気づいたら腕に皮下出血がある、と感じている方はいらっしゃいますよね?夜勤明けに見つかる小さな斑、移乗や更衣のあとに気づく線状の跡。家族説明や記録の根拠をどう整えるか、不安になりやすいテーマだと思います。
気づいたら腕や脚に皮下出血ができている…そんな場面に出会ったことがある方は多いのではないでしょうか。転倒や強い衝撃を見ていないのに斑状や線状の痕が出ていると、「どこでできたのか」「どう調べればいいのか」と戸惑いやすいものです。
本記事の結論は、標準化した手順で観察し、直近の時系列と薬歴を整理し、器具や環境を点検して、記録を統一することです。日本褥瘡学会のベストプラクティスでは「圧・摩擦・ずれ」への対応が基本とされています。PMDAの資料では抗凝固薬や抗血小板薬などで出血が生じ得ると言っています。J-STAGEに掲載されている研究では高齢者では皮膚の萎縮と脆弱性が指摘されており、現場では軽微な機械刺激でも紫斑が目立つことがあります。さらに厚生労働省の通知では、事実に基づく標準様式の活用が求められています。
つまり、皮下出血を見つけたときには「なぜ起きたか」を曖昧にせず、観察・時系列・薬歴・環境・記録という同じ流れで確認していくことが、現場での原因追及と再発防止の第一歩になります。

💡この記事を読んで分かる事
観察の要点、72時間の時系列整理、PMDAが示す薬歴確認、日本褥瘡学会の環境調整、厚生労働省の記録統一の方法が分かります。また、日本血栓止血学会やJ-STAGEの研究を踏まえた皮膚の脆弱性への理解も得られます。
🔷結論:観察→時系列→薬歴→環境→記録を同じ手順で回す
気づいたら皮下出血がある――現場では珍しくありません。迷いを減らす近道は、観察から記録の統一までを“毎回同じ順番”で進めることです。ここでは実務にそのまま使える最初の一歩を示します。

🔶まずは観察の統一(形・部位・大きさ・色・圧痛)
最初にやることは観察の標準化です。部位・大きさ(cm)・色調・圧痛の有無を同条件で取り、形は点状/線状/帯状/斑状に分類します。日本血栓止血学会の特集では、点状は血小板系の異常で目立ちやすく、斑状はより広い出血を示すなど、形態所見が鑑別の入口になると解説しています。再現性を高めるため、スケール付き写真と計測値をセットで残します。
※エビデンス
日本血栓止血学会
特集「出血傾向の鑑別」3.紫斑の種類と病因
紫斑を点状・斑状などに分類し、病因との関係や圧迫退色の有無を整理。ベッドサイド鑑別に有用な所見を具体的に示し、初期観察の標準化に資する。
https://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/18_6.559.2007.pdf
🔶72時間の時系列を埋める(移乗・更衣・夜間体動)
直近72時間を時刻順に並べ、移乗・更衣・入浴・離床・夜間体動・リハの出来事を洗い出します。どの場面で部位が接触し得たか、観察した形と部位の一致を確認します。同じ手順で時系列を埋めることが、後の対策と共有をスムーズにします。
※エビデンス
厚生労働省
介護保険最新情報 Vol.943「介護保険施設等における事故の報告様式等について」
事故発生時の報告・分析・再発防止を標準化。第1報の基本項目や記載の枠組みが示され、事実に基づく整理と共有の重要性を明確化。
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0322150633801/ksvol.943.pdf
🔶薬歴の確認を標準工程に(抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイド)
薬歴の有無と直近の変更(開始・増量・併用)を必ず確認します。PMDAの資料は、ワルファリンやDOAC、抗血小板薬、ステロイドなどで皮下出血を含む出血事象が起こり得ることを説明しています。変更直後は観察頻度を上げ、拡大・多発があれば医療側へ相談します。
※エビデンス
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
出血傾向の機序と、抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイド等での出血事象、受診時の情報提供項目を整理。自己判断での休薬回避と適切な連携を推奨。
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
🔶器具・環境の点検(柵・装具・ストッキングは“縁圧・固定・サイズ”)
ベッド柵・手すり・車いす・弾性ストッキングなどの環境調整を実施します。日本褥瘡学会のベストプラクティスは、医療関連機器による損傷を圧・摩擦・ずれの観点で点検し、縁圧・固定・サイズの是正や装着時間の管理を求めています。形と部位が器具の縁に一致する場合は、まずここを見直します。
※エビデンス
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
機器起因の皮膚障害を圧・摩擦・ずれで評価し、縁圧・固定・サイズ不適合の是正や観察ポイントを体系化。介助・環境調整の実務指針となる。
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
🔶標準様式で記録・共有(事実→推定→対応→再発予防)
最後は記録の統一です。観察・時系列・薬歴・環境調整の内容を、事実→推定→対応→再発予防の順で標準様式にまとめます。同じ手順と同じ様式が、次のシフトでも再現可能な運用につながります。
※エビデンス
厚生労働省
介護保険最新情報 Vol.943「介護保険施設等における事故の報告様式等について」
事故報告の項目・提出・分析・再発防止までのプロセスを明確化。施設横断での運用を前提に、記録の標準化を推進。
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0322150633801/ksvol.943.pdf
迷ったら、観察→時系列→薬歴→環境→記録の順に戻ること。同じ手順で積み上げれば、原原因を再現性高く絞り込みやすくなります。次のセクションでは、この流れをチェックシートに落とし込み、現場で即使える形に整えます。
🔷事例:形と部位で因果を狭める現場ケース
夜勤後に斑状の痕、移乗後に線状の跡、ストッキング縁の帯状などは珍しくありません。形と部位の一致を起点に、観察→時系列→薬歴→環境→記録の同じ手順で淡々と進めます。

🔶ケース1:夜間体動後、前腕外側に斑状の痕が出現
前腕外側に斑状が反復するときは、寝返りで柵の縁に接触している可能性があります。高齢者の皮膚は加齢で脆弱化し、軽微な外力でも紫斑が生じやすくなります。対策は、柵の縁圧をパッドで緩衝し、高さ・位置を見直すこと。観察(部位・大きさ・色・圧痛)は同じ手順で記録し、再評価を行います。
※エビデンス
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
医療・介護現場で生じる機器起因の皮膚損傷を圧・摩擦・ずれで系統的に評価し、縁圧・固定・サイズ不適合の是正、緩衝パッドの活用や機器位置の調整、装着時間と観察頻度の管理を具体的に示す。柵の縁と一致する痕への対処(緩衝+位置見直し)に直接利用できる実務指針。
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
日本皮膚科学会
皮膚科Q&A「紫斑とは何ですか?」
紫斑を炎症性/非炎症性に整理し、非炎症性の一例として老人性紫斑(血管支持組織の脆弱化)を説明。高齢者では支持組織の弱さが背景にあり、軽微な機械刺激でも紫斑が目立ち得ることの概念整理に有用。ケース1の“露出部に反復する斑状紫斑”の理解を補強する一次情報。
https://qa.dermatol.or.jp/qa35/q04.html
🔶ケース2:移乗直後、上腕外側に細い線状の痕が残る
移乗で上腕外側に線状が出るときは、握圧と袖口・縫い目の摩擦・ずれの複合が疑われます。対策は、握るのではなく面で支える介助へ切り替え、滑走材で牽引を減らし、衣類素材も見直すこと。併せて薬歴(抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイド等)の変更有無を確認し、拡大・多発があれば医療側へ相談します。
※エビデンス
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
出血傾向の機序と、ワルファリン、DOAC、抗血小板薬、ステロイド等で皮下出血を含む出血事象が起こり得る点、受診時の情報提供項目を解説。自己判断での休薬回避を促す。
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
🔶ケース3:弾性ストッキングの縁に沿って帯状の痕が出る
下腿外側に帯状が見られる場合、ストッキングのサイズ不適合や折り返しによる縁圧が原因となることがあります。対策は、サイズ再選定、縁の圧分散、装着時間と点検頻度の調整。形と部位が縁に一致するなら、まず縁圧・固定・サイズから是正し、経時変化を再評価します。
※エビデンス
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
機器起因の皮膚障害を圧・摩擦・ずれで評価し、縁圧・固定・サイズ不適合の是正、装着時間・観察頻度の管理を体系化。装具・ストッキング由来の痕の是正に直結する実務指針。
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
このように、形→部位→想定接触→対策→再評価の順で回すと、原因がぶれずに狭まります。次はチェックシートに落とし込み、誰でも同じ質で運用できる形に整えます。
🔷理由:なぜこの手順なのか――根拠と背景
現場で迷いを減らすには、観察→時系列→薬歴→環境→記録の流れに理由が必要です。ここでは、加齢皮膚の脆弱性、薬剤性の出血傾向、器具由来の機械的ストレス、形態所見の鑑別価値、記録の標準化という5つの裏付けを整理します。

🔶加齢皮膚は軽微な外力でも紫斑化しやすい
高齢者の皮膚は真皮の菲薄化や支持組織の低下により、小さな力でも皮下出血が可視化しやすくなります。露出部(前腕・手背)に反復する所見は、この構造的背景と整合します。観察では形・部位・大きさ・色・圧痛を同条件で取り、まず「皮膚側の前提」を押さえます。
※エビデンス
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
医療・介護現場で生じる機器起因の皮膚損傷を圧・摩擦・ずれで系統的に評価し、縁圧・固定・サイズ不適合の是正、緩衝パッドの活用や機器位置の調整、装着時間と観察頻度の管理を具体的に示す。柵の縁と一致する痕への対処(緩衝+位置見直し)に直接利用できる実務指針。
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
日本皮膚科学会
皮膚科Q&A「紫斑とは何ですか?」
紫斑を炎症性/非炎症性に整理し、非炎症性の一例として老人性紫斑(血管支持組織の脆弱化)を説明。高齢者では支持組織の弱さが背景にあり、軽微な機械刺激でも紫斑が目立ち得ることの概念整理に有用。ケース1の“露出部に反復する斑状紫斑”の理解を補強する一次情報。
https://qa.dermatol.or.jp/qa35/q04.html
🔶薬剤で出血傾向が高まるため薬歴確認が必須
抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイドなどは皮下出血を含む出血事象の増加に関与します。特に開始・増量・併用直後は観察頻度を上げ、拡大・多発の有無を確認します。薬歴は「いつ・何が変わったか」まで記録します。
※エビデンス
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
出血機序の整理と、抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイド等での出血事象、受診時の情報提供項目を提示。自己判断の休薬回避と適切な連携を促す。
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
🔶器具・環境の“圧・摩擦・ずれ”を系統的に点検
ベッド柵・手すり・車いす・弾性ストッキングなどは、縁圧・固定・サイズの不適合で皮膚損傷や紫斑の温床になります。形と部位の一致があるときは、まず環境を修正し、再評価で効果を確認します。
※エビデンス
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
機器起因の皮膚障害を圧・摩擦・ずれで評価し、縁圧・固定・サイズ不適合の是正、装着時間・観察頻度の管理を体系化。環境調整の実務指針を提供。
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
🔶形態所見は原因推定の入口として有用
点状・線状・帯状・斑状といった形は、原因推定の手掛かりになります。点状は血小板系の異常で目立ちやすく、線状・帯状は縁やベルトの当たりを示唆、斑状はより広い外力の可能性があります。観察の標準化で読取り精度が上がります。
※エビデンス
日本血栓止血学会
特集「出血傾向の鑑別」3.紫斑の種類と病因
紫斑を形態で分類し、病因との関係や圧迫退色の有無を整理。ベッドサイド鑑別の実践的手掛かりを明示し、初期観察の質向上に寄与。
https://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/18_6.559.2007.pdf
🔶標準様式での記録は再発予防の基盤
事実→推定→対応→再発予防の順で同じ様式にまとめると、検証と共有が速くなります。観察→時系列→薬歴→環境→記録の流れを文書化し、次のシフトでも再現できる形で残します。
※エビデンス
厚生労働省
介護保険最新情報 Vol.943「介護保険施設等における事故の報告様式等について」
事故報告の標準化を目的に、記載項目や提出・分析・再発防止のプロセスを明確化。事実に基づく整理と共有の枠組みを示す。
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0322150633801/ksvol.943.pdf
以上の裏付けに基づいて、観察→時系列→薬歴→環境→記録の手順を毎回同じように回すことが、原因の絞り込みと再発予防の最短ルートになります。
🔷よくある質問:高齢者の介護で「皮下出血」の原因と対応
Q1:皮下出血を見つけた直後、最初に確認する項目は何ですか?
A:観察の標準化が出発点です。部位・大きさ(cm)・色調・圧痛の有無を同一条件で取り、形は点状/線状/帯状/斑状に分類します。スケール付き写真と計測値をセットで残し、直近数日(例:直近2〜3日)の時系列(移乗・更衣・入浴・離床・夜間体動)を時刻順に整理します。
※エビデンス
日本血栓止血学会
特集「出血傾向の鑑別」3.紫斑の種類と病因
紫斑を形態(点状・斑状など)で分類し、病因との関係や圧迫退色の有無を解説。初期観察の標準化に有用なベッドサイド所見を具体的に提示。
https://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/18_6.559.2007.pdf
Q2:薬を飲んでいる利用者で皮下出血が増えたとき、どの薬を重点的に確認しますか?
A:抗凝固薬(ワルファリン、DOAC)、抗血小板薬、ステロイドを優先確認します。開始・増量・併用など直近の薬歴変更の有無を記録し、変更直後は観察頻度を上げます。拡大・多発や粘膜出血があれば、自己判断で休薬せずに医療側へ相談します。
※エビデンス
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
出血機序と代表的薬剤(抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイド等)による出血事象、受診時の情報提供項目を整理。自己判断の休薬回避と適切な連携を促す。
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
Q3:装具やベッド柵が原因かどうかは、どのように見分けますか?
A:形と部位の一致を確認し、縁圧・固定・サイズの視点で点検します。弾性ストッキングの縁に沿う帯状、柵の縁と一致する線状や斑状などは器具要因を疑い、パッドでの緩衝、サイズ再選定、装着時間や位置の調整を行い、再評価します。
※エビデンス
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
機器起因の皮膚障害を「圧・摩擦・ずれ」で評価し、縁圧・固定・サイズ不適合の是正、装着時間管理、観察ポイントを体系化。器具要因の点検と是正に直結。
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
Q4:医療側へ相談すべき目安はありますか?
A:急速な拡大、広範囲、多部位同時、粘膜出血の併発、直近の薬歴変更が重要なトリガーです。これらがあれば、観察所見と時系列、薬歴の事実を整理して速やかに相談します。自己判断での休薬は避けます。
※エビデンス
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
出血事象時の留意点として、症状の把握と医療者への相談、服薬情報の提供を明示。安易な休薬がリスクを招く可能性に注意を促す。
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
Q5:記録はどの形式でまとめると原因追及と再発防止に役立ちますか?
A:事実→推定→対応→再発予防の順で、施設内の標準様式に統一します。観察(形・部位・大きさ・色・圧痛)、72時間の時系列、薬歴変更、環境調整の内容を一枚で俯瞰できる形に整え、次のシフトでも再現可能にします。
※エビデンス
厚生労働省
介護保険最新情報 Vol.943「介護保険施設等における事故の報告様式等について」
事故報告の標準化を目的に、記載項目、提出、分析、再発防止までのプロセスを明確化。事実に基づく整理と共有の枠組みを示し、現場での統一運用に有用。
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0322150633801/ksvol.943.pdf
🔷よくある質問:高齢者の介護で「皮下出血」の原因と対応
- Q皮下出血を見つけた直後、最初に確認する項目は何ですか?
- A
観察の標準化が出発点です。部位・大きさ(cm)・色調・圧痛の有無を同一条件で取り、形は点状/線状/帯状/斑状に分類します。スケール付き写真と計測値をセットで残し、直近数日(例:直近2〜3日)の時系列(移乗・更衣・入浴・離床・夜間体動)を時刻順に整理します。
※エビデンス
日本血栓止血学会
特集「出血傾向の鑑別」3.紫斑の種類と病因
紫斑を形態(点状・斑状など)で分類し、病因との関係や圧迫退色の有無を解説。初期観察の標準化に有用なベッドサイド所見を具体的に提示。
https://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/18_6.559.2007.pdf
- Q薬を飲んでいる利用者で皮下出血が増えたとき、どの薬を重点的に確認しますか?
- A
抗凝固薬(ワルファリン、DOAC)、抗血小板薬、ステロイドを優先確認します。開始・増量・併用など直近の薬歴変更の有無を記録し、変更直後は観察頻度を上げます。拡大・多発や粘膜出血があれば、自己判断で休薬せずに医療側へ相談します。
※エビデンス
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
出血機序と代表的薬剤(抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイド等)による出血事象、受診時の情報提供項目を整理。自己判断の休薬回避と適切な連携を促す。
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
- Q装具やベッド柵が原因かどうかは、どのように見分けますか?
- A
形と部位の一致を確認し、縁圧・固定・サイズの視点で点検します。弾性ストッキングの縁に沿う帯状、柵の縁と一致する線状や斑状などは器具要因を疑い、パッドでの緩衝、サイズ再選定、装着時間や位置の調整を行い、再評価します。
※エビデンス
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
機器起因の皮膚障害を「圧・摩擦・ずれ」で評価し、縁圧・固定・サイズ不適合の是正、装着時間管理、観察ポイントを体系化。器具要因の点検と是正に直結。
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
- Q医療側へ相談すべき目安はありますか?
- A
急速な拡大、広範囲、多部位同時、粘膜出血の併発、直近の薬歴変更が重要なトリガーです。これらがあれば、観察所見と時系列、薬歴の事実を整理して速やかに相談します。自己判断での休薬は避けます。
※エビデンス
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
出血事象時の留意点として、症状の把握と医療者への相談、服薬情報の提供を明示。安易な休薬がリスクを招く可能性に注意を促す。
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
- Q記録はどの形式でまとめると原因追及と再発防止に役立ちますか?
- A
事実→推定→対応→再発予防の順で、施設内の標準様式に統一します。観察(形・部位・大きさ・色・圧痛)、72時間の時系列、薬歴変更、環境調整の内容を一枚で俯瞰できる形に整え、次のシフトでも再現可能にします。
※エビデンス
厚生労働省
介護保険最新情報 Vol.943「介護保険施設等における事故の報告様式等について」
事故報告の標準化を目的に、記載項目、提出、分析、再発防止までのプロセスを明確化。事実に基づく整理と共有の枠組みを示し、現場での統一運用に有用。
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0322150633801/ksvol.943.pdf
🔷まとめ:明日から徹底する「同じ手順」と運用ポイント
ここまでの要点はシンプルです。観察→時系列→薬歴→環境→記録を“毎回まったく同じ順番”で回し、形と部位の一致から修正点を決め、標準様式で残すだけ。小さな差が再発予防の差になります。
- 観察の標準化:形(点状・線状・帯状・斑状)/部位/大きさ/色/圧痛を同条件で取得
- 72時間の時系列整理:移乗・更衣・入浴・離床・夜間体動・リハを時刻で並べる
- 薬歴の確認:抗凝固薬・抗血小板薬・ステロイドの有無と変更点を記録
- 環境調整:柵・手すり・車いす・装具・ストッキングを縁圧・固定・サイズで点検
- 記録の統一:事実→推定→対応→再発予防で標準様式にまとめ、次シフトが再現できる形に
出典:
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
A. 患者の皆様へ 出血傾向(医薬品による出血と対応)
https://www.pmda.go.jp/files/000245296.pdf
厚生労働省
介護保険最新情報 Vol.943「介護保険施設等における事故の報告様式等について」
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2021/0322150633801/ksvol.943.pdf
日本褥瘡学会
医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理(ベストプラクティス)
https://www.jspu.org/medical/books/docs/bestpractice_mdrpu.pdf
日本血栓止血学会
特集「出血傾向の鑑別」3.紫斑の種類と病因
https://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/18_6.559.2007.pdf