後見人がいる利用者の急変で、「誰が決めるのか」が止まってしまうことがあります。夜勤中に呼吸状態が悪くなり、救急車を呼ぶのか、看取り方針なのか、入院先はどこなのかが曖昧なまま時間だけが過ぎる場面です。
こうした場面では、後見人を責めても現場は楽になりません。大切なのは、後見人に丸投げしない急変時フローを、本人の意思、医療・ケアチーム、施設内ルールとして事前にそろえることです。
この記事では、成年後見人の細かな法的権限を断定するのではなく、介護現場で迷いやすい急変時対応をどう整理するかに絞ります。全部を夜勤者の判断にしないための、現実的な準備を確認します。
この記事を読むと分かること
- 急変時の備え
- 後見人との線引き
- ACPの残し方
- 夜勤者を守る流れ
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
後見人がいる急変時は決めてもらうより先に動き方を決めておく

後見人がいる利用者の急変時は、後見人待ちにせず、本人意思・連絡先・救急要請基準を施設で事前に共有します。
夜間に状態が悪くなった時、「後見人へ確認してから」と言われても、現場では今すぐ動く必要があります。この記事を読むと、後見人を責める前に、施設として何を決めておけば夜勤者が一人で抱え込まなくてよいかが整理できます。
現場では、後見人がいるというだけで安心材料のように扱われることがあります。ところが急変時になると、本人の希望、看取り方針、主治医への連絡、救急隊への情報提供、施設に残る職員体制がばらばらに出てきます。うまくいくケースほど、誰か一人の判断ではなく、事前に決めた流れに沿って動ける形になっています。
後見人だけに判断を預けない
急変時に「後見人へ連絡したから大丈夫」と思いたくなる場面があります。ここで理解したいのは、本人の医療・ケア方針は、後見人だけでなく本人・家族等・医療・ケアチームの話し合いとして整理する必要があることです。
後見人は、本人を支える関係者の一人として重要です。ただ、現場が欲しいのは、深夜にすぐ出せる単独の答えではなく、本人の希望や関係者の合意を事前に見える形にしておくことです。後見人へは、経過報告や連絡調整として何を共有するかを、日中のうちに相談員や管理者が確認しておきます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
根拠要約:認知症の人にも意思があり、意思決定能力を固定的に考えず、その時々の状態や環境に応じて支援することが示されています。本人、家族・親族、福祉・医療・地域の関係者、成年後見人等がチームとなり、本人の意思や状況を継続的に把握する体制も必要とされています。
急変時1枚シートで初動をそろえる
夜勤で迷うのは、誰に電話するかを探している間に状態が変わる時です。この項目で理解したいのは、分厚いマニュアルより、利用者ごとに30秒で見られる情報が現場を助けることです。
1枚シートには、主治医、オンコール看護師、管理者、後見人、家族等、搬送先候補、救急隊へ渡す情報、持参物、施設に残る職員体制をまとめます。本人の希望や話し合いの記録がある場合は、その所在も書きます。急変時に新しく考えるのではなく、見る順番と連絡順をそろえることが大切です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
救急要請は承諾待ちではなく施設フローで動く
救急車を呼ぶかどうかを、夜勤者だけで背負うと強い不安が残ります。ここでは、後見人や家族の返事を待つことと、利用者の安全確保に必要な初動を分けて考えます。
緊急性がある場面では、施設の緊急時フローに沿って看護職、主治医・配置医、管理者へ連絡し、必要に応じて救急要請する流れを明文化します。後見人への連絡は、判断の丸投げではなく、経過共有と連絡調整として位置づけます。これだけでも「自分が決めた」という夜勤者の孤立感は減ります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
ACPは看取り期だけでなく状態変化ごとに確認する
看取り方針が古いまま残っていると、急変時に「今も同じ希望なのか」と迷います。この項目で理解したいのは、ACPを一度書いた書類ではなく、繰り返し確認するプロセスとして扱うことです。
本人が話せる時期から、どこで過ごしたいか、苦痛が強い時に何を望むか、入院をどう考えるかを記録します。認知症の人であっても、普段の言葉、表情、拒否、安心する関わりから意思をくみ取る努力が必要です。急変時に迷わないためには、本人の意思を探した経過も残しておきます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン解説編
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000197702.pdf
根拠要約:人生の最終段階の医療・ケアでは、本人の意思決定を基本とし、本人・家族等・医療・ケアチームで繰り返し話し合うことが重要とされています。本人の意思が確認できない場合も、推定意思や本人にとっての最善について慎重に話し合い、話し合った内容を文書にまとめて共有することが示されています。
後見人がいることを安心材料にするだけでは、急変時の現場は止まります。本人意思、連絡順、搬送基準、情報提供を事前に見える化することが、夜勤者を守る土台です。
後見人がいる急変時によくある事例

現場では、後見人がいる利用者ほど「どこまで施設が決めてよいのか」と迷うことがあります。家族が遠方、本人の希望が曖昧、看護師や医師につながりにくい時間帯が重なると、夜勤者にだけ重さが寄ってきます。
ここでは、後見人への不満として片づけず、急変前に整理しておきたい典型場面を確認します。同じ混乱を繰り返さないために、状況、困りごと、誤解、押さえる視点に分けます。
夜間に救急車を呼ぶか迷う
状況としては、呼吸状態や意識レベルが変わり、後見人にも管理者にもすぐつながらない場面です。困りごとは、呼ばなければ責任になりそうで、呼べば施設の人員が崩れることです。よくある誤解は、後見人の返事がないと動けないと考えることです。
押さえるべき視点は、救急要請の判断を個人の勘にせず、施設の緊急時フローへ乗せることです。利用者ごとの搬送想定、本人・家族等との相談、事業所内ルール作りが事前にあれば、夜勤者は「承諾待ち」ではなく「決められた初動」として動けます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
搬送先や病院への情報提供で止まる
状況としては、救急隊が到着してから、既往歴、薬、主治医、本人の希望、連絡先を慌てて探す場面です。困りごとは、急変対応と書類探しが同時に起き、フロアに残る職員の不安も増えることです。よくある誤解は、搬送してしまえば施設の役割は終わると考えることです。
押さえるべき視点は、救急隊や搬送先病院へ渡す文書をあらかじめ用意することです。名前、緊急連絡先、かかりつけ医、訪問看護やケアマネジャー、普段の薬、急変時に希望する対応などを整理しておけば、現場滞在中の説明負担を減らせます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
本人の希望が分からないまま看取りか搬送かで揺れる
状況としては、看取り期に近い利用者が急変し、本人は十分に話せず、後見人や家族等の意向もはっきり共有されていない場面です。困りごとは、搬送しない判断を誰か一人が背負うように感じることです。よくある誤解は、看取り方針が一度あれば以後は迷わないと考えることです。
押さえるべき視点は、本人の意思は変化しうるものとして、繰り返し話し合い、文書に残すことです。本人が意思を伝えにくい場合も、過去の発言、生活歴、表情、安心する関わりを関係者で共有し、本人にとって何が最善かをチームで確認します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン解説編
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000197702.pdf
根拠要約:人生の最終段階の医療・ケアでは、本人の意思決定を基本とし、本人・家族等・医療・ケアチームで繰り返し話し合うことが重要とされています。本人の意思が確認できない場合も、推定意思や本人にとっての最善について慎重に話し合い、話し合った内容を文書にまとめて共有することが示されています。
後見人への連絡内容が毎回ばらつく
状況としては、夜勤者、相談員、管理者で後見人へ伝える内容が違い、後から「聞いていない」と混乱する場面です。困りごとは、誰が何を伝えたのかが残らず、次の急変時も同じ確認から始まることです。よくある誤解は、電話を一本入れれば共有できたと考えることです。
押さえるべき視点は、後見人を含む関係者を意思決定支援チームとして見て、本人の意思や状況を継続的に把握することです。連絡した事実だけでなく、本人の言葉、表情、選択肢、説明した内容、次に確認することを記録しておくと、急変時の連絡が報告と相談に分けやすくなります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
根拠要約:認知症の人にも意思があり、意思決定能力を固定的に考えず、その時々の状態や環境に応じて支援することが示されています。本人、家族・親族、福祉・医療・地域の関係者、成年後見人等がチームとなり、本人の意思や状況を継続的に把握する体制も必要とされています。
よくある混乱は、後見人の有無だけで起きるのではありません。本人意思、搬送先、連絡順、情報提供が曖昧なまま急変を迎えることで、現場の不安が大きくなります。
なぜ後見人がいても急変時判断が進まないのか
「後見人がいるのに、なぜ決まらないのか」と感じるのは自然です。けれども、急変時の混乱は、後見人個人の問題というより、施設内の役割分担、本人意思の記録、医療機関や救急隊への情報共有が事前にそろっていないことで起きやすくなります。
理想は、本人の希望を中心に関係者が同じ方向を向けることです。現実には、夜間、少人数、連絡不通、搬送先未定、方針未整理が重なります。ここでは、現場が止まりやすい理由をエビデンスの範囲で整理します。
本人意思の確認が急変時に集中する
理想は、急変前から本人の希望や価値観を確認しておくことです。現実には、状態が悪くなってから「本人はどう望んでいたのか」を探し始めることがあります。ここで夜勤者は、本人のための判断なのか、施設の防衛なのか分からなくなりやすいです。
急変時対応の調査では、予期しない急変が起こったときに、利用者の意思確認や家族等への説明・意思確認、入院医療機関との調整が困難として挙げられています。だからこそ、日中のカンファレンスで本人意思を確認し、急変時に見る情報へ落とし込む必要があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
後見人を単独の決定者として見てしまう
理想は、後見人がいることで本人支援の体制が厚くなることです。現実には、後見人に答えを出してもらえると期待しすぎ、施設側の準備が後回しになることがあります。このズレが、急変時に「結局誰が決めるのか」という怒りになります。
認知症の意思決定支援では、成年後見人等も含めた関係者がチームとなって、本人の意思や状況を継続的に把握する体制が必要とされています。つまり、後見人を外すのでも、全部を預けるのでもなく、本人意思を支えるチームの一部として位置づけることが現実的です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
根拠要約:認知症の人にも意思があり、意思決定能力を固定的に考えず、その時々の状態や環境に応じて支援することが示されています。本人、家族・親族、福祉・医療・地域の関係者、成年後見人等がチームとなり、本人の意思や状況を継続的に把握する体制も必要とされています。
搬送基準と連絡順が文書になっていない
理想は、急変時に誰が見ても同じ流れで動けることです。現実には、主治医、看護師、管理者、後見人、家族等への連絡順が人によって違い、電話をかける順番から迷うことがあります。これでは夜勤者の不安が増えます。
急変時対応の報告書では、救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定と本人・家族との相談、病院との事前調整、事業所内ルール作りが必要とされています。文書にしておく内容は、難しい制度説明ではなく、現場がすぐ使う連絡順と情報です。
| 整理する項目 | 現場で使う内容 |
|---|---|
| 連絡先 | 主治医、看護職、管理者、後見人、家族等の順番 |
| 搬送想定 | 搬送先候補、救急隊へ渡す情報、持参物 |
| 本人意思 | 話し合い記録、望む生活、避けたい対応 |
| 職員体制 | 同乗者、施設に残る職員、応援要請の基準 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
認知症や意思表示の難しさを急変時だけで扱おうとする
理想は、本人が話せるうちに、分かりやすい説明と安心できる環境で意思を確認することです。現実には、意思表示が難しくなってから「本人の希望が分からない」と急いで確認しようとします。これでは、本人にも職員にも負担が大きくなります。
認知症の意思決定支援では、本人には意思があり、意思決定能力を固定的に考えず、その時々の状況に応じて支援することが示されています。普段の言葉、表情、拒否、安心する関わりを記録し、チームで共有することが、急変時の迷いを減らす準備になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
根拠要約:認知症の人にも意思があり、意思決定能力を固定的に考えず、その時々の状態や環境に応じて支援することが示されています。本人、家族・親族、福祉・医療・地域の関係者、成年後見人等がチームとなり、本人の意思や状況を継続的に把握する体制も必要とされています。
後見人がいても急変時判断が進まない理由は、制度名の有無ではなく、本人意思・連絡順・搬送想定・情報提供が急変前に形になっていないことです。
後見人がいる急変時対応のFAQ
後見人がいる利用者の急変では、小さな確認が遅れるだけで現場の不安が大きくなります。ここでは、夜勤者やリーダーが迷いやすい点を、事前準備に落とし込んで整理します。
- Q後見人がいれば救急搬送の判断を任せてよいですか?
- A後見人だけに判断を預けるのではなく、本人の意思、家族等、医療・ケアチーム、施設内フローを事前に整理しておくことが大切です。急変時は、施設の緊急時フローで看護職、主治医・配置医、管理者へ連絡し、必要に応じて救急要請します。後見人へは経過共有と連絡調整として連絡します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
- Q本人が話せない場合は誰の意向を確認しますか?
- A本人の意思が確認できない場合は、家族等が推定できる意思や本人にとって何が最善かを、医療・ケアチームで慎重に話し合うことが基本です。家族等がいない場合や判断を委ねる場合も、本人にとっての最善を中心に考えます。普段から本人の言葉や価値観を記録しておくことが助けになります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン解説編
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000197702.pdf
根拠要約:人生の最終段階の医療・ケアでは、本人の意思決定を基本とし、本人・家族等・医療・ケアチームで繰り返し話し合うことが重要とされています。本人の意思が確認できない場合も、推定意思や本人にとっての最善について慎重に話し合い、話し合った内容を文書にまとめて共有することが示されています。
- Q夜勤者が一人で救急要請を決めるのが怖い時はどうしますか?
- A夜勤者の判断力だけにしないため、利用者ごとの搬送想定、本人・家族等との相談内容、主治医や管理者への連絡順、救急隊へ渡す情報を1枚にまとめておきます。急変時には、そのシートと施設の緊急時フローに沿って動く形にします。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
自宅や介護保険施設等における要介護高齢者の急変時対応の負担軽減および円滑化するための調査研究事業報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/001103268.pdf
根拠要約:本人の意思に沿った急変時対応や看取りのため、介護保険施設等では急変時等の搬送手順を事前に検討し、関係者と調整できる体制を整える必要があるとされています。救急搬送を迅速・適切にするために、利用者ごとの搬送想定、本人・家族との相談、事業所内ルール作り、救急隊や搬送先病院へ伝える文書準備も示されています。
- Q認知症の人の希望はどう残せばよいですか?
- A認知症の人にも意思があることを前提に、その時々の状態に応じて支援します。言葉だけでなく、表情、身振り、拒否、安心する関わり、生活歴を記録します。本人や家族、福祉・医療関係者、成年後見人等がチームで日常的に見守り、本人の意思や状況を継続的に把握することが必要です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
根拠要約:認知症の人にも意思があり、意思決定能力を固定的に考えず、その時々の状態や環境に応じて支援することが示されています。本人、家族・親族、福祉・医療・地域の関係者、成年後見人等がチームとなり、本人の意思や状況を継続的に把握する体制も必要とされています。
FAQの答えは、後見人へ丸投げすることではありません。本人意思を拾い、連絡順と搬送想定を事前に共有し、夜勤者が一人で抱えない形を作ることです。
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後見人がいる急変時こそ一人で決めない仕組みにする
後見人がいるのに急変時判断が進まないと、現場には怒りと怖さが残ります。「何のための制度なのか」と感じる場面もあります。ただ、その不満を後見人個人へ向けるだけでは、次の夜勤は楽になりません。
必要なのは、急変時に誰が何をするかを、状態が落ち着いている時に決めておくことです。主治医、看護職、管理者、後見人、家族等、病院や救急隊へ渡す情報を、利用者ごとに見える形へまとめます。
まずは、身寄りが少ない利用者、後見人がいる利用者、看取り方針が曖昧な利用者から優先して確認します。完璧なACPを一度で作る必要はありません。急変時1枚シートを作り、本人の言葉や表情、連絡順、搬送想定を少しずつ更新することが、現場を守る一歩になります。
後見人がいる急変時の混乱は、現場の努力不足ではありません。後見人待ちにせず、本人意思、連絡順、搬送想定、記録を施設の仕組みにしておくことが、夜勤者と利用者を守ります。
更新履歴
- 2026年1月31日:新規投稿
- 2026年5月17日:内容を全面的にリライト







