【介護】タイムカードを切ってからが介護記録タイム? その「善意」があなたを壊す前に知ってほしいこと

タイムカードを切った後の記録作成が、日課になっていませんか。「利用者のため」という言葉で、あなたの善意が当たり前の労働として消費されていく葛藤。

すべてを変えるのは難しくても、まずは自分の時間を守る知識を持ち、この環境が「当たり前ではない」と気づくことから始めてみませんか。

この記事を読むと分かること

  • 隠れ残業が招く離職リスク
  • 我慢不足ではなく管理の問題
  • 離職意向と残業の相関関係
  • 自分を守る働き方の判断軸
  • 良い職場を見極める視点

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 定時後に記録を書いている
  • 先輩が残ると帰りづらい
  • 休憩時間が削られている
  • 家でも仕事が頭を離れない
  • 善意で残業を断れない

結論:「たかが数分」の我慢が、あなたと現場を壊すサインになる

現場では、「定時で帰るなんて無責任だ」という無言の圧力を感じることがあります。「記録が終わらないのは自分の要領が悪いから」「利用者の急変対応は奉仕の心でやるもの」と、自分を納得させていませんか。

しかし、その「15分のサービス残業」の積み重ねは、確実にあなたの心を蝕んでいます。建前では「働き方改革」と言われていても、実際の人員配置では自己犠牲なしに回らない――そんな現場の矛盾を、個人の我慢だけで埋め合わせる必要はありません。ここでは、データが示す「残酷な現実」を直視し、自分を守るための視点を整理します。

不払い残業は「離職」に直結する危険信号

「少しの残業くらい我慢すべき」という思い込みは捨ててください。データは、不払い残業(サービス残業)が現場の崩壊を招く明確な要因であることを示しています。

実際、不払い残業が「ある・多い」と回答した層において、約3割(28.2%)が「今の職場を辞めて別の法人へ転職したい」と考えています。これは、単なる時間の問題ではなく、「労働時間を守らない組織」に対する不信感が、職員の心を離れさせている証拠と言えます。

出典元の要点(要約)

公益財団法人 介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/

不払い残業が「ある・多い」と回答した層において、「今の職場を辞めて別の法人へ転職したい」と考えている割合は28.2%となっている。

あなたの残業は「人手不足」の構造的な結果

仕事が終わらないのは、あなたの能力不足ではありません。介護現場の6割以上(65.2%)が「人手が不足している」と感じている現状こそが、根本的な原因です。

特に訪問介護員では8割以上が不足感を持っており、一人ひとりにのしかかる業務量は限界を超えています。組織が適切な人員を確保できていない「ツケ」を、現場の職員がサービス残業という形で払わされているのが実態なのです。

出典元の要点(要約)

公益財団法人 介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/

従業員の過不足状況について、「不足感(「大いに不足」「不足」「やや不足」の計)」を感じている事業所は65.2%となっている。

「効率優先」の運営が現場を疲弊させる

「もっと効率よく動いて」と上から言われるたび、現場は疲弊していきます。利用者のために時間をかけたいのに、施設側が「経営の効率性」ばかりを求めると、職員のモチベーションは維持できません。

運営方針への不満で辞めた人の35.9%が、「経営の効率性を過度に重視していた」ことを理由に挙げています。現場の想いと運営方針のミスマッチは、サービス残業を生むだけでなく、最終的に離職を招く大きな要因となります。

出典元の要点(要約)

公益財団法人 介護労働安定センター

令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

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「職場の運営方針に不満があった」ために前職を辞めた理由として、「経営の効率性を過度に重視していた」を挙げた割合は35.9%となっている。

「みんなやっているから」という同調圧力に負けてはいけません。不払い残業が常態化している職場は、組織として「危険な状態」にあります。すぐに辞めることができなくても、「この環境は異常だ」と自覚を持つことが、あなた自身を守る第一歩になります。


「私だけ?」現場でよくある“サービス残業”の3つのパターン

女性の介護職員の画像

現場では、「定時に帰るのはやる気がない証拠」といった無言の圧力を感じることがあります。「記録が終わらないのは自分の手際が悪いから」「先輩が残っているのに自分だけ帰れない」と、罪悪感を抱えていませんか。

しかし、タイムカードを切った後に仕事をするのは、決して「美徳」ではありません。ここでは、多くの介護士が陥りやすい、善意が搾取されてしまう典型的なケースを見ていきます。

1. タイムカードを切ってからが「記録の時間」

日中は食事介助や入浴介助に追われ、パソコンに向かう時間が全く取れない。その結果、「退勤打刻をしてから記録を書く」というルールが、暗黙の了解になっている職場があります。

「これくらいは仕方ない」と飲み込んでしまいがちですが、この不払い残業(サービス残業)は、確実に働く意欲を削いでいきます。データによると、不払い残業が「ある・多い」と感じている人の約3割(28.2%)が、「別の法人へ転職したい」と考えており、離職に直結する深刻な要因となっています。

出典元の要点(要約)

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

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不払い残業が「ある・多い」と回答した層において、「今の職場を辞めて別の法人へ転職したい」と考えている割合は28.2%となっている。

2. 「効率化」を求められ、ケアの質と板挟みになる

「もっと効率よく動いて」「無駄をなくして」と上司から言われるものの、現場の人員配置ではどうにもならないことがあります。利用者の話を聞いてあげたいのに、時間短縮を優先せざるを得ない状況は、介護士にとって大きなストレスです。

実際、運営方針への不満で辞めた人の理由を見ると、35.9%が「経営の効率性を過度に重視していた」ことを挙げています。現場の「想い」を無視した効率化の強要は、多くの介護士が職場を見限る決定打となっているのです。

出典元の要点(要約)

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

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「職場の運営方針に不満があった」ために前職を辞めた理由として、「経営の効率性を過度に重視していた」を挙げた割合は35.9%となっている。

3. 人手不足で「私が残るしかない」という自己犠牲

「急な欠勤が出たけど代わりがいない」「ナースコールが鳴り止まない」。そんな時、責任感の強い人ほど「私が残ればなんとかなる」と自己犠牲でカバーしてしまいます。

しかし、これは個人の頑張りで解決できる問題ではありません。事業所の65.2%が従業員の「不足感」を感じているというデータがあり、特に訪問介護員では8割を超えています。あなたが残業せざるを得ないのは、組織としての人員体制が整っていないことが根本的な原因なのです。

出典元の要点(要約)

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従業員の過不足状況について、「不足感(「大いに不足」「不足」「やや不足」の計)」を感じている事業所は65.2%となっている。

「みんなやっているから」と感覚が麻痺してしまいがちですが、不払い残業や過度な効率化の強要は、データ上でも明確な「離職リスク」です。あなたの現場でこれらの事例が常態化しているなら、それはあなたの能力不足ではなく、職場の仕組みそのものに問題がある可能性が高いと言えます。


なぜ「名もなき残業」があなたを追い詰めるのか

女性の介護職員の画像

現場では、「利用者様のために」という使命感だけで、日々の理不尽な業務量を乗り切っている側面があります。「記録作成くらいで残業申請していいのか」「自分が早く帰ったら夜勤者に迷惑がかかる」といった配慮から、タイムカードを切った後に仕事を続けてしまう。しかし、その「ほんの少しの自己犠牲」が積み重なり、気づかないうちに心身の限界を超えてしまうのです。ここでは、データから見えてくる「隠れ残業」が離職につながる構造的な背景を解説します。

「タダ働き」への不信感が離職の引き金になる

「15分くらいなら」と思っていても、それが毎日続けば膨大な時間になります。そして、その対価が支払われないことへの不信感は、確実に職場への信頼を損ないます。

データによると、不払い残業(サービス残業)が「ある・多い」と回答した人の28.2%が、「今の職場を辞めて別の法人へ転職したい」と考えています。これは、労働時間をあいまいに管理する職場の体質そのものが、職員に「大切にされていない」と感じさせ、離職を決意させる大きな要因になっていることを示しています。

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不払い残業が「ある・多い」と回答した層において、「今の職場を辞めて別の法人へ転職したい」と考えている割合は28.2%となっている。

終わらない業務の原因は「慢性的な人手不足」

あなたが残業せざるを得ないのは、要領が悪いからではありません。現場の業務量に対して、物理的に人手が足りていないことが根本的な原因です。

調査では、事業所の65.2%が従業員の「不足感」を感じていると回答しています。これほど多くの職場で人が足りていない以上、一人ひとりの業務負担が増え、定時内に仕事が終わらないのは構造的な問題です。個人の努力でカバーできる範囲を超えているのが現状です。

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従業員の過不足状況について、「不足感(「大いに不足」「不足」「やや不足」の計)」を感じている事業所は65.2%となっている。

「効率優先」の方針が招くやりがいの喪失

「もっと手際よく」「無駄な動きを減らして」と求められる一方で、利用者一人ひとりに寄り添いたいという想いとの間で板挟みになり、心が折れてしまうことがあります。

実際に、運営方針への不満を理由に退職した人の35.9%が、「経営の効率性を過度に重視していた」ことを挙げています。現場の「ケアの質」を守りたいという倫理観と、施設の「効率化」を求める方針とのミスマッチは、サービス残業を生むだけでなく、最終的に職員が職場を去る決定打となります。

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「職場の運営方針に不満があった」ために前職を辞めた理由として、「経営の効率性を過度に重視していた」を挙げた割合は35.9%となっている。

サービス残業が常態化している背景には、個人の問題ではなく、人手不足や効率重視の運営といった「職場の構造」が深く関わっています。この構造が変わらない限り、あなたの負担が減ることはありません。だからこそ、無理に耐え続けるのではなく、環境を見直す視点が必要なのです。


迷いや不安を感じているあなたへ:データで見る「判断のよりどころ」

現場の空気や慣習の中にいると、「自分が間違っているのではないか」「我慢が足りないのではないか」と不安になることがあります。ここでは、現場でよくある悩みや迷いについて、客観的な調査データをもとに回答します。

Q
1日15分程度の残業で不満を感じるのは、私が細かいからでしょうか?
A

いいえ、決して細かいことではありません。

「不払い残業」は、多くの介護職員にとって離職を考えるほどの深刻な問題です。実際に、不払い残業が「ある・多い」職場では、約3割(28.2%)の方が「今の職場を辞めて別の法人へ転職したい」と考えています。わずかな時間であっても、対価が支払われない労働は大きなストレス要因となり、離職を考える正当な理由になります。

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

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不払い残業が「ある・多い」と回答した層において、「今の職場を辞めて別の法人へ転職したい」と考えている割合は28.2%となっている。

Q
仕事が時間内に終わらないのは、私の能力不足のせいでしょうか?
A

ご自身を責める必要はありません。

介護事業所の6割以上(65.2%)が「人手不足」を感じているというデータがあります。多くの現場で、適正な業務量に対して人員が足りていない状態です。仕事が終わらないのは、個人のスキル不足ではなく、構造的な人員配置の問題である可能性が高いといえます。

出典元の要点(要約)

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/

従業員の過不足状況について、「不足感(「大いに不足」「不足」「やや不足」の計)」を感じている事業所は65.2%となっている。

Q
会社の方針に納得できませんが、「利用者のため」と言われると反論できません。
A

運営方針への違和感は、無視すべきではありません。

実際に「職場の運営方針」に不満を持って退職した方の理由として、「経営の効率性を過度に重視していた」という回答が35.9%に上ります。「利用者のため」という言葉と、実際の効率優先の運営にギャップを感じて辞めることは、決して珍しいことではありません。

出典元の要点(要約)

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令和6年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書

https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/

「職場の運営方針に不満があった」ために前職を辞めた理由として、「経営の効率性を過度に重視していた」を挙げた割合は35.9%となっている。

ひとりで抱え込まず、データを見て「同じように感じている人がいる」と知るだけでも、心は軽くなります。あなたの違和感は、決して間違ったものではありません。現状を客観的に捉え直すための材料として、これらのデータを参考にしてください。


あなたの時間を守ることは、自分自身を守ること

「利用者のために」というあなたの優しさが、職場の人手不足や効率優先の運営によって搾取され続けることは、決してあってはならないことです。ここまで見てきたデータが示す通り、不払い残業が常態化している環境は、働く人の心を疲弊させ、離職へと追い込む大きなリスクを孕んでいます。

明日からすぐに環境を変えることは難しいかもしれません。ですが、まずは「自分が毎日何分、サービス残業をしているか」を手帳やメモに残すことから始めてみてください。自分の時間がどれだけ削られているかを可視化するだけでも、現状を冷静に見つめ直し、「この働き方は当たり前ではない」と気づくきっかけになります。

どうしても辛くなったときは、環境を変える選択肢があることを忘れないでください。自分自身の生活と時間を大切にできる場所を選ぶことは、プロの介護士として長く働き続けるための、賢明で勇気ある決断です。

最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。



更新履歴

  • 2026年1月11日:新規投稿

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