入浴介助中に、手袋を外したいのにPHSが鳴る、ドアを開ける必要がある、次の利用者を待たせられない。こうした場面では、手袋交換の必要性を分かっていても、ケアを止める判断を一人で抱えやすくなります。
直接次の利用者に触れていなければ問題がないように見えても、手袋や周囲の物を介する経路は見えにくいものです。この記事では、入浴介助の動線に当てはめながら、どこで手袋を外し、どこで手指衛生へ切り替えるかを整理します。
- 手袋やPHSを介した感染経路だけでなく、タオル・バスマットの共有、入浴用具の消毒、入浴順序、浴室清掃まで整理したい場合は、その共有が危ない!介護施設の入浴介助における感染対策と消毒マニュアルで、入浴介助全体の考え方を確認できます。
この記事を読むと分かること
- 間接接触感染の仕組み
- 手袋を外す境目
- 共用品の扱い方
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
直接触れていなくても感染経路はつながる|入浴介助で最初に断つ場所

入浴介助では、利用者を支えながら次の作業や呼び出しにも対応しなければならず、「ここで手袋を外すとケアが止まる」と感じることがあります。手袋を着けた自分だけが気を付けても回らない状況なら、まずは感染経路がどこでつながるかを見える形にすることが出発点です。
陰部洗浄や更衣の途中にPHSが鳴ると、手袋を外す間に利用者を待たせる不安が生じます。けれど、急ぐ場面ほど、使用後の手袋のまま次の場所や次のケアへ移らない境目を決めておく必要があります。完璧に一人で抱えず、入浴開始前にPHS・ドア対応を誰が担うかを一つ確認することが現実的です。
汚染された物を介する「間接接触感染」を知る
感染している利用者に直接触れなければ安心、と考えたくなる場面があります。しかし、接触感染には、汚染された物を介する間接接触感染も含まれます。ドアノブや手すり、器具などに触れた後、次の接触へ移る流れを止めることが大切です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
接触感染の多くは、汚れた手で眼、鼻、口、傷口等を触ることで病原体が体内に侵入して感染が成立する。感染しているヒトに直接触れること(握手等)で伝播がおこる直接接触感染と、汚染された物(ドアノブ、手すり、食器、器具等)を介して伝播がおこる間接接触感染がある。主な病原体は、ノロウイルス、疥癬、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、新型コロナウイルス等である。
手袋は周囲を触ってよい合図ではない
手袋は、体液や排泄物などに触れる可能性があるケアで使う防護具です。一方で、使用後の手袋のまま別のケアや施設内の各所に触れることは避けるよう示されています。手袋を着けているから清潔ではなく、使った後は切り替えるものとして考えます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
血液等の体液や嘔吐物、排泄物等に触れる可能性がある場合に、手袋を着用してケアを行うことは、利用者や職員の安全を守るために必要不可欠なことです。汚染した手袋を着用したままで他のケアを続けることや別の利用者へケアをすること、ケアの際に着用した手袋をすぐに外さずに施設内のいろいろな場所に触ったり、次のケアを行うときに使用した手袋を再利用することはしてはいけません。
途中で呼ばれたら、次のケアへ移る前に切り替える
清掃中に呼び出しが入り、すぐ利用者のそばへ行かなければならないように感じる場面はあります。資料では、手袋の表面も汚染され得るため、呼び出し後に利用者ケアへ移る前に手袋を外し、手指衛生を行うことが示されています。PHSやドアの対応が重なる現場では、その切替を一人で抱えない役割を前もって確認します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
テーブル等の清掃をしている時に、利用者からの呼び出しがあり、トイレの付き添いを行う場面等があります。手袋を着けているため「清潔」だと思ってしまいますが、手指が汚染されないよう装着していた手袋の表面は、汚れたテーブルや手摺り等を触っており、汚染されています。このような場合でも、必ず手袋を外し、手指衛生を行ってから、利用者のケアに移ることが大切です。
- 入浴介助だけでなく、排泄介助後にPHSや記録用PCへ触れ、そのまま食事介助へ移りそうになる場面では、排泄介助後の手指衛生が続かない原因|介護現場で崩れにくい感染対策で、手袋を外す位置や共有物へ触れる前の区切り方を確認できます。
入浴介助で迷ったら、直接触れたかだけで判断せず、使用後の手袋が周辺や次のケアへ移る前に外せるかを確認します。呼び出し対応が重なるなら、入浴開始前に担当を一つ決めることから始めます。
入浴介助で間接接触が起きやすい3つの場面

現場では、手順を知らないからではなく、手順どおりに動くための時間や人手が足りずに迷うことがあります。目の前の利用者を支えながら、次の入浴、呼び出し、物品の補充まで重なると、どこで切り替えるべきかが曖昧になりやすいものです。
陰部洗浄後にPHSが鳴り、脱衣室からも声がかかると、どちらにもすぐ応じなければならない気持ちになります。こうした場面を「注意不足」で片づけず、使用後の手袋でどこに触れないかを先に決めることが必要です。
手袋のままPHSやドアへ手を伸ばす
利用者を支えている途中では、PHSやドアを放置しにくく、手袋を外す数十秒さえ惜しく感じることがあります。よくある誤解は、手袋を着けていれば周囲に触れても問題がない、という考えです。手袋の表面も汚染され得るため、次の利用者ケアへ移る前に外して手指衛生へ切り替えることを押さえます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
テーブル等の清掃をしている時に、利用者からの呼び出しがあり、トイレの付き添いを行う場面等があります。手袋を着けているため「清潔」だと思ってしまいますが、手指が汚染されないよう装着していた手袋の表面は、汚れたテーブルや手摺り等を触っており、汚染されています。このような場合でも、必ず手袋を外し、手指衛生を行ってから、利用者のケアに移ることが大切です。
清潔物と使用済み物の置き場が混ざる
タオルや物品を取りに行く時、使用後の手袋のまま一度だけならと動きたくなることがあります。しかし、使用後の手袋で周辺に触れないこと、使い捨てまたは利用者ごとの物品を使うことが示されています。入浴開始前に、清潔物を置く場所と使用後の物を置く場所を分けて確認しておくと、急いだ時の判断を減らせます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。共用タオルは使用せず、ペーパータオルの使用が望ましい。接触が多い共用設備(手すり、ドアノブ、パソコンのキーボード等)の消毒を行う。ディスポーザブル(使い捨て)の物品、または利用者ごとの物品を使用する。
共用設備や利用者ごとの物品が曖昧になる
入浴が続くと、誰がどの物を使ったかを追いにくくなり、物品をそのまま次の場面へ回したくなることがあります。資料では、接触の多い共用設備の消毒と、使い捨てまたは利用者ごとの物品の使用が示されています。すべてをその場で解決しようとせず、足りない物や置き場が曖昧になる時刻を具体的に伝えることが、現場の負担を見える化する一歩になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。共用タオルは使用せず、ペーパータオルの使用が望ましい。接触が多い共用設備(手すり、ドアノブ、パソコンのキーボード等)の消毒を行う。ディスポーザブル(使い捨て)の物品、または利用者ごとの物品を使用する。
- 手袋交換だけでなく、清潔な布と使用済みの布の置き場、回収先、必要数が曖昧になっている場合は、入浴介助でバスマットを使い回していませんか?介護施設でタオル共有が危ない理由で、布製品を次の利用者へ回さない運用を確認できます。
忙しい場面で手袋交換が崩れる背景には、呼び出し、物品、置き場が同時に重なることがあります。まずは使用後の手袋で触れない物と、手袋を外す場所を一つ決め、足りない条件は具体的に伝えます。
なぜ直接触れていないのに感染する?間接接触感染の仕組み
手袋をしてケアしたのに、直接次の利用者に触れていないのに、なぜ気を付ける必要があるのかと迷うことがあります。この迷いの背景には、手から物へ、物から次の接触へ続く経路が見えにくいことがあります。
入浴介助では、ケアそのものだけでなく、ドア、手すり、物品、呼び出し対応へと動きが広がります。どの場面で経路がつながり得るかを知り、次のケア前に切り替える理由を整理します。
物に触れた手が、次の接触につながる
直接利用者へ触れた時だけが接触感染ではありません。資料では、汚染されたドアノブ、手すり、食器、器具などを介する伝播を間接接触感染として示しています。入浴介助中のPHSやドア対応でも、直接触れたかだけでなく、使用後の手袋や手が周辺へ移る前に止められるかを考える必要があります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
接触感染の多くは、汚れた手で眼、鼻、口、傷口等を触ることで病原体が体内に侵入して感染が成立する。感染しているヒトに直接触れること(握手等)で伝播がおこる直接接触感染と、汚染された物(ドアノブ、手すり、食器、器具等)を介して伝播がおこる間接接触感染がある。主な病原体は、ノロウイルス、疥癬、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、新型コロナウイルス等である。
手袋の表面もケア後は汚染され得る
手袋は手指を守るために着けるので、表面まで清潔だと感じやすいものです。資料では、汚染した手袋のまま別の利用者へのケアを続けたり、施設内の各所へ触れたりしないことが示されています。手袋を外す手間を惜しみたくなる時ほど、手袋を着けていることと周囲が清潔であることを分けて考えます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
血液等の体液や嘔吐物、排泄物等に触れる可能性がある場合に、手袋を着用してケアを行うことは、利用者や職員の安全を守るために必要不可欠なことです。汚染した手袋を着用したままで他のケアを続けることや別の利用者へケアをすること、ケアの際に着用した手袋をすぐに外さずに施設内のいろいろな場所に触ったり、次のケアを行うときに使用した手袋を再利用することはしてはいけません。
手指衛生と共用品の扱いで経路を断つ
ケアの後にどこへ触れるかが曖昧なままでは、手袋を外す判断が遅れやすくなります。資料では、使用後の手袋を速やかに捨てて手指衛生を行うこと、共用タオルを使わないこと、利用者ごとの物品または使い捨て物品を使うことが示されています。理想だけを並べず、入浴前に置き場と担当を確認して、切替を実行できる状態に近づけます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。共用タオルは使用せず、ペーパータオルの使用が望ましい。接触が多い共用設備(手すり、ドアノブ、パソコンのキーボード等)の消毒を行う。ディスポーザブル(使い捨て)の物品、または利用者ごとの物品を使用する。
- 汚染が疑われる手袋でPHS、ドア、手すり、共用品へ触れた可能性がある場合に、どこを優先して清掃・消毒するか迷う場合は、介護施設の清掃・消毒マニュアル|高頻度接触面・ノロ対応・NG行動を整理で、高頻度接触面と現場で起こりやすい対応の崩れを確認できます。
- 手袋を外す場所や、PHS・共用品に触れる前の切り替えを、職員が確認しやすい手順に整理したい場合は、介護向け動画マニュアル管理【Carebase】
のような仕組みを情報収集として見ておくのも一つの方法です。
間接接触感染は、直接触れたかだけでは見えません。使用後の手袋で周辺へ触れず、外した後に手指衛生へ移ることを、入浴の動線の中で実行できるか確認します。
入浴介助中の間接接触感染|よくある質問
現場では、手袋を着けているのにどこまで気を付けるべきか、共用品をどう扱えばよいかで迷うことがあります。ここでは、採用資料で確認できる範囲に絞って整理します。
- Q手袋をしていれば、PHSやドアノブに触れてもよいですか?
- A
使用後の手袋で周辺に触れないよう注意することが示されています。PHSが鳴るなど急ぐ場面でも、次の利用者ケアへ移る前には、使用後の手袋のまま周囲や次のケアへ進まない切替を考えます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。共用タオルは使用せず、ペーパータオルの使用が望ましい。接触が多い共用設備(手すり、ドアノブ、パソコンのキーボード等)の消毒を行う。ディスポーザブル(使い捨て)の物品、または利用者ごとの物品を使用する。
- Q手袋を外した後も手指衛生は必要ですか?
- A
必要です。資料では、手袋を外したときは原則として液体石けんと流水による手洗いを行うこと、利用者ケアへ移る前に手袋を外して手指衛生を行うことが示されています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
テーブル等の清掃をしている時に、利用者からの呼び出しがあり、トイレの付き添いを行う場面等があります。手袋を着けているため「清潔」だと思ってしまいますが、手指が汚染されないよう装着していた手袋の表面は、汚れたテーブルや手摺り等を触っており、汚染されています。このような場合でも、必ず手袋を外し、手指衛生を行ってから、利用者のケアに移ることが大切です。
- Q共用タオルを使わない理由は何ですか?
- A
資料では、共用タオルを使用せず、ペーパータオルの使用が望ましいと示されています。手洗い場などで何人もが触れる物をどう扱うかは、見た目の汚れだけで判断せず、共用を避ける考え方から確認します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。共用タオルは使用せず、ペーパータオルの使用が望ましい。接触が多い共用設備(手すり、ドアノブ、パソコンのキーボード等)の消毒を行う。ディスポーザブル(使い捨て)の物品、または利用者ごとの物品を使用する。
- Q利用者ごとの物品にできないときは、何を確認しますか?
- A
資料では、使い捨ての物品または利用者ごとの物品を使用することが示されています。現場で不足する場合は、自己判断で抱え込まず、足りなくなる物と時刻、清潔物と使用済み物の置き場を具体的にして、入浴前の確認事項にします。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護現場における感染対策の手引き 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf
こまめに手指衛生(手洗いや手指消毒)を心掛ける。ケア時は、手袋を着用する。使用後の手袋は速やかに捨て、汚れた手袋で周辺を触ることがないよう注意する。手袋を脱いだ後は手指衛生を行う。共用タオルは使用せず、ペーパータオルの使用が望ましい。接触が多い共用設備(手すり、ドアノブ、パソコンのキーボード等)の消毒を行う。ディスポーザブル(使い捨て)の物品、または利用者ごとの物品を使用する。
- 手洗いや手袋交換の重要性を伝えるだけでなく、PHSが鳴った場面や共用品へ触れる前の動きを研修で再現したい場合は、介護施設の感染症研修テーマ例|手洗い・排泄介助・食事介助を現場に落とす方法で、研修を実際の動線へ落とし込む考え方を確認できます。
迷った時は、手袋を着けているかだけでなく、使用後の手袋が周辺や次のケアへ移る前に外せるかを確認します。物品が足りない場面は、具体的な時刻と物を残して伝えることが必要です。
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入浴介助の前に、手袋を外す場所を一つ決める
現場では、利用者を待たせられない焦りと、手袋を外すべきだという理解がぶつかります。だからこそ、直接触れたかだけでなく、使用後の手袋で周辺へ触れないこと、外した後に手指衛生へ移ることを、動線の中で確認する必要があります。
明日の入浴前に、PHS・ドア対応を誰が担うか、そして使用後の手袋を外す場所を一つだけ確認してみてください。人員や物品が足りずに実行できない場面は、個人の努力だけで抱えず、困る時刻と物を具体的に伝えることが大切です。
- PHS対応や物品補充まで同じ職員に偏り、手順を守る時間や人員について相談しても改善されない状態が続く場合は、働く環境を比較するための情報収集として、レバウェル介護 正社員紹介
を確認しておく方法もあります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
更新履歴
- 2026年7月10日:新規投稿








