介護記録に生成AIを入れると聞くと、「これで記録が楽になるかもしれない」と期待したくなります。一方で現場では、排泄介助、食事介助、服薬確認、転倒リスクの観察、認知症の方への対応が重なり、記録を書く時間そのものが足りません。
その状況で「AIにうまく指示して記録を作ってください」と言われても、負担が別の形に変わるだけです。問題は介護職がAIを使いこなせないことではなく、使いこなす前提で現場に投げる設計にあります。
この記事では、介護記録を「書け」ではなく埋めろに変える考え方を整理します。AIは判断役ではなく下書き役にし、人間が見た事実と表現を確認する。まずはこの線引きから始めます。
この記事を読むと分かること
- AI導入の線引き
- 固定プロンプト
- 入力フォーム化
- 人間の確認範囲
- 小さな始め方
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
介護記録の生成AI導入は「書け」ではなく「埋めろ」に変える

生成AIは介護記録の判断役ではなく下書き役です。職員には自由入力を求めず、事実を項目で埋める設計にします。
現場では、ケアが続いたあとに記録を書こうとしても、細かい場面が薄れていることがあります。そこでAIに「記録を作って」と頼むだけでは、材料不足の文章が整って見える不安が残ります。この記事を読むと、AIに任せる範囲と人間が確認する範囲を分けて考えられます。
介護記録で大事なのは、きれいな文章よりも、見たこと、聞いたこと、対応したことが残っていることです。自由に文章を書かせるより、時間、場面、本人の発言、観察した事実、対応、結果を短く入れる形にした方が迷いにくくなります。AIはその材料を整え、人間が最終確認する役割に置きます。
AIに合わせるより入力欄を現場に合わせる
現場では、排泄後の状態、食事中のむせ、服薬時の反応など、短く残したい情報が場面ごとに違います。毎回AIへの頼み方を考える運用では、記録が得意な職員に負担が寄りやすくなります。この項目では、AIではなく入力欄を現場に合わせる考え方を整理します。
生成AIから効果的な回答を得るには、指示、文脈、入力、出力形式を組み合わせる必要があります。しかし、現場でその設計を勤務中に毎回考えるのは現実的ではありません。だから、職員に求めるのは上手なプロンプト作成ではなく、事実を短く埋めることに絞ります。排泄なら「時間」「状態」「訴え」「対応」「結果」、食事なら「摂取量」「むせ」「拒否」「声かけ」「変化」のように、先に欄を作ります。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:プロンプトには命令、文脈、入力、出力の要素があり、具体的に組み合わせることで目的の出力を生成しやすくなるとされています。また、高度なプロンプト作成能力を利用者全員が持つとは限らないため、テンプレートを選べる仕組みが対策として示されています。
AIは下書き役、人間は事実確認役に分ける
忙しい日ほど、AIが整えた文章をそのまま使いたくなる場面があります。けれど、記録は「それらしい文章」ではなく、現場で確認した事実が土台です。この項目では、AIの位置づけを確認します。
テキスト生成AIは強力な道具ですが、回答に誤りや矛盾が含まれることがあります。介護記録では、AIが補った表現を事実のように残すと、あとで申し送りや説明のずれにつながります。そこで、AIは短文メモを記録文に整える下書き役にとどめます。人間は、本人の発言、職員の観察、対応、結果が実際の場面と合っているかを確認します。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:テキスト生成AIは強力なツールである一方、万能ではないため、人間の判断と組み合わせることが重要とされています。出力内容を単純に受け入れず、批判的に検証した上で利用すべきと説明されています。
固定プロンプトと入力制限を先に決める
「このメモを記録にして」とだけ伝えると、AIがどの範囲まで整えてよいのか分かりにくくなります。職員も、どこまで情報を入れてよいのか迷います。この項目では、先に決めるルールを整理します。
組織で生成AIを運用する場合、利用ルールやガイドラインを文書化し、入力してはいけない内容や生成物の扱いを示すことが重要とされています。介護記録でも同じです。固定プロンプトは、たとえば「事実だけで、時系列で、短くまとめる。推測は入れない。本人の発言、観察、対応、結果に分ける」といった形にします。加えて、個人情報や機密情報をどう扱うかは、施設・事業所の安全な運用と合わせて決めます。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:生成AIを組織で運用する際は、利活用ガイドラインやルールを策定・文書化し、組織内で共有することが重要とされています。入力してはいけない内容、目的の出力を得るプロンプトのコツ、生成物の取扱い方法などを記述すると説明されています。
介護記録は観察項目と特記欄で支える
文章が苦手な職員でも、観察した事実を短く残せることがあります。つまずくのは、短い材料を介護記録の文章へ整えるところです。この項目では、記録を項目で支える考え方を見ます。
介護現場の記録改善では、観察項目一覧、モニタリングシートの見直し、チェックボックス化、特記欄の例示などが示されています。これは、文章力だけに頼らず、必要な情報を拾いやすくする工夫です。生成AIを入れる場合も、まず記録欄を整えます。AIに渡す材料がそろえば、下書きの確認もしやすくなります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
根拠要約:観察項目一覧やモニタリングシートの見直しにより、共有される情報の内容が充実し、利用者の状態変化に関する記述が増えた事例が示されています。また、定型的な記載をチェックボックスに変更し、特記欄に記載項目を例付きで示した事例も示されています。
介護記録の生成AI導入は、職員にAIを合わせるのではなく、AIの使い方を現場に合わせる設計です。記録欄、固定プロンプト、人間確認の3点を先に決めます。
介護記録の生成AI導入で起きやすい失敗事例

現場では、「AIを使えば記録が楽になる」と言われても、すぐには安心できません。うまく回らない設計だと、記録の負担が軽くなるどころか、入力、確認、修正が増えたように感じます。
たとえば、夜勤明けに記録を整えようとしても、本人の発言や対応の細部が思い出しにくいことがあります。そこへ自由入力のAI運用が入ると、できる職員だけが工夫し、苦手な職員は使わなくなりがちです。失敗を職員の理解不足にせず、仕組みで迷いを減らすことが大切です。
「記録を書いて」と自由入力で頼ませる
現場では、忙しい合間に短いメモだけ残して、あとからAIへ文章化を頼む場面が想定されます。けれど、自由入力では何を入れればよいかが職員ごとに変わります。まずは、AIへの頼み方を固定する方向で考えます。
状況としては、職員がAIに「記録を書いて」と入力します。困りごとは、命令、文脈、入力、出力形式が足りず、期待する記録になりにくいことです。よくある誤解は、AIに頼めば文章の形が整うので十分だと考えることです。押さえるべき視点は、入力欄と固定プロンプトを用意し、職員が考える範囲を減らすことです。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:プロンプトには命令、文脈、入力、出力の要素が含まれると説明されています。具体的に指示し組み合わせることで目的の出力を生成しやすくなるため、自由入力だけに頼る運用には注意が必要です。
材料不足のままAIが整った文章にする
ケア後に「食事拒否あり」「声かけで少量摂取」だけ残っていることがあります。AIが文章を整えると、見た目は記録らしくなりますが、確認していない背景まで入ると困ります。ここでは、材料不足のまま整える怖さを扱います。
状況としては、短いメモから記録文を作ります。困りごとは、AIがそれらしく文章を整えることで、実際に見ていない内容まで含まれていないか確認が必要になることです。よくある誤解は、文章が自然なら記録として使いやすいと考えることです。押さえるべき視点は、AIに推測をさせず、材料が足りない時は不足として扱うことです。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:テキスト生成AIは学習データが古い場合や誤りがある場合に誤った回答を出力する可能性があり、文脈を正確に推定して回答を出力するわけではないため、矛盾や非論理的内容が含まれるリスクもあると説明されています。
できる職員だけがプロンプトを工夫する
新しいツールが入ると、理解の早い職員が便利な使い方を見つけることがあります。一方で、文章や機械操作が苦手な職員は、何を頼めばよいか分からず距離を置きます。ここでは、できる職員基準の運用を避けます。
状況としては、一部の職員だけがAIを使いこなし、他の職員は従来の記録に戻ります。困りごとは、記録の質や書き方がさらにばらつくことです。よくある誤解は、研修で職員が慣れれば自然に広がると考えることです。押さえるべき視点は、テンプレートや記録例を用意し、つまずく人でも同じ入口から使える形にすることです。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:効果的なプロンプト例の共有や、日常業務の中で生成AIを使う文化づくりが教育方法として示されています。また、プロンプトテンプレートをシステムに組み込み、選択可能にする対策も示されています。
記録様式とAI運用が二重入力になる
紙の記録、介護ソフト、AI用の入力欄が並ぶと、職員は同じ内容を何度も入れる感覚になります。新しい仕組みが増えた分、転記の手間が残ると不満が出やすいです。ここでは、AI導入前に既存様式を見ます。
状況としては、AI用の入力を追加したのに、従来の記録や転記が残っています。困りごとは、効率化のはずが入力場所を増やす形になることです。よくある誤解は、AIを足せば記録負担が下がると考えることです。押さえるべき視点は、先に書類や項目の重複を整理し、転記が増えない流れにすることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
根拠要約:記録負担に関する事例では、同じような内容を複数回記載する負担や転記作業が課題として示されています。書類の意味合いや必要度を整理し、重複項目を見直す取組が示されています。
観察ポイントが曖昧なまま文章だけ整える
転倒リスク、食事の変化、排泄状況など、どこを観察するかが曖昧なまま記録だけ整えることがあります。文章はきれいでも、申し送りに必要な情報が抜けると現場は困ります。ここでは、文章より観察項目を先にします。
状況としては、AIで記録文の体裁は整っています。困りごとは、職員によって観察するポイントが違い、必要な情報が残りにくいことです。よくある誤解は、文章を整えれば記録の質も整うと考えることです。押さえるべき視点は、観察項目一覧や特記欄の例を作り、何を見るかをそろえることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
根拠要約:職員への指示やケアマネジャーへの報告内容にムラがあった事例では、利用者の観察ポイントを明確にし共有したことが示されています。記録作成の目的を理解し、必要な内容を記述するよう周知する視点も示されています。
失敗事例に共通するのは、AIを足す前の入力設計が弱いことです。自由入力ではなく、項目、例、固定プロンプト、人間確認を先に置きます。
なぜ介護記録の生成AI導入は現場に丸投げすると崩れやすいのか

現場では、AI導入に反対しているわけではなく、「どう使うかをまた現場で考えるのか」と感じることがあります。このような状況が起きる背景には、生成AIの制約、プロンプト作成の負担、介護記録の観察項目、入力ルールの不足が関係しています。ここでは、丸投げ運用が崩れやすい理由を説明します。
忙しい勤務中に、AIへの指示文、記録材料、個人情報の扱い、出力確認まで考えるのは負担です。うまくいった職員だけを基準にすると、苦手な職員は置いていかれます。導入前に、誰が見ても同じ使い方に近づく設計が必要です。
生成AIは万能ではなく、出力確認が必要だから
現場では、AIが整えた文章が自然だと、ついそのまま使いたくなることがあります。けれど、自然な文章と事実に合う文章は同じではありません。ここでは、確認を省かない理由を整理します。
なぜ起きるのかというと、テキスト生成AIには誤った回答や文脈のずれが起きる可能性があるためです。建前としては、AIが記録を整えれば楽になるという期待があります。現実には、記録に必要な材料が不足していると、出力の確認や修正が必要になります。そのズレが「楽になるはずが確認作業も増えた」という感覚につながります。押さえるべき視点は、AIの出力は下書きとして扱い、人間が事実確認することです。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:テキスト生成AIは万能ではなく、人間の判断と組み合わせることが重要とされています。出力内容を単純に受け入れず、批判的に検証した上で利用すべきと説明されています。
プロンプト作成を職員差に任せる設計になるから
記録が得意な職員は、AIへの指示も工夫できることがあります。一方で、文章化が苦手な職員は、何を入れればよいかで止まります。ここでは、職員差に依存しない形を考えます。
なぜ起きるのかというと、効果的な出力にはプロンプトの設計が関係するためです。建前としては、職員がAIに慣れれば使えるという考えがあります。現実には、利用者ごとに得意不得意があり、勤務中に高度な指示文を考える余裕も限られます。そのズレが、できる職員だけが使う運用につながります。押さえるべき視点は、固定プロンプトと選択式入力で差を小さくすることです。
| 丸投げ運用 | 設計した運用 |
|---|---|
| 職員が毎回プロンプトを考える | 固定プロンプトを選ぶ |
| 自由文章で材料を入れる | 時間、場面、観察、対応、結果を埋める |
| 使える職員に偏る | つまずく職員を基準にする |
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:生成AIから効果的な回答を得るには高度なプロンプトエンジニアリング能力が必要になる場合があり、利用者の能力がそろうとは限らないため、プロンプトテンプレートを選択できる仕組みが対策として示されています。
介護記録は文章力より観察項目が先だから
食事量、むせ、拒否、本人の訴え、対応後の変化など、記録に残したい材料は文章より前にあります。文章を整える前に、何を観察するかが曖昧だと記録の中身が安定しません。
なぜ起きるのかというと、介護記録には現場で見た事実と共有すべき観察項目が必要だからです。建前としては、文章を整えれば読みやすい記録になります。現実には、観察ポイントが職員ごとに違うと、AIが整えても材料の差は残ります。そのズレが、見た目は整っているのに申し送りで使いにくい記録につながります。押さえるべき視点は、観察項目を先にそろえ、文章化はその後にすることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
根拠要約:共有すべき情報項目のリスト作成、観察項目一覧、報告書式の見直し、チェックボックス化、特記欄への記載項目の例示など、記録内容を支える設計が示されています。
個人情報・機密情報の入力ルールが必要だから
介護記録には、利用者の状態、生活状況、家族とのやり取りなど、慎重に扱う情報が含まれます。便利だからといって、入力してよい範囲が曖昧なまま使うと現場は不安になります。
なぜ起きるのかというと、生成AIへの入力には個人情報や組織の機密情報に関する注意点があるためです。建前としては、AIに材料を多く渡せば良い文章になるという考えがあります。現実には、入力制限や安全な利用環境が決まっていないと、職員が判断に迷います。そのズレが、使う人と使わない人の差や不安につながります。押さえるべき視点は、入力してよい情報と入れない情報を先に決めることです。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:生成AIの利用では、個人情報や組織の機密情報など、入力を制限することが推奨される情報が示されています。利活用ガイドラインには、入力制限や生成物の取扱い方法を記載することが重要とされています。
AI活用は介護現場の課題解決に向けて検証しながら進めるものだから
「AIを入れたから記録は楽になる」と先に言われると、現場は身構えます。実際には、どの記録に合うのか、誰が確認するのか、どの環境で使うのかを試しながら整える必要があります。
なぜ起きるのかというと、介護分野でのAI活用は、現場の課題解決や業務効率化に向けて検証しながら進める性質があるためです。建前としては、AIで記録作成を支援したい。現実には、信頼性やセキュリティ、担当者の確認、既存ソフトとの関係を整理しないと、現場の負担感が残ります。そのズレが、便利な道具ではなく監視や負担増の道具として受け止められる理由になります。押さえるべき視点は、小さく試し、現場の確認工程まで含めて設計することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営改善支援等
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001586129.pdf
根拠要約:介護テクノロジー等は現場の課題解決、業務効率化、負担軽減に向けた技術である必要があるとされています。AIを活用した介護記録ソフトの実証や、担当者がチェックした上で記録データを要約する例も示されています。
丸投げ運用が崩れやすい理由は、AIの制約、プロンプト作成の負担、観察項目、入力ルールが整理されていないからです。設計で迷いを減らします。
介護記録の生成AI導入で迷いやすい質問
現場では、生成AIを使ってよいのか、どこまで任せてよいのか、個人情報をどう扱うのかで迷いやすくなります。ここでは、介護記録の下書き運用を始める前に確認したい点を整理します。
- Q介護記録に生成AIを使ってもよいですか?
- A
介護記録の文章作成や要約を支援する使い方は、介護分野でも検討・実証の対象になっています。ただし、AIに記録の判断を任せるのではなく、下書きや整形の支援として扱い、担当者が確認する運用にします。現場では、まず対象場面を絞って試すと始めやすいです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営改善支援等
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001586129.pdf
根拠要約:AIを活用した介護記録ソフトの実証や、介護記録データをAIが要約し、担当者がチェックした上で提供する例が示されています。生成AIによる計画書や議事録の原案作成が業務効率化に資することも示されています。
- QAIが作った記録をそのまま確定してよいですか?
- A
そのまま確定する運用は避けます。AIの文章は下書きとして扱い、本人の発言、観察した事実、職員の対応、結果が実際の場面と合っているかを確認します。現場では、忙しいほど確認を省きたくなりますが、最終確認は人間の役割として残します。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:テキスト生成AIは万能ではなく、人間の判断と組み合わせることが重要とされています。出力内容を単純に受け入れず、批判的に検証した上で利用すべきと説明されています。
- Q最初に作る固定プロンプトは何ですか?
- A
最初は、短文メモを介護記録の下書きに整えるプロンプトを1つ作ります。例は「事実だけで、時系列で、短くまとめる。推測は入れない。本人の発言、職員の観察、対応、結果に分ける」です。現場では、職員が毎回考えるのではなく、選ぶだけの形にします。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:プロンプトには命令、文脈、入力、出力の要素があり、目的の出力を得るにはそれらの具体的な指示が重要とされています。プロンプトテンプレートを選べる仕組みも対策として示されています。
- Q個人情報をAIに入力してもよいですか?
- A
施設・事業所のルールと安全な利用環境が決まっていない場合、安易に入力しない運用にします。介護記録には利用者や家族に関する慎重な情報が含まれます。現場では、入力してよい情報、伏せる情報、使うAI環境を先に確認します。
出典元の要点(要約)
独立行政法人情報処理推進機構
テキスト生成 AIの導入・運用のガイドライン
根拠要約:生成AIへの入力について、個人情報や組織の機密情報など、利用者による入力を制限することが推奨される情報が示されています。利活用ガイドラインで入力制限を定める重要性も説明されています。
- Q小さく始めるなら何からですか?
- A
まず1つの場面を選び、入力欄と固定プロンプトを作ります。たとえば排泄なら「時間」「状態」「本人の訴え」「介助内容」「対応」「結果」を短く埋める形です。現場では、AIの使い方を広げる前に、記録に必要な材料が残るかを確認します。
出典元の要点(要約)
厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
根拠要約:記録改善の事例では、観察項目一覧、書式見直し、チェックボックス化、特記欄の例示などにより、情報共有や記録の負担軽減に取り組む流れが示されています。
迷ったときは、AIに何を任せるかより先に、何を入力し、何を入れず、誰が確認するかを決めます。小さな場面から始めると運用を整えやすくなります。
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介護記録の生成AIは小さな入力欄と固定プロンプトから始める
現場では、生成AIの導入に期待しながらも、「また新しいことを覚えるのか」「結局できる人だけが使うのでは」と不安になります。その不安は、AIそのものより運用設計が見えないことから生まれます。
介護記録で大切なのは、AIを使いこなす職員を増やすことだけではありません。AIの使い方を現場に合わせることです。記録は「書け」ではなく「埋めろ」に変え、AIは下書き役、人間は最終確認役に分けます。
明日からの一歩は、1つの場面だけで入力欄と固定プロンプトを作ることです。排泄、食事、服薬などから1つ選び、「時間」「場面」「本人の発言」「観察した事実」「対応」「結果」を短く入れる欄を作ります。
そのメモをAIに渡し、事実だけで短く整える。最後に、人間が見たことと表現を確認する。この小さな運用から始める方が、現場に無理なくなじみやすくなります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
更新履歴
- 2026年2月5日:新規投稿
- 2026年5月1日:内容を全面的にリライト
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