後輩指導やリーダー業務で責任だけが増え、給与明細を見ると新人職員と数千円しか変わらない現実に、ふと虚しさを感じてしまう瞬間があるかもしれません。
本来は利用者一人ひとりに向き合いたいのに、人手不足で業務を回すことだけに追われてしまう。そんな理想と現実のギャップを抱えつつ、なんとか現場を支えているのが実情ではないでしょうか。
この記事を読むと分かること
- 月8万円相当の具体的な条件
- 損しにくい職場の見分け方
- 年収440万円の公的基準
- 加算配分ルールの確認点
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
結論:「高年収」へのヒントは特定処遇改善加算

ニュースで「介護職の賃上げ」と聞くたびに、「自分の給料明細とは別世界の話だ」と冷めた目で見てしまうことはありませんか。
現場では「処遇改善手当」という名目はあっても、その分基本給が抑えられていたり、結局トータルでは新人と変わらなかったりする実態があるようです。
「制度があるのは知っているけど、うちの職場では期待できない」。そんな現場の諦めを変えるヒントが、制度の中にあるかもしれません。
ターゲットは「勤続10年以上の介護福祉士」
国が示した処遇改善のターゲットは、「勤続10年以上の介護福祉士」です。
この層を「経験・技能のある介護職員」と定義し、処遇改善を行う仕組みが設けられています。
ただし、これはあくまで「基本」であり、実際の運用ルール(誰を対象にするか)は各事業所の裁量に任されています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
特定処遇改善加算の配分ルールでは、「経験・技能のある介護職員」について、「勤続10年以上の介護福祉士」を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方等については各事業所の裁量で設定できることとしている。また、月額8万円相当の処遇改善となる者又は改善後の賃金が年額440万円以上となる者を設定すること(例外あり)や、平均処遇改善額が「経験・技能のある介護職員」>「他の介護職員」>「その他の職種」となるように設定すること(傾斜配分)を求めている。
「月額8万円増」または「年収440万円」のルール
特定処遇改善加算には、事業所内で少なくとも1人以上に対して満たすべき処遇改善基準があります。
それは「月額8万円相当の処遇改善」を行うか、あるいは「年収440万円以上」を目指すことです。
この基準は、処遇を引き上げるために設けられたものです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
特定処遇改善加算の配分ルールでは、「経験・技能のある介護職員」について、「勤続10年以上の介護福祉士」を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方等については各事業所の裁量で設定できることとしている。また、月額8万円相当の処遇改善となる者又は改善後の賃金が年額440万円以上となる者を設定すること(例外あり)や、平均処遇改善額が「経験・技能のある介護職員」>「他の介護職員」>「その他の職種」となるように設定すること(傾斜配分)を求めている。
能力不足ではなく「職場の選択」の問題
もしあなたが条件を満たすベテランで、今の給与が低いなら、それは能力だけの問題とは限りません。
事業所がこの加算を取得していないか、あるいは配分ルールで「経験者重視」の設定をしていないことが一因と考えられます。
特定処遇改善加算は、経験者への配分を最も高く設定する「傾斜配分」を求めています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
特定処遇改善加算の配分ルールでは、「経験・技能のある介護職員」について、「勤続10年以上の介護福祉士」を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方等については各事業所の裁量で設定できることとしている。また、月額8万円相当の処遇改善となる者又は改善後の賃金が年額440万円以上となる者を設定すること(例外あり)や、平均処遇改善額が「経験・技能のある介護職員」>「他の介護職員」>「その他の職種」となるように設定すること(傾斜配分)を求めている。
待遇改善は、個人の努力よりも「制度を正しく使う事業所」を選ぶことで実現しやすくなることがあります。自分のキャリアが「月8万増・年収440万」の基準で評価される可能性があると知ることが、第一歩だと考えられます。
こんな職場で消耗していませんか? よくある事例

休憩室で聞こえてくるのは、「リーダーになっても責任が増えただけで、手取りはほとんど変わらない」という嘆きではないでしょうか。
経営者に聞いても「事務が大変だから今は無理」とはぐらかされ、結局うやむやにされてしまう。
本当は利用者さんのために頑張りたいのに、報われない現実に心が折れそうになる。そんな現場のリアルは、あなただけの悩みではないかもしれません。
専門性が評価されない「まんじゅう型」の職場
長年勤務し、新人の指導やリーダー業務をこなしているのに、給与明細を見ると入職数年の職員とほとんど変わらないケースです。
こうした「長く働いても給料が上がらない」現象は、介護業界にいまだ根強く残る課題とされています。
国は、能力や経験に応じて給与が上がる「富士山型」の賃金構造を目指していますが、現状は専門性の差が給与に反映されにくい「まんじゅう型」とされています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
介護人材の構造的な課題について、現状は、専門性の差が明確になっておらず、給与の差がつきにくい「まんじゅう型」であるとし、目指すべき姿として、職務や能力が明確になり、それらに応じて給与が高くなる「富士山型」への転換が必要であるとしている。
事務負担を理由に「加算を取らない」職場
「うちは小規模で事務員もいないから、複雑な加算手続きはできない」。経営者からそう言われ、賃上げを諦めてしまっているケースもあります。
しかし、データによれば、加算の届出を行わない理由として「事務作業が煩雑」と回答した事業所は約4割に上ります。
つまり、事業所の「事務処理能力の不足」が、加算の届出に影響している可能性があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
介護報酬改定の検証・分析データにおいて、加算の届出を行わない理由(複数回答)として、「事務作業が煩雑」と回答した事業所の割合は、特定事業所加算(訪問介護)で39.4%、サービス提供体制強化加算(介護老人福祉施設)で42.1%となっている。また、加算の取得促進に向けた課題としても事務負担の軽減が挙げられている。
配分ルールが「ブラックボックス」な職場
「処遇改善手当」として支給はされているものの、その金額の根拠や計算方法が十分に知らされていないケースもあります。
自分が「経験・技能のある職員」として評価されているのか、それとも一律配分なのかも分かりません。
本来、処遇改善加算を取得する事業所には、賃金改善の取組内容や方法を職員に周知する「見える化」が求められています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
介護職員処処遇改善加算等の取得要件の一つとして「見える化要件」があり、これは、介護職員処遇改善加算の取得状況や、賃金改善以外の処遇改善に関する具体的な取組内容を、介護サービス情報公表システムや事業所のホームページへの掲載等を通じて外部から見えるようにすること(公表すること)を求めているものである。
これらは「介護業界だから仕方ない」ことではなく、事業所の「構造的な課題」です。専門性が評価されない環境で我慢し続ける必要はないかもしれません。あなたのキャリアに見合う対価を払う事業所は、制度上あり得るとされています。
なぜ給与が上がらないのか? 構造的な原因

「資格を取って経験を積めば、自然と給料は上がるはず」。そう信じて頑張ってきたのに、現実は年功序列とは限らないと感じることがあるかもしれません。
現場では、複雑すぎる制度を前に「計算が合わないから」と適当に処理されたり、経営者の「さじ加減」で片付けられたりすることも見られます。
なぜ、ベテランが正当に報われないのか。その背景には、個人の努力だけではどうにもならない業界特有の構造と制度の複雑さがあります。
業界全体が「まんじゅう型」から脱却できていない
多くの介護現場では、いまだに職員の能力差を明確に評価できていない場合があります。
国は、職務や能力に応じて給与差をつける「富士山型」への転換を求めていますが、現実は専門性の差が給与に反映されにくい「まんじゅう型」のままです。
その結果、どれだけスキルアップしても、給与カーブがフラットなまま頭打ちになってしまうことがあります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
介護人材の構造的な課題について、現状は、専門性の差が明確になっておらず、給与の差がつきにくい「まんじゅう型」であるとし、目指すべき姿として、職務や能力が明確になり、それらに応じて給与が高くなる「富士山型」への転換が必要であるとしている。
「事務屋」がいない事業所の限界
給与の原資となる加算を取るためには、非常に煩雑な事務作業が必要です。
しかし、事務職員を十分に配置できない事業所では、手続きそのものを諦めてしまうことがあります。
実際、加算を届け出ない理由の約4割は「事務作業が煩雑」であることです。つまり、事業所の事務能力の低さが、加算の届出に影響している可能性があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
介護報酬改定の検証・分析データにおいて、加算の届出を行わない理由(複数回答)として、「事務作業が煩雑」と回答した事業所の割合は、特定事業所加算(訪問介護)で39.4%、サービス提供体制強化加算(介護老人福祉施設)で42.1%となっている。
「裁量」という名の曖昧さ
特定処遇改善加算は、経験者への重点配分を求めていますが、その細かな設定は事業所に委ねられています。
「勤続10年の考え方」や具体的な配分額は、各事業所の裁量で設定できるため、明確な方針がない事業所ではうやむやにされることがあります。
結果として、本来あなたに届くはずの手当が、制度の解釈によって薄められてしまっている可能性があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
特定処処遇改善加算の配分ルールでは、「経験・技能のある介護職員」について、「勤続10年以上の介護福祉士」を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方等については各事業所の裁量で設定できることとしている。
給与が上がらないのは、あなたの能力不足だけが理由とは限りません。「評価制度の未整備」「事務処理能力の欠如」「配分ルールの曖昧さ」という3つの壁が要因と考えられます。この壁がない職場を選ぶことが、有力な解決策だと考えられます。
疑問を解消! よくある質問と回答
「本当に自分も対象になるの?」「難しくてよく分からない」といった不安を感じることは当然です。ここでは、特に重要なポイントをQ&A形式で整理しました。
- QQ. 勤続10年の介護福祉士なら、誰でも必ず月8万円上がりますか?
- A全員が必ず一律で上がるわけではありません。制度上は「事業所内で少なくとも1人以上」が月額8万円増(または年収440万円以上)となる設定を求めていますが、その他の対象者や具体的な配分額については、各事業所の裁量で設定できる仕組みになっています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
特定処遇改善加算の配分ルールでは、「経験・技能のある介護職員」について、「勤続10年以上の介護福祉士」を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方等については各事業所の裁量で設定できることとしている。また、月額8万円相当の処遇改善となる者又は改善後の賃金が年額440万円以上となる者を設定すること(例外あり)としている。
- QQ. 「特定処遇改善加算」を取っているかどうか、どうすれば分かりますか?
- A事業所には、賃金改善の取り組み内容をWEBサイト等で公表し、職員に周知する「見える化要件」が求められています。「介護サービス情報公表システム」や、事業所の掲示物・ホームページ等で確認することが可能です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
介護職員処遇改善加算等の取得要件の一つとして「見える化要件」があり、これは、介護職員処遇改善加算の取得状況や、賃金改善以外の処遇改善に関する具体的な取組内容を、介護サービス情報公表システムや事業所のホームページへの掲載等を通じて外部から見えるようにすること(公表すること)を求めているものである。
- QQ. 介護福祉士以外の資格(実務者研修など)では、この加算の恩恵はないのですか?
- A恩恵を受けられる可能性はあります。ただし、配分ルールとして「経験・技能のある介護職員(主に介護福祉士)」の引き上げ幅を最も高く設定する必要があり、その他の介護職員はその2分の1程度の引き上げ幅になるなどの傾斜配分が求められています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護人材の処遇改善等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
特定処遇改善加算の配分ルールでは、平均処遇改善額が「経験・技能のある介護職員」>「他の介護職員」>「その他の職種」となるように設定すること(傾斜配分)を求めている。また、「他の介護職員」の平均処遇改善額は、「経験・技能のある介護職員」の平均処遇改善額の2分の1以上とすることなどのルールが設けられている。
制度は少し複雑に見えますが、要点を知っていれば「自分が正当に扱われているか」を判断する材料になります。まずは「加算の有無」と「見える化された情報」を確認するだけで、漠然とした不安は解消に向かうことがあります。
まとめ:まずは「自分の職場の加算」を確認することから
ここまで、ベテラン介護福祉士が正当な評価を得るための仕組みとして「特定処遇改善加算」について解説してきました。
現状を変えるための第一歩は、いきなり転職活動を始めることとは限りません。まずは明日、職場の掲示板や就業規則、あるいはインターネット上の「介護サービス情報公表システム」を確認してみてください。
そこで確認すべきは、あなたの職場が「特定処遇改善加算」を取得しているか、そしてその配分ルールが明確に説明(見える化)されているかの2点です。
もし、加算を取得していない、あるいは十分な説明がないまま給与が据え置かれているのであれば、それはあなたの能力不足ではなく、環境のミスマッチです。その時は、あなたの10年のキャリアを正当に評価してくれる「加算あり・見える化あり」の事業所を探すタイミングと言えるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。
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- 2026年1月23日:新規投稿







