
感染対策委員会で感染者数や物品残数を報告しても、発熱者が出た瞬間に「誰が判断するのか」「PPEはどこにあるのか」で現場が止まることがあります。資料を作り、研修をして、議事録を残しても、決まったことが曖昧なら担当者だけが疲れてしまいます。
この記事では、感染対策委員会を報告会で終わらせないために、何を議題にして、何を決定事項として残すかを整理します。現場リーダーが次回の委員会で、申し送りや後輩指導に落としやすい形へ変えるための記事です。
- この記事では、感染対策委員会を報告会で終わらせないための決定事項の残し方を扱います。委員会全体の議題設定や、形骸化させない考え方まで整理したい場合は、〖介護〗「ネタがない」と悩む管理者へ。感染対策委員会を形骸化させない議題設定のコツも確認しておくと、全体像をつかみやすくなります。
この記事を読むと分かること
- 委員会の役割
- 決める議題
- 申し送り方
- 記録の残し方
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
感染対策委員会は報告会ではなく方針を決める場です

感染対策委員会で報告事項を読み上げても、発熱者対応や物品配置が決まっていなければ、現場リーダーはその場で判断を背負います。この記事を読むと、報告を決定事項に変えるために、委員会で何を確認すればよいかが分かります。
現場では、研修資料を作った人が、あとから「なぜ徹底されていないのか」と言われることがあります。こうした場面では、説明不足だけでなく、誰が、いつ、どこまで動くかが決まっていなかった可能性を見直します。次回委員会では、報告のあとに決定事項・担当・見直し日を残すことが出発点です。
報告事項は「次に決めること」へ変える
感染者数や物品残数の報告は必要です。ただし、報告だけで終わると、現場は次に同じことが起きた時の動き方を持てません。この項目では、委員会を指針やマニュアルの見直しにつなげる考え方を整理します。
現場で迷うのは、報告後に「各フロアで工夫して」と返される場面です。リーダーは、報告を聞いたあとに「手順書へ反映するか」「申し送りで統一するか」「次回まで試行するか」を確認します。感染対策は職員個人の注意だけではなく、管理者を中心に体制として検討する課題です。
- 委員会で決めた内容をその場の確認だけで終わらせないためには、感染対策指針やマニュアルへ戻す視点が必要です。平常時と発生時に分けて項目を整理したい場合は、感染対策指針には何を書く?介護施設で見直す平常時・発生時の項目で確認できます。
出典・根拠を確認
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
施設における感染管理活動の基本となる組織として、以下のような役割を担っています。 ● 施設の課題を集約し、感染対策の方針・計画を定め実践を推進する。 ● 決定事項や具体的対策を施設全体に周知するための窓口となる。 ● 施設における問題を把握し、問題意識を共有・解決する場となる。 ● 感染症が発生した場合、指揮の役割を担う。 ※インフルエンザについては、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づ いて作成された「インフルエンザに関する特定感染症予防指針」に基づき、「施設内感染対策委員 会」等を設置し、各施設の特性を踏まえた施設内感染対策の指針を事前に策定しておくことが求め られます。各施設で指針を作成する際は、国が策定した「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」 17を参考にしてください。 (
決定事項は指針・研修・申し送りに落とす
委員会で「周知しました」と残しても、勤務帯や職員経験によって動きがばらつくことがあります。この項目では、決定事項を研修と現場の申し送りへつなげる必要性を確認します。
後輩に伝えるときは、「感染対策を徹底して」では弱くなります。発熱時の報告先、PPEの保管場所、廃棄の場所、入浴順で迷った時の相談先を、1つずつ言葉にします。手引きは指針やマニュアル作成の参考として位置づけられているため、委員会の決定は資料で終わらせず、現場で確認できる文書へ戻します。
- 委員会で決めた内容を長い資料のまま残すと、勤務中に確認しにくくなります。職員が見返しやすい1枚手順書に整える考え方は、新人教育資料をAIで作る方法|長いマニュアルを1枚手順書に整えるコツも参考になります。
- 委員会で決めた内容を資料や申し送りで伝えても、現場で同じ行動に移せなければ定着しません。周知したあとに何を確認し、どこを直すかまで整理したい場合は、感染対策委員会で決めたことが現場に伝わらない理由|周知で終わらせない定着の工夫で確認できます。
- 委員会で決めた内容や感染対策の手順を、職員が確認しやすい形で共有したい場合は、介護向け動画マニュアル管理【Carebase】
を確認しておくのも一つの方法です。
出典・根拠を確認
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
感染対策を効果的に実施するためには介護職員 1 人 1 人が必要な事項をよく理 解し実践することが重要です。本手引きを活用いただき、知識等の習得に役立て ていただくとともに、介護現場における指針やマニュアル等を作成する際の参考 としてください。 ~ 感染対策のために必要なこと ~ 利用者 ● 普段の体調と比べて変化がある場合は、かかりつけ医やケアマネジャー等への 早期の連絡・相談 ● 必要に応じてサービス利用の見合わせ 介護職員 ● 高齢者の特性、サービスの特性と形態に応じた感染症の特徴の理解 ● 感染症に対する基本的な知識(予防、発生時の対応、高齢者がかかりやすい代 表的な感染症についての正しい知識)の習得と日常業務における感染対策の実 践 ● 自身の健康管理(感染源や媒介者にならないこと等) 管理者 ● 高
担当者だけに負担を集めない
感染対策委員会の担当者が、資料、研修、議事録、現場周知を一人で抱えると、委員会は続いても現場の運用は弱くなります。この項目では、担当者を支える視点を整理します。
現場では、真面目な職員ほど「また自分が言うしかない」と抱え込みがちです。リーダーは、委員会後に誰が説明するかだけでなく、説明を受けた各勤務帯がいつ確認するかを決めます。職員の負荷が過重にならないように、困りごとを確認することも感染対策の運用に含めます。
- 委員会を開いても、説明、議事録、周知、現場確認が一人に集まると、会議は続いても改善は続きにくくなります。開催実績だけで終わらせず、次回までの確認や役割分担を見直したい場合は、感染対策委員会が形だけになる原因|開催実績で終わらせない会議の見直し方で確認できます。
- 委員会対応、資料作成、申し送り、後輩指導まで一人に集まり、今の職場で働き続けることに迷いがある場合は、介護職の求人、募集は【レバウェル介護】
から求人情報を確認しておくのも一つの方法です。
出典・根拠を確認
障害保健福祉部障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf
職員の負荷への配慮COLUMN ・ 出勤前に体温を計測し、 発熱や咳、咽 頭痛などの呼吸器症状等が認められる 場合には出勤しないことを徹底 しま しょう。 ・ 職員の健康管理の結果を記録しておき ましょう。 ・ マスクの着用を含めた 咳エチケット を 行いましょう。 ・ 手洗いや手指消毒を行いましょう。手 洗いは 「1 ケア 1 手洗い」 「ケア前後の 手洗い」 が基本になります。 ・ 睡眠や栄養を十分にとるなど、感染症 に対する 抵抗力の向上 に努めましょう。 ・ 体調がすぐれないときは、出勤を見合わせることや医療機関への受診を勧奨しましょう。また、職員が 休 暇を取得しやすい環境や躊躇なく相談できる体制にしておくことも重要 です。 ・ 家族に感染症
報告は委員会の入口です。現場リーダーは、報告のあとに決定事項、担当、申し送り先、見直し日を確認し、現場で動ける形へ戻すことが必要です。
報告だけで終わる感染対策委員会のよくある議題例

委員会で扱うテーマ自体は間違っていなくても、決める項目が抜けると現場は動けません。現場リーダーは、報告内容を「誰がどう動くか」へ変換する役割を持ちます。
たとえばPPEの残数を報告しても、置き場が遠いままなら発熱者対応の初動で迷います。入浴時の感染対策を確認しても、最後に回せない日の代替手順がなければ職員同士で判断が割れます。議題はネタ探しではなく、現場が迷う場面から逆算して決めます。
- 報告事項を増やすより、PPE、処理キット、浴室清掃、研修後の行動確認など、現場で迷う場面を一つずつ見直すほうが議題にしやすくなります。PDCAで議題を作る考え方は、感染対策委員会の議題は「ネタ探し」ではない|PDCAで見直す介護施設の感染対策で確認できます。
PPEの残数だけ報告して置き場を決めない
PPEの在庫数を報告しても、夜勤帯や発熱者対応の初動で取りに行けない場所にあれば、現場は使いにくくなります。こうした場面では、在庫数より先に、誰が補充し、どこに置き、使用後にどこへ捨てるかを決めます。
状況は、ガウンや手袋の場所を知っている職員だけが動ける状態です。困りごとは、後輩や夜勤者がその場で探すことです。よくある誤解は、PPEの数を確認すれば管理できていると考えることです。押さえるべき視点は、PPEは着用だけでなく、ケア後の外し方と廃棄まで含めて運用することです。委員会では、置き場、補充担当、廃棄場所、確認日を決定事項にします。
- PPEの置き場だけでなく、手袋を外すタイミングや外した後の手指衛生まで決めておかないと、現場の動きはばらつきます。排泄介助後に崩れやすい手指衛生の見直しは、排泄介助後の手指衛生が続かない原因|介護現場で崩れにくい感染対策で具体的に確認できます。
出典・根拠を確認
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
原則、個人防護具はディスポーザブル(使い捨て)です。ただし、先般の新型コロナウイ ルス感染症の流行時には、需要と供給のバランスが崩れてしまい、個人防護具を手作りした りする等、緊急的な措置が行われました。このような緊急的な場合を除き、日頃の介護・看 護ケアには、ディスポーザブルを使用し、利用者1人ごとやケアごとに個人防護具を交換し、 個人防護具の使用後は感染性廃棄物として処理します。 なお、個人防護具の着用中は、個人防護具に付着した汚染物の拡散を防ぐため、広範囲に 歩き回ることは避け、さらに、使用した個人防護具は持ち歩かずに速やかに感染性廃棄物処 理の箱に捨てることが重要です。
発熱者対応を報告だけで終わらせる
発熱者や感染疑い者が出た時、日勤なら聞ける人がいても、夜勤帯では判断者が曖昧になりがちです。こうした場面では、報告先、家族連絡、居室対応、消毒の開始者を先に決めます。
状況は、発熱者が出たあとに「まず誰へ電話するか」で職員の動きが止まることです。困りごとは、看護師不在の時間帯ほど判断が現場に寄ることです。よくある誤解は、発生時対応はその時の責任者が考えればよいという考え方です。押さえるべき視点は、感染疑い例発生時の報告、情報共有、家族への情報提供、保健所相談、消毒を事前に並べておくことです。
出典・根拠を確認
障害保健福祉部障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf
速やかに施設長等に報告し、 施設内で情報を共有 し ます。また、 自治体の担当課 、 保健所 、 家族 、 主治医 、 協力医療機関等 に報告・相談します。 ・ 保健所の指示のもと、 居室 や利用した 共有スペース 等の消毒・清掃 を行います。 ・ 感染が疑われる人 との 濃厚接触が疑われる人 を特定 します。 ・ 感染者は個室に移動し、 入院までの期間は個室で対 応 します。また、感染が疑われる人や濃厚接触者、 濃厚接触が疑われる人は引き続き個別で対応します。 ・ 感染が確認された入所者は原則入院 、 職員は原則入 院または症状によって自治体の判断 に従います。 5. 感染 (疑い) 例発生時の対応① Ⅲ 類型に応じた感染症対策ー入所系 動画で確認 https://youtu.be/PqsOjY63cC8 公
ゾーニングを図だけ作って判断者を決めない
ゾーニングの図を作っても、誰が切り替えを判断するかが曖昧だと、発生時に現場は動けません。こうした場面では、区域を分ける基準と、判断者不在時の連絡先を決めます。
状況は、感染疑い者が出たあとに、どこまでをレッドゾーンにするかで職員の解釈が割れることです。困りごとは、物品の置き場や動線まで変わるため、その場判断では混乱しやすいことです。よくある誤解は、図面があればゾーニングできると考えることです。押さえるべき視点は、感染疑い例が利用するゾーンとその他の入所者のゾーンを区別する運用を、施設構造に合わせて決めることです。
出典・根拠を確認
障害保健福祉部障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf
ゾーニングを行う場合には、入所者はもちろん他施設か らの応援職員など誰が見ても分かるよう レッドゾーン (汚 染区域)とグリーンゾーン(清潔区域)の区域の境を明 確に示す 必要があります。また、着用する防護具や持ち 込める物品のルールを決めるなど、感染を拡げないよう な注意が大切です。 感染者の感染可能期間(発症2日前〜)に接触した人のうち、 次の範囲に該当する人が濃厚接触者となる可能性があります。 ・ 同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)が あった。 ・ 適切な感染防護なしに診察、看護もしくは介護していた。 ・ 気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性 が高い。 ・ 手で触れることのできる距離(目安として 1m)で、必要 な
入浴順や消毒範囲を現場判断にする
感染症のある利用者の入浴順は、理想どおりに最後へ回せない日があります。こうした場面では、原則だけでなく、難しい時の代替手順を委員会で決めておきます。
状況は、利用者数、入浴日、職員数の都合で、予定どおりの順番にできないことです。困りごとは、職員ごとに「最後にすべき」「人数的に無理」と判断が割れることです。よくある誤解は、感染対策は原則を言えば現場が守れるという考え方です。押さえるべき視点は、日中活動、食事、排泄、入浴、医療処置などの日常業務ごとに感染予防策を確認することです。
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障害保健福祉部障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf
日中活動 ・ ADL や生活の質維持等の観点 から、日中活動等の実施は重 要 である一方、感染拡大防止 の観点から、 「3つの密」を避 ける 必要があります。 4. サービス提供時に必要な 感染症防止対策 Ⅲ 類型に応じた感染症対策ー入所系 動画で確認 https://youtu.be/PqsOjY63cC8 5 医療処置 ・ 医療処置を行う際には、日頃から行っている標準予防策を踏まえた手順を遵守しましょう。 ・ 医療処置を行う前には、必ず手指衛生を行い、 感染対策に必要な個人防護具を着用し、ケアを終えるごと に交換します。 3 排泄の介助等 ・ おむつ交換の際は、排泄物に直 接触れない場合であっても、 手 袋に加え、マスク、使い捨てエ プロン・ガウンを着用 します。 ※ ポータブルトイレを利用する場合の介助も
吐物処理やゴミ出しを周知だけで済ませる
吐物処理は、物品が近くにあるか、応援を誰が呼ぶか、処理後の廃棄をどうするかで動きが変わります。こうした場面では、研修資料だけでなく、現場の置き場と担当を確認します。
状況は、嘔吐が起きたあとに、マスク、手袋、エプロン、ペーパータオル、袋を探すことです。困りごとは、処理が遅れるほど周囲の利用者移動や換気の判断も重なることです。よくある誤解は、手順を読めばその場で対応できるという考え方です。押さえるべき視点は、吐物や便の処理では防護具を着用し、静かに拭き取り、周囲への拡散を避ける準備をしておくことです。
- 吐物処理やゴミ出しを「周知しました」で終わらせると、物品の場所や処理後の動きが人によって変わりやすくなります。高頻度接触面やノロ対応まで整理したい場合は、介護施設の清掃・消毒マニュアル|高頻度接触面・ノロ対応・NG行動を整理で具体的に確認できます。
出典・根拠を確認
厚生労働省ノロウイルスに関するQ&A.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf
床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン) 、マ スクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル 等 (市販される凝固剤等を使用することも可能)で静かに拭き取ります。 拭き取った後は、 次亜塩素酸 ナトリウム※(塩素濃度約200 ppm )や亜塩素酸水(遊離塩素濃度25 ppm (含量 亜塩素酸として 0.05%≒500 ppm 以上) )で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やか に閉じてふん便等を包み込みます。 おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。 (この際、 ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約1,000 ppm)や亜塩素酸 水
よくある議題は、報告そのものではなく、決める項目が抜けた時に崩れます。置き場、判断者、代替手順、廃棄場所を議事録に残します。
介護の仕事と暮らしを、ちょっと良くする選択肢
働き方を見直したいときや、毎日の負担を減らしたいときに役立つサービス・商品を紹介します。
なぜ感染対策委員会は報告だけで終わりやすいのか

現場では、委員会を開いているのに、次の感染疑い者対応でまた同じ迷いが起きることがあります。この背景には、報告、研修、議事録があっても、決定事項と現場運用がつながっていないことがあります。
委員会担当者が頑張っているほど、「資料を作ったから伝わるはず」と見えやすくなります。けれど、勤務帯、職員経験、物品の位置、利用者の状態が違えば、同じ説明でも動きはばらつきます。ここでは、報告会で止まりやすい理由を整理します。
指針やマニュアルの見直しまで進まない
感染対策委員会で報告はしていても、手順書や申し送り表が更新されなければ、現場の動きは変わりにくいです。こうした場面では、会議後に何を文書へ反映するかを確認します。
なぜ起きるのかというと、報告を終点にしてしまうからです。建前では「周知しました」ですが、現実には勤務帯やフロアで解釈が分かれます。そのズレが生む問題は、感染が出た時に担当者へ責任が戻ることです。押さえるべき視点は、マニュアルに標準的な感染予防策、発生時の具体的対応、研修・訓練、連絡体制、物品管理などを明記することです。
出典・根拠を確認
厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
マニュアルの内容 感染対策のためのマニュアルを作成する際には、本書を参考に「基本的な考え方」を示し た上で、「感染管理体制」、「日頃の対策」および「感染発生時の対応」等の体制や手順を規 定します。 <記載内容の例> 感染管理体制 (47 ページ~参 照) 感染管理に対する基本理念 感染対策委員会の設置 感染対策のための指針・マニュアルの整備 職員研修の実施 訓練(シミュレーション)の実施 職員の健康管理等 日頃の対策 施設・事業所内の衛生管理 (42 ページ参照) ・環境の整備 ・施設・事業所内の清掃 ・嘔吐物、排泄物の処理方法 ・血液等の体液の処理方法 利用者の健康管理 (28 ページ参照) ・健康状態の観察と対応の記録 ・感染症を疑うべき症状と注意点 介護・看護ケアと感染対策 (24 ページ参照) ・手洗い
現場リーダーの申し送りに落ちていない
委員会で決まった内容が、朝礼や申し送りで同じ言葉になっていないと、後輩への伝え方が職員ごとに変わります。こうした場面では、リーダーが使う短い説明文まで決めます。
なぜ起きるのかというと、研修資料と日々の申し送りが別物になりやすいからです。建前では研修済みでも、現実には排泄介助後の手袋交換、備品の戻し場所、消毒順序の理解がばらつきます。そのズレが生む問題は、職員個人の意識不足に見えてしまうことです。押さえるべき視点は、標準予防策と感染経路別予防策を、日常ケアの業務手順として確認することです。
- 研修資料を作っても、日々の申し送りや介助場面で同じ行動に変わらなければ、現場のばらつきは残ります。手洗い、排泄介助、食事介助などに分けて研修テーマを作りたい場合は、介護施設の感染症研修テーマ例|手洗い・排泄介助・食事介助を現場に落とす方法で確認できます。
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厚生労働省老健局介護現場における感染対策の手引き 第3版.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
標準予防策(スタンダード・プリコーション) 感染症の有無に関わらず、すべての人に対して、血液、体液、汗を除く分泌物、排泄物、 損傷した皮膚、粘膜等の湿性生体物質は、感染の可能性があるとみなして対応する方法を標 準予防策(Standard Precautions、スタンダード・プリコーション)といいます。 血液等の体液・嘔吐物・糞便等には感染性の病原体が含まれていることが多く、これらに 接する際は、手袋をすること、必要に応じてマスクやゴーグルをつけること、その際に出た ごみも感染性があるものとして注意して扱うこと、手袋を外した後は手洗いを丁寧に行うこ と等が、感染症予防の基本です。 また、以下のような咳エチケットを実践することも重要です。 ● マスクを着用する ● ティッシュ等で鼻と口を覆う
職員の体調不良や発症時の扱いが曖昧になる
利用者対応のルールは話し合っても、職員が症状を感じた時の報告や勤務判断が曖昧なまま残ることがあります。こうした場面では、誰へ報告し、どの業務から外すかを確認します。
なぜ起きるのかというと、人手不足の中では「休む判断」を職員本人に任せがちだからです。建前では体調不良時は報告ですが、現実には言い出しにくい空気があります。そのズレが生む問題は、発症時対応が遅れることです。押さえるべき視点は、症状がある人を食品を直接取り扱う作業に従事させないなど、業務から外す判断を事前に明確にすることです。
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厚生労働省ノロウイルスに関するQ&A.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf
食品取扱者は日頃から自分自身の健康状態を把握し、 下痢やおう吐、 風邪のよ うな症状がある場合には、 調理施設等の責任者 (営業者、 食品衛生責任者等) にその旨をきちんと伝 えましょう。 そして調理施設等の責任者は、 下痢やおう吐等の症状がある方を、 食品を直接取り扱う作業に従事 させないようにすべきです。 また、 このウイルスは下痢等の症状がなくなっても、 通常では1週間程度長いときには1ヶ月程度 ウイルスの排泄が続くことがあるので、 症状が改善した後も、 しばらくの間は直接食品を取り扱う作 業をさせないようにすべきです。 さらに、 このウイルスは感染していても症状を示さない不顕性感染も認められていることから、 食 品取扱者は、 その生活環境においてノロウイルスに感染しないような自覚を持
外部相談や報告の条件が現場任せになる
感染が疑われる場面では、施設内だけで判断できないことがあります。こうした場面では、市町村や保健所、家族、主治医など、連絡先と判断者を事前に決めておきます。
なぜ起きるのかというと、通常時の会議では外部相談の場面を具体化しにくいからです。建前では「必要時に報告」ですが、現実には誰が必要と判断するかで迷います。そのズレが生む問題は、リーダーや夜勤者がその場で抱えることです。押さえるべき視点は、社会福祉施設等で発生した場合、市町村や保健所への報告等が必要となる場合があるという前提で、連絡体制を確認することです。
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厚生労働省ノロウイルスに関するQ&A.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001483940.pdf
社会福祉施設等においては、 「社会福祉施設等における感染症発生時に係る報告について」 (平成17 年2月 22 日付厚生労働省健康局長、医薬食品局長、雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老 健局長連名通知)により、必要な場合は市町村及び保健所への報告等を行うようにして下さい。 なお、介護保険施設等に関しては、厚生労働大臣が定める手順(平成18 年厚労告 268「厚生労働 大臣が定める感染症又は食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順」 )に沿って、必要な場合 は市町村及び保健所への報告等を行うようにしてください。 <参考文献及びリンク> ○国立感染症研究所感染症疫学センター 病原微生物検出情報:IASR https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr.html
現場負担の確認が議題に入っていない
感染対策の担当者が資料作成、研修、議事録、周知を抱えると、委員会は動いているように見えても、継続が難しくなります。こうした場面では、担当者の仕事量も議題に入れます。
なぜ起きるのかというと、委員会活動を「担当者が頑張る仕事」と見なしやすいからです。建前では役割分担ですが、現実には一部の職員へ負担が偏ります。そのズレが生む問題は、現場の困りごとが上がらなくなることです。押さえるべき視点は、職員の負荷が過重にならないよう配慮し、定期的なコミュニケーションで困りごとを確認することです。
出典・根拠を確認
障害保健福祉部障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf
職員の負荷への配慮COLUMN ・ 出勤前に体温を計測し、 発熱や咳、咽 頭痛などの呼吸器症状等が認められる 場合には出勤しないことを徹底 しま しょう。 ・ 職員の健康管理の結果を記録しておき ましょう。 ・ マスクの着用を含めた 咳エチケット を 行いましょう。 ・ 手洗いや手指消毒を行いましょう。手 洗いは 「1 ケア 1 手洗い」 「ケア前後の 手洗い」 が基本になります。 ・ 睡眠や栄養を十分にとるなど、感染症 に対する 抵抗力の向上 に努めましょう。 ・ 体調がすぐれないときは、出勤を見合わせることや医療機関への受診を勧奨しましょう。また、職員が 休 暇を取得しやすい環境や躊躇なく相談できる体制にしておくことも重要 です。 ・ 家族に感染症
報告だけで終わる背景には、文書更新、申し送り、職員体調、外部相談、担当者負担の確認漏れがあります。議題ごとに決定事項を1つ置きます。
介護の仕事と暮らしを、ちょっと良くする選択肢
働き方を見直したいときや、毎日の負担を減らしたいときに役立つサービス・商品を紹介します。
感染対策委員会で迷いやすいFAQ
現場では、正しいことを知っていても、勤務帯や人員、物品の場所によって判断に迷います。FAQでは、委員会で決めておきたい確認点を、現場リーダーが使いやすい形で整理します。
- Q感染対策委員会では、報告以外に何を決めればよいですか?
- A
報告のあとに、指針やマニュアルへ反映する内容、現場へ伝える担当、次回の見直し日を決めます。感染管理体制では、管理者を中心に対策を検討し、全職員への周知、委員会や研修等を実施することが示されています。リーダーは、議事録に「決定事項」と「申し送り先」を分けて残すと、後輩指導に使いやすくなります。
出典・根拠を確認
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
施設における感染管理活動の基本となる組織として、以下のような役割を担っています。 ● 施設の課題を集約し、感染対策の方針・計画を定め実践を推進する。 ● 決定事項や具体的対策を施設全体に周知するための窓口となる。 ● 施設における問題を把握し、問題意識を共有・解決する場となる。 ● 感染症が発生した場合、指揮の役割を担う。 ※インフルエンザについては、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づ いて作成された「インフルエンザに関する特定感染症予防指針」に基づき、「施設内感染対策委員 会」等を設置し、各施設の特性を踏まえた施設内感染対策の指針を事前に策定しておくことが求め られます。各施設で指針を作成する際は、国が策定した「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」 17を参考にしてください。 (
- QPPEの議題は在庫確認だけで足りますか?
- A
在庫確認だけでは足りません。置き場、補充担当、着脱確認、使用後の廃棄場所まで決める必要があります。PPEは曝露を防ぐための道具で、ケア終了後に外し、使用後は適切に処分することが示されています。夜勤帯でも取りに行ける場所か、発熱者対応時に誰が補充を見るかまで委員会で確認します。
出典・根拠を確認
厚生労働省老健局
介護現場における感染対策の手引き 第3版.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
原則、個人防護具はディスポーザブル(使い捨て)です。ただし、先般の新型コロナウイ ルス感染症の流行時には、需要と供給のバランスが崩れてしまい、個人防護具を手作りした りする等、緊急的な措置が行われました。このような緊急的な場合を除き、日頃の介護・看 護ケアには、ディスポーザブルを使用し、利用者1人ごとやケアごとに個人防護具を交換し、 個人防護具の使用後は感染性廃棄物として処理します。 なお、個人防護具の着用中は、個人防護具に付着した汚染物の拡散を防ぐため、広範囲に 歩き回ることは避け、さらに、使用した個人防護具は持ち歩かずに速やかに感染性廃棄物処 理の箱に捨てることが重要です。
- Q発熱者対応は誰が判断すると決めるべきですか?
- A
施設内の決定として、勤務帯ごとの報告先、管理者不在時の連絡先、家族や保健所へ相談する担当を決めます。感染疑い例発生時には、管理者への報告、施設内情報共有、家族への情報提供、居室対応、保健所相談、消毒などが示されています。リーダーは、日勤と夜勤で同じ動線になるかを確認します。
出典・根拠を確認
障害保健福祉部
障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_nyuusyo-2_s.pdf
速やかに施設長等に報告し、 施設内で情報を共有 し ます。また、 自治体の担当課 、 保健所 、 家族 、 主治医 、 協力医療機関等 に報告・相談します。 ・ 保健所の指示のもと、 居室 や利用した 共有スペース 等の消毒・清掃 を行います。 ・ 感染が疑われる人 との 濃厚接触が疑われる人 を特定 します。 ・ 感染者は個室に移動し、 入院までの期間は個室で対 応 します。また、感染が疑われる人や濃厚接触者、 濃厚接触が疑われる人は引き続き個別で対応します。 ・ 感染が確認された入所者は原則入院 、 職員は原則入 院または症状によって自治体の判断 に従います。 5. 感染 (疑い) 例発生時の対応① Ⅲ 類型に応じた感染症対策ー入所系 動画で確認 https://youtu.be/PqsOjY63cC8 公
- Q入浴順や消毒範囲は委員会で扱うべきですか?
- A
扱うべきです。入所系サービスでは、日中活動、食事、排泄、入浴、医療処置などの場面ごとの感染予防策が示されています。現場では最後に入浴できない日もあるため、原則だけでなく、難しい時の代替手順、確認先、使用物品の分け方を決めます。職員ごとの判断差を減らすため、申し送りで使う表現もそろえます。
出典・根拠を確認
障害保健福祉部
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日中活動 ・ ADL や生活の質維持等の観点 から、日中活動等の実施は重 要 である一方、感染拡大防止 の観点から、 「3つの密」を避 ける 必要があります。 4. サービス提供時に必要な 感染症防止対策 Ⅲ 類型に応じた感染症対策ー入所系 動画で確認 https://youtu.be/PqsOjY63cC8 5 医療処置 ・ 医療処置を行う際には、日頃から行っている標準予防策を踏まえた手順を遵守しましょう。 ・ 医療処置を行う前には、必ず手指衛生を行い、 感染対策に必要な個人防護具を着用し、ケアを終えるごと に交換します。 3 排泄の介助等 ・ おむつ交換の際は、排泄物に直 接触れない場合であっても、 手 袋に加え、マスク、使い捨てエ プロン・ガウンを着用 します。 ※ ポータブルトイレを利用する場合の介助も
- Q委員会担当者の負担は議題にしてよいですか?
- A
議題にしてよいです。感染対策は担当者一人の努力で回すものではありません。資料作成、研修、議事録、現場周知が一人に集まると、継続が難しくなります。職員の負荷が過重にならないよう配慮し、困りごとを確認する視点が示されているため、委員会では担当者の支援者、期限、説明担当も決めます。
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障害保健福祉部
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職員の負荷への配慮COLUMN ・ 出勤前に体温を計測し、 発熱や咳、咽 頭痛などの呼吸器症状等が認められる 場合には出勤しないことを徹底 しま しょう。 ・ 職員の健康管理の結果を記録しておき ましょう。 ・ マスクの着用を含めた 咳エチケット を 行いましょう。 ・ 手洗いや手指消毒を行いましょう。手 洗いは 「1 ケア 1 手洗い」 「ケア前後の 手洗い」 が基本になります。 ・ 睡眠や栄養を十分にとるなど、感染症 に対する 抵抗力の向上 に努めましょう。 ・ 体調がすぐれないときは、出勤を見合わせることや医療機関への受診を勧奨しましょう。また、職員が 休 暇を取得しやすい環境や躊躇なく相談できる体制にしておくことも重要 です。 ・ 家族に感染症
FAQで迷う内容は、現場リーダーが一人で判断する前に委員会で決める項目です。報告先、置き場、代替手順、担当者支援を記録します。
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まとめ:次回の感染対策委員会は「報告」「検討」「決定」を分ける
現場では、委員会で報告したはずなのに、発熱者対応やPPEの置き場、入浴順でまた迷うことがあります。これは担当者の説明不足だけではなく、決定事項として残す項目が足りなかった可能性があります。
次回の一歩は、議題表に「報告」「検討」「決定」の3列を作ることです。感染者数や物品残数は報告、PPE置き場や夜勤帯の判断者は検討、決まった内容は決定として議事録に残します。
そのうえで、誰が現場へ伝えるのか、いつ見直すのか、できない勤務帯があるのかを確認してください。感染対策委員会は、現場を責めるためではなく、迷わず動ける方針を決める場に戻せます。
最後までご覧いただきありがとうございます。
更新履歴
- 2025年12月7日:新規投稿
- 2026年2月24日:内容を全面的にリライト
- 2026年7月8日:内容を全面的にリライト





