現場では、定時のトイレ誘導で断られるたびに、「今はまだ早かったのか」「ここで見送ってよいのか」と判断に迷いやすいです。失敗を防ぎたい気持ちと、本人の気持ちを無視したくない気持ちの間で、対応がぶれやすくなります。
こうした場面では、声かけを急いでうまくいかない日もあれば、本人の表情やいつもとの違いを見て落ち着いて対応できる日もあります。続けて見えてくるのは、正解を勘で当てるより、何を見て判断するかをそろえた方が迷いが減るということです。
全部を丁寧に見るのは難しくても、まずは意向、生活リズム、表情、記録など、押さえる視点を絞ることが判断の見直しのきっかけになります。この記事では、トイレ拒否の場面で判断をそろえるための見方を、現場で使いやすい形で整理します。
この記事を読むと分かること
- 判断の見方
- 意向の確認点
- 記録の残し方
- 生活リズムの見方
- 振り返りの視点
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
認知症の人を含む高齢者のトイレ拒否の判断基準は、本人の意思と日常の変化を見て、記録で確かめます

現場では、定時のトイレ誘導を断られるたびに、「今は見送るべきか」「このまま声をかけるべきか」と迷いやすいです。失敗を避けたい気持ちが強いほど、職員側の流れで進めたくなりますが、あとから「本人の気持ちを置き去りにしたかもしれない」と引っかかることもあります。この記事を読むと、トイレ拒否の場面で何を先に見て、何を記録に残せばよいかを整理して確認できます。
こうした場面では、返事だけで判断しようとして迷いが深くなりやすいです。言葉がなくても、表情や身振りに変化が出ることがあります。うまくいく時は、介護職が急いで答えを出すより、本人の意思、日常の流れ、いつもとの違いを順に確かめています。全部は無理でも、見る視点をそろえることが現実的な出発点です。
判断に迷ったときは、先に見る項目をそろえます
このチェック表は、トイレ拒否があった場面の振り返りで使用します。
誘導がうまくいかなかった直後に、「やったか/やっていないか」で確認し、次の対応で1つだけ意識する項目を決めます。すべてを一度に改善しようとせず、繰り返し使うことで対応のズレを整えていきます。
現場では、断られた瞬間に「今は無理だ」と決めてしまったり、逆に流れでそのまま進めてしまったりしやすいです。こうした場面では、先に見る項目をそろえると、本人の意思や状況を確認しやすくなります。迷いが続く時ほど、何を見たかを言葉にできないまま対応しやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。」
「まずは本人の表明した意思選好を確認し」
「認知症の人の身振り手振り、表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる。」
「本人が理解できるよう、分かりやすい言葉や文字に変えて、ゆっくりと説明しているか。」
「本人の意思や状況を継続的に把握し必要な支援を行う体制」
「本人の語りや表情なども含め、できる限り具体的な記録を残しておくと良い。」
「意思決定支援チームでの事後の振り返り」国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「まずは,本人の表明した意思・選好,あるいは,その確認が難しい場合には推定意思・選好を確認し,それを尊重することから始まる.」
「認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」厚生労働省
認知症参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001088515.pdf
「5.望む生活・暮らしの意向の把握」
「6.一週間の生活リズムとその変化を把握することの支援」
「8.水分摂取状況の把握の支援」
「9.コミュニケーション状況の把握の支援」
「16.日常生活における意向の尊重」
「21.清潔に関する状況の変化を把握し保つことの支援」
「22.体調管理の支援」
「23.日常と異なる状態の把握とそれを表明することの支援」
本人の意思は、返事だけでなく表情や身振りも含めて見ます
現場では、言葉で断られないと「受け入れている」と受け取りやすいです。こうした場面では、表情や身振り手振りも意思表示として見ることが必要です。返事がないまま進めると、あとから強い拒否につながることがあります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人の身振り手振り、表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる。」
「本人の示した意思は、それが他者を害する場合や、本人にとって見過ごすことのできない重大な影響が生ずる場合でない限り、尊重される。」
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」
生活リズムや水分など、日常の流れも一緒に見ます
現場では、今この瞬間の反応だけで判断したくなることがあります。こうした場面では、生活リズム、水分摂取状況、日常と異なる状態を合わせて見る視点が必要です。いつもとの違いを見ないままでは、同じ迷いを繰り返しやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001088515.pdf
「6.一週間の生活リズムとその変化を把握することの支援」
「8.水分摂取状況の把握の支援」
「21.清潔に関する状況の変化を把握し保つことの支援」
「22.体調管理の支援」
「23.日常と異なる状態の把握とそれを表明することの支援」
「27.できるだけ自立した排泄を続けられるようにすることの支援体制を整える」
判断は記録に残し、あとで振り返って確かめます
現場では、その場を乗り切るだけで終わると、次の担当者に判断が残りにくいです。こうした場面では、支援に使った情報やプロセスを記録し、あとで振り返ることが必要です。うまくいかなかった時ほど、何を見てどう判断したかが曖昧になりやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「その際の話し合った内容は、その都度文書として残すことが必要である。」
「プロセスごとの内容や結果を記録し、適切に評価を行い、質の向上につなげる役割もある。」
「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り…や、意思を複数回確認することが求められる。」
「本人のその後の生活に影響を与えるような意思決定支援を行った場合には、その都度、記録を残しておくことが必要である。」
トイレ拒否の場面では、本人の意思、表情や身振り、生活リズム、水分摂取、日常の変化を見て、判断の過程を記録し、振り返りながら確かめていくことが必要です。
高齢者のトイレ拒否で判断基準がぶれやすい、よくある事例

現場では、トイレ拒否があるたびに、見送るべきか、もう一声かけるべきかで迷いやすいです。失敗を避けたい気持ちと、本人の意思を尊重したい気持ちがぶつかると、対応が職員ごとにずれやすくなります。
定時の誘導で返事がなく、そのまま動き出したあとに表情が硬くなる場面は少なくありません。説明したつもりでも伝わっていないことがあり、その場だけで終えると次の判断にもつながりにくいです。見えてくるのは、迷いやすい事例を分けて考えた方が、判断のずれを減らしやすいということです。全部を変えるより、まずはぶれやすい場面を整理することが現実的です。
断られた直後に、そのまま進めるか迷う事例
現場では、定時のトイレ誘導を断られた直後に、ここで見送ると困る気持ちが先に立ちやすいです。対応を急ぐほど、その場の流れで進めるか、すぐに引くかの二択になりやすくなります。後から振り返ると、先に確認すべきだったのは、職員の都合ではなく、本人がどう受け止めているかでした。まず意思の確認から始める形にそろえることが、対応のぶれを減らす方向になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 断られたあとに職員側の流れでそのまま声を重ねてしまう場面です。 |
| 困りごと | 見送るべきか進めるべきかの判断が、その場の忙しさで変わりやすいことです。 |
| よくある誤解 | 一度声をかけたのだから、そのまま進めてもよいと考えることです。 |
| 押さえるべき視点 | まず本人の表明した意思・選好を確認し、それが難しい場合も推定される意思・選好を確認して尊重することです。 |
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「まずは,本人の表明した意思・選好,あるいは,その確認が難しい場合には推定意思・選好を確認し,それを尊重することから始まる.」
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。」
「本人の示した意思は、それが他者を害する場合や、本人にとって見過ごすことのできない重大な影響が生ずる場合でない限り、尊重される。」
返事がないので、受け入れていると考えてしまう事例
こうした場面では、返事がないまま立ち上がりや移動を促すと、途中で体がこわばったり、視線が外れたりすることがあります。言葉がないと判断材料が少なく感じられ、拒否ではないと受け取りやすいです。ところが、うまくいかない対応を重ねると、あとから強い拒否として表れやすくなります。返事だけで決めず、表情や身振りも見る形に変えることが、次の判断の土台になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 言葉で嫌と言われないため、そのまま受け入れていると考えてしまう場面です。 |
| 困りごと | 拒否なのか、まだ判断できない状態なのかが分かりにくいことです。 |
| よくある誤解 | 言葉で断られないなら進めてよいという見方です。 |
| 押さえるべき視点 | 身振り手振りや表情の変化も意思表示として読み取ることです。 |
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人の身振り手振り、表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる。」
説明したつもりでも、本人に伝わっていない事例
現場では、「トイレに行きましょう」と声をかけても、本人の反応が合わず、拒否なのか理解しにくいことがあります。急いでいる時ほど、いつもの言い方をそのまま使い、その場で伝わっている前提で進めやすいです。振り返ると、言葉が届いていないまま動きを求めていた場面もあります。説明の仕方を整えることが、迷いを減らす現実的な対応になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 説明をしているのに反応がずれ、職員側だけが話を進めてしまう場面です。 |
| 困りごと | 拒否なのか、内容が分からないのかを分けにくいことです。 |
| よくある誤解 | 説明したのだから伝わっているという見方です。 |
| 押さえるべき視点 | 分かりやすい言葉に変え、ゆっくり伝え、必要に応じて物を見せるなどの視覚的な情報も使うことです。 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「本人が理解できるよう、分かりやすい言葉や文字に変えて、ゆっくりと説明しているか。」
国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.」
その場の対応で終わり、次の判断につながらない事例
こうした場面では、その時の対応で終わると、次の担当者が同じ場面でまた迷いやすいです。うまくいかなかった理由が残らないままでは、声かけや見方が担当者ごとに変わりやすくなります。あとから思い返しても、何を見て判断したのかが曖昧なことは少なくありません。対応の過程を記録し、振り返る流れを持つことが、ぶれを減らす方向になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 拒否の有無だけで終わり、判断に使った情報が残らない場面です。 |
| 困りごと | 次の場面でも同じ迷いを繰り返しやすいことです。 |
| よくある誤解 | 記録は結果だけ残せば足りるという考え方です。 |
| 押さえるべき視点 | 支援に使った情報やプロセスを記録し、事後に振り返り、必要に応じて意思を確認し直すことです。 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「支援の時に用いた情報を含め、プロセスを記録し、振り返ることが必要である。」
「本人の語りや表情なども含め、できる限り具体的な記録を残しておくと良い。」
「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り…や、意思を複数回確認することが求められる。」
「その都度、記録を残しておくことが必要である。」
よくある事例を分けて見ると、迷いは「意思の確認」「表情や身振り」「伝わる説明」「記録と振り返り」に集まりやすいです。まずはこの4つをそろえると、現場での判断がぶれにくくなります。
高齢者のトイレ拒否が起きやすいのはなぜか

現場では、同じように声をかけているつもりでも、ある日は拒否が強くなり、ある日は受け入れられることがあります。そのたびに「何が違ったのか」が分からないまま対応すると、迷いが積み重なりやすいです。このような状況が起きる背景には、確認すべき視点が抜けやすいことが関係しています。ここでは、高齢者のトイレ拒否で判断がぶれやすくなる理由を説明します。
定時の誘導で返事がなく、表情も硬いままなのに、忙しさからそのまま進めたくなる場面は少なくありません。あとから振り返ると、本人の気持ちを確認しないまま、職員側の流れで動いていたと気づくことがあります。うまくいく対応では、先に意思、日常の流れ、伝わり方を見直しています。全部を変える前に、なぜ迷いが起きるのかを分けて見ることが現実的な出発点です。
本人の意思や意向を先に確かめていないからです
現場では、断られた時に「今は無理なのか」「それとも声かけを変えればよいのか」で迷いやすいです。対応を急ぐほど、本人の気持ちより先に、失敗を防ぎたい気持ちが前に出やすくなります。あとから見えるのは、まず確認すべきは職員の判断ではなく、本人がどう考え、どう受け止めているかだということです。先に本人の意思や意向を確かめることが、判断の土台になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 支援は本人の意思を尊重するために行うものだからです。 |
| 建前 | まず本人の表明した意思や選好を確認することが原則です。 |
| 現実 | 忙しさの中でこの順番が後ろに回りやすいです。 |
| そのズレが生む問題 | 職員側の流れで進めるか、すぐ見送るかの二択になりやすくなります。 |
| 押さえるべき視点 | まず本人の意思を確認し、難しい時も推定される意思や選好を確かめて尊重することです。 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。」
「○ 日常生活については、これまで本人が過ごしてきた生活やできること・やりたいことを尊重することが原則である。」国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「まずは,本人の表明した意思・選好,あるいは,その確認が難しい場合には推定意思・選好を確認し,それを尊重することから始まる.」
生活リズムや水分の状況を一緒に見ていないからです
こうした場面では、その時の返事や表情だけで判断したくなることがあります。ところが、いつもの流れと違う日や、水分の取り方が違う日は、同じ声かけでも受け止め方が変わりやすいです。振り返ると、うまくいかなかった日ほど、その場面だけを見て終わっていることがあります。まず生活リズムや水分摂取状況を一緒に見ることが、判断を整える方向になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 日常生活を支えるうえで、生活リズムや水分の状況を把握する支援が挙げられているからです。 |
| 建前 | 一週間の生活リズムやその変化、水分摂取状況を把握することが求められます。 |
| 現実 | その場の対応が優先され、前後の流れまで見にくいことがあります。 |
| そのズレが生む問題 | いつもとの違いを見ないまま同じ対応を続けやすいです。 |
| 押さえるべき視点 | 場面だけでなく、日常の流れと変化を一緒に見ることです。 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001088515.pdf
「6.一週間の生活リズムとその変化を把握することの支援」
「8.水分摂取状況の把握の支援」
「25.必要な水分量の把握と必要な水分量を摂取できるようにする支援体制を整える」
「27.できるだけ自立した排泄を続けられるようにすることの支援体制を整える」
説明が本人に伝わる形になっていないからです
現場では、「トイレに行きましょう」と声をかけても、反応が合わず、拒否なのか分からなくなることがあります。急いでいる時ほど、いつもの言い方で済ませやすく、説明したつもりで進めやすいです。あとから考えると、言葉が届いていないまま動きを求めていた場面もあります。説明の仕方を整えることが、迷いを減らす現実的な方向になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 本人が理解できるように説明する支援が必要だからです。 |
| 建前 | 分かりやすい言葉や文字に変え、ゆっくり説明し、必要に応じて物を見せることが示されています。 |
| 現実 | 時間に追われると、説明の仕方まで整えにくいです。 |
| そのズレが生む問題 | 拒否なのか未理解なのかを分けにくくなります。 |
| 押さえるべき視点 | 分かりやすい言葉、ゆっくりした説明、視覚的な情報です。 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「本人が理解できるよう、分かりやすい言葉や文字に変えて、ゆっくりと説明しているか。」
国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.」
「本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.」
不安やストレス、日常と違う状態を見落としやすいからです
現場では、いつもより落ち着かない様子や、何となくいつもと違う雰囲気があっても、排泄の場面だけで考えてしまうことがあります。判断に迷うほど、その違和感を言葉にしにくく、対応もその場限りになりやすいです。見えてくるのは、拒否だけを見ても足りず、背景にある状態も一緒に見た方が整理しやすいということです。まず不安やストレス、日常と異なる状態を押さえることが方向になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 本人の不安やストレスの把握、日常と異なる状態の把握が支援内容として挙げられているからです。 |
| 建前 | 背景要因や状態の変化まで見ていくことが求められます。 |
| 現実 | 目の前の対応に追われると、この背景まで拾いにくいです。 |
| そのズレが生む問題 | 何に反応しているのかが分からないまま同じ迷いが続きやすいです。 |
| 押さえるべき視点 | 拒否の前後にある状態の変化にも目を向けることです。 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001088515.pdf
「23.日常と異なる状態の把握とそれを表明することの支援」
「34.行動・心理症状の具体的内容を把握する体制を整える」
「35.本人の不安やストレスの把握」
「36.背景要因に対する対応策の実施の支援」
記録と振り返りがないと、判断が次につながらないからです
こうした場面では、その時の対応で終わると、次の担当者がまた同じところで迷いやすいです。うまくいかなかった時ほど、何を見て、どう判断したのかが残らず、振り返りもしにくくなります。対応が重なるほど、勘に頼っているように感じやすいです。まず記録と振り返りを残すことが、判断を育てる方向になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ起きるのか | 意思決定支援では、使った情報やプロセスを記録し、事後に振り返ることが必要とされているからです。 |
| 建前 | 話し合った内容を文書として残し、プロセスごとの内容や結果を記録し、本人の意思を複数回確認することが求められます。 |
| 現実 | 結果だけを残して終わりやすいです。 |
| そのズレが生む問題 | 次の場面でも判断基準が共有されにくくなります。 |
| 押さえるべき視点 | 結果だけでなく判断の過程も残すことです。 |
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「その際の話し合った内容は、その都度文書として残すことが必要である。」
「プロセスごとの内容や結果を記録し、適切に評価を行い、質の向上につなげる役割もある。」
「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り(例えば、本人が体験等を通して、意思が変わる場合がある)や、意思を複数回確認することが求められる。」
「本人の語りや表情なども含め、できる限り具体的な記録を残しておくと良い。」
トイレ拒否で判断がぶれやすい背景には、本人の意思、日常の流れ、伝わる説明、状態の変化、記録と振り返りが抜けやすいことがあります。まずはこの5つを意識すると、現場で見直す視点がそろいやすくなります。
高齢者のトイレ拒否で迷いやすいこと
現場では、トイレ拒否があるたびに、「どこまで確認すればよいのか」「今は見送るべきか」で迷いやすいです。返事がない時や、説明しても反応が合わない時ほど、判断のよりどころが欲しくなります。
- Q拒否があった時は、最初に何を確認すればよいですか?
- Aまずは本人の表明した意思・選好を確認します。確認が難しい場合も、推定される意思や選好を確かめ、それを尊重することから始めます。現場では、断られた直後に次の行動を決めたくなりますが、先に本人の受け止め方を確かめる視点が必要です。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「まずは,本人の表明した意思・選好,あるいは,その確認が難しい場合には推定意思・選好を確認し,それを尊重することから始まる.」 厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。」
- Q言葉で返事がない時は、何を見ればよいですか?
- A返事だけでなく、身振り手振りや表情の変化も見ます。言葉での確認が難しい時ほど、非言語の変化も意思表示として読み取ることが求められます。現場では、返事がないと受け入れていると考えやすいですが、その前に表情や動きも確かめます。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」 厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「認知症の人の身振り手振り、表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる。」
- Q説明しても伝わりにくい時は、どうしたらよいですか?
- A本人が理解できるよう、分かりやすい言葉に変えて、ゆっくり説明します。言葉だけで伝わりにくい場合は、物を見せるなど視覚的な情報を使うことも示されています。現場では、急いでいるほど説明を短く済ませやすいですが、伝わる形に整える視点が必要です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「本人が理解できるよう、分かりやすい言葉や文字に変えて、ゆっくりと説明しているか。」 国立長寿医療研究センター
認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
「言葉だけでは理解できない場合もあるため,物を見せるなどの視覚的情報を活用すると,認知症患者が理解しやすくなる.」
- Q生活リズムや水分の状況も、判断材料に入れた方がよいですか?
- Aはい。一週間の生活リズムとその変化、水分摂取状況を把握する支援が挙げられています。日常と異なる状態を見る視点も示されています。現場では、その場の反応だけで決めたくなりますが、前後の流れも一緒に見ることが大切です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001088515.pdf
「6.一週間の生活リズムとその変化を把握することの支援」 「8.水分摂取状況の把握の支援」 「23.日常と異なる状態の把握とそれを表明することの支援」
- Q判断に使った内容は、記録に残した方がよいですか?
- Aはい。支援に使った情報を含め、プロセスを記録し、振り返ることが必要です。本人の語りや表情なども含め、できる限り具体的に残すことが示されています。現場では結果だけを書いて終わりやすいですが、何を見て判断したかも残す視点が必要です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
「支援の時に用いた情報を含め、プロセスを記録し、振り返ることが必要である。」 「本人の語りや表情なども含め、できる限り具体的な記録を残しておくと良い。」 「本人の意思は変化することもあるので、意思決定支援チームでの事後の振り返り(例えば、本人が体験等を通して、意思が変わる場合がある)や、意思を複数回確認することが求められる。」
FAQで押さえたいのは、本人の意思、表情や身振り、伝わる説明、生活リズムや水分、そして記録と振り返りです。迷った時ほど、この順で確認すると判断を整えやすくなります。
高齢者のトイレ拒否は、まず見る項目をそろえることから始めます
現場では、トイレ拒否があるたびに、「今は見送るべきか」「もう一声かけるべきか」と迷いやすいです。失敗を避けたい気持ちが強いほど、急いで答えを出したくなることもあります。
ただ、この記事で見てきた通り、先に押さえたいのは本人の意思、表情や身振り、生活リズム、水分、そして記録と振り返りです。全部を一度に整えるのは難しくても、見る視点をそろえるだけでも、判断はぶれにくくなります。
明日からの最初の一歩は、トイレ拒否があった場面で、結論で示した項目に沿って見たことを1回記録することです。「これで合っているのか」と不安な日ほど、結果だけでなく、何を見て判断したかを残してみてください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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更新履歴
- 2026年2月24日:新規投稿
- 2026年4月10日:内容を全面的にリライト
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