介護DXとは?紙をなくすことが目的ではない|現場で本当に目指す業務改善を解説

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紙の削減ではなく業務改善を目指す介護DXを表したイラスト

「紙をなくしたのに、なぜ仕事が増えているのか」

本部ではタブレット導入を進捗として報告できても、現場では介助後に紙へ書き、同じ内容をもう一度入力していることがあります。過去の記録を探すために画面を何度も切り替え、端末が止まれば紙へ戻る。そんな経験のあとで次の機器を提案されれば、職員が「また仕事が増える」と身構えるのも無理はありません。

紙を残す理由を聞かずに廃止期限だけを決めると、一覧性や不具合時の備えまで失うおそれがあります。大切なのは紙を何枚なくしたかではなく、何の仕事がなくなったかです。まず一つの業務について、介助後から情報を使うところまでを並べ、二重入力・検索・集計のどこに負担が残るか確認します。

全部の施設、全部の業務を一度に調べる必要はありません。最初は一施設・一業務に絞り、導入前後の手順と職員の困りごとを見る。それが、現場の不信感を「抵抗」と片づけず、介護DXを業務改善へ戻す入口になります。

この記事を読むと分かること

  • 介護DXの目的
  • 電子化との違い
  • 二重作業の見方
  • 本部の評価軸
  • 改善の第一歩

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 紙と電子が併存
  • 過去記録を探しにくい
  • 不具合時は紙へ戻る
  • 導入効果を測れない
  • 新機器に反発が出る

介護DXとは?紙をなくすことではなく、仕事の流れを変えること

紙中心の業務からタブレットを活用した業務改善へ移行する介護現場のイラスト

現場では、紙を廃止したはずなのに、紙へのメモと電子記録への入力が両方残ることがあります。本部が「導入は完了した」と考える一方、職員は「一回だった仕事が二回になった」と感じます。この記事を読むと、介護DXの目的と、本部が導入後に確認すべき視点が分かります。

ある施設では、紙へ一度書けば終わっていた記録が、タブレット導入後は紙と電子の二重作業になりました。過去記録を探すにも画面を何度も切り替え、一覧で見たい情報は紙を残さなければなりませんでした。こうした場面で迷うのは、紙を残すか捨てるかではなく、どの工程をなくせるかです。本部担当者が導入後に手順を確認し、負担が減らない業務は次の展開前に見直す必要があります。

介護DXの目的は、介護の価値を高めることです

介護職員と利用者の関わりを中心に、ケアの質やチーム連携の向上を表したイラスト

新しい機器が入ると、現場は操作を覚え、不具合にも対応します。それでも仕事が減らなければ、「これのどこが業務改善なのか」と迷います。この項目では、介護DXの出口をどこに置くべきかを整理します。

介護サービスの生産性向上は、単に時間を短くすることではありません。業務を見直して生まれた時間を、利用者とのコミュニケーションやケアの質を考える時間へ戻すことが上位の目的です。本部は、職員の負担だけでなく、改善後の時間を何に使えたかまで確認すると、導入とケアの価値をつなげやすくなります。

生産性向上との関係を整理したい場合は
出典・根拠を確認

厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

本ガイドラインでは、「一人でも多くの利用者に質の高いケアを届ける」という介護現場の価値を重視し、介護サービスの生産性向上を「介護の価値を高めること」と定義しています。本事業における介護の仕事の価値を高める取組は、人材育成とチームケアの質の向上、そして情報共有の効率化です。この3つを生産性向上に取り組む意義とし、介護サービスの質の向上と人材定着・確保を目指します。生産性向上の目的のとらえ方は様々あり、例えば整理整頓により物を探す時間を短縮し、利用者とのコミュニケーションの充実やどう質を高めるか考える時間をもつことが挙げられます。

タブレットやAIは、目的ではなく手段です

介護職員がタブレットやAIを業務改善の手段として活用する様子を表したイラスト

本部会議で端末台数や導入日が決まっても、「どの仕事をなくすのか」が決まっていないことがあります。現場は以前の作業を残したまま新しい操作を足すべきか迷います。ここで確認したいのは、導入そのものと業務改善を分ける視点です。

デジタル技術は、入れたこと自体を成果にすると定着しにくくなります。先に解決したい業務課題を定め、その手段として使うことが重要です。生成AIに関するDX資料でも、導入の自己目的化を避け、業務への組み込みから考える必要性が示されています。介護でも、機器名より先に、減らしたい工程を決める視点が欠かせません。

生成AIを実務へ落とし込みたい場合は
  • 生成AIも導入すること自体を目的にせず、記録・申し送り・会議・委員会など、具体的な仕事のどこで使うかを決めることが重要です。
  • 実際の使い方は、介護職のための生成AIプロンプト大全で確認できます。
複数の生成AIを試したい人へ
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経済産業省

生成 AI 時代の DX 推進に必要な人材・スキルの考え方 2024

https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240628006/20240628006-b.pdf

また、生成AI利活用への意欲だけが先行し、付加価値の創出や業務改善といった価値ではなく、生成AI導入が自己目的化してしまうケースも存在している。DXと同様に目的志向型のアプローチの重要性を改めて認識する必要がある。個人タスク起点の利用も有効ではあるが、効果に限りがあり、業務へ定着しづらい。業務への組み込みを起点とし、経営KPIに影響を及ぼすための手段としての生成AI利活用を検討するのが有効である。そのため、生成AI導入を目的にするのではなく、目的志向のアプローチを徹底し、生成AIの良い部分を利活用できるよう利活用の向き不向きを考えるべきである。

成果は「導入した数」ではなく「減った仕事」で確認します

全施設への展開が終わると、プロジェクトは完了したように見えます。しかし現場に転記や検索の手間が残っていれば、次の機器を足すべきか判断できません。この項目では、導入後に何を確認するかを明らかにします。

本部が見るべきなのは、紙の削減枚数だけではありません。転記、検索、集計などの工程と、それに使う時間を導入前後で確認します。同時に、短時間なら必ず良いと決めず、現場が必要と考える手順と質も確かめます。調査自体が負担になるため、まず一施設・一業務に絞るのが現実的です。

導入効果を数字だけで判断したくない場合は
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厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

業務時間を見える化すると、業務に要する時間が短いほど優秀だと錯覚することがありますが、決してそうとは限りません。なぜなら、かける時間によって質が高まるものもあり、一概に時間を短くするだけが生産性向上につながるとは言えないからです。時間が短ければ短いほど良いものは、ルーティン化された業務や単純な事務・経理業務など誰がやっても同じ結果が得られるものです。そのため、業務時間を記録するにあたっては、業務ごとに適切とされる手順と、必要な時間を事業所の中であらかじめ定めておくことがとても重要です。事業所の中でどのような業務にどの程度の手間と時間をかけるのかを事前に話し合っておくと生産性向上に向けた適切な取組が見えてくるでしょう。

介護DXは、道具を増やすことではなく、不要な工程を減らしてケアの価値へ時間を戻すことです。次の導入前に、一業務の手順と負担を確認してください。



介護DXでよくある失敗例|現場の仕事が増える4つのパターン

紙から電子へ転記しても業務が減らず、追加作業に悩む介護職員のイラスト

現場では「効率化のため」と説明された仕組みが、始まってみると新しい手順として追加されることがあります。過去に仕事が増えた経験があれば、次の提案へ期待するより先に「また同じことになるのでは」と身構えます。

紙を電子化した施設で、記録の手間が減るどころか、紙へ書いたあとにタブレットへ同じ内容を入力する運用が生まれました。過去の記録は日付を遡って探し、端末が止まれば確認も進みません。排泄状況をフロア全体で見たい場面では一覧性のある紙が残り、結果は「紙の仕事+電子の仕事」でした。導入後に本部が確認すべきなのは、紙が残ったことではなく、なぜ残さざるを得なかったのかです。

紙に書いた内容をタブレットへ転記する

介助を終えた職員が紙へ記録し、落ち着いた時間にタブレットを開いて同じ内容を入力します。紙をやめればよいのかもしれませんが、不具合や入力待ちを経験すると記録を残せない不安もあります。紙を使う姿勢ではなく、一度の入力で後工程まで使えるかを、導入後の勤務で確認する必要があります。

状況は、紙と電子の二重記録です。困りごとは転記の手間であり、「職員が紙を手放さないから」と見ると原因を取り違えます。介護分野のガイドラインは、ICTを記録・報告様式の工夫と組み合わせ、転記作業の削減へつなげる考え方を示しています。本部担当者は運用開始後、介助から申し送りまでを職員とたどり、同じ情報を書く場所を確認します。

重複する帳票から見直したい場合は
職場環境も比較したい場合は
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厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

記録・報告様式の工夫 項目の見直しやレイアウトの工夫などにより、情報を読み解きやすくする。情報共有の工夫 ICTなどを用いて転記作業の削減や、一斉同時配信による報告申し送りの効率化、情報共有のタイムラグの解消を図る。OJTの仕組みづくり 日常業務を通じた人材育成の仕組みを作る。職員の専門性を高め、リーダーを育成するため、教育内容の統一と指導方法の標準化を図る。理念・行動指針の徹底 組織の理念や行動指針に基づいて、自律的な行動がとれる職員を育成する。

電子化したら、過去記録を探しにくくなった

紙ならページをめくりながら「この辺だった」と探せても、電子記録では利用者、記録種別、日付を順に選ぶことがあります。日付が曖昧なときは、どこまで遡るか迷います。入力の速さだけを見ず、読む・探す・見比べる場面も、現場が実際に使う時間帯で確かめることが大切です。

状況は、電子化後の検索手順が現場の使い方に合わないことです。困りごとは情報へ届くまでの操作であり、「慣れれば早くなる」と決めつけるだけでは解消を確認できません。ガイドラインは、記録・報告様式について項目やレイアウトを工夫し、情報を読み解きやすくする視点を示しています。本部は導入後、入力者だけでなく閲覧者にも、探し方と到達までの手順を確認します。

記録を探す手間まで見直したい場合は
  • DXでは入力を速くするだけでなく、必要な情報を後から探し、申し送りや次のケアへ使えるところまで含めて仕事の流れを考える必要があります。
  • 具体的な事例は、介護×DX 事例でわかる介護現場の業務改善で確認できます。
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厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

記録・報告様式の工夫 項目の見直しやレイアウトの工夫などにより、情報を読み解きやすくする。情報共有の工夫 ICTなどを用いて転記作業の削減や、一斉同時配信による報告申し送りの効率化、情報共有のタイムラグの解消を図る。OJTの仕組みづくり 日常業務を通じた人材育成の仕組みを作る。職員の専門性を高め、リーダーを育成するため、教育内容の統一と指導方法の標準化を図る。理念・行動指針の徹底 組織の理念や行動指針に基づいて、自律的な行動がとれる職員を育成する。

紙の一覧性を代替できず、帳票が残る

排泄介助では、誰の対応が終わっているかをフロア全体で一目で見たい場面があります。電子画面で利用者を一人ずつ開くしかなければ、紙を残すか迷います。このとき「紙は古い」と切るのではなく、紙が果たしていた機能を導入前に言葉へ変え、電子側で満たせるか確認します。

状況は、媒体を置き換えても必要な見え方が置き換わらないことです。困りごとは紙と電子の併存であり、職員の好みだけでは説明できません。ガイドラインは、ICTだけでなく、記録・報告様式の項目やレイアウトも生産性向上の取組として扱っています。本部担当者は帳票廃止前に、誰が、いつ、何人分を、どの見え方で確認しているかを聞き取ります。

記録と情報共有をまとめて見直したい場合は
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厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

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記録・報告様式の工夫 項目の見直しやレイアウトの工夫などにより、情報を読み解きやすくする。情報共有の工夫 ICTなどを用いて転記作業の削減や、一斉同時配信による報告申し送りの効率化、情報共有のタイムラグの解消を図る。OJTの仕組みづくり 日常業務を通じた人材育成の仕組みを作る。職員の専門性を高め、リーダーを育成するため、教育内容の統一と指導方法の標準化を図る。理念・行動指針の徹底 組織の理念や行動指針に基づいて、自律的な行動がとれる職員を育成する。

失敗を直さないまま、次のICT機器を追加する

タブレットが止まる、入力できない、記録が消えたように見える。そんな経験から紙の控えが残った状態で次の機器が提案されると、職員は利点より追加作業を想像します。新しい技術への賛否を問う前に、前回導入で増えた工程と未解決の困りごとを、本部が先に閉じる必要があります。

状況は、導入済みの仕組みが定着しないまま次へ進むことです。困りごとは施策そのものへの不信であり、「変化を嫌う職員」と見るだけでは改善できません。DX資料は、技術導入を自己目的化せず、目的志向で業務へ組み込む考え方を示しています。本部は追加決裁の前に、前施策で何を減らす予定だったか、実際に減ったか、残った課題は何かを確認します。

前回の改善結果を確認してから進めたい場合は
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紙を残す職員を責める前に、二重入力、検索、一覧性、前回の未解決課題を確認します。次の機器は、増えた工程を一つ減らしてから検討します。

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なぜ介護DXが進まない?現場の反発が生まれる4つの理由

介護DXへの不安や負担感について、職員同士で課題を整理している場面のイラスト

現場では「便利になる」と聞いて始めた仕組みが、紙と電子の二重記録になることがあります。このような状況が起きる背景には、道具の導入と業務全体の見直しが分かれていることが関係します。ここでは、介護DXが負担として受け取られる理由を説明します。

本部が新しい機器の機能を説明しても、職員が知りたいのは「今までの何がなくなるのか」です。入力、申し送り、集計、検索が残るなら、操作研修だけ増えたように見えます。過去の失敗を経験した職員へ、意欲を求めるだけでは前へ進みません。企画時には本部が一連の業務を見て、導入後には現場と同じ流れをもう一度たどる必要があります。

ツールの導入が目的になっているから

会議では製品名、台数、展開日が先に決まり、解決する仕事が曖昧なまま進むことがあります。現場は「紙をやめるのか、残すのか」「旧手順は誰が止めるのか」と迷います。企画書の最初に減らす工程を書き、導入決裁と業務廃止の判断を分けないことが重要です。

なぜ起きるのかというと、技術を入れることが進捗として見えやすいからです。理想はDXによる価値創出ですが、現実には導入そのものが目的になり得ます。そのズレは、旧作業を残したまま新しい操作を加える状況につながります。DX資料が示す目的志向に戻り、本部担当者は企画時に「何を改善し、どの工程をなくすか」を確認します。

解決する課題から決めたい場合は
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また、生成AI利活用への意欲だけが先行し、付加価値の創出や業務改善といった価値ではなく、生成AI導入が自己目的化してしまうケースも存在している。DXと同様に目的志向型のアプローチの重要性を改めて認識する必要がある。個人タスク起点の利用も有効ではあるが、効果に限りがあり、業務へ定着しづらい。業務への組み込みを起点とし、経営KPIに影響を及ぼすための手段としての生成AI利活用を検討するのが有効である。そのため、生成AI導入を目的にするのではなく、目的志向のアプローチを徹底し、生成AIの良い部分を利活用できるよう利活用の向き不向きを考えるべきである。

入力画面だけを変え、業務全体を見ていないから

記録画面だけを電子化しても、その前のメモと後の申し送り・集計が残ることがあります。本部からは一機能の改善に見えても、現場では工程の境目に手作業が増えます。入力から活用までを一続きの業務として並べ、職種や部門の間に残る転記を確認します。

理想は一つの入力を後工程でも使うことですが、現実には部門や工程ごとに部分最適が起きます。その境目に転記や再確認が残ると、デジタル化の効果を感じにくくなります。DX資料は、部分最適を防ぎ、業務プロセス全体を俯瞰して境目の非効率を解消する考え方を示しています。本部の推進担当が導入前後に全工程を確認する役割を持ちます。

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生成AIによるDXの推進にあたって、部分最適を防ぎ、End to Endでの業務見直しを行うためには、経営から示された戦略を実行に移すつなぎ役としての変革推進人材が求められる。変革推進人材は自社のビジネスを理解した上で、部門間の利害を超えた客観的な視点を持つ立場である必要がある。その人材にはビジネスプロセス全体を俯瞰し、部門間やプロセス間等の境目の非効率を解消する形でプロセス全体の変革を推進するビジネスプロセスマネジメントのスキルが極めて有益となる。

紙が担っていた機能まで捨てようとするから

排泄表のように、複数利用者の状況を一目で確認するため紙が使われる場面があります。電子画面に同じ見え方がなければ、職員は紙を残すか、確認を遅くするかで迷います。媒体名で判断せず、項目・配置・閲覧の仕方を導入前に確認します。

理想は記録と共有を一つの仕組みで行うことです。しかし、現実の業務で必要な一覧性を新しい様式が満たさなければ、紙が併存します。ガイドラインは、ICT活用と同時に、記録・報告様式の項目やレイアウトを工夫して情報を読み解きやすくする視点を示しています。本部は帳票を廃止する前に、現場がその紙で何を判断しているかを確認します。

記録の見やすさと共有方法を整えたい場合は
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記録・報告様式の工夫 項目の見直しやレイアウトの工夫などにより、情報を読み解きやすくする。情報共有の工夫 ICTなどを用いて転記作業の削減や、一斉同時配信による報告申し送りの効率化、情報共有のタイムラグの解消を図る。OJTの仕組みづくり 日常業務を通じた人材育成の仕組みを作る。職員の専門性を高め、リーダーを育成するため、教育内容の統一と指導方法の標準化を図る。理念・行動指針の徹底 組織の理念や行動指針に基づいて、自律的な行動がとれる職員を育成する。

短くなった時間だけで成果を判断するから

本部が作業時間だけを比較すると、丁寧に確認した業務まで「遅い」と見えることがあります。現場は早さを求めるべきか、必要な手順を守るべきか迷います。時間を短くする業務と、質のために時間を使う業務を分け、導入前に評価の見方をそろえます。

理想は負担を減らしながらケアの質を高めることです。現実には、短時間だけを良い成果とみなすと、仕事の質を見落とします。介護分野のガイドラインは、時間が短いほど良いとは限らず、業務ごとに適切な手順と必要な時間を事業所で定める重要性を示しています。本部は導入後、時間と職員の定性的な振り返りを同じ会議で確認します。

生まれた時間の使い道まで確認したい場合は
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介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

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業務時間を見える化すると、業務に要する時間が短いほど優秀だと錯覚することがありますが、決してそうとは限りません。なぜなら、かける時間によって質が高まるものもあり、一概に時間を短くするだけが生産性向上につながるとは言えないからです。時間が短ければ短いほど良いものは、ルーティン化された業務や単純な事務・経理業務など誰がやっても同じ結果が得られるものです。そのため、業務時間を記録するにあたっては、業務ごとに適切とされる手順と、必要な時間を事業所の中であらかじめ定めておくことがとても重要です。事業所の中でどのような業務にどの程度の手間と時間をかけるのかを事前に話し合っておくと生産性向上に向けた適切な取組が見えてくるでしょう。

反発の背景を職員の姿勢だけに求めず、目的、全工程、紙の機能、評価方法を確認します。本部は導入前後で同じ一業務を見て、次の展開を判断します。

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介護DXについて法人本部が迷いやすい質問

現場では、紙を残せば失敗なのか、タブレットを入れればDXなのか、判断に迷う場面があります。二択で決める前に、介護の価値と業務の変化へ戻ると整理しやすくなります。

Q
紙が残っていたら、介護DXは失敗ですか?
A

紙が残っているという一点だけでは判断できません。介護分野のガイドラインは、記録・報告様式の工夫とICT活用を組み合わせ、情報の読みやすさや転記削減へつなげる考え方を示しています。紙の一覧表を残すか迷う場面では、媒体ではなく、必要な見え方を電子側が代替できたか、二重作業が減ったかを導入後に確認します。

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厚生労働省

介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf

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Q
タブレットやAIを導入すれば、介護DXになりますか?
A

導入しただけでは、DXの目的を満たしたとは言えません。DX資料は、技術導入の自己目的化を避け、目的志向で業務へ組み込む必要性を示しています。新しい機器を入れるか迷うときは、本部担当者が企画段階で「どの業務課題を解き、何の工程を減らすか」を決め、導入後に同じ項目を確認します。

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https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240628006/20240628006-b.pdf

また、生成AI利活用への意欲だけが先行し、付加価値の創出や業務改善といった価値ではなく、生成AI導入が自己目的化してしまうケースも存在している。DXと同様に目的志向型のアプローチの重要性を改めて認識する必要がある。個人タスク起点の利用も有効ではあるが、効果に限りがあり、業務へ定着しづらい。業務への組み込みを起点とし、経営KPIに影響を及ぼすための手段としての生成AI利活用を検討するのが有効である。そのため、生成AI導入を目的にするのではなく、目的志向のアプローチを徹底し、生成AIの良い部分を利活用できるよう利活用の向き不向きを考えるべきである。

Q
DXに反対する職員は、ITが苦手だからですか?
A

それだけで決めつけないことが大切です。紙と電子の二重記録や、検索・不具合対応で仕事が増えた経験があれば、次の導入を警戒する場面があります。DX資料が示す目的志向と業務全体の見直しに戻り、本部担当者は反対理由を聞く際、「前回何が増え、何が減らなかったか」を具体的に確認します。

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生成AIによるDXの推進にあたって、部分最適を防ぎ、End to Endでの業務見直しを行うためには、経営から示された戦略を実行に移すつなぎ役としての変革推進人材が求められる。変革推進人材は自社のビジネスを理解した上で、部門間の利害を超えた客観的な視点を持つ立場である必要がある。その人材にはビジネスプロセス全体を俯瞰し、部門間やプロセス間等の境目の非効率を解消する形でプロセス全体の変革を推進するビジネスプロセスマネジメントのスキルが極めて有益となる。

Q
本部は、介護DXの成果を何で確認すればよいですか?
A

業務時間だけを短くすればよいわけではありません。介護分野のガイドラインは、時間が短いほど良いとは限らず、業務ごとに適切な手順と必要な時間を定める重要性を示しています。一施設・一業務から、転記や検索の時間、必要な手順、職員の負担、生まれた時間の使い道を導入前後で確認します。

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業務時間を見える化すると、業務に要する時間が短いほど優秀だと錯覚することがありますが、決してそうとは限りません。なぜなら、かける時間によって質が高まるものもあり、一概に時間を短くするだけが生産性向上につながるとは言えないからです。時間が短ければ短いほど良いものは、ルーティン化された業務や単純な事務・経理業務など誰がやっても同じ結果が得られるものです。そのため、業務時間を記録するにあたっては、業務ごとに適切とされる手順と、必要な時間を事業所の中であらかじめ定めておくことがとても重要です。事業所の中でどのような業務にどの程度の手間と時間をかけるのかを事前に話し合っておくと生産性向上に向けた適切な取組が見えてくるでしょう。

紙や機器の有無だけで判断せず、目的、全工程、記録様式、必要な時間を確認します。最初の評価対象は一施設・一業務に絞り、現場の追加負担を抑えます。


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介護DXの第一歩は「何の仕事をなくすか」を決めること

現場では、紙を電子化したあとも転記や検索が残り、「また仕事が増えた」と感じることがあります。次の機器を提案する本部側も、どこから直せばよいか迷うものです。

介護DXで目指すのは、紙、タブレット、AIを使うこと自体ではありません。不要な仕事を減らし、職員の負担を軽くし、生まれた時間と余力を利用者へのケアへ返すことです。

明日からの一歩は、一施設・一業務だけを選ぶことです。次の会議前に、介助後から情報を使うまでの「書く・入力する・探す・集計する」を時系列で並べ、同じ情報を二度扱う工程を一つ見つけてください。

調査を全施設へ広げると、それ自体が新しい負担になります。まず対象を絞り、確認した結果を現場へ返してから次へ進むことが、DXへの信用を取り戻す土台になります。

最後までご覧いただきありがとうございます。


更新履歴

  • 2026年8月27日:新規投稿

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