現場では、声かけを省いて介助を進めた後や、本人の希望より安全を優先した後に、「これでよかったのか」と引っかかる場面があります。認知症ケアでは、説明を重ねても伝わりにくく、同じ対応でも受け入れられる日と拒否される日があり、判断に迷いやすいです。
こうした場面では、全部を理想どおりにしようとすると苦しくなります。一方で、苦労や失敗を重ねるほど、本人を決めつけないことや、困っている時だけ手を出すことが大切だと見えやすくなります。この記事では、全部は無理でも、ここだけは押さえたい視点を整理します。
この記事を読むと分かること
- 理想が崩れる理由
- 迷いやすい場面
- 押さえる視点
- 明日からの一歩
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
介護士が理想的な介護ができないと思う理由

現場では、同じ説明をしても受け入れられる日と拒否される日があり、本人の希望と安全のどちらを優先するかで迷う場面があります。急ぐほど介助を進めることが中心になり、「これでよかったのか」と後で引っかかりやすいです。理想的な介護が難しい状況を個人の気持ちの問題だけで片づけると、苦しさが強まりやすいです。この記事を読むと、理想的な介護が難しくなる理由を、尊厳・意思・安全・共有の視点で整理できます。
現場では、排泄や更衣を急ぐ場面ほど、本人の反応を見る前に介助を進めたくなります。こうした場面では、言葉では拒否が強くても、表情や落ち着き方を見ると意味が違うことがあり、判断に迷いやすいです。苦労しやすいのは、急ぐほど本人の気持ちを決めつけやすい点です。だからこそ、本人を一人の人として見ること、言葉以外の反応も見ること、迷いを一人で終わらせないことが現実的な方向になります。
理想の土台は本人の望む生活にあります
現場では、介助の順番を優先するほど、本人の気持ちを後回しにしやすいです。ここで理解したいのは、理想的な介護の出発点が本人の望む生活や気持ちを理解することだという点です。
忙しい場面ほど、「今日はこの流れで進めるしかない」と決めたくなります。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
「実際に『本人の自立したその人らしい生活を支えるケア』を確立していくうえでは、本人の望む生活や気持ちを理解することが第一歩となる。」
言葉だけでは意思を読み切れないからです
こうした場面では、返事だけを見て対応を決めると、あとで違和感が残ることがあります。この項目で分かるのは、認知症ケアでは身振り手振りや表情の変化も含めて意思を受け取る必要があることです。
拒否なのか不安なのか見極めきれず、無難な対応に寄せたくなることがあります。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症患者は,言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されることから,意思決定支援者は,認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」
本人の意思は同じままとは限らないからです
現場では、昨日は受け入れられた介助が、今日は強い拒否になることがあります。ここで理解できるのは、本人の意思は変わることがあり、複数回の確認が前提になるという点です。
一度決めた方針を変えると、ぶれているように感じて迷いやすいです。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り(例えば、本人が体験等を通して、意思が変わる場合がある)や、意思を複数回確認することが求められる。」
安全だけを優先すると別の問題が起こるからです
現場では、転倒やトラブルが怖いほど、まず止める対応を選びたくなります。この項目で押さえたいのは、安全確保のためと思った対応が、別の危険を高めることもあるという点です。
事故を起こしたくない気持ちが強いほど、制限する方が早く見えることがあります。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
「身体拘束による事故防止の効果は必ずしも明らかでなく、逆に、身体拘束をされているために無理に立ち上がろうとして車椅子ごと転倒したり、ベッド柵を乗り越え転落する等事故の危険性が高まることが報告されている。」
一人の頑張りだけでは続かないからです
こうした場面では、自分だけが気をつけても、次の勤務で元に戻ると苦しくなります。ここで理解できるのは、理想的な介護は個人技だけでなく、学び直しと見直しを続ける組織で近づけるものだという点です。
気づきがあっても共有されないと、同じ迷いを繰り返しやすいです。
出典元の要点(要約)
(株式会社三菱総合研究所)特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
「本ガイドラインでは、よりよいサービスを継続的に提供するために、特別養護老人ホームが目指すべき理想像を『自ら学び改善する組織』としました。」
理想的な介護が難しい背景には、本人の望み、言葉にならない意思、安全、見直しの仕組みを同時に考える必要があることが挙げられます。
理想的な介護ができないと感じやすい、よくある事例

現場では、良かれと思って進めた対応が、あとで違和感につながることがあります。急ぐほど安全や段取りを優先しやすく、本人の気持ちや反応をどう見るかで揺れやすいです。こうした迷いは珍しいものではありません。
たとえば、同じ質問が続くと説明で終わらせたくなり、着替えを嫌がると全部手を出したくなります。歩き回る場面では止める方が早く見え、話し合いでは本人抜きで決めたくなることもあります。ただ、本文で取り上げる事例では、理由を探ること、困っているところだけを支えること、本人の参加を外さないことが共通しています。ここでは、その典型的な事例を整理します。
同じ質問に説明を重ねてしまう
食事前や就寝前など、少し落ち着かない時間帯に同じ質問が続くことがあります。何度も答えているうちに、つい強く返したくなりますが、そこで関係がこじれやすいです。こうした場面では、伝わらないこと自体を責めずに見る視点が要ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 同じ質問が短い間隔で繰り返される場面です。 |
| 困りごと | 説明をしても伝わらず、職員側に負担感がたまりやすいことです。 |
| よくある誤解 | わざと聞いていると受け取ることです。 |
| 押さえるべき視点 | 本人に悪気はなく、まずその前提で関わることです。 |
出典元の要点(要約)
(株式会社穴吹カレッジサービス)認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「説明をいくらしても、本人には伝わらない。」「なぜならば、本人に悪気はないし、わざとしているわけではないからです。」「どうして何回も尋ねてくるの?」「わざとやってるでしょう?」
着替えを嫌がる場面で全部介助したくなる
更衣の時間に衣類を差し出しても手が止まり、そのまま拒否につながることがあります。次の介助が詰まっていると、全部こちらで進めた方が早いと感じやすいです。ただ、その対応がいつも合うとは限りません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 同じ服を着続け、着替えを差し出しても嫌がる場面です。 |
| 困りごと | 介助を進めたいのに本人の動きが止まることです。 |
| よくある誤解 | 最初から全部職員がした方がよいと考えることです。 |
| 押さえるべき視点 | 出来なくて困っているときだけ手伝うことです。 |
出典元の要点(要約)
(株式会社穴吹カレッジサービス)認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「同じ服を着続けています。着替えを差し出しても嫌がって困ります」「出来なくて困っているときだけ手伝う」
歩き回ると危ないと思って止めたくなる
フロア内を落ち着かずに歩く姿を見ると、転倒が気になって声を強めたくなることがあります。止める方が安全に見えても、その場しのぎで終わると迷いが残りやすいです。こうした場面では、行動だけでなく理由を見る必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 認知症の方が落ち着かない行動をとり、一人歩きが続く場面です。 |
| 困りごと | 介護職員の視点では歩くと危ないと考えやすいことです。 |
| よくある誤解 | まず行動を止めることが適切だと考えることです。 |
| 押さえるべき視点 | 理由を探り、代替策を洗い出して検討することです。 |
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
「認知症の方が落ち着かない行動をとることには必ず理由があるため、普段接している介護職員や看護職員がその理由を探り、その理由となっていることに対応している」「多職種によるアセスメントや外部の専門家等(医師、保健師、看護職員、理学療法士、作業療法士等)との連携により、代替策を徹底的に洗い出し、検討している。」「介護職員の視点では『歩くと危ない』と考えてしまう場合があるが、リハビリテーション専門職が歩行訓練や安全に歩けるような環境評価・設定、認知機能評価、声かけの仕方のアドバイス等を行っているため、介護職員が自信を持ってケアを提供できている。」
本人がいないままケアの方針が決まりやすい
予定変更やサービス調整の話し合いでは、本人に確認する前に周囲だけで結論へ進みやすいです。話が早く進む一方で、本当にこの形でよいのか迷いが残ることがあります。こうした場面では、本人の参加を外さない視点が要ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 会議や申し送りで対応方針を話し合う場面です。 |
| 困りごと | 本人の気持ちを確かめる前に周囲の判断が先に進みやすいことです。 |
| よくある誤解 | 本人が参加しない方が話をまとめやすいという考え方です。 |
| 押さえるべき視点 | 本人の参加を原則とし、意思を複数回確認することです。 |
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「意思決定支援会議では、本人の参加が原則である。」「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り(例えば、本人が体験等を通して、意思が変わる場合がある)や、意思を複数回確認することが求められる。」
よくある事例を見ると、迷いは特別なものではありません。まずは、わざとだと決めつけない、全部を先回りしない、止める前に理由を見る、本人を外して決めない。この4点を無理なく押さえることが大切です。
なぜ介護士は理想的な介護ができないと感じやすいのか

現場では、拒否が強い時に進めるべきか止めるべきか迷い、急ぐほど無難な対応に寄りやすいです。このような状況が起きる背景には、本人の見方、意思の受け取り方、見直しの進め方が関係しています。ここでは、理想的な介護が難しくなりやすい理由を整理します。
たとえば、更衣や排泄を急ぐ場面では、本人の気持ちを確かめる前に介助を進めたくなります。返事だけでは判断しにくく、昨日うまくいった対応が今日は合わないこともあります。苦労しやすいのは、迷いがあるほど安全や段取りを優先しやすい点です。そのため、本人をどう捉えるか、意思をどう受け取るか、迷いをどう見直すかを押さえることが現実的な方向になります。
本人を「支える対象」だけで見られないからです
介助が続く時間帯ほど、対応を早く終わらせる視点に寄りやすいです。その一方で、認知症の方をただ支える対象として扱うことには違和感が残ります。ここでは、理想の土台が尊厳のある一人の人として捉えることにあると押さえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 理想的な介護は効率だけで組み立てられないからです。 |
| 建前(理想) | 本人の個性や能力を十分に発揮できるように支えることが求められます。 |
| 現実(現場) | 急ぐ場面ほど対応が作業に寄りやすいです。 |
| そのズレが生む問題 | そのズレが迷いを生みます。 |
| 押さえるべき視点 | 認知症の方を一人の人として見る前提を外さないことです。 |
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人を単に『支える対象』としてとらえるのではなく、認知症の人が一人の尊厳のある人として、その個性と能力を十分発揮し、経験や工夫を活かしながら、共に支え合って生きることができるようにすることが重要である。」
言葉だけでは意思を受け取りにくいからです
返事が短い時や拒否が強い時は、その言葉だけで判断したくなります。ただ、あとで表情や落ち着き方を見ると、受け取り方が違ったと感じることがあります。ここでは、意思表示を言葉だけに限れない理由を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 認知症の方は言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されるからです。 |
| 建前(理想) | 意思を尊重する支援が必要です。 |
| 現実(現場) | 返事だけで決めたくなる場面があります。 |
| そのズレが生む問題 | そのズレが判断のしにくさにつながります。 |
| 押さえるべき視点 | 身振り手振りや表情の変化も意思表示として受け取ることです。 |
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症患者は,言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されることから,意思決定支援者は,認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」
本人の意思が変わることを前提にする必要があるからです
昨日は受け入れられた介助が、今日は強く拒否されることがあります。一度決めた方針をそのまま続けたい一方で、本当に今も合っているのか迷いやすいです。ここでは、意思確認が一度で終わりにくい理由を押さえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 本人の意思は変化することもあるからです。 |
| 建前(理想) | 一貫した支援をしたい場面でもあります。 |
| 現実(現場) | 意思を複数回確認し、事後の振り返りも要ります。 |
| そのズレが生む問題 | そのズレが、現場での迷いを大きくしやすいです。 |
| 押さえるべき視点 | 複数回確認することを前提にすることです。 |
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り(例えば、本人が体験等を通して、意思が変わる場合がある)や、意思を複数回確認することが求められる。」
決めつけずに見る努力が求められるからです
転倒が気になる時や介助に時間がかかる時は、認知症だから、要介護だからと先に見立てたくなります。そう考える方が動きやすい一方で、あとで本人にできることを狭めていたと気づくことがあります。ここでは、決めつけが起こりやすい背景を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 理想的な介護ではできること・できる可能性に着目する必要があるからです。 |
| 建前(理想) | 本人の意思を尊重し、誰もが大切にしたい生活を続けていく努力が求められます。 |
| 現実(現場) | 早く判断したい場面ほど決めつけに寄りやすいです。 |
| そのズレが生む問題 | そのズレが理想との距離になります。 |
| 押さえるべき視点 | 認知症や要介護状態だけで見切らないことです。 |
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
「認知症だからこうした方が良いはず、要介護状態だからこれはできないだろう等と勝手に決めつけず、できること・できる可能性があることに着目し、本人の意思を尊重し、誰もが大切にしたい生活を続けていくための努力が求められる。」
理想は一人ではなく組織で続けるものだからです
気をつけた対応が次の勤務で共有されず、元に戻ると苦しくなります。一人で頑張るほど、同じ迷いを繰り返しているように感じやすいです。ここでは、理想的な介護が個人の熱意だけで続きにくい理由を見ます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | よりよいサービスを継続するには自ら学び改善する組織が理想像とされているからです。 |
| 建前(理想) | 良いケアを続けて提供したいです。 |
| 現実(現場) | 気づきがその場で止まりやすいです。 |
| そのズレが生む問題 | そのズレが見直しの弱さにつながります。 |
| 押さえるべき視点 | 迷いを個人で終わらせず、学びと改善につなげることです。 |
出典元の要点(要約)
(株式会社三菱総合研究所)特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
「本ガイドラインでは、よりよいサービスを継続的に提供するために、特別養護老人ホームが目指すべき理想像を『自ら学び改善する組織』としました。」
理想的な介護が難しい背景には、本人の見方、意思の受け取り方、決めつけやすさ、見直しの進め方があります。まずは一人で抱えず、本人をどう見るかから戻すことが大切です。
理想的な介護について現場で迷いやすい質問
現場では、理念よりも、その場でどう判断するかに迷いやすいです。説明しても伝わらない時や、危ない行動が続く時ほど、「これでよいのか」と揺れやすくなります。
- Q理想的な介護とは、何を大事にする介護ですか?
- A理想的な介護は、本人の望む生活や気持ちを理解することを出発点にする介護です。介助を急ぐ場面では順番や段取りを優先したくなりますが、まず本人をどう見るかが土台になります。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)
身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
「実際に『本人の自立したその人らしい生活を支えるケア』を確立していくうえでは、本人の望む生活や気持ちを理解することが第一歩となる。」
- Q危ない行動がある時は、まず止めた方がよいですか?
- Aまず止めることだけに寄らず、代替策を洗い出して検討する視点が要ります。歩き回る姿を見ると止める方が早く見えますが、行動には理由がある前提で考えることが大切です。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)
身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
「認知症の方が落ち着かない行動をとることには必ず理由があるため、普段接している介護職員や看護職員がその理由を探り、その理由となっていることに対応している」
- Q本人がうまく話せない時は、何を手がかりに見ればよいですか?
- A言葉だけでなく、身振り手振りや表情の変化も意思表示として見ます。返事が短い時は言葉だけで決めたくなりますが、ほかの反応も含めて受け取る必要があります。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症患者は,言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されることから,意思決定支援者は,認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」
- Q一度決めたケア方針は、変えない方がよいですか?
- A本人の意思は変わることがあるため、複数回確認することが求められます。昨日うまくいった対応でも今日は合わないことがあり、そのたびに見直す視点が必要です。
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り(例えば、本人が体験等を通して、意思が変わる場合がある)や、意思を複数回確認することが求められる。」
- Q理想的な介護ができないのは、自分の努力が足りないからですか?
- A個人の頑張りだけで続けるのではなく、自ら学び改善する組織で近づける視点があります。気づきが共有されないと、同じ迷いを繰り返しやすくなります。
出典元の要点(要約)
(株式会社三菱総合研究所)
特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/roujinhoken/jql43u00000001m5-att/h24_05c.pdf
「本ガイドラインでは、よりよいサービスを継続的に提供するために、特別養護老人ホームが目指すべき理想像を『自ら学び改善する組織』としました。」
FAQで押さえたいのは、本人の気持ちを土台にし、止める前に理由を見ることです。言葉以外の反応も受け取り、一度決めた対応も見直せるようにすると、迷いを整理しやすくなります。
理想的な介護に近づくために、まずは一つだけ意識したいこと
現場では、更衣や排泄を急ぐ場面ほど、全部こちらで進めた方が早いと感じやすいです。建前では分かっていても、目の前の業務が詰まると迷いが強くなります。
だからこそ、明日からの最初の一歩は、出来なくて困っているときだけ手伝うことを一場面だけ意識することです。全部を変えようとせず、まずは一つの介助場面でこの視点に戻る方が、無理なく続けやすいです。
手を出さないと進まないのではないか、と不安になることもあります。それでも、本人を決めつけず、できることに着目する姿勢が、理想的な介護に近づく入り口になります。
出典元の要点(要約)
(株式会社穴吹カレッジサービス)認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「出来なくて困っているときだけ手伝う」
出典元の要点(要約)
(厚生労働省)身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
「認知症だからこうした方が良いはず、要介護状態だからこれはできないだろう等と勝手に決めつけず、できること・できる可能性があることに着目し、本人の意思を尊重し、誰もが大切にしたい生活を続けていくための努力が求められる。」
最後までご覧いただきありがとうございます。
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更新履歴
- 2026年3月24日:新規投稿
- 2026年4月15日:最新情報に基づき加筆・修正
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