「トイレに行きましょう」で不穏になるのはなぜ?認知症ケアの視点

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現場では、失禁を防ぎたくて早めに声をかけたのに、「トイレに行きましょう」の一言で表情が変わり、その後の介助まで崩れることがあります。急がないと間に合わない場面ほど、声をかけるべきか、一度待つべきか迷いやすいです。

こうした場面では、言葉が正しいかだけでなく、本人にどう伝わるかを見る視点が欠かせません。説明を重ねるほど空気が悪くなることもあれば、反応を一呼吸待つだけで流れが変わることもあります。

全部を変えるのは難しくても、まずは機嫌を損ねる背景を整理すると、対応は少し組み立てやすくなります。この記事では、「トイレに行きましょう」で不穏や拒否が出やすい背景と、言葉だけで進めにくい場面の見方を絞って確認します。

この記事を読むと分かること

  • 背景の整理
  • 認知機能との関係
  • BPSDとの関係
  • 言葉だけの難しさ
  • 見るべき視点

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 声かけで怒る
  • 拒否で空気が悪い
  • 説明ほどこじれる
  • 対応に迷う
  • 次の介助も崩れる

結論:認知症の方が「トイレに行きましょう」で機嫌を損ねる理由

介護施設の廊下で落ち着かない様子を見せる男性高齢者の姿。手振りを交えながら訴えるような表情をしており、認知症による不穏症状や徘徊リスク、見守り対応と環境調整の必要性を示すイメージ。

現場では、失禁を防ぎたくて早めに声をかけたのに、「トイレに行きましょう」の一言で空気が変わることがあります。急がないと間に合わない一方で、声かけをそのまま続けると拒否が強まりやすく、対応に迷いやすいです。こうした場面では、言葉そのものより、どう受け取られたかを見る視点が欠かせません。この記事を読むと、認知症の方が不穏になりやすい背景を、言葉・理解・反応の関係から整理できます。

こうした場面では、正しいつもりの声かけでも、その後の介助全体が崩れることがあります。説明を重ねるほどこじれやすく、どこで引くべきか迷うことも少なくありません。一方で、反応を一呼吸待つ、言葉だけで進めないといった見直しで、流れが変わることがあります。後段では、その背景をエビデンスに沿って絞って確認します。

今の状況がつながりにくいことがあります

現場では、声をかけた直後に表情が変わり、急に拒否が強まることがあります。こうした場面では、今なぜトイレなのかがつながりにくいことがあります。

判断や手順の理解に関わる働きが落ちると、誘導の意図が通りにくくなります。拒否だけを見てしまうと、背景を見落としやすいです。

出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:認知機能障害は,記憶障害,見当識障害,判断力の障害,思考障害,言葉や数のような抽象的能力の障害,実行機能障害などの高次脳機能障害をさす.

機嫌の悪化は、周囲の関わりでも強まり得ます

こうした場面では、本人の性格だけで片づけたくなりますが、環境やケアも反応に関わります。この項目では、不穏が周囲の関わりで強まりうることを確認します。

声かけの仕方やその場の空気で、拒否が目立ちやすくなることがあります。対応を見直す視点を持つことが大切です。

出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:生活上の障害は環境的要因により誘発されることが多く,病院内の環境は「行動・心理障害」を助長・増強しやすい(図 2).現時点では,認知機能障害を改善させることは困難とされているが,「行動・心理障害」は適切なケアによって改善される可能性がある.

言葉だけでは伝わりにくいことがあります

現場では、説明を足すほど空気が悪くなり、かえって動けなくなることがあります。ここでは、言葉だけの誘導が通りにくい理由を確認します。

認知症の方とのやり取りでは、言葉だけで理解しにくい場合があります。物を見せるなど、言葉以外の情報も必要になりやすいです。

出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:認知症患者のコミュニケーションの特徴として,認知症の進行に伴ってコミュニケーションの効力が,言語的コミュニケーションから非言語的コミュニケーションへ移行する(図7).言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.

本人の反応を待たずに進めると、すれ違いやすくなります

こうした場面では、間に合わせたい気持ちが先に立ち、次の言葉を重ねやすいです。この項目では、本人の反応を待つことの意味を整理します。

伝えたいことを優先するより、反応を一呼吸待つことが大切です。そのうえで、本人の意思を読み取る視点が求められます。

出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.

支援する側の都合だけでは進めにくいです

現場では、失禁を防ぎたい判断と、今は動きたくない反応がぶつかることがあります。ここでは、本人の視点から見る必要性を確認します。

支援は、支援する側の視点だけで進めるものではありません。本人の視点に立って行うことが前提になります。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

引用原文:支援する側の視点ではなく、本人の視点に立って行われるものである。

「トイレに行きましょう」で機嫌を損ねやすい背景には、理解の難しさ、環境や関わりの影響、言葉だけでは伝わりにくいことがあります。まずは本人の反応を一呼吸待ち、本人の視点で見直すことが出発点です。


認知症のトイレ誘導で機嫌が悪くなる現場の典型パターン

介護施設のトイレで手すりを握り立位を保つ男性高齢者の様子。排泄介助前のトイレ誘導場面を想定したイメージで、転倒予防・立位保持支援・自立支援を重視した高齢者の排泄ケアと安全管理の重要性を示す写真。

現場では、同じトイレ誘導でも、すぐ受け入れられる日もあれば、一言で空気が重くなる日もあります。拒否が強まるたびに「何がいけなかったのか」と迷いやすく、次の声かけにも慎重になります。

早めに声をかけたほうがよいと分かっていても、その一言で表情が変わると、その後をどう立て直すか迷います。説明を足すべきか、いったん引くべきか判断が難しく、急ぐほど言葉が増えやすいです。崩れやすい流れには似た形があり、まずはよくある場面を整理すると、対応を見直すきっかけになります。

声をかけた直後に拒否が強くなる

トイレ誘導の声かけをした直後に表情が変わり、その場の空気が急に硬くなることがあります。声をかける時期は合っていたのか、このまま続けるべきか迷いやすく、拒否だけを見てしまうと立て直しにくくなります。まずは今の状況がつながりにくいことがあると見ておくことが出発点です。

項目内容
状況状況として、声をかけた直後に拒否が強くなることがあります。
困りごと困りごとは、誘導の意図が通りにくいことです。
よくある誤解よくある誤解は、拒否だけを切り取って受け止めることです。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、認知症では記憶、見当識、判断、実行の働きに障害があり、今の状況がつながりにくいことがある、という見方です。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:認知機能障害は,記憶障害,見当識障害,判断力の障害,思考障害,言葉や数のような抽象的能力の障害,実行機能障害などの高次脳機能障害をさす.

説明を重ねるほど介護への抵抗が目立つ

言葉を足せば伝わるはずだと思い、同じ説明を重ねた結果、やり取りが長くなることがあります。そのうち、トイレの話だけでなく介助そのものへの抵抗が目立ち、どこで切り替えるべきか迷いやすいです。ここでは、説明の量だけでは進まない場面があることを押さえます。

項目内容
状況状況として、説明を重ねても納得につながらないことがあります。
困りごと困りごとは、伝えようとするほど、介助そのものへの抵抗が目立ちやすいことです。
よくある誤解よくある誤解は、説明が足りないから伝わらないと考えることです。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、説明をいくらしても本人には伝わらないことがあり、その中で介護への抵抗が表れる場面があることです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症ケア法ー認知症の理解

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:説明をいくらしても、本人には伝わらない。なぜならば、本人に悪気はないし、わざとしているわけではないからです。引用原文:介護への抵抗

人前で排泄の話題を出すと空気が変わる

共有スペースやほかの利用者がいる場面で声をかけると、急に反応が硬くなることがあります。急いでいると内容を短く伝えることを優先しやすいですが、その言葉がその場に合っているか迷うこともあります。こうした場面では、話題の出し方も見直したいところです。

項目内容
状況状況として、周囲に人がいる場面でトイレの声かけをすると、反応が変わることがあります。
困りごと困りごとは、急いでいると話題の出し方まで配慮しにくいことです。
よくある誤解よくある誤解は、排泄の話題なら短く伝えれば問題ないと考えることです。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、声かけの内容が他人に聞かれたくない内容ではないかを留意することです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症ケア法ー認知症の理解

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:④声かけの内容は、他人に聞かれたくない内容ではないか留意する

言葉だけで進めようとすると動きが止まりやすい

「トイレですよ」と伝えても、その先の立ち上がりや移動につながらないことがあります。拒否なのか、伝わっていないのか判断に迷いやすく、言葉だけで何とかしようとするほど足踏みしやすいです。ここでは、言葉以外の伝え方も必要になる場面を整理します。

項目内容
状況状況として、言葉で伝えても動きにつながらないことがあります。
困りごと困りごとは、言葉は出しているのに、やり取りが前に進みにくいことです。
よくある誤解よくある誤解は、言葉が通らないなら拒否だと受け止めることです。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、言葉だけでは理解できない場合があり、物を見せることや、一つひとつの動作への声かけが必要になることです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.

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認知症ケア法ー認知症の理解

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:③一つひとつの動作に対して声かけをする

トイレ誘導で崩れやすい場面には、似た流れがあります。まずは、拒否だけを見るのではなく、説明の重ね方、話題の出し方、言葉以外の伝え方を見直すことが、現場で押さえたい視点です。


認知症のトイレ誘導で不穏が起きやすいのはなぜか

介護施設の廊下で腕を組み首をかしげる若い女性介護職員の様子。ケア方法や利用者対応について迷いながら考えている場面を想定したイメージで、認知症ケアや不穏対応、業務改善を検討する介護現場の課題を示す写真。

現場では、早めに声をかけたほうがよいと分かっていても、トイレ誘導の一言で空気が変わり、その後の介助まで崩れることがあります。このような状況が起きる背景には、認知機能、環境やケア、伝え方、本人の反応の受け止め方が関係しています。ここでは、認知症のトイレ誘導で不穏が起きやすい理由を整理します。

排泄を外さないために急いで声をかけた結果、拒否が強まり、説明を重ねるほど関係まで悪くなる場面は少なくありません。どこで言葉を止めるか、どこまで待つかの判断は迷いやすく、正しさだけでは進みにくいです。一方で、背景を分けて考えると、何を見直すべきかは絞りやすくなります。ここでは、まず起きやすい理由を分解して確認します。

認知機能の低下で、誘導の流れがつながりにくくなるためです

声をかけた直後に止まったり、急に拒否が強まったりすると、何が引っかかったのか分からなくなることがあります。言い方の問題なのか、そもそも状況がつながっていないのか迷いやすく、拒否だけを見てしまうと整理しにくいです。まずは流れがつながりにくいことを前提に見ると、受け止め方が変わります。

項目内容
なぜ起きるのかなぜ起きるのかというと、認知症では記憶、見当識、判断、思考、実行の働きに障害がみられることが背景にあります。
建前建前としては、声をかければ意図が伝わり、次の動きにつながるのが理想です。
現実現実には、その理想どおりに状況がつながらず、誘導の意図が通りにくいことがあります。
そのズレが生む問題そのズレが、拒否だけを強く受け止めやすい場面につながります。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、まず認知機能の障害を背景として見ることです。
出典元の要点(要約)
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認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:認知機能障害は,記憶障害,見当識障害,判断力の障害,思考障害,言葉や数のような抽象的能力の障害,実行機能障害などの高次脳機能障害をさす.

環境やケアが、行動や心理の症状を助長しうるためです

同じ認知症の方でも、場面や関わり方で反応が変わると、本人の問題だけで考えてよいのか迷いやすいです。急いでいる場面ほど周囲の条件まで目が向きにくく、対応を固定しやすくなります。こうしたときは、環境やケアも反応に関わりうると見ておくことが大切です。

項目内容
なぜ起きるのかなぜ起きるのかというと、生活上の障害は環境的要因により誘発されることが多く、行動・心理障害は環境により助長・増強しやすいことが背景にあります。
建前建前としては、必要な介助は落ち着いて受け入れられるのが理想です。
現実現実には、環境やケアが関わることで、理想どおりに進みにくいことがあります。
そのズレが生む問題そのズレが、不穏や拒否を本人だけの問題として受け止めやすくします。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、関わりと環境を見直すことです。
出典元の要点(要約)
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認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:生活上の障害は環境的要因により誘発されることが多く,病院内の環境は「行動・心理障害」を助長・増強しやすい(図 2).現時点では,認知機能障害を改善させることは困難とされているが,「行動・心理障害」は適切なケアによって改善される可能性がある.

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症ケア法ー認知症の理解

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:おかれている環境やケア

言葉だけでは理解しにくく、非言語のほうが届きやすくなるためです

説明を足すほど空気が悪くなり、かえって動きが止まると、何を増やすべきか判断しづらいです。言い回しだけを変えるか、伝え方そのものを変えるかで迷う場面もあります。そんなときは、言葉だけでは通りにくい可能性を先に押さえると整理しやすいです。

項目内容
なぜ起きるのかなぜ起きるのかというと、認知症の進行に伴って、コミュニケーションの効力が言語的なものから非言語的なものへ移行するとされ、言葉だけでは理解できない場合があることが背景にあります。
建前建前としては、説明すれば伝わるのが理想です。
現実現実には、物を見せるなどの視覚的情報が必要になることがあります。
そのズレが生む問題そのズレが、説明を重ねるほど伝わりにくい場面につながります。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、視覚的情報や非言語も使うことです。
出典元の要点(要約)
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認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:認知症患者のコミュニケーションの特徴として,認知症の進行に伴ってコミュニケーションの効力が,言語的コミュニケーションから非言語的コミュニケーションへ移行する(図7).引用原文:言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.

本人の反応や視点より、伝える側が先に立つとすれ違いやすいためです

間に合わせたい気持ちが強いほど、次の言葉を重ねたり、そのまま進めたりしやすくなります。本人が今どう受け止めているかを待つべきか、先に進めるべきかで迷う場面は多いです。こうしたときは、本人の反応と視点をどこに置くかが鍵になります。

項目内容
なぜ起きるのかなぜ起きるのかというと、伝えたいことを優先するより、本人の反応を一呼吸待ち、本人が何を行いたいか、本人の意思を読み取ることが大切とされ、意思決定支援も支援する側の視点ではなく本人の視点に立って行うものとされていることが背景にあります。
建前建前としては、必要な支援をそのまま進めたいところです。
現実現実には、その進め方が本人の反応や視点を置き去りにしやすいことがあります。
そのズレが生む問題そのズレが、すれ違いを強めやすくします。
押さえるべき視点押さえるべき視点は、一呼吸待つこと本人の視点です。
出典元の要点(要約)
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認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.

厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

引用原文:支援する側の視点ではなく、本人の視点に立って行われるものである。

トイレ誘導で不穏が起きやすい背景には、理解の難しさ、環境やケア、言葉だけでは伝わりにくいこと、本人の反応や視点の置き方があります。まずは理由を分けて見ることが、現場で無理なく押さえたい出発点です。


認知症のトイレ誘導で迷いやすいことQ&A

現場では、声かけのあとに拒否や不穏が出ると、次に何を見ればよいのか迷いやすいです。急いでいる場面ほど判断を一つに決めたくなりますが、まずは根拠のある見方に絞ることが大切です。

Q
トイレ誘導の場面で認知症の方が怒ったり拒否したりする反応は、認知症でみられる症状として整理できますか?
A
認知症では、BPSDが「認知症において頻繁に見られる知覚,思考内容,気分行動の障害」と定義されています。現場では一つの反応だけで決めつけたくなりますが、まずは認知症でみられる行動や気分の変化として捉える視点が必要です。
出典元の要点(要約)
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認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:BPSD は「認知症の行動・心理症状」と訳され,「認知症において頻繁に見られる知覚,思考内容,気分行動の障害」と定義される.

Q
トイレ誘導で反応が崩れたとき、まず何を確認するとよいですか?
A
まずは、出現頻度や状況を確認する視点が必要です。現場では「拒否あり」だけで終わりやすいですが、どのような場面で出るかを見ていくことが、その後の環境調整につながります。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:また,行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia: BPSD)の評価から出現頻度や状況を確認し,症状を緩和する環境調整を行う.

Q
言い方を変えるだけで十分ですか?
A
言い方だけで考えず、言葉以外の伝え方も含めて見る必要があります。現場では説明を重ねやすいですが、認知症の進行に伴って非言語的なコミュニケーションが重要になり、物を見せるなどの視覚的情報が理解を助ける場合があります。
出典元の要点(要約)
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認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:認知症患者のコミュニケーションの特徴として,認知症の進行に伴ってコミュニケーションの効力が,言語的コミュニケーションから非言語的コミュニケーションへ移行する(図7).言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.

Q
本人が拒否したときも、支援する側の判断でそのまま進めてよいですか?
A
まずは、本人の反応や視点を置いて考える必要があります。現場では急ぐほど先に進めたくなりますが、本人の反応を一呼吸待ち、支援する側の視点だけでなく本人の視点に立つことが大切です。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

引用原文:支援する側の視点ではなく、本人の視点に立って行われるものである。

Q
いつもの拒否と違って急に落ち着かなさが強いときは、何を意識するとよいですか?
A
急な変化があるときは、精神症状の急激な変化または変動の経過という視点を持つことが大切です。現場では普段の拒否と同じように見やすいですが、せん妄の疑いがある場合は看護計画や介入依頼につなぐ記載があります。
出典元の要点(要約)
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認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

引用原文:1 精神症状の急激な変化または変動の経過 引用原文:※ せん妄の疑いありの場合は「急性混乱のリスク状態」など看護計画を立案し、介入困難な状況であればDSTへ介入を依頼する

FAQでは、反応の見方、確認する視点、言葉以外の伝え方、本人の視点、急な変化への注意点を整理しました。迷ったときほど、一つずつ根拠のある見方に戻ることが大切です。


まとめ:認知症のトイレ誘導でまず意識したい一歩

現場では、早めに声をかけたいのに、「トイレに行きましょう」の一言で空気が変わり、そのまま介助全体が崩れることがあります。次はもっと早く動くべきか、それとも待つべきか迷いやすいですが、まず押さえたいのは、伝えることを急ぎすぎない視点です。

この記事で見てきたように、認知症の方とのやり取りでは、言葉だけでは伝わりにくいことがあり、支援する側の視点だけで進めるとすれ違いやすくなります。だからこそ、明日からの最初の一歩は、次の言葉を重ねる前に、本人の反応を一呼吸待つことです。

建前では分かっていても、急いでいる場面ほど難しいはずです。それでも、この一呼吸が、その後の関わり方を見直すきっかけになります。

最後までご覧いただきありがとうございます。


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更新履歴

  • 2026年1月29日:新規投稿
  • 2026年4月11日:内容を全面的にリライト

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