性生体物質」には何が含まれますか?
- A「汗を除くすべての湿ったもの」が含まれます。
具体的には、血液、排泄物(便・尿・嘔吐物)だけでなく、
食事介助で触れる「唾液」や、吸引時の「痰(たん)」、
口腔ケアで触れる「粘膜」も対象です。
これらに触れる可能性がある時は、必ず手袋などを着用しましょう。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
標準予防策では、血液、体液、分泌物(汗を除く)、排泄物、傷のある皮膚、粘膜を感染源として扱う. これらに触れる可能性がある場合は、手袋などの個人防護具を使用する。
- QQ. 咳をしていない利用者にもマスクは必要ですか?
- A必要です。
高齢者は感染していても咳や熱などの症状が出にくいことがあります。
「症状がない=安全」とは限りません。
また、あなた自身が感染症を持ち込まないためにも、
ケアの際はサージカルマスクの着用が基本とされています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
標準予防策(スタンダード・プリコーション)は、感染症の有無に関わらず、すべての利用者のケアに際して普遍的に適用する予防策である。手指衛生、個人防護具の着用、咳エチケットなどが含まれる。
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
飛沫感染対策として、ケアをする時はサージカルマスクを着用する。
分からないことを「なんとなく」で済ませるのが一番のリスクです。迷ったときは「標準予防策」という基本ルールに立ち返れば、自分を守るための正しい判断ができるようになります。
まとめ:まずは「ここだけ」から始めましょう
ここまで多くのことをお伝えしましたが、
明日から全てを完璧にこなす必要はありません。
まずは、次の「2つの鉄則」だけを意識してみてください。1. 「湿っているもの」には必ず手袋
血液や排泄物だけでなく、
唾液、痰、粘膜に触れる時も手袋をつけてください。
「湿ったもの=感染源」という認識を持つことが第一歩です。2. 手袋を外したら「即消毒」
手袋は魔法のバリアではありません。
外した手は汚れていると考え、
すぐにアルコール消毒か手洗いを行ってください。この2点を徹底するだけで、
あなたと大切な家族、これで利用者の感染リスクは下がると考えられます。
できることから少しずつ、現場の安全を作っていきましょう。最後までご覧いただきありがとうございます。
この記事がお役に立てれば幸いです。
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更新履歴
- 2026年3月26日:新規投稿






