認知症の徘徊対応|逆効果になりやすい声かけ10例

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現場では、認知症入居者が徘徊し、不穏も重なると、「まず止めるべきか」「声をかけても逆に強くなるのでは」と判断に迷いやすいです。人手が少ない時間帯ほど、その場を収めたい気持ちが先に立ち、あとで「言い方を間違えたかもしれない」と振り返ることもあります。

こうした場面では、きれいごとだけでは回りません。ただ、止める言葉を重ねるほどこじれやすいと気づくと、見方は少し変わります。この記事では、全部は無理でも押さえたい、徘徊時のNGな声かけと、先に見直したい関わり方を整理します。

この記事を読むと分かること

  • NG声かけの傾向
  • 不穏時の見直し点
  • 意思を見る視点
  • 制限前の考え方

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 声かけで荒れやすい
  • 止め方に迷う
  • 人手不足で焦る
  • 後で後悔しやすい

認知症入居者の徘徊時に、まず見直したい声かけの考え方

介護施設の廊下で落ち着かない様子を見せる男性高齢者の姿。手振りを交えながら訴えるような表情をしており、認知症による不穏症状や徘徊リスク、見守り対応と環境調整の必要性を示すイメージ。

現場では、認知症入居者が歩き続け、不穏も重なると、止めるべきか見守るべきかで迷いやすいです。急いでいる時ほど「まず戻ってほしい」という気持ちが前に出て、言葉を重ねたあとに、かえって表情や足取りが強くなることがあります。ここでは、徘徊時のNGな声かけを、本人の反応・伝わり方・原因の見方・行動の制限という4つの視点から整理します。

現場では、声をかけた瞬間は正しかったはずなのに、あとから振り返ると逆効果だったと感じる場面があります。こうした場面では、言い方だけの問題ではなく、何を先に見ていたかがずれていることがあります。止める言葉を減らし、本人の反応や理由を見るほうが流れが変わることがあります。全部は無理でも、先に見直す順番をそろえることが現実的な一歩です。

認知症入居者の徘徊時に避けたい声かけ例

  • 「戻りましょう」
  • 「ダメですよ」
  • 「行かないでください」
  • 「さっきも言いましたよ」
  • 「ここにいてください」
  • 「もう食事の時間です」
  • 「勝手に歩かないでください」
  • 「危ないから動かないでください」
  • 「部屋に帰りますよ」
  • 「なんでそんなことするんですか」

これらは、介護者側の都合や制止の意図が前面に出やすく、本人の反応や意思を置き去りにしやすい声かけです。

介護者側の都合を先に出す声かけは避けたいです

現場では、「戻りましょう」「ここにいてください」と急いで伝えたくなる場面があります。こうした時ほど、介護者側が伝えたいことを先に出すと、本人の反応を見落とすことがあります。この項目では、まず本人の反応を見る視点が大切だと理解できます。

こうした場面では、正しいことを言っているのに流れが悪くなると感じやすいです。

出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.」

言葉だけで動かそうとする声かけはこじれやすいです

こうした場面では、不穏が強いほど説明を増やしたくなります。ですが、認知症が進むと、言葉だけより表情や身振り、見える情報のほうが伝わりやすいことがあります。この項目では、言葉だけに頼らない関わりが必要だと理解できます。

現場では、丁寧に説明したのに通じず、こちらだけが焦る流れになりやすいです。

出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「認知症が重度になるほど,表情や身振りを使い,非言語メッセージを使うことが効果的である.」「言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.」

理由を見ずに止める声かけは見直しが必要です

現場では、歩き続けること自体が気になり、まず止めたくなることがあります。ただ、徘徊や不穏には原因があるという前提で見ると、声かけの方向を見直しやすくなります。この項目では、原因を探る視点を先に持つ意味が理解できます。

こうした場面では、「何で歩くのか」を考える前に、その場を収めることが目的になりやすいです。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「認知症の行動・心理症状がある場合も、そこには何らかの原因があるのであり、その原因を探り、取り除くことが大切である。」

行動をすぐ制限する声かけは例外として考えます

こうした場面では、転倒や外に出る不安から、強く止めたくなることがあります。それでも、本人の行動の自由を制限する関わりは原則ではなく、慎重に考える必要があります。この項目では、制限は例外という考え方が理解できます。

現場では、安全を守りたい気持ちが強いほど、制限が先に浮かびやすいです。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「身体拘束とは、『本人の行動の自由を制限すること』です。」「適正な手続きとは、『切迫性』『非代替性』『一時性』の三つの要件を満たすかどうかを組織等で話し合い,かつ,それらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うことです。」

徘徊時のNGな声かけは、止めることを先に出しすぎる関わりです。まずは本人の反応を見て、言葉だけに頼らず、原因を探り、行動の制限は例外として慎重に考える視点が大切です。


認知症の徘徊対応でよくあるNG声かけの事例

高齢者施設で、女性介護職員が高齢男性の歩行を支援する中で、介助への拒否や戸惑いが見られる場面

現場では、認知症入居者が歩き続ける場面で、何をどう伝えればいいのか迷いやすいです。止めないと不安、でも止め方を誤ると余計にこじれる。その揺れが続くと、声かけ自体に自信を失いやすくなります。

忙しい時間帯ほど、まず動きを止めたくなります。食堂へ誘導したい時、居室へ戻ってほしい時、転倒が気になる時ほど、正しいことを言っているのに流れが悪くなる場面があります。こうした事例を振り返ると、問題は言葉の強さだけではなく、介護者側の都合を先に出していたこと、言葉だけで動かそうとしていたこと、理由を見ずに徘徊そのものを止めようとしていたことにあります。全部を変えるのは難しくても、こじれやすい型を先に知ると、対応の順番は整えやすくなります。

「戻りましょう」と正論で押してしまう

食堂の時間や見守りの都合があり、歩いている入居者に「戻りましょう」とすぐ言いたくなる場面があります。ところが、その場では正しい案内のつもりでも、あとから振り返ると、本人の表情が固くなり、さらに歩き続けたと感じることがあります。こうした事例では、まず止めるより、本人の反応を見る順番が大切です。

項目内容
状況歩いている入居者にすぐ戻ってほしい場面です。
困りごとその場を整えたいのに流れが悪くなることです。
よくある誤解正しい場所へ案内すれば伝わるという考えです。
押さえるべき視点介護者が伝えたいことを急がず、本人の反応を一呼吸待って見ることです。
現場で起こりやすい迷いこうした場面では、正しいことを言っているのにうまくいかないと迷いやすいです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.」

長い説明で納得してもらおうとする

歩き続ける入居者に、理由を丁寧に説明して落ち着いてもらおうとする場面があります。ですが、不穏が強い時ほど、説明を重ねても届かず、こちらだけが焦る流れになりやすいです。この事例では、言葉だけで動かそうとしないことが現実的な見直し点になります。

項目内容
状況何度も説明して理解を求める場面です。
困りごと丁寧に話しているのに通じにくいことです。
よくある誤解説明を増やせば落ち着くという考えです。
押さえるべき視点言葉だけに頼らず、表情や身振り、見える情報も使うことです。
現場で起こりやすい迷いこうした場面では、伝えようとするほど話が長くなりやすいです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf「認知症が重度になるほど,表情や身振りを使い,非言語メッセージを使うことが効果的である.」「言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.」

理由を見ずに「徘徊だから止める」と決めてしまう

歩き続ける様子を見ると、まず徘徊を止めることが目的になりやすいです。人手が少ない時ほど、その場を収める判断に傾きやすく、なぜ歩いているのかを考える余裕がなくなります。この事例では、行動の前に原因を見る視点が抜けやすいことに気づけます。

項目内容
状況歩き続けること自体が気になる場面です。
困りごと理由を考える前に対応を急ぎやすいことです。
よくある誤解徘徊そのものが問題で、まず止めればよいという考えです。
押さえるべき視点不安や孤独、何らかの意思表示など、背景を探ることです。
現場で起こりやすい迷いこうした場面では、「今は理由より先に止めたい」と感じやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「認知症の行動・心理症状がある場合も、そこには何らかの原因があるのであり、その原因を探り、取り除くことが大切である。」「(3)不安や孤独を感じている場合」「(6)何らかの意思表示をしようとしている場合」

危ないからと制止が強くなってしまう

転倒や外へ向かう不安があると、声かけより先に止めたくなる場面があります。安全を守りたい気持ちは自然ですが、強く制止することだけが先に立つと、あとで「他の方法はなかったか」と迷いやすいです。この事例では、行動の制限は原則ではなく、慎重に考える必要があると分かります。

項目内容
状況危険が気になり、すぐ止めたくなる場面です。
困りごと安全を守りたい気持ちが強いほど、関わりが制限中心になりやすいことです。
よくある誤解危ない時はまず制限するしかないという考えです。
押さえるべき視点代わりの方法や環境整備を考え、それでも難しい一時的な緊急事態だけに限ることです。
現場で起こりやすい迷いこうした場面では、焦りが判断を狭くしやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「身体拘束せざるを得ない場合においても、代替する方法(ケアの改善や環境整備等)について検討,あるいは検討できる体制があり、身体拘束を回避した特別養護老人ホームの実践事例」「『緊急やむを得ない場合』の対応とは、これまでにおいて述べたケアの工夫のみでは十分に対処できないような、『一時的に発生する緊急事態』のみに限定される。」

よくある事例を見ると、こじれやすいのは「止めること」を先に出しすぎる場面です。本人の反応、伝わり方、原因、代わりの方法の順で見直すと、現場でも整えやすくなります。


認知症の徘徊時にNGな声かけが起きやすいのはなぜか

現場では、声をかけても止まらない、説明しても伝わらない場面が続くと、「どう言えばよかったのか」と迷いやすいです。このような状況が起きる背景には、本人の視点より介護者側の都合が前に出やすいことや、言葉だけでは伝わりにくいことなどが関係しています。ここでは、認知症の徘徊時にNGな声かけが起きやすい理由を整理します。

食堂へ戻ってほしい時や危険が気になる時ほど、まず止める言葉が先に出やすいです。ところが、その場を収めようとして急ぐほど、本人の反応や気持ちを見落としやすくなります。あとから振り返ると、言い方だけではなく、見ていた順番がずれていたと気づく場面があります。全部を変えるのは難しくても、なぜこじれやすいのかを先に知ると、対応の軸はそろえやすくなります。

本人の視点より介護者側の都合が前に出やすいからです

歩いている入居者に早く座ってほしい、食堂へ来てほしいと思う場面では、伝えたいことが先に出やすいです。こうした時に流れが悪くなると、言い方の問題だけだと考えがちですが、本人の視点から離れていた可能性があります。まず本人の反応を見て、何をしたいのかを読む順番を整えることが現実的な見直しになります。

項目内容
なぜ起きるのか支援する側の視点が前に出やすいからです。
建前本人の視点に立つことが大切です。
現実急ぐ場面ほど介護者が伝えたいことを優先しやすくなります。
そのズレが生む問題本人の意思や反応を読み取りにくくなります。
押さえるべき視点支援する側ではなく本人の視点に立つことです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「そして、支援する側の視点ではなく、本人の視点に立って行われるものである。」国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.」

言葉だけでは伝わりにくい場面があるからです

不穏が強い時ほど、理由を丁寧に説明して落ち着いてもらいたくなります。それでも届かない場面が続くと、さらに言葉を増やしやすいです。こうした時は、説明不足ではなく、伝わる方法が言葉だけではなかった可能性があります。表情や身振り、見える情報も使う方向へ切り替えることが現実的です。

項目内容
なぜ起きるのか認知症が進むとコミュニケーションの中心が言語だけではなくなるからです。
建前丁寧に説明すればよいと思いやすいです。
現実言葉だけでは理解しにくい場面があります。
そのズレが生む問題説明を重ねても通じにくいことがあります。
押さえるべき視点非言語視覚的情報も使うことです。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「認知症の進行に伴ってコミュニケーションの効力が,言語的コミュニケーションから非言語的コミュニケーションへ移行する」「認知症が重度になるほど,表情や身振りを使い,非言語メッセージを使うことが効果的である.」「言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.」

徘徊や不穏の背景を見ないまま対応しやすいからです

歩き続ける様子を見ると、まず動きを止めることに意識が向きやすいです。人手が少ない時ほど、その場を収める判断が先になり、何が背景にあるのかを考える余裕がなくなります。あとで振り返ると、行動だけを見ていたと気づくことがあります。対応の前に原因を探る視点を戻すことが現実的な方向性です。

項目内容
なぜ起きるのか認知症の行動や心理状態には何らかの原因があるからです。
建前原因を探ることが大切です。
現実歩いている事実だけが目に入りやすくなります。
そのズレが生む問題原因を見る前に止める対応へ傾きやすくなります。
押さえるべき視点不安や孤独、身体的な不快、意思表示などの背景を探ることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「認知症の行動・心理症状がある場合も、そこには何らかの原因があるのであり、その原因を探り、取り除くことが大切である。」「(3)不安や孤独を感じている場合」「(4)身体的な不快や苦痛を感じている場合」「(6)何らかの意思表示をしようとしている場合」

本人を知る情報が少ないと関わりが一律になりやすいからです

落ち着く関わり方が分からないまま対応が始まると、目の前の行動だけに合わせた声かけになりやすいです。家族や他職種の情報が十分につながっていない時ほど、「この人にとって何が大事か」が見えにくくなります。こうした場面では、その場の対応だけで整えようとせず、本人を知る情報を集めて共有する方向が現実的です。

項目内容
なぜ起きるのか本人の意思や好みを理解するには情報が必要だからです。
建前これまでの生活ややりたいことを尊重することが原則です。
現実本人を知る情報が足りないまま対応が始まることがあります。
そのズレが生む問題関わりが一律になりやすくなります。
押さえるべき視点本人の情報を集めて共有することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人の意思や好みを理解するためには、まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、意思決定支援チームで、本人をよく知る人に聞くなどして、本人の情報を集め、共有することが必要である。」「日常生活については、これまで本人が過ごしてきた生活やできること・やりたいことを尊重することが原則である。」

安全への不安が強いほど制限中心に考えやすいからです

転倒や外へ向かうことが気になると、まず止めたくなるのは自然です。ですが、その切迫感が強いほど、他の方法を考える前に制限が浮かびやすくなります。あとから振り返ると、焦りが判断を狭くしていたと感じる場面があります。こうした時ほど、制限は原則ではなく、代わりの方法を考える順番を意識することが現実的です。

項目内容
なぜ起きるのか安全確保の考えが強くなりやすいからです。
建前身体拘束はしてはならないこととされています。
現実「本人の安全確保のため」「職員不足等から身体拘束廃止・防止は不可能」といった考え方が出やすいです。
そのズレが生む問題制限中心の判断に傾くことがあります。
押さえるべき視点代替する方法を検討し、緊急事態に限ることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「身体拘束は、本人の行動を、当人以外の者が制限することであり、当然してはならないことです。」「『本人の安全確保のため』『職員不足等から身体拘束廃止・防止は不可能』といった考え方がありますが、これらは、介護現場での実践の積み重ねにより、多くは誤解を含んだものであることが明らかになってきています。」「身体拘束せざるを得ない場合においても、代替する方法(ケアの改善や環境整備等)について検討,あるいは検討できる体制があり、身体拘束を回避した特別養護老人ホームの実践事例」「『緊急やむを得ない場合』の対応とは、これまでにおいて述べたケアの工夫のみでは十分に対処できないような、『一時的に発生する緊急事態』のみに限定される。」

NGな声かけが起きやすい背景には、本人の視点から離れやすいこと、言葉だけでは伝わりにくいこと、背景要因や本人情報を見落としやすいことがあります。焦る場面ほど、見る順番を整えることが大切です。

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認知症の徘徊時の声かけで迷いやすいFAQ

現場では、徘徊している入居者に何を優先して見るべきか、どこまで止めてよいのかで迷いやすいです。急いでいる時ほど判断を早く決めたくなりますが、あとから「別の見方が必要だったかもしれない」と感じることもあります。

Q
認知症入居者が徘徊している時、まず何を意識すればよいですか?
A
まずは、介護者が伝えたいことを急がず、本人の反応を一呼吸待って見ることが大切です。現場では、すぐ戻ってほしくて言葉が先に出やすいですが、何をしたいのかを読む視点が必要です。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「そして,医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも,本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.」

Q
不穏が強くて説明が通じない時は、どう考えればよいですか?
A
言葉だけで伝えようとせず、表情や身振り、見える情報も使うことが大切です。こうした場面では、説明を重ねるほど焦りやすいですが、言葉だけでは理解しにくい場合があります。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「認知症が重度になるほど,表情や身振りを使い,非言語メッセージを使うことが効果的である.」「言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.」

Q
徘徊や不穏の理由は、どんな視点で見ればよいですか?
A
徘徊や不穏には何らかの原因があるため、背景を探る視点が必要です。現場では歩いている事実だけを追いやすいですが、不安や孤独、身体的な不快、意思表示などを見ることが大切です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「認知症の行動・心理症状がある場合も、そこには何らかの原因があるのであり、その原因を探り、取り除くことが大切である。」「(3)不安や孤独を感じている場合」「(4)身体的な不快や苦痛を感じている場合」「(6)何らかの意思表示をしようとしている場合」

Q
本人の好みや意思は、どう把握すればよいですか?
A
まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、本人をよく知る人から情報を集めて共有することが必要です。こうした場面では、その場の対応に追われやすいですが、本人の情報を集めることが関わりの土台になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人の意思や好みを理解するためには、まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、意思決定支援チームで、本人をよく知る人に聞くなどして、本人の情報を集め、共有することが必要である。」

Q
危険がある時は、すぐ行動を制限してよいですか?
A
本人の行動の自由を制限する関わりは、原則として慎重に考える必要があります。現場では安全が気になりやすいですが、代替する方法を検討し、それでも難しい一時的な緊急事態に限るという視点が大切です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

身体拘束廃止・防止の手引き

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf

「身体拘束とは、『本人の行動の自由を制限すること』です。」「身体拘束せざるを得ない場合においても、代替する方法(ケアの改善や環境整備等)について検討,あるいは検討できる体制があり、身体拘束を回避した特別養護老人ホームの実践事例」「『緊急やむを得ない場合』の対応とは、これまでにおいて述べたケアの工夫のみでは十分に対処できないような、『一時的に発生する緊急事態』のみに限定される。」

FAQで押さえたいのは、止める前に本人の反応と背景を見ることです。言葉だけに頼らず、本人情報や代わりの方法も含めて考えると、現場でも判断を整えやすくなります。


認知症の徘徊時の声かけで、明日から意識したい一歩

現場では、認知症入居者が歩き続けると、まず止めるべきかで迷いやすいです。安全も気になり、「きれいごとでは回らない」と感じる場面もあります。

それでも、この記事で振り返ってきたように、徘徊時の声かけは、止める言葉を先に出しすぎると、こじれることがあります。言葉だけに頼らず、背景を見ようとしても、忙しい時ほど難しいと感じやすいです。

だからこそ、明日からの最初の一歩は、声をかける前に一呼吸おいて本人の反応を見ることです。本人が何をしたいのかを読み取ろうとする順番は、無理なく始めやすく、これまでの生活ややりたいことを尊重する視点にもつながります。

最後までご覧いただきありがとうございます。


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更新履歴

  • 2026年1月21日:新規投稿
  • 2026年4月15日:内容を全面的にリライト

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