介護現場での入浴介助。「このお湯、次の人もそのままで大丈夫…?」と、判断に迷った経験はありませんか。理想の衛生管理と、限られた時間。その板挟みで悩むのは、あなただけではありません。
一つでも当てはまったら、この記事がきっと役に立ちます
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結論:答えは「毎回換える」ではない。判断の軸は「感染リスク」です
入浴介助のお湯問題に、明確な答えはあるのでしょうか。実は、現場で本当に大切なのは「換えるか否か」の二択ではありません。プロとして持つべき、ぶれない判断の軸について、まず結論からお伝えします。

結論:「換えるか否か」ではなく「感染リスク」で判断する
入浴介助における衛生管理の最終目標は、お湯を交換するという「作業」を完了させることではありません。最も重要なのは、利用者様を感染症から守ることです。厚生労働省の示す感染対策の考え方では、「病原体を持ち込まない・持ち出さない・拡げない」ことが三つの柱とされています。つまり、お湯の交換は感染リスクを管理するための一つの手段であり、目的そのものではありません。この視点を持つことで、日々の判断に一貫性が生まれます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
本マニュアルは、施設における感染対策の基本を「持ち込まない、持ち出さない、拡げない」の三原則とし、その実現のために「標準予防策」を徹底するよう示している。
介護士の専門性とは「状況に応じたリスク判断」ができること
介護の専門性とは、マニュアルに書かれた手順をただこなすことではなく、目の前の利用者様の状態や環境を的確に観察し、知識と根拠に基づいて最適なケアを選択できる能力を指します。お湯を交換するかどうかの判断は、まさにこの専門性が問われる場面です。厚生労働省のマニュアルにおいても、効果的な感染対策は「職員一人一人が自ら考え実践する」ことが重要であると示しています。あなたのその場の判断は、利用者様を守るための専門的な実践なのです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
本マニュアルは、各施設が独自の状況に合わせて指針やマニュアルを作成する際の参考資料と位置づけられており、職員一人ひとりが自ら考えて実践することを重視している。
公的機関の示すエビデンスがあなたの判断を支える
「自分の判断は本当に正しいのだろうか」と不安に思うかもしれません。しかし、その判断は決して個人の感覚だけに頼るものではありません。『高齢者介護施設における感染対策マニュアル』などの公的な指針は、現場が「押さえるべきポイント」を理解し、適切な対応が図れるように作成されています。この記事で解説する判断基準は、こうした信頼できるエビデンスに基づいています。知識という裏付けが、あなたの判断を支え、自信を与えてくれます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
本書は、介護施設が感染の広がりやすい環境であることを前提に、現場が押さえるべきポイントを示したものであり、平時と発生時の両方で迅速かつ適切な対応を促すことを目的としている。
このように、日々のケアで直面する悩みは、公的な指針に立ち返ることで解決の糸口が見えてきます。大切なのは、根拠に基づき、自信を持って判断することです。次のセクションでは、現場でよくある具体的なケースを見ていきましょう。
【現場あるある】こんな時どうする?ケース別・判断シミュレーション
結論として「感染リスク」で判断することが重要だと分かりました。では、実際の現場ではどのように考えれば良いのでしょうか。日々の業務で出くわすことが多い4つのケースを取り上げ、具体的な対応をシミュレーションします。

ケース1:皮膚トラブルがない利用者様が続く場合
複数の利用者様が入浴する際、特に目立った皮膚疾患や創傷(そうしょう)がない方が続く場面はよくあります。このような状況では、必ずしもお湯を毎回交換する必要はありません。大切なのは、お湯を汚染させないための「標準予防策」を徹底することです。『介護現場における感染対策の手引き』にもある通り、ケアの基本は感染経路を遮断することにあります。具体的には、入浴前にシャワー浴で全身の汚れをしっかり洗い流していただくことで、浴槽内のお湯の汚染を最小限に抑えることが可能です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 介護現場における感染対策の手引き 第3版(2023)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001149870.pdf
本手引きは、介護ケア全般において「標準予防策」の徹底を基本とし、体液や排泄物に触れる場面では個人防護具(PPE)を着用するなど、感染拡大を防ぐための原則を示している。
ケース2:「疥癬(かいせん)※」の疑いがある利用者様が入った後
※疥癬:ヒゼンダニという小さなダニが皮膚に寄生して起こる、強いかゆみを伴う皮膚の病気。
利用者様に疥癬や、その他の感染性皮膚疾患が疑われる場合は、対応が異なります。厚生労働省の『高齢者介護施設における感染対策マニュアル』では、疥癬は施設内で集団発生する可能性があり、「接触感染予防策」が必要であると示しています。そのため、このような利用者様が入浴した後には、次の方への感染を防ぐため、お湯の交換と浴槽の洗浄・消毒が原則となります。入浴の順番を最後にするなどの工夫と合わせ、感染経路を確実に遮断する対応が求められます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
疥癬は施設内で集団発生するリスクがあるため「接触感染予防策」が必要とされる。対策として、可能な限り毎日入浴し、皮膚を清潔に保つことが推奨されている。
ケース3:大人数で機械浴を利用する場合
循環式の機械浴など、一度に多くのお湯を使用する設備では、利用者ごとの完全換水は現実的ではありません。こうした設備で最も注意すべきなのが「レジオネラ症※」のリスクです。 ※レジオネラ症:レジオネラ属菌という細菌が原因で起こる肺炎の一種で、汚染された水しぶき(エアロゾル)を吸い込むことで感染する。
厚生労働省のマニュアルでは、循環式浴槽におけるレジオネラ症対策として、浴槽水の定期的な塩素消毒や清掃、設備の点検を徹底するよう定めています。したがって、循環式浴槽ではお湯の交換頻度以上に、ろ過器の洗浄や塩素濃度の管理といった日常的な衛生管理が重要となります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
循環式浴槽の水はレジオネラ症の主要な感染源となり得るため、浴槽水をシャワーなどに使用することは禁じられている。また、毎日の清掃と月1回以上の塩素消毒が求められる。
ケース4:利用者様やご家族から「お湯を換えてほしい」と要望があった場合
衛生管理上は問題がない状況でも、利用者様やご家族から「新しいお湯にしてほしい」という要望をいただくことがあります。感染リスクの観点からは交換の必要性が低くても、利用者様が気持ちよく入浴できることは非常に大切です。厚生労働省のマニュアルでも、介護施設は治療の場である病院とは異なり、「生活の場」であることが強調されています。そのため、利用者様の安心感を尊重する姿勢も、質の高いケアの一つと言えるでしょう。業務の状況が許す範囲で、ご本人の意向に沿った対応を検討することが、信頼関係の構築に繋がります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル(改訂版・2019年)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
介護施設は治療の場である病院とは異なり、あくまで「生活の場」である。そのため、感染対策の基本は共通としつつも、そのあり方は施設の特性に合わせて運用する必要がある。
このように、画一的なルールを当てはめるのではなく、状況に応じて判断の「引き出し」を使い分けることが求められます。では、なぜ現場では意見が分かれ、私たちは悩んでしまうのでしょうか。次のセクションでその構造を掘り下げます。
なぜ迷うのか?「換える派 vs 換えない派」それぞれの理由と、専門的判断の根拠
入浴介助のお湯問題で判断に迷うのは、現場に二つの「正しさ」が存在するからです。ここでは、それぞれの立場を尊重しつつ、なぜ意見が分かれるのかを深掘りし、専門職として持つべき判断の根拠を明らかにします。

理由①「お湯は毎回換えるべき」派の意見と背景にある想い
「利用者様には、常に清潔で一番風呂のような気持ちよさを感じてほしい」と考えるのは、介護の心を持つ専門職として自然なことです。この背景には、利用者様一人ひとりにとっての「最高のケア」を届けたいという強い責任感があります。また、『高齢者介護施設における感染対策マニュアル』でも、施設が「感染が広がりやすい状況にある」ことを認識し、迅速で適切な対応をとる必要性を示しています。この考えから、少しでも感染リスクがあるなら完全に取り除くべき、という結論に至るのは当然と言えるでしょう。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル(改訂版・2019年)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
介護施設は感染が広がりやすい環境であるため、平時から体制を整え、発生時には迅速かつ適切な対応が求められる。その運用は職員一人ひとりが自ら考えて実践することが基本となる。
理由②「毎回は換えられない」派の意見と現場の現実
一方で、介護現場は時間との戦いです。一人のお湯を入れ替えている間に、他の利用者様が湯冷めしてしまったり、次の業務が大幅に遅れてしまったりする可能性があります。この立場は、単なる効率化ではなく、「全体の安全と業務の継続性」という視点に立った現実的な判断です。厚生労働省のマニュアルが示すように、介護施設は「生活の場」であり、治療が目的の病院とは異なります。限られた時間と人員の中で、全ての利用者様のケアを安全に完了させるためには、時に優先順位をつけ、柔軟に対応する必要があるのです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル(改訂版・2019年)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
介護施設は治療の場である病院とは異なり、あくまで「生活の場」である。そのため、感染対策の基本は共通としつつも、そのあり方は施設の特性に合わせて運用する必要がある。
対立を超える判断軸:厚生労働省の「標準予防策(スタンダード・プリコーション)」
この二つの意見は対立しているように見えますが、どちらも「利用者様の安全を守りたい」という想いは同じです。この対立を超えるための共通の判断軸が、厚生労働省の手引きで基本とされている「標準予防策」です。これは、「感染症の有無にかかわらず、汗を除く全ての体液、血液、分泌物、排泄物は感染の危険性があるものとして取り扱う」という考え方です。この原則に立てば、「誰のお湯だから換える・換えない」ではなく、「感染リスクのある行為や状況か否か」で客観的に判断できるようになります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 (第3版)介護現場における感染対策の手引き(令和5年9月)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001149870.pdf
本手引きでは「汗を除く全ての体液等は感染の危険性がある」と定義し、標準予防策を基本とする。感染症の流行時には、これに加えて空気・飛沫・接触の各経路別予防策を追加する段階的な対応が示されている。
【重要】絶対に交換が必要なケースと、交換不要の判断を支える衛生管理
標準予防策の考え方を踏まえると、具体的な判断基準が見えてきます。お湯の交換は、あくまで数ある衛生管理手段の一つです。厚生労働省のマニュアルでは、衛生管理の基本は多角的なアプローチであることが示唆されています。
- お湯の交換が絶対に必要となるケース:排泄物の混入、疥癬などの感染性皮膚疾患、お湯の明らかな汚染(にごり、浮遊物)など、客観的に感染リスクが高い場合。
- 交換不要の判断を支える衛生管理:入浴前のシャワー浴での丁寧な全身洗浄、皮膚トラブルや感染症のない方を先にする入浴順の工夫、日々の浴槽清掃の徹底など。 これらの組み合わせで、安全は確保できます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
標準予防策は、手袋の着用といった個人防護具の使用だけでなく、ケア器具の洗浄・消毒、リネンの管理、環境対策といった包括的な取り組みによって実践される。
このように、対立しているように見える二つの意見は、プロの判断軸を持つことで乗り越えられます。根拠に基づけば、自信を持って日々のケアにあたることができます。最後に、これまでの内容で疑問に残りやすい点をQ&A形式で解消していきましょう。
今さら聞けない?入浴介助の衛生管理 Q&A
ここまでの内容を踏まえ、現場で特に質問が多い点や、判断に迷いやすい具体的な疑問について、Q&A形式で分かりやすく解説します。日々のケアの「あと一歩」の不安を、ここで解消しましょう。

- QMRSA※の保菌者様の場合、お湯は換えるべきですか?
- A
※MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌):多くの抗生物質(抗菌薬)が効きにくくなった細菌の一種。
A. MRSAの主な感染経路は、手指などを介した「接触感染」です。日本感染症学会の見解では、MRSAを保菌していることだけを理由とした特別な対応(入浴や行動の制限など)は、原則として必要ないとしています。したがって、入浴時のお湯も保菌者様専用に交換する必要はありません。大切なのは、ケアの前後に手洗いを徹底する、傷や体液に触れる際は手袋を着用するといった「標準予防策」を全員に対して平等に実践することです。
出典元の要点(要約)
日本感染症学会 施設内感染対策相談窓口 Q&A(2006年10月掲載資料群) https://www.kansensho.or.jp/sisetunai/2006_10_pdf/01.pdf
MRSAの感染経路は主に手を介した接触感染であり、「保菌」と「感染症」は区別して考えるべきである。そのため、保菌していることのみを理由とした入浴制限や行動制限は原則として不要とされる。
- Q循環式のお風呂ですが、管理で特に気をつけることは?
- A
循環式浴槽で最も警戒すべきなのは、レジオネラ症のリスクです。お湯を頻繁に入れ替えない分、細菌が繁殖しやすい環境になる可能性があります。大阪府の『社会福祉施設等の入浴設備におけるレジオネラ症発生防止対策マニュアル』では、具体的な対策措置が示されています。最も重要なのは、日常的な点検・清掃・消毒の徹底です。具体的には、浴槽水の遊離残留塩素濃度を適切に保ち、定期的に浴槽全体の換水と清掃・消毒を行うことが、安全を確保する上で不可欠です。
出典元の要点(要約)
大阪府 社会福祉施設等の入浴設備におけるレジオネラ症発生防止対策マニュアル(令和7年4月) https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/34847/manyual.pdf
循環式浴槽のレジオネラ症対策では、日常的な「換水及び清掃・消毒」と「遊離残留塩素濃度の保持」が基本となる。これらを記録・管理し、再現性のある衛生水準を保つことが求められる。
- Q忙しくて浴槽の清掃が不十分になりがちです。最低限やるべきことは?
- A
介護現場が多忙であることは事実ですが、衛生管理の基本を省略することはできません。大阪府のマニュアルでは、衛生管理の基本として「毎日、浴槽のお湯を完全に換水し、清掃すること」が望ましいと明記されています。もし業務上、毎日が困難な場合であっても、「少なくとも1週間に1回以上」の完全換水・清掃を求めています。利用者様の安全を守るため、この基準は最低限遵守すべき重要なポイントです。日々の業務計画の中で、清掃時間を確保する工夫が求められます。
出典元の要点(要約)
大阪府 社会福祉施設等の入浴設備におけるレジオネラ症発生防止対策マニュアル(令和7年4月) https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/34847/manyual.pdf
浴槽の維持管理として、毎日完全に換水して清掃することが望ましいが、困難な場合でも最低「1週間に1回以上」は完全に換水し、清掃して新しいお湯に入れ替える必要がある。
- Qお湯を換えないことを、ご家族にどう説明すればいいですか?
- A
ご家族への説明は、信頼関係を築く上で非常に重要です。ただ「忙しいから」と伝えるのではなく、「専門的な衛生管理に基づいている」ことを丁寧に説明しましょう。例えば、「私達の施設では、厚生労働省の指針に基づき、『感染リスクを管理する』という考え方で衛生管理を徹底しております。具体的には、皆様に入浴前のシャワーで体を洗っていただくことや、お湯の状態を常に確認することで、安全を確保しています」といった形です。お湯を換えない代わりに、どのような安全対策を講じているかを具体的に伝えることで、安心と納得に繋がります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月) https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
本マニュアルは、施設における感染対策の基本を「持ち込まない、持ち出さない、拡げない」の三原則とし、その実現のために「標準予防策」を徹底するよう示している。
具体的な疑問も、基本となる考え方とエビデンスに立ち返ることで、自信を持って答えられるようになります。ここまでで、判断の軸と具体的な対応は明確になりました。最後に、本記事の要点を改めて整理し、明日からのケアに繋げましょう。
まとめ:入浴介助は「作業」ではない。あなたの判断が利用者を守る
最後に、この記事の最も大切なポイントを改めて確認しましょう。日々の忙しい業務の中でも、この考え方を心に留めておくだけで、あなたのケアはさらに専門性を増し、自信につながるはずです。
「お湯を換えるか」から「リスクを管理できているか」へ
本記事で繰り返しお伝えしてきたのは、判断の軸を「お湯を換えるか、換えないか」という作業から、「利用者様を感染症から守るために、リスクは管理できているか」という専門的な視点へ移すことの重要性です。厚生労働省が示す感染対策の基本は、病原体の伝播を遮断することにあります。お湯の交換は、そのための数ある手段の一つに過ぎません。この本質を理解することが、質の高いケアへの第一歩です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
本マニュアルは、施設における感染対策の基本を「持ち込まない、持ち出さない、拡げない」の三原則とし、その実現のために「標準予防策」を徹底するよう示している。
あなたのケアを支えるのは「知識」と「エビデンス」
日々の判断に自信を持つためには、その裏付けとなる知識、すなわちエビデンスが不可欠です。なぜこの場面ではお湯を交換し、別の場面では交換しないのか。その理由を、厚生労働省などの公的な指針に基づいて説明できることが、あなたを単なる「作業者」から「専門職」へと引き上げます。迷ったときほど、こうした信頼できる情報源に立ち返る習慣が、あなた自身を守ることにも繋がります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
本マニュアルは、各施設が独自の状況に合わせて指針やマニュアルを作成する際の参考資料と位置づけられており、職員一人ひとりが自ら考えて実践することを重視している。
自信を持って、安全と効率を両立するケアを
介護現場は、理想論だけでは成り立ちません。限られた時間、人員、設備の中で、最大限の安全と快適さを提供することが求められます。本記事で解説した判断基準を活用すれば、安全性を確保しつつ、現実的で効率的なケアを実践することが可能です。あなたの専門的な判断が、利用者様と、そして一緒に働く仲間を守ります。明日からの入浴介助が、より自信に満ちたものになることを願っています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル(改訂版・2019年)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
介護施設は感染が広がりやすい環境であるため、平時から体制を整え、発生時には迅速かつ適切な対応が求められる。その運用は職員一人ひとりが自ら考えて実践することが基本となる。
この記事が、日々の入浴介助におけるあなたの不安を少しでも和らげ、専門職としての自信を深める一助となれば幸いです。
更新履歴
- 2025年10月16日:新規公開