アルツハイマー型認知症 同じ質問対策5選

アルツハイマー型認知症 同じ質問対策5選 ハウツー

同じ質問への対応で業務が止まると感じてるからいらっしゃいますよね?
説明してもすぐにまた尋ねられ、いらだちと自己嫌悪が入り混じる——そんな負担は珍しくありません。ここでは実体験ではなく、公的な根拠に基づき、現場で再現できる方法だけを丁寧にまとめます。

結論として、アルツハイマー型認知症で同じ質問が繰り返されるのは病気の特性と不安の表れであり、まずケアを整えることが重要です。日本認知症学会のガイドラインは非薬物的介入を第一選択と明記しています。東京都福祉局の研修テキストでは短く具体的に伝えることや見える化が有効と言っています。厚生労働省のガイドラインでは一貫した関わりと意思決定支援を重視すると述べられ、日本神経学会のガイドラインでは病態理解とケアの基本が整理されています。

ポジティブな女性の介護職員

💡この記事を読んで分かる事
同じ質問が起きる背景と、日本認知症学会・日本神経学会・厚生労働省・東京都福祉局の資料に基づく見える化安心の言葉対応の統一注意転換という再現可能な要点が整理され、現場での導入手順が明確になります。


🔷結論:「アルツハイマー型認知症 同じ質問対策5選――見える化・安心の言葉・対応の統一・注意転換・環境調整をすればいい」

同じことを何度も聞かれて業務が止まる—そのしんどさは珍しくありません。ここでは実体験ではなく、公的エビデンスに基づく再現可能な対策だけを最初に整理します。

ストレスが溜まっている女性介護職員

🔶まず理解をそろえる:病気の特性を前提にする

アルツハイマー型認知症では近時記憶や理解速度の低下が起こり、同じ疑問が再浮上しやすくなります。対応の出発点は「わざとではない」という病気の特性の共有です。日本神経学会のガイドラインでは病態と診療の基本が整理され、厚生労働省の教材では「短く、分かりやすく」の配慮が示されています。

※エビデンス

日本神経学会
認知症疾患診療ガイドライン2017(アルツハイマー型認知症)
アルツハイマー型認知症の病態、臨床症状、評価、治療の枠組みを体系的に提示。中核症状の理解を土台に、非薬物的介入の位置づけも整理している。現象を病態として捉えることが標準的診療の前提である点を明確に示す。
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_06.pdf

厚生労働省
認知症ケア法-認知症の理解(研修テキスト)
家族・介護者が気づく変化として「同じことを何度も言ったり聞いたりする」を挙げ、簡潔で具体的な伝え方や自尊心を傷つけない関わりを提示。ケアの基本原則とコミュニケーション配慮を実践的に整理している。
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701055.pdf

🔶現場で効く5本柱を標準化する

非薬物的介入を第一選択に、①見える化(予定・Q&A掲示)②安心の言葉(短く具体的)③対応の統一(標準フレーズ)④注意転換(回想・同行・作業)⑤環境調整(音・光・座席・掲示位置)を同じ手順で回します。東京都の研修テキストは短く具体的・視覚情報の併用を示し、日本認知症学会のガイドラインはケア優先の原則を明確にしています。

※エビデンス

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
認知症の中核症状とBPSDの理解、短く具体的な伝達、視覚情報の併用、環境調整、部署単位での標準的対応手順整備までを体系化。現場で再現しやすい実装指針を提供する。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_1.pdf

日本認知症学会
BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版・2025年)
BPSD対応の原則として非薬物的介入が第一選択であることを明確化。環境調整・ケアの見直し等を優先し、薬物は必要時に慎重に検討する立て付けを示す。
https://dementia-japan.org/wp-content/uploads/2025/06/guideline.pdf

🔶チームで回す仕組み化:一貫性と合意形成を整える

人によって返答が変わると不安は強まりがちです。対応の統一(標準フレーズ、掲示版の運用ルール)、合意形成(家族を含む共有)、短い振り返りで手順を維持します。厚生労働省の意思決定支援ガイドラインは本人の意思を中心にした協働を示し、東京都の教材は部署単位の手順整備を促しています。

※エビデンス

厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン
本人の意思の汲み取りと合意形成、支援チームの役割を体系化。日常場面での支援プロセスを重視し、過度な制限を避けつつ一貫した支援を行う視点を整理している。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
部署単位での標準的対応手順の整備や教育・チェックシートの活用を提示。チーム内の一貫性確保が混乱の低減に寄与する構えを示す。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_4.pdf

最初の一歩は見える化対応の統一から。小さく始め、同じ表現で続けることで、負担は確実に軽くなります。次のセクションでは、実際の場面で役立つ手順をさらに具体化します。


🔷事例:「現場でよくある“同じ質問”ケース3選—見える化と対応の統一で回数を減らす」

食事前や夕暮れ帯、職員交代のタイミングに質問が重なりやすい—そんな場面を想定し、見える化短く具体的な返答注意転換の手順を整理します。

虫眼鏡が机に置いてある

🔶「お昼はあるの?」が止まらない:食前の不安に先回りする

食前は期待と不安が混在しやすく、同じ質問が続きます。入口に今日の予定ボードと献立掲示を置き、標準フレーズ「お昼は12時です」で短く具体的に返答。指差しで掲示を一緒に確認し、必要に応じて配膳準備や席誘導へ注意転換します。返答の一貫性が不安を下げ、再質問の回数を抑えます。

※エビデンス

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
認知症の中核症状とBPSDの理解に基づき、短く具体的な伝達、視覚情報の併用、部署単位の標準的対応手順整備を提示。食事など日常場面での情報提示と手順化の重要性を具体化している。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_1.pdf

厚生労働省
認知症ケア法-認知症の理解(研修テキスト)
「同じことを何度も言ったり聞いたりする」変化に対し、わかる言葉で簡潔に、否定や叱責を避けて自尊心を守る関わりを示す。掲示や説明の工夫が不安軽減に役立つ点を整理。
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701055.pdf

🔶夕暮れ帯の「家に帰る」:安心を伝えて歩行へ

日没前は見当識が揺らぎ、「帰る」質問が増えることがあります。個人差があるため、時間帯の特徴を観察し、環境調整と同じ表現での対応を続けます。安心の言葉をまず伝え、写真アルバムで会話を整え、短い歩行や居室への同行で注意転換環境調整として照度を整え、掲示の位置を見やすくします。焦らず同じ表現を続けることで、落ち着きが戻りやすくなります。

※エビデンス

日本認知症学会
BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版・2025年)
BPSD対応は非薬物的介入が第一選択。環境調整・ケアの見直し・心理的介入を優先し、薬物は必要時に慎重に検討する枠組みを明確化。
https://dementia-japan.org/wp-content/uploads/2025/06/guideline.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
視覚情報の併用環境調整部署単位の手順化を提示。時間帯の特性に合わせた伝え方と行動の切り替えを具体化。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_4.pdf

🔶服薬後の「薬、飲んだ?」:指差し確認で合意をつくる

服薬直後の再確認は近時記憶の特性から起こりやすい現象です。服薬チェック表を本人と一緒に指差し確認し、標準フレーズで短く応答。必要に応じてコップやトレーの定位置化で視覚手がかりを追加し、同じ順序で毎回運用します。見える化一貫性が安心につながります。

※エビデンス

日本神経学会
認知症疾患診療ガイドライン2017(アルツハイマー型認知症)
アルツハイマー型認知症の病態理解(近時記憶・情報処理)を土台に、評価と治療、非薬物的介入の位置づけを整理。反復的行動を病態として理解し、ケアで対応する前提を示す。
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_06.pdf

厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン
本人の意思の汲み取りと一貫した支援の重要性を明確化。日常の合意形成プロセスを通じて安心を担保し、過度な制限を避ける視点を提示。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

どの場面でも合言葉は見える化同じ表現。小さな手順を同じ順序で回し続けることが、質問のループをやさしくほどく近道になります。次は実装手順をさらに具体化します。


🔷理由:「なぜ“同じ質問”が起きるのか—病気の特性・不安・相互作用・ケア優先」

現場で起きている現象を構造として理解すると、対応がぶれにくくなります。ここでは病気の特性、不安の高まり、関わり方の相互作用、非薬物的介入の位置づけを土台に整理します。

解説をしている女性介護士

🔶病気の特性:近時記憶と情報処理の低下が土台にある

アルツハイマー型認知症では近時記憶や理解・注意の低下が進み、数分前の説明が定着しにくくなります。結果として同じ疑問が再浮上しやすく、長い説明は逆効果になりがちです。短く具体的に、同じ表現で繰り返し確認する前提が必要です。

※エビデンス

日本神経学会
認知症疾患診療ガイドライン2017(アルツハイマー型認知症)
アルツハイマー型認知症の病態、臨床症状、評価、治療を体系化。中核症状としての記憶障害・実行機能低下を解説し、非薬物的介入の位置づけを整理。現象を病態として捉え、過不足ない説明と手立て選択を促す。
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_06.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
認知症の中核症状とBPSDの理解を前提に、短く具体的に伝える、視覚情報の併用など実践的コミュニケーションを提示。長い説明や複雑な指示が混乱を招く点に注意を促す。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_1.pdf

🔶不安と見当識の揺らぎ:確認行動としての質問が生じる

予定・場所・人に関する不安が高まると、質問という確認行動が増えます。否定ではなく安心の言葉見える化で不安の根を下げると、質問頻度は下がりやすくなります。自尊心を守る関わりが前提です。

※エビデンス

厚生労働省
認知症ケア法-認知症の理解(研修テキスト)
家族・介護者が気づく変化として同一内容の反復を挙げ、わかる言葉で簡潔に伝えること、叱責を避け自尊心を守る配慮を提示。見える化を含む日常支援の工夫を具体化。
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701055.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
視覚情報の併用、環境調整、部署単位の手順化を通じ、不安を軽減し混乱を抑えるアプローチを整理。時間帯や場面ごとの配慮点を明確に示す。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_4.pdf

🔶相互作用としてのループ:応答の“型”が持続にも停止にも影響する

やり取りの応答の型が、質問の再起動にも収束にも影響します。終わりを支える返答(要点の再提示→掲示の指差し→行動への移行)を同じ順序で行うと、ループがほどけやすくなります。一貫性が鍵です。

※エビデンス

厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン
本人の意思の汲み取りと一貫した支援を重視し、日常の話し合いと合意のプロセスを提示。過度な制限を避け、同じ枠組みで関わる重要性を明確化。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
部署単位の標準的対応手順視覚情報の併用環境調整を通じ、やり取りの型をそろえる重要性を具体化。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_3.pdf

🔶非薬物的介入が第一選択:ケアと環境を先に整える

BPSDを含む行動面の対応は非薬物的介入が第一選択です。見える化・安心の言葉・環境調整を優先し、薬物は必要時に低用量から慎重に検討する流れを保ちます。ケア優先をチームで徹底します。

※エビデンス

日本認知症学会
BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版・2025年)
BPSD対応の原則として非薬物的介入を第一選択とし、環境調整・ケアの見直し・心理的介入を優先。薬物は有益性とリスクを評価し最小用量で慎重に運用する枠組みを示す。
https://dementia-japan.org/wp-content/uploads/2025/06/guideline.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
短く具体的な伝達、視覚情報の併用環境調整など、非薬物的な実装手順を現場目線で整理。部署運用に落とし込む視点を提供。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_1.pdf

🔶チームの一貫性と標準化:ばらつきを減らす仕組みが効く

個々人で対応が変わると不安が増幅しやすくなります。標準フレーズ、掲示の運用ルール週次の振り返りを組み込み、同じ表現・同じ順序で回します。家族との合意も含めて一本化します。

※エビデンス

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
部署単位の標準的対応手順整備、教育・チェックシートの活用、環境整備を提示。一貫性が混乱を抑えることを具体的に示す。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_4.pdf

厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン
支援者間の合意形成プロセスを定義し、一貫した支援と本人中心の意思尊重を求める。チーム内外で表現を合わせる基準となる。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

理解がそろうと迷いが減り、同じ表現で続けられるようになります。次のセクションでは、現場で役立つ手順とチェックのポイントをさらに具体化します。


🔷よくある質問:アルツハイマー型認知症の同じ質問と対策FAQ

Q
アルツハイマー型認知症で「同じ質問ばかりしてくる」のは直せる?
A

病気の特性(近時記憶や情報処理の低下)による現象です。叱責や説得で“直す”のではなく、見える化短く具体的な伝え方対応の統一などの非薬物的介入を軸に、安心できる環境を整えます。

※エビデンス

日本神経学会
認知症疾患診療ガイドライン2017(アルツハイマー型認知症)
アルツハイマー型認知症の病態と臨床像を整理し、近時記憶障害・理解低下を中核症状として提示。過不足のない説明とケア選択を促し、非薬物的介入の位置づけを明確化。
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_06.pdf

Q
質問の回数を減らすには、結局なにをすればいい?
A

見える化(予定・Q&A掲示)安心の言葉対応の統一(標準フレーズ)、注意転換(回想・同行・作業)、環境調整(音・光・掲示位置)を同じ手順で回します。非薬物的介入が第一選択です。

※エビデンス

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
短く具体的に伝える、視覚情報の併用、環境調整、部署単位での標準的対応手順の整備を提示。現場で再現可能なコミュニケーションと運用の枠組みを示す。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_1.pdf

日本認知症学会
BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版・2025年)
BPSD対応では非薬物的介入を第一選択とし、環境調整・ケア見直し・心理的介入を優先。薬物は有益性とリスクを評価し、必要時に慎重に検討する枠組みを示す。
https://dementia-japan.org/wp-content/uploads/2025/06/guideline.pdf

Q
忙しいときの“最小限の対応フロー”は?
A

標準フレーズで短く返答→掲示を指差し確認→可能なら行動への誘導(着席・歩行・配膳準備)。この同じ順序をチーム全員で共有します。ばらつきを減らすことで、不安の再燃を抑えます。

※エビデンス

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
視覚情報の併用、環境調整、部署単位での手順化を具体化。短く具体的な伝達と標準化により、混乱の低減と一貫した対応を促進。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_4.pdf

厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン
日常場面での合意形成プロセスを定義し、本人の意思を尊重しつつ一貫した支援を行う枠組みを提示。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

Q
家族や他職種と表現がバラバラで混乱する。どう合わせる?
A

対応の統一が鍵です。標準フレーズ表掲示運用ルールを共有し、家族にも同じ表現を依頼します。同じ表現・同じ順序で支援し、合意形成を定期的に確認します。

※エビデンス

厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン
本人中心の意思決定と支援者間の合意形成を重視。過度な制限を避け、一貫性のある支援で安心を担保する視点を示す。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
部署単位の標準手順、教育・チェックシート活用を提示。一貫性を保つ仕組み作りが混乱を抑制することを整理。
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/pdf/nurse_4.pdf

Q
薬で質問の回数は減らせる?
A

まずケアと環境を整えます。改善が乏しく、BPSDが強い場合に限り、有益性とリスクを評価して低用量から慎重に検討します。長期使用は避け、効果判定と見直しを継続します。

※エビデンス

日本認知症学会
BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版・2025年)
非薬物的介入を第一選択とし、薬物は必要時に慎重に運用。評価尺度の活用と継続的な効果・副作用確認、長期使用回避などの留意点を体系化。
https://dementia-japan.org/wp-content/uploads/2025/06/guideline.pdf

日本神経学会
認知症疾患診療ガイドライン2017(アルツハイマー型認知症)
治療全体の枠組みを提示し、薬物療法の適応と限界、非薬物的介入の重要性を整理。個別性を踏まえた慎重な対応を求める。
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_06.pdf


🔷まとめ:「今日から見える化と対応の統一を小さく始める」

現場の負担を減らす近道は、難しい新技術ではなく、同じ表現・同じ手順で回すことです。アルツハイマー型認知症の病気の特性を前提に、非薬物的介入を第一に据え、チームで標準フレーズ掲示運用を合わせましょう。小さな一歩でも、継続すれば確かな変化につながります。

要点の再確認

  • 見える化(予定・Q&A掲示)で情報を外部化
  • 安心の言葉を短く具体的に
  • 対応の統一(標準フレーズ・指差し確認・同じ順序)
  • 注意転換(回想・同行・軽作業)と環境調整(音・光・掲示位置)
  • 家族を含めた合意形成と、週次の質問回数レビュー

出典:
日本認知症学会
かかりつけ医・認知症サポート医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版・2025年)
https://dementia-japan.org/wp-content/uploads/2025/06/guideline.pdf

日本神経学会
認知症疾患診療ガイドライン2017(アルツハイマー型認知症)
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_06.pdf

厚生労働省
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

厚生労働省
認知症ケア法-認知症の理解(研修テキスト)
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701055.pdf

東京都福祉局
看護師認知症対応力向上研修テキスト(令和6年改訂)
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/manual_text/nurse/nursetext/index.html

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