通常疥癬の方への個室隔離は必要か?接触感染予防策の実施範囲とケアの留意点

「疥癬(かいせん)」と聞くと、目に見えないダニへの恐怖から、「念のため」と厳しい隔離や消毒を行い、現場が疲弊してしまうことがあります。しかし、過剰な対策は職員の負担を増やし、本来必要なケアの時間を奪いかねません。

理想的な隔離や消毒はあっても、人員不足で限界があるのが現実です。全てを完璧にするのではなく、科学的根拠に基づいた「ヒゼンダニの弱点」を押さえ、メリハリのある対応で負担を減らす方法を提案します。

この記事を読むと分かること

  • 通常疥癬における隔離の必要性
  • 乾燥機を活用した効率的な洗濯術
  • 過剰な消毒をやめる判断基準
  • 掃除機がけなど清掃のポイント
  • 防護具が必要な場面の具体的基準

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 通常疥癬でも全員個室隔離している
  • 洗濯物を全て熱湯消毒している
  • 居室に入るだけでガウンを着ている
  • ダニが自宅に移るか不安で仕方ない
  • 過剰な対策で現場が疲弊している

結論:通常疥癬なら個室隔離は原則不要!「型」の見極めが負担軽減の鍵

女性の介護職員の画像

現場では、「疥癬が出た」と聞くだけで緊張が走り、「とりあえず全員個室に移して、防護服を着なければ」と過剰な対策に追われてしまうことがあります。しかし、実際の人員配置や居室数では、完全な隔離や消毒を続けることは困難で、現場が疲弊してしまうのが実情ではないでしょうか。実は、疥癬の対応は「すべてのケースで隔離が必要」なわけではありません。正しい分類とリスクを知ることで、過剰な負担を減らしながら、効果的な対策を行うことが可能です。

まずは「通常疥癬」か「角化型疥癬」かを確認する

疥癬対策で最も重要なのは、医師の診断により「通常疥癬」「角化型疥癬(ノルウェー疥癬)」かを見極めることです。両者はダニの数と感染力が大きく異なるため、求められる対策レベルも全く違います。

  • 通常疥癬:ダニの数は少なく、長時間肌と肌が触れ合うなどの濃厚な接触がなければ感染しにくいとされています。
  • 角化型疥癬:ダニの数が非常に多く感染力が極めて強いため、短時間の接触や、はがれ落ちた皮膚(落屑)を介しても感染するリスクがあります。

現場では、この違いを把握せずに一律で厳しい対応をとってしまいがちですが、まずは「どのタイプか」を確認することが、業務負担を適正化する第一歩です。

出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生して起こる皮膚病で、通常疥癬と感染力が極めて強い角化型疥癬(ノルウェー疥癬)があります。通常疥癬は接触感染が主ですが、角化型は落屑を介しても感染します。通常疥癬では「疥癬トンネル」等の皮疹と激しいかゆみが見られます。

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

角化型疥癬(ノルウェー疥癬)は寄生するヒゼンダニの数が非常に多く感染力が極めて強いため、直接接触しなくても、人肌の温度が残っている寝具の共用や、はがれ落ちた皮膚(落屑)から感染します。

通常疥癬なら「個室隔離」までは求められない

通常疥癬の場合、原則として個室管理は必須ではありません。感染力が比較的弱いため、集団生活の場であっても、基本的な接触感染対策を行えば感染拡大は防げるとされています。

  • 洗濯・掃除:通常通りで問題ありませんが、リネン類の共用は避けます。
  • 隔離の要否:個室への移動は必須ではありません。多床室の場合は、ベッド間隔をあける等の配慮を行います。

一方、角化型疥癬の場合は、感染力が非常に強いため個室管理が必要です。また、ダニを含む皮膚(落屑)が飛び散るため、こまめな掃除機がけや、リネンを密閉して運ぶといった厳重な対策が求められます。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf

疥癬虫は皮膚から離れると短時間で死滅するため、通常の清掃を行ってかまわない。ただし、清掃を行う際にも手袋やガウン着用などの接触感染予防策を実施する。
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

通常疥癬では洗濯や清掃は通常通りですが、リネンの共用は避けます。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では個室管理とし、リネンはビニール袋に密閉して洗濯に出します。落屑が感染源となるため、こまめな掃除機がけが必要です。入浴は最後にします。

共通する基本対策は「熱処理」と「接触予防」

どちらの型であっても、ヒゼンダニの弱点を突いた対策が有効です。ヒゼンダニは熱(50℃以上)乾燥に弱く、人の肌を離れると長時間生きられないという性質があります。

  • 熱処理:50℃以上のお湯に10分以上浸す、または乾燥機を使用することで死滅させることができます。
  • 接触予防:ケアの際は手袋ガウン(角化型の場合は必須、通常疥癬の場合は直接接触時など)を着用し、肌と肌の直接的な接触を避けます。

薬剤による消毒ではなく、物理的な熱処理接触の遮断が対策の中心となります。

出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

予防には早期発見と適切な治療、衣類・リネンの熱水洗濯や乾燥機による処理が有効です。疑うべき症状として、夜間に強くなるかゆみ、赤い発疹、疥癬トンネル等が挙げられます。疑わしい場合は直ちに皮膚科専門医の診察を受けます。

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

発生時は標準予防策に加え接触予防策を行い、手袋と使い捨て長袖ガウンを着用します。ヒゼンダニは熱に弱く、50℃10分で死滅します。また、人の皮膚を離れると長時間生きられません。治療薬(外用薬)は塗り残しがないよう注意します。

過剰な隔離は現場を疲弊させるだけでなく、利用者のQOL低下にもつながります。通常疥癬であれば個室隔離は必須ではないという基準を持ち、50℃以上の熱処理や手袋着用といった「効果のある対策」に注力することが、持続可能なケアにつながります。

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現場で起きがちな「過剰対応」の落とし穴

女性の介護職員の画像

「万が一、他の利用者にうつしてしまったら…」という責任感から、現場ではマニュアル以上に厳しい独自のルールが作られ、それが職員の首を絞めているケースが少なくありません。ここでは、多くの施設で直面しがちな「過剰対応」の事例と、エビデンスに基づいた現実的な見直しポイントを整理します。

事例1:通常疥癬なのに「完全個室隔離」で現場がパンク

  • 状況
    • 医師から「通常疥癬」と診断されたが、リスクを恐れて個室へ移動し、入室制限をかけている。
  • 困りごと
    • 個室が不足し、他の急変対応ができない。職員が訪室を避けるようになり、利用者の孤立感(QOL低下)が懸念される。
  • よくある誤解
    • 「疥癬は空気感染するから、ドアを閉め切って隔離しなければならない」
  • 押さえるべき視点
    • 通常疥癬の主な感染経路は「長時間肌が触れ合うこと」であり、空気感染はしません。個室管理は必須ではなく、多床室でもベッド間隔の確保やリネンを分ける等の対策で対応可能です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

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通常疥癬では洗濯や清掃は通常通りですが、リネンの共用は避けます。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では個室管理とし、リネンはビニール袋に密閉して洗濯に出します。

厚生労働省

高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf

周囲への感染リスクが高い場合は原則個室管理とするが、同病者の集団隔離とする場合もある。居室に特殊な空調は不要である。

事例2:全ての洗濯物を「熱湯消毒」して業務が終わらない

  • 状況
    • 感染者の衣類だけでなく、シーツやタオルなど全てをバケツで熱湯に浸けてから洗濯している。
  • 困りごと
    • 大量の熱湯を用意する手間と、濡れた重い洗濯物を運ぶ作業で腰痛を訴える職員が増加。洗濯業務だけで半日が終わる。
  • よくある誤解
    • 「特別な薬品や熱湯を使わないと、ダニは絶対に死なない」
  • 押さえるべき視点
    • ヒゼンダニは「50℃以上10分」で死滅します。わざわざ熱湯を運ばなくても、施設の乾燥機を活用することで十分な熱処理が可能です。通常疥癬であれば、他者と分けて洗えば通常の洗濯でも問題ありません。
出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

予防には早期発見と適切な治療、衣類・リネンの熱水洗濯や乾燥機による処理が有効です。ヒゼンダニは熱に弱く、50℃10分で死滅します。また、人の皮膚を離れると長時間生きられません。

事例3:居室に入るときは必ず「フル装備」というルール

  • 状況
    • 配膳や掃除で入室するだけでも、毎回使い捨てガウンと手袋を着用している。
  • 困りごと
    • ガウンの消費量が激しくコストが圧迫されている。着脱に時間がかかり、ナースコールへの対応が遅れる。
  • よくある誤解
    • 「部屋の空気にダニが浮遊しているかもしれない」
  • 押さえるべき視点
    • 通常疥癬の場合、感染リスクがあるのは「直接肌に触れるケア」や「寝具・衣類の交換時」です。短時間の接触や、物に触れるだけの業務であれば、標準予防策(手洗い等)で十分な場合が多く、過剰な防護具は必須ではありません。
出典元の要点(要約)
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高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版

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接触感染予防策として、ケア時は手袋を着用し、同じ人のケアであっても便や創部排膿に触れる場合は手袋を交換する。汚染物との接触が予想されるときはガウンを着用し、脱いだ後は衣服が環境表面や物品に触れないよう注意する。

現場の不安からルールが厳格化しがちですが、「通常疥癬」であれば乾燥機の活用や接触時の手袋着用など、ポイントを絞った対策で十分に感染は防げます。過度な負担を減らし、継続可能な体制に戻すことが大切です。


なぜ「隔離不要」と言えるのか?ヒゼンダニの弱点と感染経路

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「目に見えないからこそ怖い」「もし自分の介助で感染を広げてしまったらどうしよう」という不安から、現場ではどうしても安全側に倒した過剰な対策をとってしまいがちです。しかし、敵である「ヒゼンダニ」の生態や弱点を正しく理解すれば、なぜ通常疥癬において厳重な隔離が必要ないのか、その理由が論理的に見えてきます。むやみに恐れるのではなく、科学的な根拠に基づいて「ここさえ守れば大丈夫」というポイントを押さえましょう。

感染力の差は「ダニの数」で決まる

通常疥癬と角化型疥癬の最大の違いは、寄生しているヒゼンダニのです。通常疥癬の場合、患者の体表にいるダニの数はわずか数十匹程度とされています。この数では、長時間肌と肌を接するような濃厚な接触がない限り、容易には他者に移動しません。

一方、角化型疥癬では100万〜200万匹ものダニが寄生しており、感染力が桁違いに強くなります。この圧倒的な数の差が、対応(隔離の要否)を分ける決定的な理由です。通常疥癬であれば、基本的な接触予防策を行うことで、ダニの移動を十分に防ぐことが可能です。

出典元の要点(要約)
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介護現場における感染対策の手引き 第3版

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疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生して起こる皮膚病で、通常疥癬と感染力が極めて強い角化型疥癬(ノルウェー疥癬)があります。通常疥癬は接触感染が主ですが、角化型は落屑を介しても感染します。

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

角化型疥癬(ノルウェー疥癬)は寄生するヒゼンダニの数が非常に多く感染力が極めて強いため、直接接触しなくても、人肌の温度が残っている寝具の共用や、はがれ落ちた皮膚(落屑)から感染します。

ヒゼンダニは「熱」と「乾燥」に弱く、環境中では生きられない

ヒゼンダニは非常に弱い生物であり、人の皮膚から離れると長くは生きられません。特に乾燥に弱く、人の体温(人肌)から離れると動きが鈍くなり、死滅に向かいます。また、50℃以上の温度であれば10分程度で死滅するという明確な弱点があります。

このため、通常疥癬において、リネンや衣類を介した間接的な感染リスクは限定的です。特別な薬剤を使わなくても、乾燥機の熱や通常の清掃で環境中のダニを処理できるため、部屋全体を封鎖するような隔離措置までは不要となるのです。

出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

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ヒゼンダニは熱と乾燥に弱く、50℃では10分程度で死滅します。また、人の皮膚を離れると長時間生きられず、人肌の温度でないと動作が鈍くなり、16℃では全く動かなくなります。

厚生労働省

高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版

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疥癬虫は皮膚から離れると短時間で死滅するため、通常の清掃を行ってかまわない。ただし、清掃を行う際にも手袋やガウン着用などの接触感染予防策を実施する。

感染経路は「接触」のみ。「空気」ではうつらない

疥癬の感染経路は、ダニが肌から肌へ移動する「接触感染」です。インフルエンザや結核のように、咳やくしゃみ、空気中を漂う微粒子によって感染する「飛沫感染」や「空気感染」はしません。

角化型の場合は、剥がれ落ちた皮膚(落屑)に多数のダニが含まれて飛び散るため注意が必要ですが、通常疥癬ではそのリスクは極めて低いです。したがって、空気を遮断するための個室隔離は医学的な根拠に乏しく、直接触れる場面での対策(手袋・ガウン)を徹底すれば十分管理が可能となります。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版

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感染経路の一つである接触感染(経口感染含む)は、手指・食品・器具を介して伝播する頻度の高い経路である。

厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

通常疥癬では洗濯や清掃は通常通りですが、リネンの共用は避けます。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では個室管理とし、リネンはビニール袋に密閉して洗濯に出します。

ヒゼンダニは「熱に弱く、環境中で生きられず、接触でしかうつらない」という明確な特徴を持っています。この弱点を知れば、通常疥癬に対して厳重な隔離を行うことが、いかに過剰であるかが分かります。「50℃の熱処理」「直接接触時の防御」という要点さえ押さえれば、恐れすぎる必要はありません。

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よくある疑問(FAQ)

Q
疥癬の入浴順序はどうすればいいですか?最後にする必要がありますか?
A

角化型(ノルウェー)疥癬の場合は感染力が非常に強いため、最後に入浴してもらうのが原則です。通常疥癬の場合は通常の清掃で対応可能とされていますが、現場の判断で順序を工夫することもあります。いずれの場合も、使用後の浴槽やマットは洗剤で洗い、清潔を保つことが重要です。

出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では個室管理とし、リネンはビニール袋に密閉して洗濯に出します。落屑が感染源となるため、こまめな掃除機がけが必要です。入浴は最後にします。

Q
居室の掃除に殺虫剤を撒く必要はありますか?
A

いいえ、特別な殺虫剤の散布は不要です。ヒゼンダニは人の肌から離れると長く生きられず、乾燥にも弱いためです。通常疥癬なら通常の清掃で十分ですが、角化型の場合は皮膚の粉(落屑)にダニが含まれているため、こまめに掃除機をかけて吸い取ることが重要です。

出典元の要点(要約)
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高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版

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疥癬虫は皮膚から離れると短時間で死滅するため、通常の清掃を行ってかまわない。

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介護現場における感染対策の手引き 第3版

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ヒゼンダニは熱と乾燥に弱く、50℃では10分程度で死滅します。また、人の皮膚を離れると長時間生きられません。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の場合、大量のヒゼンダニを含んだ落屑が感染拡大の原因となるため、こまめに掃除機をかけます。

Q
治療薬(塗り薬)を塗るときの注意点はありますか?
A

「塗り残し」がないように注意してください。ヒゼンダニは発疹が出ていない場所にも潜んでいることがあります。特に指の間、足、陰部(デリケートゾーン)、お尻などは塗り忘れやすいため、意識して塗布する必要があります。

出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

疥癬の治療で外用薬を使用する場合、塗り残しがないことが大切です。ヒゼンダニは皮疹のないところにもいることが多いため、皮疹のないところも含め、特に指の間、足、陰部、おしり等は塗り残しやすいので注意します。

Q
洗濯物はすべて熱湯につけないといけませんか?
A

必ずしも熱湯につける必要はありません。ヒゼンダニは「50℃以上のお湯に10分以上」で死滅するため、施設の乾燥機を使用するだけでも十分な熱処理になります。角化型の場合は、運ぶ際に皮膚の粉が落ちないようビニール袋に入れて密閉し、そのまま洗濯機へ入れる等の対策が有効です。

出典元の要点(要約)
厚生労働省老健局

介護現場における感染対策の手引き 第3版

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001155694.pdf

予防には早期発見と適切な治療、衣類・リネンの熱水洗濯や乾燥機による処理が有効です。使用したリネン等は落屑が飛び散らないようビニール袋に入れて密閉し洗濯に出します。


まとめ:正しく恐れて負担を減らす。「型」の見極めと「熱処理」がカギ

疥癬への対応で最も大切なのは、闇雲に怖がることではなく、相手(ヒゼンダニ)の弱点を突き、効率的に対策することです。「通常疥癬」であれば、過剰な隔離や常時の防護服着用は必須ではありません。現場を疲弊させないために、まずは以下のポイントを振り返り、明日からのケアに活かしてみてください。

  • 診断の再確認:医師に「通常疥癬」か「角化型疥癬」かを必ず確認し、それに応じた対応レベルを選択する。
  • 隔離の判断:通常疥癬であれば原則として個室隔離は不要。多床室でもリネンを分ける等の対策で管理可能。
  • 乾燥機の活用:熱湯消毒が負担なら、衣類やリネンは乾燥機(50℃以上10分)にかけるだけで死滅する。
  • メリハリ対応:通常疥癬なら、直接肌に触れるケア以外での過剰な防護具着用を見直し、業務負担を減らす。

正しい知識を持って対応をスリム化することは、決して手抜きではなく、職員の負担を減らし、利用者様の生活を守るための「適切なケア」です。まずは次の洗濯のタイミングから、乾燥機を積極的に活用することから始めてみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございます。この記事が、現場の皆様の不安解消と業務改善の一助となれば幸いです。



更新履歴

  • 2025年12月24日:新規投稿

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