排泄拒否への対応は、新人にとって「手順を知っていればできる介助」ではありません。声かけ、表情の読み取り、羞恥心への配慮、引く判断、応援を呼ぶ判断が重なります。
法人本部が教育資料を作るときに難しいのは、現場の熟練者が一瞬で見ている情報を、研修やOJTで確認できる言葉に変えることです。先輩の背中を見せるだけでは、新人は「どこを見て、何を判断し、どこから一人で続けてはいけないのか」を学びにくくなります。
排泄拒否のOJTは、現場の柔軟さを消すためではなく、最低限そろえる観察と報告の軸を持たせるために設計します。
この記事を読むと分かること
- 排泄拒否OJTの分解方法
- 新人に見せる観察項目
- 一人対応を避ける基準
- 記録と申し送りの残し方
- 本部が作るチェック項目
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
- OJTが属人化
- 新人が固まる
- 拒否時に迷う
- 記録がそろわない
- 研修に落とせない
排泄拒否への対応を新人に教えるにはOJTをチェック項目に分解する

排泄拒否への対応を新人に教える中心は、正しい声かけの台本を配ることではありません。新人が何を見るか、どこまで自分で続けるか、どの時点で先輩に戻すかを、法人内で共通のチェック項目にすることです。
見て覚える前に観察項目をそろえる
先輩が排泄介助に入る前には、利用者の表情、覚醒状態、痛み、不快感、周囲の音、人の多さ、前回の排泄状況などを見ています。しかし、新人にはそれが「なんとなく声をかけている」ように見えることがあります。
本部が整えるべきなのは、現場の判断を細かく縛ることではなく、先輩が見ている観察項目を言語化することです。たとえば、排泄誘導前に「眠そうではないか」「痛みを訴えていないか」「急がせる環境になっていないか」「羞恥心が守られているか」を確認欄にします。
この整理があると、新人は先輩の動きを見たあとに「どの項目を見たから、その声かけになったのか」を振り返れます。OJTは、見学時間ではなく、判断の根拠を共有する時間になります。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
介護サービスにおける生産性向上の取組は下記の7つに分類することができます。理念やビジョンをもとに職員の経験値、知識を可視化・標準化することで、若手を含めた職員全体の熟練度を養成する道筋を作る。手順書の作成。日常業務を通じた人材育成の仕組みを作る。職員の専門性を高め、リーダーを育成するため、教育内容の統一と指導方法の標準化を図る。
拒否の場面は本人意思と環境を確認する
排泄拒否は、単なるわがままや協力不足として扱うと、教育の方向を誤ります。本人が今は行きたくない、眠い、痛い、寒い、恥ずかしい、説明が分からない、相手に不安があるなど、拒否には複数の背景があり得ます。
新人には「拒否されたら説得する」と教えるのではなく、まず本人の意思表示として受け止めることを教えます。そのうえで、表情、身振り、言葉、生活歴、いつもの排泄リズム、環境の刺激を確認します。
法人本部の資料では、拒否が出たときの最初の行動を「一度止まる」「言い方を変える」「環境を整える」「時間を置く」「先輩に報告する」のように分けると、施設間で教え方をそろえやすくなります。
- 新人教育の前に、排泄拒否が起きる背景や声かけ・記録・申し送りの考え方を整理したい場合は、認知症の排泄拒否が起きる原因とは|介護現場で声かけ・記録・申し送りをそろえる方法で全体像を確認できます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
認知症の人への支援は、本人の意思を尊重するために行う。したがって、本人の意思を尊重するために、本人の認知能力に応じて理解しやすいように説明しなければならない。意思決定支援は、日々の暮らしの中で、本人自身がどのような意思をもっているのかについて、まずは本人の表明した意思選好を確認し、本人の意思の確認がどうしても難しい場合には、推定意思・選好を確認する。
新人を一人にしない応援基準を決める
排泄拒否のOJTで最も危ないのは、新人が「ここで引いたらいけないのでは」と思い、強い拒否や暴言、暴力の兆候があっても一人で続けてしまうことです。
本部が決めるべきなのは、誰が見ても分かる応援基準です。たとえば、手を払う、身体を硬くする、大声が続く、職員を押す、本人や周囲に転倒リスクが出る、汚染や皮膚トラブルなど緊急性がある場合は、単独対応をやめて上位者に戻すと決めます。
この基準は、新人を甘やかすためではありません。本人の尊厳と職員の安全を両方守るための、法人としての最低ラインです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護現場におけるハラスメント対策マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf
認知症等の病気または障害の症状として現われた言動(BPSD等)は、「ハラスメント」としてではなく、医療的なケアによってアプローチする必要があります。認知症等の病気または障害に起因する暴言・暴力であっても、職員の安全に配慮する必要があることには変わりありませんから、ハラスメント対策とは別に、対応を検討する必要があります。暴言・暴力を受けた場合には、職員が一人で問題を抱え込まず、上長や施設・事業所へ適切に報告・共有できるようにすることが大切です。
排泄拒否への新人教育は、声かけの上手な職員をまねるだけでは足りません。観察項目、本人意思の確認、環境調整、応援基準をチェック項目にし、OJTで見た内容を説明できる形にすることが本部の役割です。
排泄拒否OJTでよくある事例

排泄拒否の新人教育では、現場が頑張っているほど、教え方が暗黙知になりやすい傾向があります。ここでは、法人本部が教育設計で拾っておきたい典型例を整理します。
先輩の声かけだけを見せて終わる
よくあるのは、先輩が利用者に自然に声をかけ、新人が後ろで見ているだけのOJTです。先輩は、利用者の性格、排泄リズム、拒否が出やすい言葉、近づく角度、待つ時間を分かっています。しかし新人には、その判断材料が見えません。
この場合は、見学前に「今日は何を見るか」を決めます。たとえば、最初の声かけ、距離、目線、断られた後の間、再提案の言葉、いったん引くタイミングです。見学後は、先輩が「なぜその順番にしたのか」を説明します。
本部資料では、OJTチェック欄を「見たか」ではなく「説明できるか」に変えると、育成の質を確認しやすくなります。
- OJTで教える内容や新人ごとの研修状況を、施設内で見える形に整理したい場合は、リハ・ケア・ナースのeラーニングと研修管理を兼ね備えたシステム【はぐくも】
を確認しておくのも一つの方法です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
OJTは新人教育の場面でのみ活用される手法ではなく、ベテラン職員、マネジメント層などの人材育成においても幅広く活用できます。教育担当によって教え方にブレが生じてしまっては、事業所全体で業務の手順やケアの質を一定に保つことが難しくなってしまいます。そこで、教える内容にムラがでない、ブレがないように、OJTの標準的な手順を決めましょう。
拒否が出ても続けるか引くか教えていない
排泄介助は、汚染、皮膚トラブル、転倒、感染リスクが絡むことがあります。そのため、新人は「拒否されても介助を完了させなければ」と考えやすくなります。
しかし、本人の意思や状態を見ないまま続けると、拒否が強まり、次の介助にも影響します。教えるべきなのは、続ける根性ではなく、続ける理由と引く理由を分ける力です。
チェック項目には、「今すぐ対応が必要な理由はあるか」「時間を置けるか」「別の職員なら受け入れやすいか」「本人の羞恥心を守れているか」「説明を理解できる状態か」を入れます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
初めての場所や慣れない場所では、本人は緊張したり混乱するなど、本人の意思を十分に表明できない場合があることから、なるべく本人が慣れた場所で意思決定支援を行うことが望ましい。本人が急いで意思決定を行うことがないよう支援の時期についても配慮し、本人が集中できる時間帯を選ぶことや、疲れている時を避けることなどにも注意が必要である。
暴力や強い抵抗を新人が抱え込む
排泄拒否の場面では、手を払う、身体をよじる、職員を押す、強い言葉が出ることがあります。これをすべて新人の対応力不足にすると、報告が遅れます。
法人本部は、強い抵抗や暴言・暴力のある場面を、個人の経験で処理させない設計にする必要があります。BPSDや疾患の影響が考えられる場合でも、職員の安全確保と組織的な共有は必要です。
新人向けの独り立ち基準には、「強い拒否が出たら一度離れる」「利用者と職員の安全を確保する」「上長へ報告する」「記録に残す」を明記します。
- 強い拒否や安全リスクがあるケースを新人だけに任せないためには、トイレ拒否が続く利用者へのカンファレンスの進め方|声かけだけで終わらせない検討項目で、会議に戻す判断材料を整理できます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護現場におけるハラスメント対策マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf
ハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成・共有、管理者等の役割の明確化、発生したハラスメントの対処方法等のルールの作成・共有などの取り組みや環境の整備を図っていくことが求められます。ハラスメントの発生に限らず、様々なトラブルやリスクを職員が抱え込むことなく、管理者に相談したうえで、施設・事業所の事案として捉えて対応することが重要です。
記録と申し送りが勤務者ごとにずれる
排泄拒否への対応は、記録がそろわないと次の勤務者が同じ失敗を繰り返します。「拒否あり」だけでは、何を拒否したのか、どの声かけで強まったのか、時間を置いたらどうだったのかが分かりません。
新人に教える記録は、文章量を増やすことではありません。最低限、拒否が出た状況、本人の言葉や表情、試した声かけ、引いた理由、再提案の結果、次に試すことを残します。
本部が様式を整える場合は、現場が入力しやすい短い項目にし、申し送りで使える順番に並べることが重要です。
- 強い拒否や安全リスクがあるケースを新人だけに任せないためには、トイレ拒否が続く利用者へのカンファレンスの進め方|声かけだけで終わらせない検討項目で、会議に戻す判断材料を整理できます。
出典元の要点(要約)
厚生労働省認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf
専門職種や行政職員等は、意思決定支援が適切になされたかどうかを確認・検証するために、支援の時に用いた情報を含め、プロセスを記録し、振り返ることが必要である。意思決定支援会議では、意思決定支援の参考となる情報や記録が十分に収集されているのか、意思決定能力を踏まえた適切な支援がなされているのか、参加者の構成は適切かどうかなど、意思決定支援のプロセスは適切であるかを確認することが必要である。
排泄拒否OJTで崩れやすいのは、見せ方、引き際、安全確保、記録です。新人の理解不足だけにせず、先輩が何を判断しているかを説明し、勤務をまたいで共有できる形にする必要があります。
なぜ排泄拒否への新人教育は見て覚えるだけでは崩れるのか

排泄拒否の対応が難しい理由は、手順の順番だけで成否が決まらないからです。本人の状態、環境、職員との関係、緊急性、記録のつながりが重なります。
本人の意思は表情や環境で変わるから
排泄に誘う場面では、本人が言葉で明確に説明できないことがあります。嫌だという表情、身体を引く動き、目線をそらすこと、黙り込むことも意思表示として見ます。
新人に必要なのは、拒否の言葉だけを聞くことではなく、非言語の反応を待つ力です。急がせる、囲む、説明を省く、眠い時間に誘うなど、環境によって本人の反応は変わります。
本部が研修資料を作るなら、声かけ例だけでなく「反応を見る時間」を項目にします。これにより、現場の丁寧さを新人にも伝えやすくなります。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第2版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
認知症患者のコミュニケーションの特徴として、認知症の進行に伴ってコミュニケーションの効力が、言語的コミュニケーションから非言語的コミュニケーションへ移行する。認知症が重度になるほど、表情や身振りを使い、非言語メッセージを使うことが効果的である。そして、医療者・介護者が伝えたいことを優先してコミュニケーションをとるよりも、本人の反応を一呼吸待ち、本人が何を行いたいか、本人の意思を読み取ることが大切である。
拒否の背景はケア方法と環境にも関係するから
排泄拒否は、本人の性格だけで説明できません。身体の不快、痛み、寒さ、眠気、便意や尿意の有無、前回の失敗体験、職員との信頼関係、トイレの場所や音も関係します。
そのため、OJTのチェック項目は「声かけできたか」だけでは不足します。誘導前に、身体状態、環境刺激、生活リズム、ケア方法が本人に合っているかを確認します。
法人本部が複数施設で教育をそろえるときは、排泄拒否を「説得の技術」ではなく「原因を探る観察」として位置づけると、現場の判断に近づきます。
出典元の要点(要約)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター認知症・せん妄ケアマニュアル 第2版
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf
BPSDに対しては、その原因となりうる身体状態の変化の有無、ケア介入の方法や療養環境が適切かを評価し、非薬物療法を優先的に行う。また、薬物有害事象によりBPSDが悪化している場合もしばしば認めるため、処方内容の再評価を行い、ポリファーマシー対策も合わせて実施する。このように、原則として、非薬物療法やポリファーマシー対策によって、BPSDを軽減させる十分な努力を行った後にのみ、薬物療法を検討する。
OJTは教える側で差が出やすいから
同じ排泄拒否の場面でも、A先輩は「少し待つ」と教え、B先輩は「もう一度すぐ誘う」と教えることがあります。どちらかが悪いのではなく、判断の前提が共有されていないことが問題です。
法人本部の役割は、現場の柔軟な判断を一つに固定することではありません。観察項目、説明内容、応援基準、記録項目、独り立ち評価の最低ラインをそろえることです。
そのうえで、利用者ごとの違いは個別ケアとして残します。標準化するのは対応そのものではなく、判断を学ぶ順番です。
- 排泄拒否への観察項目や応援基準を、職員間で見やすい形に整理したい場合は、介護向け動画マニュアル管理【Carebase】
を確認しておくのも一つの方法です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
手順書は単なる業務マニュアルではありません。理念やビジョンの表現ツールを共有し共通認識を持つためのひとつと言えます。手順書に沿って実践する中で、手順書を見なくても判断できるようになっていきます。手順書はいわば、適切な業務を判断できるようになるまでの道標となります。手順書を作成する目的は決して画一的なサービスを提供するためではありません。
安全確保は単独判断にしにくいから
排泄拒否では、本人の転倒、皮膚トラブル、感染リスク、職員への暴力、周囲の利用者への影響が同時に起こることがあります。新人が単独で優先順位を判断するには負荷が高すぎます。
そのため、本部は「新人が一人で続けない条件」を明文化します。強い抵抗、身体接触の危険、転倒リスク、汚染が広がる恐れ、本人の苦痛が強い場合は、先輩や管理者に戻します。
これは現場の裁量を奪うためではありません。判断が難しい場面を組織で受け止めるための設計です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する方法がないことの判断を行う場合には、いかなるときでも、まずは身体拘束を行わずに介護するすべての方法の可能性を検討し、本人等の生命または身体を保護するという観点から、他に代替手法が存在しないことを、組織で確認する必要がある。認知症の行動・心理症状がある場合も、そこには何らかの原因があるため、身体拘束を行わずに介護するすべての方法の可能性を検討することが重要である。
| 本部がそろえる項目 | 新人が学ぶ内容 | 現場で確認する例 |
|---|---|---|
| 観察項目 | 拒否の背景を探る | 眠気、痛み、表情、環境刺激 |
| 声かけ項目 | 本人が受け取りやすい言葉を選ぶ | 急がせない、選択肢を示す、羞恥心を守る |
| 中止・応援基準 | 一人で続けない場面を知る | 強い抵抗、暴力、転倒リスク、緊急性 |
| 記録項目 | 次の勤務者へ判断材料を残す | 拒否の状況、試した対応、次に試すこと |
排泄拒否の新人教育が見て覚えるだけで崩れるのは、本人の意思、環境、OJTの属人化、安全判断が重なるからです。本部は現場の判断を奪うのではなく、判断を学ぶ順番と最低限の確認項目をそろえる必要があります。
排泄拒否へのOJTで本部が迷いやすいこと
- Q新人に最初から排泄拒否対応を任せてもよいですか?
- A
最初から単独で任せるより、観察、声かけ、先輩同席、部分実施、振り返りの順に分けた方が安全です。独り立ちの前には、拒否が出たときに一度止まれること、応援を呼ぶ基準を説明できること、記録に残す内容を理解していることを確認します。
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厚生労働省
介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン 改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_kyotaku_Guide.pdf
OJTは新人教育の場面でのみ活用される手法ではなく、ベテラン職員、マネジメント層などの人材育成においても幅広く活用できます。教育担当によって教え方にブレが生じてしまっては、事業所全体で業務の手順やケアの質を一定に保つことが難しくなってしまいます。そこで、教える内容にムラがでない、ブレがないように、OJTの標準的な手順を決めましょう。
[/syutten]
- Q拒否が強い利用者の対応はマニュアル化できますか?
- A
利用者ごとの反応まで一律にすることはできません。しかし、観察項目、本人意思の確認、環境調整、応援基準、記録項目はマニュアル化できます。標準化するのは対応の型ではなく、判断の材料です。
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厚生労働省
身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
認知症の行動・心理症状がある場合も、そこには何らかの原因があるのであり、その原因を探り、取り除くことが大切である。自分の意志にそぐわないと感じている場合、不安や孤独を感じている場合、身体的な不快や苦痛を感じている場合、身の危険を感じている場合、何らかの意思表示をしようとしている場合などが想定される。したがって、こうした原因を除去する等の状況改善に努めることが重要である。
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- Q暴言や暴力がある場合も新人教育の範囲ですか?
- A
新人教育の範囲に含めますが、単独対応を求める範囲ではありません。認知症などに伴う言動としてケアの視点で見る場合でも、職員の安全確保、報告、共有、組織的対応は必要です。新人には、抱え込まないことを明確に教えます。
[syutten]
厚生労働省
介護現場におけるハラスメント対策マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947524.pdf
職員が一人で抱え込んでしまないようにすることはもちろん、相談や報告を受けた管理者等が一人で抱え込まないよう、また、ハラスメント対応で過度の負担がかかることのないよう、各事業を統括する法人の代表や法人本部が組織的に関与する体制を構築することが重要です。対応チームを作る等、組織として問題に対応する体制作りをしましょう。
[/syutten]
- Q記録には何を残せばよいですか?
- A
「拒否あり」だけでは不十分です。誘導した時間、本人の表情や言葉、身体状態、環境、試した声かけ、いったん引いた理由、再提案の結果、次に試すことを残します。記録は監査のためだけでなく、次の職員が同じ失敗を避けるための判断材料です。
[syutten]
厚生労働省
身体拘束廃止・防止の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001248430.pdf
記録はアセスメントからはじまる。まずはアセスメントを行った内容を記録したうえで、日々の心身の状態等の観察、拘束の必要性や方法にかかわる再検討を行うごとに逐次その記録を加えるとともに、それについて情報を開示し、職員間、施設全体、家族等関係者の間で直近の情報を共有する。
[/syutten]
- OJTで教える観察項目や応援基準を、現場で使えるマニュアルに整理したい場合は、排泄ケアマニュアルに入れるべき拒否対応|声かけ例・記録例・判断基準の作り方で、項目化の考え方を確認できます。
本部が迷いやすい論点は、任せる時期、マニュアル化の範囲、暴言・暴力時の扱い、記録内容です。どれも新人個人の頑張りではなく、組織として判断基準を示すテーマです。
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まとめ|排泄拒否OJTは現場の暗黙知を一つずつ言葉にする
排泄拒否への対応を新人に教えるとき、法人本部が目指すべきなのは、全施設に同じ声かけをさせることではありません。現場の熟練者が見ている観察項目、本人意思の確認、環境調整、引き際、応援基準、記録の残し方を、教えられる言葉に変えることです。
見て覚えるOJTは、先輩の技術が高いほど新人には見えにくくなります。だからこそ、排泄拒否の場面では、事前に見る項目を決め、見学後に判断の理由を説明し、部分実施のあとに記録と振り返りを行います。
新人を一人にしない基準を持つことは、教育を甘くすることではありません。本人の尊厳を守り、職員の安全を守り、ケアの質を法人全体で底上げするための仕組みです。
更新履歴
- 2026年1月9日:新規投稿
- 2026年4月11日:内容を全面的にリライト
- 2026年6月23日:内容を全面的にリライト







