令和6年度の介護職員平均月収は24.8万円。ご自身の給与明細と比較するポイント

報道で賃上げと聞いても、激務に見合わない給与明細に、やりきれなさを感じることはありませんか。理想のケアを追求したいのに、現実は人手不足などの限界があり、つい余裕を失ってしまうのが現場の実情です。

すべての解決は困難ですが、まずは業界の平均値を知り、ご自身の現在地を確かめてみませんか。客観的な数字を押さえることが、現状を整理し、納得して進むための現実的な一歩になります。

この記事を読むと分かること

  • 令和6年度の介護職員平均月収(24.8万円)の内訳
  • 20代と中堅・ベテラン層の「昇給率」の差
  • 訪問介護と施設介護の給与データの比較
  • ご自身の給与明細で確認すべき項目
  • 現場で「賃上げ実感」が薄い構造的な理由

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • ニュースと自分の給与額に大きな差がある
  • 新人と自分の給料がほとんど変わらない
  • 処遇改善手当の配分方法がよく分からない
  • 他の施設や事業所の給料相場が気になる
  • 忙しさと給料が見合わないと感じている

結論:平均月収「24.8万円」の実態と、現場で感じる「上がらない」理由

女性の介護職員の画像

ニュースでは「介護職員の賃上げ」が話題になりますが、現場では「手取りは変わらない」「基本給が低すぎて手当でやっと生活できるレベル」といった声が少なくありません。 「国からの加算はどこに消えたのか」と明細を見つめる日々に、虚しさを感じることもあるでしょう。ここでは、実際の調査結果から見える平均月収の実態と、なぜ実感が湧かないのか、その数字の裏側を解説します。

平均月収は「248,884円」。前年比3.1%増も、実感には個人差あり

令和6年度の調査によると、月給制で働く介護職員の平均月収は248,884円でした。これは前年度と比較して3.1%(7,568円)の増加となっています。また、時間給制(パート等)で働く人の平均時間給も1,262円と、前年度比で3.5%増加しており、全体として賃金は上昇傾向にあります。しかし、これはあくまで「手当や一時金を含んだ総額」の平均であり、基本給そのものが大幅に上がったとは限らない点に注意が必要です。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

月給の人の通常月の平均月収は248,884円で、前年度比3.1%増となった。職種別では看護職員や訪問介護員、年齢階層別では20歳代での伸び率が高い。平均残業時間は1.7時間であり、職位別では管理職が最も長く、次いで主任・(サブ) リーダーなどの職場のまとめ役が長い。

公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

月給者の平均月収は5年連続で増加し、平均時間給も1,262円と前年度比3.5%増となった。残業時間は「残業なし」が56.6%を占めるが、職位別では管理職や職場のまとめ役の残業時間が比較的長い傾向にある。

「若手」の伸び率が高く、ベテラン層への配分が追いついていない可能性

「新人と自分の給料が変わらない」という不満を感じる場合、年齢階層別の昇給率の違いが影響している可能性があります。データを見ると、全体の伸び率が3.1%であるのに対し、20〜24歳は5.8%25〜29歳は5.0%と、若年層の伸び率が突出して高くなっています。人材確保のために若手の初任給や待遇改善が優先され、中堅・ベテラン層への配分が相対的に緩やかになっている傾向が読み取れます。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

月給制の労働者の平均月収は前年度比3.1%増の増加となったが、年齢階層別に見ると「20~24歳」で5.8%、「25~29歳」で5.0%と、若年層での伸び率が相対的に高くなっている。

職種別に見る給与格差。「看護職員」と「介護職員」の開き

ご自身の給与が適正か判断する際は、職種別の平均値と比較することも重要です。職種別で見ると、看護職員の平均月収は約29万円であるのに対し、介護職員は約23.3万円、訪問介護員は約23万円となっており、資格や業務内容による金額差が存在します。特に訪問介護員は人手不足感が強い職種ですが、給与水準は施設介護職員と同程度かやや低い傾向にあり、業務負担感とのギャップが生じやすい要因の一つと言えます。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

職種別の平均月収(月給制)は、「看護職員」が290,093円、「訪問介護員」が230,258円、「介護職員」が232,560円となっている。

全体の平均額は上がっていますが、若手優先の配分や職種による差が「実感のなさ」に繋がっています。「自分だけ低いのでは?」と不安になったら、まずはご自身の給与明細で基本給各種手当の内訳を確認し、上記の平均データと照らし合わせることから始めてみてください。

広告

現場でよくある「給料のモヤモヤ」3選

女性の介護職員の画像

平均データを見ても、「自分の職場とは違う」と感じることは珍しくありません。現場では、制度の狭間や職種ごとの事情により、数字以上の葛藤が生まれています。 ここでは、多くの介護職員が直面している典型的な3つのケースを挙げ、その背景にあるデータの裏付けを解説します。

ケース1:「新人と給料が変わらない」中堅職員の悩み

  • 状況
    • 勤続10年近いリーダー層。「今年入った新人の初任給が上がったせいで、長年働いている自分と基本給が数千円しか変わらない」という逆転現象に近い状態が起き、モチベーションを保つのに苦労している。
  • よくある誤解
    • 「自分の評価が低いから、昇給していないだけなのだろうか」
  • 押さえるべき視点
    • 個人の評価だけが原因ではありません。調査結果では、全体の賃上げ率が3.1%であるのに対し、20代の若手層は5.0%以上の上昇を見せています。業界全体が「若手の人材確保」に資金を重点配分しているトレンドがあるため、中堅層の昇給カーブが相対的に緩やかになっている可能性があります。
出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

月給制の労働者の平均月収は前年度比3.1%増の増加となったが、年齢階層別に見ると「20~24歳」で5.8%、「25~29歳」で5.0%と、若年層での伸び率が相対的に高くなっている。

ケース2:「一番人手が足りないのに」報われない訪問介護員

  • 状況
    • 訪問介護事業所のヘルパー。「自転車で走り回り、雨の日も台風の日も訪問している。常に人手不足で休む暇もないのに、施設で働く友人より給料が低い気がする」と不満を感じている。
  • よくある誤解
    • 「これだけ忙しくて人手不足なのだから、給料は業界の中で一番高いはずだ」
  • 押さえるべき視点
    • 需給バランスと給与額が必ずしも比例していないのが現実です。訪問介護員は「不足感」が全職種で最も高い(83.4%)にもかかわらず、平均月収は約23万円と、看護職員(約29万円)や施設介護職員(約23.3万円)と比較して高くはありません。需要の高さが給与に直結しにくい構造があることを理解しておく必要があります。
出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

従業員の過不足状況について、訪問介護員は「大いに不足」「不足」「やや不足」の合計が83.4%に達し、調査対象職種の中で最も不足感が高い状態にある。

公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

職種別の平均月収(月給制)は、「看護職員」が290,093円、「訪問介護員」が230,258円、「介護職員」が232,560円となっている。

ケース3:「残業代で稼ぎたい」が許されない現場

  • 状況
    • 「基本給が低いので、残業をして稼ぎたい」と考えているが、施設からは「定時退社」を強く求められる。結果として手取りが増えず、「仕事内容(重労働)のわりに給料が安い」と感じている。
  • よくある誤解
    • 「介護職はどこも人手不足だから、残業代で稼ぐのが普通だ」
  • 押さえるべき視点
    • 実は、介護労働者の半数以上(56.6%)が「残業なし」と回答しており、平均残業時間も月1.7時間程度です。労務管理が厳格化される一方で、賃金への不満理由として「仕事内容のわりに賃金が低い」が上位に挙がっており、「激務だが残業代はつかない(または残業できない)」というジレンマが数字に表れています。
出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

月給者の平均月収は5年連続で増加し、平均時間給も1,262円と前年度比3.5%増となった。残業時間は「残業なし」が56.6%を占めるが、職位別では管理職や職場のまとめ役の残業時間が比較的長い傾向にある。

公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

労働条件や仕事の負担についての悩みでは、「人手が足りない」が約半数を占め最も高く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」「身体的負担が大きい」となっている。

これらの事例から分かるのは、「給料が低い・上がらない」と感じる背景には、個人の能力だけでなく、職種や年齢層による構造的なトレンドが強く影響しているということです。


なぜ「実感」が湧かないのか?数字と心理のギャップ

「国が賃上げを進めている」と聞いても、日々の買い物で物価の高さを感じたり、手元の明細が変わっていなかったりすると、「本当に上がっているのか?」と疑いたくなるのが自然な感情です。 現場では、「忙しさは増すばかりなのに、対価が見合っていない」という徒労感が、賃上げの実感を遠ざけている側面もあります。ここでは、データが示す構造的な要因から、そのギャップの正体を読み解きます。

20代の給与が大幅アップ?世代間で生じる「温度差」

平均月収の増加率「3.1%」という数字は、あくまで全世代をならした平均値です。年代別に見ると、実は若手層の伸び率が突出しています。 将来を担う人材を確保するため、20代の処遇改善が先行して進んでいる現状があり、その分、すでに一定の給与水準にある中堅・ベテラン層の上昇幅は平均以下に留まっている可能性があります。これが、「長年働いているのに恩恵を感じない」という感覚を生む大きな要因の一つと考えられます。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

月給制の労働者の平均月収は前年度比3.1%増の増加となったが、年齢階層別に見ると「20~24歳」で5.8%、「25~29歳」で5.0%と、若年層での伸び率が相対的に高くなっている。

「割に合わない」と感じさせる、業務負担と人手不足

金額そのものの多寡だけでなく、業務量とのバランスが崩れていることも、不満の根底にあります。 労働者が抱える悩みとして、「人手が足りない」ことが最も多く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」ことが挙げられています。どれだけ給料が微増しても、それを上回るペースで現場の負担感や人手不足が加速しているため、心理的な「納得感」が得られにくい構造になっています。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

労働条件や仕事の負担についての悩みでは、「人手が足りない」が約半数を占め最も高く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」「身体的負担が大きい」となっている。

満足度は依然マイナス。「改善」はまだ道半ば

統計上、賃金水準に対する満足度は前年度より改善傾向にはありますが、依然として評価はマイナス(不満が満足を上回る状態)です。 「職場の人間関係」や「仕事の内容」にはプラスの評価を持つ人が多い一方で、「賃金水準」や「人員配置体制」には強い不満が残っています。このデータは、「やりがいはあるが、待遇には満足できていない」という多くの職員が抱く葛藤を客観的に裏付けています。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

仕事の満足度(D.I.)は、「職場の人間関係」や「仕事の内容」でプラスである一方、「人員配置体制」「休憩室などの付帯設備」「賃金水準」ではマイナスが大きい。

公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

「賃金水準」に関する満足度D.I.はマイナス14.3ポイントであるが、前年度のマイナス18.0ポイントと比較するとマイナス幅が縮小し、改善傾向が見られる。

賃上げの実感がないのは、ご自身の感覚が間違っているわけではありません。若手優先の配分や、業務負担との不均衡といった背景を知ることで、現状をより冷静に見つめ直すことができるはずです。

広告

給料や職場選びに関する「よくある疑問」

ここでは、介護現場で働く方が実際に検索したり、疑問に感じたりしやすいポイントについて、調査データの数字をもとに一問一答形式で回答します。

Q
訪問介護と施設の介護職員、どちらの給料が高いですか?
A

調査結果では、施設勤務の「介護職員」の方がわずかに高い傾向があります。

令和6年度のデータによると、職種別の平均月収は「看護職員」が約29万円で最も高く、次いで「介護職員」が約23.3万円、「訪問介護員」が約23万円となっています。訪問介護員は人手不足感が強い職種ですが、平均月収の実績で見ると、施設等の介護職員よりやや低い水準にあります。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

職種別の平均月収(月給制)は、「看護職員」が290,093円、「訪問介護員」が230,258円、「介護職員」が232,560円となっている。

Q
パート(時給制)の時給も上がっていますか?
A

はい、上がっています。前年度より3.5%増加しています。</b>

月給者だけでなく、時間給(パート等)で働く人の賃金も上昇傾向にあります。令和6年度の平均時間給は1,262円となっており、前年度の1,219円から43円(3.5%)増加しました。平成27年度の1,051円と比較すると、長期的に上昇が続いていることが分かります。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

労働者の平均時間給は1,262円で、前年度の1,219円から3.5%増加しており、平成27年度の1,051円から継続して上昇傾向にある。

Q
給料以外で、人が辞めない「良い職場」の特徴はありますか?
A

「有給休暇の取りやすさ」や「人間関係の良さ」が鍵となっています。</b>

実際に働いている人が「今の職場を辞めずに続けている理由(役に立っている取り組み)」として多く挙げているのは、「人間関係が良好な職場づくり(47.2%)」と「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり(43.2%)」です。給料額だけでなく、こうした「働きやすさ」が定着の大きな要因となっています。

出典元の要点(要約)
公益財団法人介護労働安定センター

令和6年度「介護労働実態調査」 結果の概要について

https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf

労働者が現在の職場を辞めずに働き続けるために役立っている取り組みとして最も割合が高いのは「人間関係が良好な職場づくり」(47.2%)であり、次いで「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」(43.2%)となっている。


まとめ:ニュースの数字に惑わされず、まずは「明細」の確認から

本記事では、令和6年度の介護労働実態調査に基づき、給与の実態について解説しました。 ニュースで報じられる「平均月収248,884円」や「3.1%の増加」という数字は事実ですが、その内訳を見ると、若手層への重点的な配分や職種による格差が存在することが分かります。

「実感がない」と感じるのは、決してご自身の感覚が間違っているからではありません。業界全体のトレンドや構造的な要因が影響していることを理解した上で、以下のポイントを整理しておきましょう。

  • 全体の平均月収は248,884円(前年比3.1%増)であること
  • 20代の昇給率が高く、中堅・ベテラン層の実感とズレが生じやすいこと
  • 訪問介護員は人手不足感が強いが、給与水準は他職種と比較して高くないこと

まずは、次回の給与明細で「基本給」と「各種手当」のバランスを確認し、今回ご紹介した平均データと冷静に照らし合わせてみてください。 その上で、業務量に対してあまりに待遇が見合わないと感じる場合は、就業規則を確認したり、近隣の求人相場を調べたりして、客観的な視点を持つことが現状を変える第一歩となります。

最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。




更新履歴

  • 2025年12月17日:新規投稿

タイトルとURLをコピーしました