現場では、食後の服薬介助で声をかけても顔を背けられ、時間だけが過ぎる場面があります。急いでいる時ほど「このまま進めるか、いったん引くか」で判断に迷いやすく、説明を重ねるほど関係がこじれることもあります。
こうした場面では、拒否をわがままで片づけると、こちらの焦りが強まりやすいです。うまくいく時は、いきなり飲んでもらおうとせず、本人の不安や反応を見ながら関わり方を整えた時です。
この記事では、全部を変える前提ではなく、まず服薬拒否の見方を整理します。現場で無理なく押さえやすい視点に絞り、どこを意識すると対応が崩れにくいのかを確認します。
この記事を読むと分かること
- 拒否が起きる理由
- 本人の不安の見方
- 伝わる関わり方
- 急な変化の見方
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
結論:認知症の服薬拒否は、本人の意思と状態を見ながら捉えることが出発点です

現場では、薬を差し出した瞬間に顔を背けられ、説明を続けるほど空気が重くなることがあります。急いでいる場面ほど、そのまま進めるか、いったん間を置くかで迷いやすく、拒否だけを見てしまいがちです。
こうした場面を整理すると、拒否の背景を本人の意思、心理的状態、身体疾患、おかれている環境やケアを含めて見る必要があることが理解できます。
現場では、伝えたいことを急いで先に出すと、本人の反応を見る前に押し問答になりやすいです。こうした場面では、説明を重ねても伝わらず、こちらだけが焦ることがあります。
うまくいかない時ほど、拒否の理由を一つに決めず、本人の表情や身振りも含めて確かめる視点が必要です。後段では、まず何を押さえると見方がぶれにくいのかを整理します。
本人の意思を尊重することから考えます
現場では、「必要な薬だから飲んでもらう」が先に立ちやすいです。こうした場面で最初に押さえたいのは、支援は本人の意思を尊重するために行うという点です。
拒否が出た時も、支える側の都合だけで進めず、まず本人がどう受け止めているかを見ることが土台になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
○ 認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。○ 認知症の人を単に「支える対象」としてとらえるのではなく、認知症の人が一人の尊厳のある人として、その個性と能力を十分発揮し、経験や工夫を活かしながら、共に支え合って生きることができるようにすることが重要である。
伝えることより、分かりやすさと反応を大切にします
現場では、説明を増やすほど通じた気になる一方で、本人の反応は置いていかれやすいです。ここで理解しておきたいのは、本人の認知能力に応じて理解しやすく説明し、本人の反応を一呼吸待つことです。
急いでいる時ほど、伝えることを優先しやすく、視線や表情の変化を拾えないまま進みやすくなります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
○ 認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。したがって、本人の意思を尊重するために、本人の認知能力に応じて理解しやすいように説明しなければならない。国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である。
拒否だけでなく、背景にある状態も合わせて見ます
現場では、拒否が続くと「気分の問題」と見たくなる場面があります。ここで理解できるのは、認知症の行動や症状は心理的状態、身体疾患、おかれている環境やケアとも関わることです。
判断に迷う時ほど、拒否だけを切り取らず、何が重なっているかを見ていく必要があります。
出典元の要点(要約)
株式会社穴吹カレッジサービス
認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
介護への抵抗 心理的状態 身体疾患 おかれている環境やケア
言葉にならない反応も、本人の意思として受け取ります
現場では、言葉での返事がないと、拒否なのか迷うことがあります。こうした場面で理解しておきたいのは、本人の身振り手振りや表情の変化も意思表示として読み取ることです。
言葉が少ないから分からないと決めず、見えている反応を丁寧に拾う視点が欠かせません。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
・認知症患者は,言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されることから,意思決定支援者は,認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.
認知症の服薬拒否を考える出発点は、拒否だけを追わず、本人の意思、分かりやすい説明、反応、心理や身体の状態、環境やケアを合わせて見ることです。
認知症の服薬拒否でよくある事例

現場では、同じ服薬拒否に見えても、関わり方を変えるべきか、そのまま進めるべきかで迷うことがあります。急いでいる時ほど理由を一つに決めたくなりますが、場面ごとに見えているものは同じではありません。
食後にすぐ薬を差し出したら顔を背けられた、説明を重ねても表情が固くなるだけだった、昨日まで飲めていたのに今日は強く拒否した、という場面は起こりやすいです。こうした時は、その場で押し切るか、説明を続けるかで判断が揺れやすくなります。失敗しやすいのは、拒否だけを見て理由を一つに決めることです。まずは場面を分けて整理し、何を見落としやすいのかを押さえることが現実的な対応の出発点です。
薬を出した途端に顔を背ける事例
食後の流れでそのまま薬を差し出すと、視線が合わないまま顔を背けられる場面があります。こうした時は、すぐ拒否されたと受け取りやすいですが、導入の関わり方が合っていない可能性にも目を向けたいです。最初の数秒で何を省いていたかを見ることが、対応の方向を整える手がかりになります。
この事例の状況と見方を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 薬を差し出した直後に視線が合わず、顔をそむける場面です。 |
| 困りごと | そのまま進めるほど空気が重くなり、関わり直しがしづらくなることです。 |
| よくある誤解 | 拒否だけを見て反抗と受け取り、すぐ本題に入ればよいと考えることです。 |
| 押さえるべき視点 | 本人の視野に入り、反応を一呼吸待ってから関わることです。迷う場面ほど、最初の関わりを飛ばしていないかを見直す必要があります。 |
最初の関わり方を分けて見ると、見直す点を整理しやすいです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
視野に入ってからアイコンタクトをとる必要がある.そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である。
説明を重ねるほど表情が固くなる事例
薬の必要性を丁寧に伝えようとして言葉が増えるほど、本人の表情が固くなり、会話がかみ合わなくなる場面があります。ここでは説明不足と考えやすいですが、言葉だけでは伝わりにくい場合があることを押さえておく必要があります。伝え方を変える視点があると、押し問答になりにくくなります。
この事例の状況と見方を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 何度説明しても納得した様子がなく、表情がこわばる場面です。 |
| 困りごと | 説明を続けるほど本人の反応が見えにくくなり、関係が硬くなることです。 |
| よくある誤解 | 言葉を増やせば理解してもらえると考えることです。 |
| 押さえるべき視点 | 本人の認知能力に応じて理解しやすく説明し、言葉だけでなく物を見せるなどの情報も使うことです。迷った時は、説明の量より分かりやすさを見る必要があります。 |
説明の量と分かりやすさを分けて見ると、整理しやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
○ 認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。したがって、本人の意思を尊重するために、本人の認知能力に応じて理解しやすいように説明しなければならない。国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.
昨日まで飲めていたのに今日は強く拒否する事例
普段は飲めていたのに、その日だけ急に拒否が強くなると、気分の問題として流したくなる場面があります。こうした時は、いつもの拒否と同じと決めつけやすいですが、急な精神状態の変化や、認知症以外の原因も見落とさない視点が必要です。いつもと違う強さをどう受け止めるかが判断の分かれ目になります。
この事例の状況と見方を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 昨日までの様子と違い、その日は強い拒否や混乱が見られる場面です。 |
| 困りごと | 一時的な機嫌なのか、別の変化なのかをその場で判断しにくいことです。 |
| よくある誤解 | いつもの拒否と同じだと見てしまうことです。 |
| 押さえるべき視点 | 基準線からの急な変化や、認知症様症状をきたす原因が数多くあることを踏まえて見ることです。迷う場面では、いつもと同じかどうかを丁寧に確かめる必要があります。 |
いつもとの違いを分けて見ると、確認したい点を整理しやすいです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
・基準線からの精神状態の急性変化があるか 認知症や認知症様症状をきたす疾患は数多く,これらを表に示す.原因疾患の種類や病期によって,症状は異なる.また,原因疾患の治療や原因物質の除去により改善する認知症もあり,見逃さないことが大切である.
よくある事例は、最初の関わり方、説明の仕方、いつもとの違いで分けて見ると整理しやすいです。拒否を一つの理由に決めず、場面ごとの見落としを減らす視点が大切です。
認知症の服薬拒否はなぜ起きるのか

現場では、同じように声をかけても受け入れられる日と拒否が強い日があり、どこに理由があるのか迷いやすいです。このような状況が起きる背景には、認知機能の低下、心理的状態、身体疾患、おかれている環境やケア、説明の仕方や意思の確認が関係しています。
ここでは、認知症の服薬拒否に関連する背景を、エビデンスに沿って整理します。
食後に薬を見せても反応が薄く、説明を続けるほど表情が硬くなる場面は起こりやすいです。こうした時は、理解しにくさなのか、不安なのか、関わり方なのかを一つに決めたくなります。
迷いやすいのは、拒否という結果だけを見てしまうことです。背景を分けて考えると、同じ拒否でも見直すべき点が少しずつ違うことが見えてきます。まずは、何が関連しやすいのかを順番に押さえることが現実的です。
認知機能の低下が、服薬場面の理解しにくさに関連するためです
薬を差し出しても手が止まり、話しかけても反応がつながらない場面があります。こうした時は、拒否する意思だけでなく、記憶や見当識、判断や実行のしにくさが重なっていないか迷いやすいです。まずは、服薬場面の理解しにくさに関連する背景として認知機能の低下を見ることが出発点になります。
この理由で見たい項目を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 認知症では記憶障害、見当識障害、判断力の障害、実行機能障害などの認知機能障害がみられるためです。 |
| 見落としやすい点 | 伝わらない理由を拒否だけで見やすくなることです。 |
| 押さえるべき視点 | まず認知機能の低下が関連する背景として考えることです。説明が届いていないのか、判断が難しいのかで迷う場面では、ここを最初に確認したいです。 |
この理由では、まず認知機能の低下との関連を整理します。
| 建前(理想) | 説明すれば分かるはず |
| 現実(現場) | 理解や判断が保ちにくいことがあります |
建前と現実を並べると、どこでずれやすいかを見直しやすいです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
認知機能障害は,記憶障害,見当識障害,判断力の障害,思考障害,言葉や数のような抽象的能力の障害,実行機能障害などの高次脳機能障害をさす。記憶障害,実行機能障害が初期症状,時間の見当識障害が続いて起こる.
心理的状態や身体疾患、環境やケアが重なりやすいためです
説明の内容は同じでも、ある日は落ち着かず、ある日は表情がこわばるだけで進まない場面があります。こうした時は、本人の気分だけで片づけるか、ほかの背景も見るかで迷いやすいです。拒否そのものより、心理的状態、身体疾患、おかれている環境やケアが重なっていないかを見る方向が現実的です。
この理由で見たい項目を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 認知症の行動や臨床症状には、心理的状態、身体疾患、おかれている環境やケアが関連して示されているためです。 |
| 起こりやすい点 | 拒否の背景を見誤りやすくなることです。 |
| 押さえるべき視点 | 拒否だけを切り取らず、何が重なっているかを見ることです。判断が揺れる場面では、本人の様子と関わり方を一緒に見たいです。 |
この理由では、拒否だけで見ない視点を整理します。
| 建前(理想) | 拒否の理由は一つで整理したい |
| 現実(現場) | 複数の背景が重なっていることがあります |
建前と現実を並べると、背景を一つに決めない見方を整理しやすいです。
出典元の要点(要約)
株式会社穴吹カレッジサービス
認知症ケア法ー認知症の理解
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
認知症の行動、あるいは臨床症状 介護への抵抗 心理的状態 身体疾患 おかれている環境やケア
説明の仕方が、本人の認知能力に合わないことがあるためです
何度も言葉で説明しているのに、本人には伝わらず、こちらだけが焦る場面があります。こうした時は、説明が足りないのかと思いがちですが、言葉だけでは理解しにくいこともあります。説明の量より、認知能力に応じた分かりやすさを見る方向が大切です。
この理由で見たい項目を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 支援では本人の認知能力に応じて理解しやすいように説明する必要があり、言葉だけでは理解できない場合もあるためです。 |
| 起こりやすい点 | 説明を増やすほど伝わらない流れになりやすいことです。 |
| 押さえるべき視点 | 本人の認知能力に応じた説明と、視覚的情報を活用することです。押し問答になりそうな場面では、伝え方を見直したいです。 |
この理由では、伝え方の見直し方を整理します。
| 建前(理想) | 丁寧に説明すれば伝わる |
| 現実(現場) | 言葉だけでは理解できない場合があります |
建前と現実を並べると、説明の量と分かりやすさを分けて見やすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
○ 認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。したがって、本人の意思を尊重するために、本人の認知能力に応じて理解しやすいように説明しなければならない。国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.
本人の意思や好みの確認が難しく、支援がずれやすいためです
返事がはっきりしないと、こちらの判断で進めたくなる場面があります。こうした時は、意思がないと受け取りやすいですが、認知症の症状にかかわらず本人には意思があることを前提に支援する必要があります。日常の好みや続けたいことを含めて確認する視点が、支援のずれを減らします。
この理由で見たい項目を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 本人には意思があり、その時々の状況に応じて支援が必要であり、日常生活では好みややりたいことを尊重することが原則だからです。 |
| 起こりやすい点 | 本人の意思と支援がずれやすくなることです。 |
| 押さえるべき視点 | まず本人に聴き取りを行い、必要に応じて本人をよく知る人の情報も集めることです。返事が少ない場面でも、確認を省かない姿勢が大切です。 |
この理由では、本人の意思や好みの確認の見方を整理します。
| 建前(理想) | 返事がない時は職員が決めればよい |
| 現実(現場) | 本人の意思や好みを確認する支援が必要です |
建前と現実を並べると、確認を省かない視点を整理しやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
○ 認知症の症状にかかわらず、本人には意思があり、意思決定能力を有するということを前提にして、意思決定支援をする。○ 日常生活については、これまで本人が過ごしてきた生活やできること・やりたいことを尊重することが原則である。○ 本人の意思や好みを理解するためには、まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、意思決定支援チームで、本人の自宅での日常の様子を確認したり、本人をよく知る人に聞くなどして、本人の情報を集め、共有することが必要である。
服薬拒否の背景は一つではなく、認知機能、心理や身体の状態、環境やケア、説明の仕方、本人の意思確認が重なります。まずは理由を一つに決めず、関連する背景を順に見ていくことが大切です。
認知症の服薬拒否で迷いやすいFAQ
現場では、服薬拒否の場面で「どこまで声をかけるか」「今日はいつもと同じ拒否なのか」で迷いやすいです。急いでいる時ほど判断を急ぎたくなりますが、よくある迷いは一定の視点で整理できます。
- Q服薬拒否は、わがままと受け取ってよいですか?
- Aそう決めつけず、まずは本人の意思を尊重する支援として捉える視点が大切です。現場では拒否が続くと見方が固くなりやすいですが、支える対象としてだけで見ないことが出発点になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
○ 認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。○ 認知症の人を単に「支える対象」としてとらえるのではなく、認知症の人が一人の尊厳のある人として、その個性と能力を十分発揮し、経験や工夫を活かしながら、共に支え合って生きることができるようにすることが重要である。
- Q何度説明しても伝わらない時は、どう考えればよいですか?
- A本人の認知能力に応じて理解しやすく説明することが必要です。こうした場面では説明不足と考えやすいですが、言葉だけでは理解しにくい場合もあるため、伝え方そのものを見直す視点が欠かせません。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
○ 認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。したがって、本人の意思を尊重するために、本人の認知能力に応じて理解しやすいように説明しなければならない。
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.
- Q急に拒否が強くなった時は、何を意識すればよいですか?
- Aいつもの拒否と同じと決めず、基準線からの急な変化があるかを見る視点が必要です。現場ではその日の機嫌と受け取りやすいですが、認知症や認知症様症状をきたす疾患は数多くあることも踏まえて見ていく必要があります。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
・基準線からの精神状態の急性変化があるか 認知症や認知症様症状をきたす疾患は数多く,これらを表に示す.原因疾患の種類や病期によって,症状は異なる.また,原因疾患の治療や原因物質の除去により改善する認知症もあり,見逃さないことが大切である.
- Q時間がない時でも、最低限どこを押さえたいですか?
- A視野に入ってから目を合わせることと、短文でわかりやすく伝えることです。忙しい場面では本題から入りやすいですが、最初の関わり方と伝え方を整えるだけでも見直しやすくなります。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
視野に入ってからアイコンタクトをとる必要がある.
株式会社穴吹カレッジサービス 認知症ケア法ー認知症の理解 https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf ②短文でわかりやすい表現を使う
FAQで押さえたいのは、拒否を決めつけず、本人の意思、伝わりやすさ、急な変化、最初の関わり方を順に見ることです。迷いが出た時ほど、この順で整理すると判断がぶれにくくなります。
認知症の服薬拒否で、まず意識したい一歩
現場では、食後の服薬介助で拒否が続くと、そのまま進めるか、いったん間を置くかで迷いやすいです。建前では落ち着いて関わりたいと思っても、時間に追われると難しい場面があります。
この記事では、服薬拒否を拒否だけで見ず、本人の意思、伝わりやすさ、心理や身体の状態、環境やケアを合わせて見ることを整理してきました。返事が少ない時にどう受け止めるか不安になる場面でも、まず見直したい視点は共通しています。
明日からの最初の一歩は、薬を出す前に本人の視野に入り、目を合わせることです。最初の関わり方を整えるだけでも、その後の声かけを見直しやすくなります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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更新履歴
- 2025年9月26日:新規投稿
- 2026年2月16日:最新情報に基づき加筆・修正
- 2026年4月5日:内容を全面的にリライト
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