「誰もいません」と否定してしまい、かえって不穏が強くなる――そんな場面に戸惑うことはありませんか。レビー小体型認知症の幻視は、正しさで押し返すほど関係が崩れやすく、対応が難しく感じられます。本記事では、否定も肯定もしない受け止め方を軸に、言葉・指示の速さ・環境・非薬物療法の4点から、現場で無理なく実践できる視点だけを整理します。
この記事を読むと分かること
- 幻視対応の考え方
- 否定を避ける理由
- 急がせない意味
- 環境調整の視点
- 薬より先の視点
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
結論:レビー小体型認知症の幻視対応では、まず状況を見てケアにつなげる視点が土台です

現場では、否定しないほうがいいと分かっていても、業務が重なると会話を早く終わらせたくなることがあります。
ただ、目の前の訴えをすぐ正そうとするより、まず何が起きているかを見て、ケアにつなげる視点が必要です。
欠けている点だけでなく、保たれている機能も見てケアにつなげます
認知症の評価では、欠けている点だけを見るのではなく、保たれている機能や補うべき機能を捉えて、介入やケアにつなげます。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者の評価の目的は,欠損症状を捉えることではなく,保たれている機能や補うべき機能を捉え,介入やケアにつなげることである.」
否定する言葉は、気分の落ち込みや怒りにつながることがあります
同じ訴えが続く場面では、相手を否定する言葉が重なりやすくなります。そうした言葉は、気分の落ち込みや易怒性につながることがあります。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「特に,相手を否定する言葉は,私たちは一瞬一瞬で使用しているつもりでも,認知症患者が何度も同じ行動をとる場合は毎回否定されることになり,気分の落ち込みや易怒性などに繋がることがある.」
BPSDが出たときは、非薬物療法を先に考えるのが原則です
BPSD(行動・心理症状)が出たときは、まず身体の状態やケアの適切さを見ます。そのうえで、治療では非薬物療法を薬物療法より優先します。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「BPSDが出現した場合は,その原因となる身体疾患の有無やケアが適切か否かを検討し,治療としては,非薬物療法を薬物療法より優先的に適用することを原則とする.」
まずは正すことを急がず、状況を見てケアにつなげる視点を整理します。非薬物療法を薬物療法より優先する原則も確認します。
レビー小体型認知症の幻視対応でよくある事例

現場では、同じ訴えや行動が重なると、対応を早く終えたくなることがあります。
ただ、場面ごとに何が混乱につながるのかを整理すると、見直す視点は絞りやすくなります。
否定する言葉が重なりやすい場面
この表では、否定する言葉が重なりやすい場面で、何が起こりやすいのかを整理しています。
| 状況 | 同じ行動が何度も続く場面 |
|---|---|
| 困りごと | 毎回否定される形になりやすいこと |
| よくある誤解 | 該当記載なし |
| 押さえるべき視点 | 否定する言葉は、気分の落ち込みや易怒性につながることがあります |
ここから分かるのは、否定する言葉が気分の落ち込みや易怒性につながることがあるという点です。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「特に,相手を否定する言葉は,私たちは一瞬一瞬で使用しているつもりでも,認知症患者が何度も同じ行動をとる場合は毎回否定されることになり,気分の落ち込みや易怒性などに繋がることがある.」
指示を急ぎやすい場面
この表では、声かけや指示の場面で、どこを見直すとよいかを整理しています。
| 状況 | 緊急時以外の声かけや指示 |
|---|---|
| 困りごと | 該当記載なし |
| よくある誤解 | 該当記載なし |
| 押さえるべき視点 | いつもより指示を出すペースをゆっくりにします |
表で整理すると、緊急時以外は、いつもより指示を出すペースをゆっくりにする視点が確認できます。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「そのため,緊急時以外はいつもより指示を出すペースをゆっくりにする.」
音の刺激で混乱しやすい場面
この表では、音の刺激がある場面で、混乱につながる流れを整理しています。
| 状況 | 自分に関係ない音を聞き流しにくい場面 |
|---|---|
| 困りごと | 混乱につながること |
| よくある誤解 | 該当記載なし |
| 押さえるべき視点 | 静かな環境になるよう調整が必要です |
表からは、自分に関係ない音を聞き流せず、混乱につながることがあると確認できます。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者は,刺激を選択することが困難になりやすく,自分に関係ない音を聞き流すことができず,混乱に繋がったりする.」
「そのため,静かな環境になるよう調整が必要となる.」
BPSDが出た場面
この表では、BPSDが出たときに、何を確認し、何を優先して考えるのかを整理しています。
| 状況 | BPSD(行動・心理症状)が出現した場面 |
|---|---|
| 困りごと | 身体疾患の有無や、ケアが適切かどうかを検討する必要があること |
| よくある誤解 | 該当記載なし |
| 押さえるべき視点 | 治療では非薬物療法を薬物療法より優先します |
この内容から、BPSDが出た場面では、すぐ薬に寄る前に、確認と優先順位の整理が必要だと分かります。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「BPSDが出現した場合は,その原因となる身体疾患の有無やケアが適切か否かを検討し,治療としては,非薬物療法を薬物療法より優先的に適用することを原則とする.」
同じ行動の繰り返し、指示の速さ、音の刺激、BPSDが出た場面は、現場で整理したい典型的な論点です。否定を重ねず、静かな環境と非薬物療法を先に考える視点が土台になります。
レビー小体型認知症の幻視対応が難しいのはなぜか
現場では、否定しないほうがいいと分かっていても、同じ場面が重なると対応が揺れやすくなります。
ただ、難しさの背景を分けてみると、現場で何を先に見るべきかは整理しやすくなります。
理想は落ち着いて見ることですが、現実は症状が重なりやすいことです
この表では、現場で感じる理想と、実際にみられる状態の差を整理しています。
| 理想 | 一つの症状に落ち着いて対応すること |
|---|---|
| 現実 | 幻視、注意・覚醒レベルの変動、パーキンソン症状、不安、転倒などがみられます |
この対比では、幻視、注意・覚醒レベルの変動、パーキンソン症状、不安、転倒などがみられます。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
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「幻視,妄想(被害妄想・嫉妬妄想),注意・覚醒レベルの変動,パーキンソン症状,抑うつ,不安,転倒 等.視覚認知・視覚構成障害が強い.」
理想は間違いを正すことですが、現実は評価の目的が別にあることです
この表では、現場で考えがちな見方と、評価の目的の違いを整理しています。
| 理想 | 欠けている点を見つけて正すこと |
|---|---|
| 現実 | 保たれている機能や補うべき機能を捉えて、介入やケアにつなげます |
表にすると、保たれている機能や補うべき機能を捉えて、介入やケアにつなげる視点が確認できます。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者の評価の目的は,欠損症状を捉えることではなく,保たれている機能や補うべき機能を捉え,介入やケアにつなげることである.」
理想は傷つけない声かけですが、現実は否定する言葉が重なりやすいことです
この表では、声かけの理想と、現場で起こりやすい流れを比べています。
| 理想 | 相手の気持ちを乱さない声かけをすること |
|---|---|
| 現実 | 同じ行動が続くと、毎回否定される形になりやすくなります |
この内容から、否定する言葉が気分の落ち込みや易怒性につながることが確認できます。
その結果、気分の落ち込みや易怒性につながることがあります。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「特に,相手を否定する言葉は,私たちは一瞬一瞬で使用しているつもりでも,認知症患者が何度も同じ行動をとる場合は毎回否定されることになり,気分の落ち込みや易怒性などに繋がることがある.」
理想は落ち着ける環境ですが、現実は音の刺激で混乱しやすいことです
この表では、環境づくりの理想と、実際に起こりやすい混乱の背景を整理しています。
| 理想 | 落ち着ける環境を保つこと |
|---|---|
| 現実 | 自分に関係ない音を聞き流せず、混乱につながることがあります |
表からは、自分に関係ない音を聞き流せず、混乱につながることがあるため、静かな環境になるよう調整が必要だと確認できます。
そのため、静かな環境になるよう調整が必要になります。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者は,刺激を選択することが困難になりやすく,自分に関係ない音を聞き流すことができず,混乱に繋がったりする.」
レビー小体型認知症の幻視対応が難しくなりやすい背景には、症状の重なり、評価の目的、否定する言葉の影響、音の刺激があります。理由を分けて見ると、現場での整理につながります。
レビー小体型認知症の幻視対応で迷いやすいFAQ
現場では、分かっていても迷う細かな場面が続くことがあります。
ここでは、本文と同じエビデンスで確認できる範囲だけを、短く整理します。
- Q幻視を訴えたときは、まず何を見ればよいですか?
- A認知症の評価では、欠けている点だけでなく、保たれている機能や補うべき機能を捉えて、介入やケアにつなげます。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者の評価の目的は,欠損症状を捉えることではなく,保たれている機能や補うべき機能を捉え,介入やケアにつなげることである.」
- Q同じ訴えが続くときも、否定する言葉は避けたほうがよいですか?
- Aはい。相手を否定する言葉は、同じ行動が続く場面では毎回否定される形になり、気分の落ち込みや易怒性につながることがあります。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「特に,相手を否定する言葉は,私たちは一瞬一瞬で使用しているつもりでも,認知症患者が何度も同じ行動をとる場合は毎回否定されることになり,気分の落ち込みや易怒性などに繋がることがある.」
- Q声かけや指示は、急がせないほうがよいですか?
- Aはい。緊急時以外は、いつもより指示を出すペースをゆっくりにします。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「そのため,緊急時以外はいつもより指示を出すペースをゆっくりにする.」
- QBPSDが出たときは、薬を先に考えるべきですか?
- A原則として、治療では非薬物療法を薬物療法より優先的に適用します。
出典元の要点(要約)
(国立長寿医療研究センター)
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「BPSDが出現した場合は,その原因となる身体疾患の有無やケアが適切か否かを検討し,治療としては,非薬物療法を薬物療法より優先的に適用することを原則とする.」
細かな迷いが出やすい場面では、評価の目的、否定する言葉、指示を出すペース、非薬物療法を薬物療法より優先する原則を確認します。
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まとめ:レビー小体型認知症の幻視対応で、明日から意識したい一歩
まず大切なのは、目の前の訴えをすぐ正すことではなく、保たれている機能や補うべき機能を見て、ケアにつなげる視点です。また、同じ行動が続く場面では、否定する言葉が重なるほど、気分の落ち込みや怒りにつながることがあります。
否定する言葉や静かな環境、非薬物療法を薬物療法より優先する原則を確認します。
最後までご覧いただきありがとうございます。この記事が、現場で考えを整理する一助になれば幸いです。
更新履歴
- 2025年9月14日:新規公開
- 2025年10月21日:一部レイアウト修正
- 2025年12月19日:より詳細なエビデンス(根拠)に基づき解説を充実させるとともに、最新のサイト基準に合わせて構成・レイアウトを見やすく刷新しました。
- 2026年1月29日:内容をリライト
- 2026年3月26日:内容をリライト







