「喉に詰まるのが怖くて、ついゼリーをスプーンで細かく刻んでしまう」という光景は、現場でよく見られます。安全への配慮からの行動ですが、実はそれが逆効果だとしたらどうでしょうか。
理想的なケアをしたくても、忙しい業務の中では「小さくすれば安全」という経験則に頼らざるを得ないのが現実です。すべてを変えるのは困難でも、まずはすくい方の一つから見直してみませんか。
この記事を読むと分かること
- 混ぜると危険な物理的理由
- 安全な「丸呑み」の仕組み
- 正しい「スライス」の手技
- 離水を見抜く観察眼
一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます
結論:ゼリーは「小さく砕く」のではなく「スライス」が正解

「お一人ずつ丁寧に見てあげたいけれど、食事介助の時間には限りがある」「喉に詰まったら怖いから、小さくしてあげたい」……。 これらは、多くの介護現場で聞かれる切実な本音です。限られた人員と時間の中で、安全を確保しようと工夫した結果が「ゼリーをクラッシュする(混ぜる)」という行動につながっていることも多いでしょう。
しかし、エビデンスの視点では、ゼリーは「形を保ったまま」の方が安全であるとされています。ここでは、なぜ「クラッシュ」がいけないのか、その理由を3つの視点から解説します。
1. 「丸呑み」を阻害してしまう
最も飲み込みやすいゼリー(コード0j)は、噛まずにそのまま「丸呑み」することを前提に設計されています。
本来、スプーンですくってそのまま口へ運べば、つるりと喉を通るはずのものです。しかし、良かれと思って細かくクラッシュしてしまうと、「丸呑み」ができなくなります。その結果、利用者は口の中でバラバラになったゼリーを処理しきれず、かえって誤嚥のリスクが高まってしまいます。

出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
コード 0j(嚥下訓練食品)は、スプーンですくい、そのまま口の中に運び咀嚼を要さずに嚥下すること(丸呑みすること)を目的とし、誤嚥した場合は喀出や吸引が比較的容易となることを意図している。
2. 「離水(りすい)」=水が出てしまう
ゼリーをかき混ぜたり細かく砕いたりすると、その断面から水分が染み出しやすくなります。これを「離水(りすい)」と呼びます。
この染み出した水分は、とろみのついていない「ただの水」と同じ状態です。ゼリーの固形部分は飲み込めても、分離した水だけが急速に喉へ流れ込み、むせ込み(誤嚥)の原因となります。安全なゼリーの条件として「離水が少ないこと」は必須です。

出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
コード 0j(嚥下訓練食品)は、最重度の嚥下障害者に評価も含めて訓練する段階において推奨する形態で、スライス状または食塊状のゼリー状で均質であり、付着性が低く凝集性が高く離水が少ないものとしている。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
食品が口の中で広がりやすいものや離水しやすいものは難易度が高い扱いとなる旨が述べられている。
3. 「まとまり」が失われる
嚥下機能が低下している方は、口の中で食べ物をひとまとまりにする(食塊形成)力が弱っています。
適切なゼリー(コード1j等)は、最初から「まとまり(食塊)」の状態になっています。これをクラッシュすることは、せっかくの「まとまり」を破壊する行為です。口の中で散らばったゼリーを再びまとめるのは非常に難しく、喉に残ったり、気管に入ったりする危険性を高めます。
出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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コード 1j(嚥下調整食 1j)は、ゼリー状・プリン状・ムース状などで、口腔外で既に適切な食塊状となっており、口腔内での食塊形成を要しないものとしている。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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コード 0j(嚥下訓練食品)は、スライス状にすくうことが容易で、スプーンですくった時点で適切な食塊状となっているものとしている。
ゼリーの安全性のカギは「まとまり」と「水が出ないこと」です。良かれと思って砕くそのひと手間が、実は一番危険な「水」と「バラつき」を生んでしまいます。まずは「混ぜずに、薄くすくう」ことから始めてみてください。
現場で起きがちな「良かれと思って」の落とし穴

「お一人ずつ丁寧に見てあげたいけれど、食事介助の時間には限りがある」「ご家族がせっかく持ってきてくれたものを断りづらい」……。 これらは、多くの介護現場で聞かれる切実な悩みです。理想的なケアと、目の前の業務を回さなければならない現実との間で、葛藤を感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、そんな忙しい現場でつい起きてしまいがちな事例と、エビデンスに基づいた「安全の境界線」について解説します。
1. 「小さくすれば安全」という誤解(クラッシュ提供)
「大きな塊だと喉に詰まるかもしれない」と心配になり、スプーンでゼリーをぐちゃぐちゃに混ぜて(クラッシュして)提供していませんか?
実は、最も飲み込みやすいとされる「コード0j(嚥下訓練食品)」では、ゼリーをスライス状にすくって、そのまま丸呑みすることが推奨されています。 過度に混ぜてクラッシュ状態にすると、口の中でバラバラになりやすく、かえってまとまり(食塊)を作るのが難しくなります。結果として、意図せず誤嚥のリスクを高めてしまう可能性があるのです。

出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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コード 0j(嚥下訓練食品)は、最重度の嚥下障害者に評価も含めて訓練する段階において推奨する形態で、スライス状または食塊状のゼリー状で均質であり、付着性が低く凝集性が高く離水が少ないものとしている。スプーンですくい、そのまま口の中に運び咀嚼を要さずに嚥下すること(丸呑みすること)を目的とし、誤嚥した場合は喀出や吸引が比較的容易となることを意図している。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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コード 0j(嚥下訓練食品)は、スライス状にすくうことが容易で、スプーンですくった時点で適切な食塊状となっているものとしている。量や形に配慮してスプーンですくい(例:スライス状),そのまま口の中に運び咀嚼に関連する運動は行わず嚥下すること(丸呑みすること)を目的とする。
2. 時間経過による「隠れ離水」の見落とし
配膳から時間が経ったり、作り置きしていたゼリーの容器の底に、うっすらと水が溜まっていることはありませんか?
この現象を「離水(りすい)」と呼びます。「少しの水だから大丈夫だろう」と判断しがちですが、この染み出した水分はとろみのない液体と同じ速度で喉へ流れ込みます。 ゼリー本体は飲み込めても、この水分だけが先行して気管に入ることで、むせ込みの原因となるケースが非常に多いため、提供直前の確認が不可欠です。
出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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コード 0j(嚥下訓練食品)は、最重度の嚥下障害者に評価も含めて訓練する段階において推奨する形態で、スライス状または食塊状のゼリー状で均質であり、付着性が低く凝集性が高く離水が少ないものとしている。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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コード 2―1(嚥下調整食 2―1)は、スプーンですくって食べるペースト状で、均質でなめらかで,べたつかず,まとまりやすいものとしている。主食の例として、付着性が高くないミキサー粥や粥ペースト等の記載があり、食品が口の中で広がりやすいものや離水しやすいものは難易度が高い扱いとなる旨が述べられている。
3. 市販の「吸うゼリー」への過信
ご家族から「これなら飲めるから」と、市販のパウチ入りゼリー(いわゆるドリンクゼリー)を渡される場面もよくあります。
しかし、市販品の多くは最初からクラッシュ状態(砕かれた状態)で出てくるため、口の中で広がりやすく、嚥下機能が低下した方には難易度が高い場合があります。 また、製品によっては離水が多いものもあるため、「ゼリーと書いてあれば安心」と過信せず、中身の状態を確認する必要があります。
出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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ゼリー飲料(いわゆるドリンクゼリー)はサラサラの液体よりも誤嚥しにくい場合が多く、選択肢を多くするうえでも好みに配慮する点でも積極的に導入を検討してよいとする。一方で一般消費者向け市販品には離水量が多いものや離水した液体の粘性が低くサラサラしすぎるものが含まれるため、難易度や危険性はおおむね薄いとろみに近いものとして扱うが、臨床適用にあたっては個別の検討が必要としている。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
ゼリー飲料(いわゆるドリンクゼリー)はサラサラの液体よりも誤嚥しにくい場合が多く、選択肢を多くするうえでも好みに配慮する点でも積極的に導入を検討してよいとする。一方で一般消費者向け市販品には離水量が多いものや離水した液体の粘性が低くサラサラしすぎるものが含まれるため、難易度や危険性はおおむね薄いとろみに近いものとして扱うが、臨床適用にあたっては個別の検討が必要としている。物性の測定方法や嚥下難易度の知見が蓄積されていないため,今後の研究が待たれるとしている.
ゼリーだからといって無条件に安全なわけではありません。特に「混ぜない」「水が出ていないか見る」の2点は、特別な道具がなくてもすぐに実践できる重要なポイントです。まずはここから確認を始めてみましょう。
現場の「なぜ?」を解消する3つの視点

「誤嚥が怖いのはわかるけれど、具体的にどこを見ればいいの?」「一人ひとりつきっきりで観察するのは、人員配置的に無理がある」 これらは、多忙を極める介護現場で誰もが抱く本音ではないでしょうか。特に食事介助が重なる時間帯は、安全と効率の板挟みになりがちです。
ここでは、「なぜそれが危険なのか」という理由を整理します。理由がわかれば、忙しい中でも見るべきポイントが絞り込まれ、漠然とした不安を減らすことができます。
1. なぜ「水が出る」と危険なのか?
ゼリーから染み出した「水(離水)」は、とろみのついていないサラサラの液体と同じ状態です。 嚥下障害がある方は、液体のように流れる速度が速いものを、飲み込むタイミングに合わせて制御することが苦手です。そのため、ゼリーの固形部分は飲み込めても、分離した水分だけが一瞬で気管に入り込むリスクが高まります。
出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
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コード 0j(嚥下訓練食品)は、最重度の嚥下障害者に評価も含めて訓練する段階において推奨する形態で、スライス状または食塊状のゼリー状で均質であり、付着性が低く凝集性が高く離水が少ないものとしている。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
食品が口の中で広がりやすいものや離水しやすいものは難易度が高い扱いとなる旨が述べられている。
2. なぜ「スライス」ですくう必要があるのか?
嚥下機能が低下している方は、口の中で食べ物をひとまとまり(食塊)にする機能が弱っています。 最初からまとまりが良い「スライス状」のゼリーであれば、口の中での処理(食塊形成)を省略して、そのままつるりと丸呑みすることができます。しかし、細かくクラッシュしてしまうと、口の中でバラバラに広がってしまい、再びまとめることができずに誤嚥や咽頭残留につながりやすくなります。
出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
コード 0j(嚥下訓練食品)は、スライス状にすくうことが容易で、スプーンですくった時点で適切な食塊状となっているものとしている。量や形に配慮してスプーンですくい(例:スライス状),そのまま口の中に運び咀嚼に関連する運動は行わず嚥下すること(丸呑みすること)を目的とする。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
コード 1j(嚥下調整食 1j)は、ゼリー状・プリン状・ムース状などで、口腔外で既に適切な食塊状となっており、口腔内での食塊形成を要しないものとしている。
3. なぜ「声の変化」が重要なのか?
「むせ(咳)」はわかりやすい誤嚥のサインですが、高齢者の中には感覚が低下し、誤嚥してもむせない方(不顕性誤嚥)がいます。 一方で、食べ物が喉に残ったり気管に入りかけたりすると、声が湿った音(湿性嗄声)に変わったり、呼吸の状態が変化したりします。これらは、むせが見られない場合でも誤嚥のリスクを察知するための重要な手がかりとなり、観察の精度を高めることができます。
出典元の要点(要約)
国立国際医療研究センター嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書
https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf
観察評価でのむせと検査での誤嚥の一致率は高くなく、補助項目を加えても1割の誤嚥が捕捉できなかった。むせが見られない不顕性誤嚥への対応として、頸部聴診、声質の変化、呼吸観察の3項目を補助項目として検討したところ、むせのみによる誤嚥検出の感度は34.6%であったが、この3項目を加えた4項目のいずれかが該当する場合、感度は54.3%に向上した。
国立国際医療研究センター
嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書
https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf
「声質の変化」では、飲み込み後に発声させ、湿性嗄声などの変化を確認する。
これらの理由は、決して難しい医学知識ではなく、「水は速いから危ない」「バラバラだとまとめられない」といった物理的な現象です。この仕組みさえ頭にあれば、マニュアル通りの対応ができない緊急時でも、危険な食事を直感的に避けることができるようになります。
現場で迷う「これってどうなの?」FAQ
マニュアルには「クラッシュしない」と書いてあっても、実際の現場では「大きいままでは喉に詰まるのではないか」「家族の意向はどうすればいいか」と判断に迷う場面が多々あると思います。 ここでは、現場で不安を感じやすい疑問について、エビデンス(学会分類)に基づいた回答をまとめました。日々のケアの参考にしてください。
- Q一口が大きいと詰まるのが心配です。どうすれば良いですか?
- A
「大きさ(体積)」を小さくするために砕くのではなく、スプーンで薄く「スライス状」にすくい取る方法が推奨されます。 最も飲み込みやすいとされる「コード0j(嚥下訓練食品)」は、スライス状にすくうことで、噛まずにそのまま「丸呑み」しやすい形状になるよう設計されています。無理に砕くと口の中でバラバラになり、かえってまとめるのが難しくなるため、形を保ったまま薄くすくうことが安全につながります。
出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
コード 0j(嚥下訓練食品)は、スライス状にすくうことが容易で、スプーンですくった時点で適切な食塊状となっているものとしている。量や形に配慮してスプーンですくい(例:スライス状),そのまま口の中に運び咀嚼に関連する運動は行わず嚥下すること(丸呑みすること)を目的とする。
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
コード 0j(嚥下訓練食品)は、最重度の嚥下障害者に評価も含めて訓練する段階において推奨する形態で、スライス状または食塊状のゼリー状で均質であり、付着性が低く凝集性が高く離水が少ないものとしている。
- Q家族が買ってきた「ゼリー飲料(パウチ容器)」は使っても大丈夫ですか?
- A
必ずしも安全とは限らないため、注意が必要です。 市販のゼリー飲料(いわゆるドリンクゼリー)には、水分が分離しやすい(離水量が多い)ものや、粘性が低くサラサラしすぎるものが含まれており、誤嚥のリスクがある場合があります。また、容器から出す時点でクラッシュ(砕かれた)状態になっていることが多いため、学会分類の基準(コード0jや1j)に適合しているか、個別に確認することが望ましいとされています。
出典元の要点(要約)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
ゼリー飲料(いわゆるドリンクゼリー)はサラサラの液体よりも誤嚥しにくい場合が多く、選択肢を多くするうえでも好みに配慮する点でも積極的に導入を検討してよいとする。一方で一般消費者向け市販品には離水量が多いものや離水した液体の粘性が低くサラサラしすぎるものが含まれるため、難易度や危険性はおおむね薄いとろみに近いものとして扱うが、臨床適用にあたっては個別の検討が必要としている。
現場で「何かおかしい」「危ないかも」と感じる直感は、利用者様を守るための大切なサインです。 ここで紹介した「スライスしてすくう」「市販品は水っぽくないか確認する」というポイントを少し意識するだけでも、自信を持って安全な介助ができるようになります。全てを一度に変える必要はありませんので、まずはできることから取り入れてみてください。
まとめ:「砕かない」勇気が、利用者の安全を守ります
ここまで、ゼリーをクラッシュすることのリスクについて解説してきました。「小さくすれば安全」という思い込みは、実は誤嚥を招く「水(離水)」と「バラつき」を生む原因となってしまいます。
ゼリーの安全管理で最も大切なのは、形を壊すことではなく、「形を保ったまま、薄くすくうこと」です。これだけで、喉での詰まりを防ぎつつ、スムーズな飲み込みを助けることができます。
明日の食事介助では、いつものようにスプーンで混ぜる手を、一度止めてみてください。そして、ゼリーを崩さずに「薄くスライス」して口に運んでみてください。そのひと手間が、利用者の「食べる喜び」と安全を守る大きな一歩になります。
最後までご覧いただきありがとうございます。この記事が、日々の多忙な業務の中で、少しでもお役に立てれば幸いです。
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更新履歴
- 2026年1月13日:新規投稿


